2016年09月06日

(100日間リベンジ再び)6週目 (ダイエットやや挽回、減酒習慣改善)


※今回は日記です。

100日間、文書きとか悪習慣断ち(無駄酒、無駄インターネット)とか、ダイエットとか英語とか頑張ります!と宣言させていただいた、その経過とその他つれづれを書かせていただきます。
 これまでの経過一覧はコチラです。

1,ダイエット

 先週、前の週より1kg増です……とご報告しましたが、そこから0.8kg減りました。(先々週よりは+0.2kg)
 色々改善したい、と決意したのが、7月26日なので、42日間で1.2kg減です。

 うーん……あんまりパッとしないけれど、カロリー制限や運動が定着したとは言い難い日々だったんで、こんなもんかなと。

 ちなみに、今回ちょっと減ったのは、バクゼンと食べるとか、お酒をくぴ飲みするとかが減ってきたからかなと思います。(詳しくは下部「3、減酒」で書かせていただいています。)

 そろそろ家でもストレッチくらいは習慣化したいです。


2,無駄ネット

 ゴシップ記事閲覧禁止は定着した感があります。
きっかけをくださった本「やめてみた(わたなべぽんさん作)」についての当ブログ記事はコチラです。
 「やめたほうがいい」というリクツだけじゃなく、弊害と成功の体験談を読むとすごく響くとよくわかりました。

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -
やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -

 「無駄とは言い切れないけど、今読まなきゃダメか?」的部門(ニュース、Kindle本検索)の閲覧時間も相当減りました。

先週ご紹介させていただいた『ストレスが消える「しない」健康法』(小林弘幸 著)に、
ストレスが消える「しない」健康法 (角川SSC新書) -
ストレスが消える「しない」健康法 (角川SSC新書) -

・だらだらネット閲覧はストレスのサインの一つ。
・体がストレスを感じて現実逃避をしている状態で。「どうでもいいや」と投げやりになったとき、「与えられる情報」を受け続けるという行動をとりがち。
・こういうとき、いきなり作業に戻るのはかなり大変なので、自分は今ストレスを感じている、ということを考えると冷静になれる

……という解説があったので、寝っ転がっててっちてっちとネット画面を無感動にクリック&スワイプしている自分に気づいたときは、「あ……「与えられる情報」を受け続けている……」と思って、代わりにほふく前進して以下のような行動をとるようにしました。

 【1】ヒーリング音楽を聴く。(CDプレイヤーとイヤホンをスタンバらせておくと、ネットツールから手が離せてより安全〈CDもこの際入れっぱなしにしてしまっています。疲れてるといちいち棚から取り出すなんてできないから。〉)

 【2】アロマを嗅ぐ(グレープフルーツ〈不安解消、緊張をほぐす〉とか、フランキンセンス※〈心と呼吸をととのえる〉だと、男性でもそんなに抵抗なく部屋にとりいれられると思います。)
 ※フランキンセンス……別名「乳香」木の樹脂から作られ、ウッディさの中にレモンがまじったような香り。キリスト生誕の際に三賢者の一人がささげたとされる。もうちょっと安くて、どこのお店でも扱ってる感じになると助かるんですがね……。
 (参照:アロマオイル効能ガイド http://aroma-guide.net/

 【3】アロマの香りを吸い込むようにして深呼吸をして目を閉じる

 【4】最悪寝ちゃう。(このためCDプレイヤーは停止しやすいように枕元に置いてあります。)
   ※ダメじゃんとは自分でも思うけど、ネットてっちてっち1時間→寝落ち→朝という必敗パターン(イヤダ)より、1時間仮眠して起きるか、あるいは朝まで寝ちゃったとしても、画面から出るブルーライト(交感神経を刺激して熟睡を阻むと言われている)浴びなかっただけ全然マシ

【1】〜【4】は既に有名なストレス解消法なんですが、わかっとるがなと思いつつ、これまではなかなかできませんでした。

でも、「ストレスで身動きができないときは、気力で作業に戻るのは難しいから、体のケアを先にしたほうがいい」という上記本のお説が響いたんで、じゃあ、こんな感じで……みたいに思いながら、どうにかこうにかほふく前進ができるようになりました。


3,減酒

 6週目にして一番目覚ましく改善できたのはこの減酒習慣です。

 「人飲むとき以外飲酒禁止」を目標にしていたのに、週5日くらい、半缶〜1缶をくぴ飲みしてしまう癖がどーーしても抜けなかったんですが(すなわちあんまり休肝できてない)、今はひとりくぴ飲みを週2日程度に減らせていますし、人と飲んでも適量の範囲内にできました(ワイングラス1〜2杯程度)。

 「そんなことあったっけヒック」(with 酒瓶)となる日もいつ来るかわかりゃしないので、忘れないうちに、飲酒習慣改善に役立ったと思われる要素について書き留めさせていただきます。

 ・ノンアル飲料グレードアップ
  わたなべぽんさんも採用なさっていた「アルコールの代わりに炭酸水」というメソッドについて、それまではただペットボトルの炭酸水を使っていたのですが、ぽんさん同様、リンゴや有機レモンの果汁でフレーバーを加えました。(レモンの場合は少しはちみつを加えました。)

 さらに、脳の緊張状態をほどくには、温かい飲み物が効くみたいなので、コーヒーや、上記はちみつレモンを温めたものを飲むようにしました。

 ・ブログで経過を報告する
  ここのところ連続で、「飲んじゃいましたテヘペロ」みたいな記事を書かざるを得なかったので、なんだかだんだん怖くなって(11月末まで毎週欠かさずテヘペるんじゃないかと……)、まともなご報告がしたいと気合を入れなおしました。よく、悪習慣を断つには周囲に宣言してしまったほうがいいといいますが、本当なんだとついに実感した。

 ・自分の心をケアするという意識になる
 私はいわゆる「うぐうぐうぐプハー、ビールうんめぇぇぇ!!」や、「このワインはボルドーのメドック、タンニンの効いた芳醇さが……」とかいう意識でお酒を飲むことはほとんどなく、ただ、なにか、めんどくさいなという作業の前に一杯やりたくなるという変な傾向があります。

 とにかく最近、「締め切りがはっきり決まった義務」以外のことで動くのがめんどう×2でしかたないのですが、それは、ストレスがたまっているからなのだ、思った以上に疲れているのだ、ということに気づき、自分の脳内に、医者を常駐させてケアにつとめるような気構えにしました。

 そして、面倒がる自分をナマケモノと批判せず、ストレスの原因についても、自分がマヌケだからとか、他人が悪いからとかの結論づけはちょっと脇に置いて、「疲れてる自分の心を自分でケアする」ということに集中しました。

 私のストレスなんてヌルイもんだ、と、自分に言い聞かせていたときは、多分、強引に殴り倒して埋葬したつもりのストレスが、ずっと無視を恨んで眼前にたたずんでいるような状態だったんだと思います。

 だから、何かしようとしてもぐちゃついた気分が全身にからみついて、一挙一動疲れた。
 行動の邪魔になるこの心のぐちゃつきを麻痺させるために、くぴ飲みがやめられなかったんだと思います。

 でも、とにかく今自分は疲れているし傷ついているんだ、反省とかいや自分は悪くないのだとかいう整理は後回しにして、自分の傷を治そう、と思うと、それだけで、お酒を飲みたいという気持ちがガクンと下がりました。完ぺきとはいえないけれど本当に劇的な変化だったと思います。
(キリキリ我慢して飲まないんじゃなく。そんなに飲まないでも平気になったことが大きい。)

 何故自分の気持ちや痛みに注目するようになったかについては、またもう少し詳しく書かせていただけたらと思いますが、とりあえず上記小林先生の本や、その他今まで読み漁った本や漫画の情報が、ついに、人の意見ではなく自分の腑に落ちたというのが大きかったと思います。悩みにまつわる本を読みまくるというのは、自分には有効な手段でした。

 以上、日記でした。また来週火曜日にご報告させていただきます。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 23:50| 100日間リベンジ再び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

太宰治「人間失格」(原作あらすじ)



 今日は太宰治の代表作『人間失格』のあらすじについてご紹介させていただきます。

 これから何回か、この作品と、これを漫画化した作品『まんがで読破 人間失格』について書かせていただく予定です。


人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫) -
人間失格、グッド・バイ 他一篇 (岩波文庫) -

人間失格 ─まんがで読破─ -
人間失格 ─まんがで読破─ -

 以下、原作あらすじです。結末までネタバレですので、あらかじめご了承ください。(一部不適切と思われる用語がありますが原作のまま使用させていただきます。)
 
 物書きの「私」は、ある奇妙な3枚の写真と長い手記が記されたノートを手に入れる。

 それぞれに底知れない不吉と嫌悪感を抱かせる3枚の写真に写っていたのは一人の男。そして手記は、その不吉を発する一人の男、大庭葉蔵の生涯について語られていた。
 
「恥の多い生涯を送って来ました。」
そんな言葉からはじまる葉蔵の人生の告白。

 東北の非常に裕福な家庭に生まれ、何不自由無い暮らしだったはずだが、幼い頃から飢えを知らず、使用人と家族の間で人間の裏表を見てきた彼は、人間に恐怖し、彼らを理解できないことに苦しみ続けていた。
 
 怯えの中で、せめて人間を笑わせる道化となることに、彼らの間で生き延びる道を見出した葉蔵は、ある日彼のクラスメートで、彼の意図的な道化を指摘した竹一から「お化けの絵だよ」と見せられたゴッホの自画像に衝撃を受ける。

 ゴッホ、モジリアニ、竹一の目にはお化けや地獄の馬に見える人間を描いた人たち。

 彼らは、人間に痛めつけられた果てに、人間の中に、妖怪を見た、そしてその恐怖を自分のように道化で誤魔化さずに、見えたままの表現に努力した。そして敢然と人間をモチーフとして「お化けの絵」を描いたのだ。

 そう思って涙が出るほど感動した葉蔵は、自分も彼らのような絵描きになりたい、と、強く思うようになる。

 普段のお道化を封印して、ひそかに自画像を描いた葉蔵。

 人の思惑に少しも頼らない、主観による創造、それを心がけて描いたその絵は、驚くほどに陰惨な、満足の行く出来に仕上がったが、葉蔵はそれを竹一にだけ見せて、他の人たちには自分のこうした暗部を知られたくないという思いから、すぐにしまいこんでしまう。

 葉蔵の自画像を見た竹一から「お前は偉い絵描きになる」と言われ、しかし、葉蔵はその夢を叶えることができなかった。

 厳格な父に、父の勧める官吏ではなく絵描きになりたい、と言い出すことができず、父の別荘で、高等学校に籍を置きつつ、ひそかに画塾に通ううちに、葉蔵は堀木という男に出会う。

 美貌で遊び人の堀木から、金を無心され、酒と煙草と女を教えられ、内心互いに軽蔑しながらもその交友関係は続き、そうこうするうちに、自分が男以上に恐怖する女という生き物を引き寄せる「女達者」になりつつあるという恥ずべき事実に気づいた葉蔵は、女遊びから距離を置くようになる。

 しかし、もう一つ堀木に教えられた非合法の政治活動、これからはまだ離れることができなかった。

 一方、息子が反体制の政治活動をしているとは知る由もなかった政治家の父から、別荘を出て自活するよう言い渡されたとき、葉蔵はたちまち生活に困るようになる。

 生活苦と、遊び半分で始めたはずが抜けられなくなっていた非合法の政治活動、そして遊興の悪癖。

 それらにがんじがらめになって身動きがとれなくなっていたときに、葉蔵は人生に疲れたバーの女給ツネ子に出会い、彼女のわびしさに安らぎを覚えた果てに、深く考える間も無く、心中事件を起こす。

 女給は死に、葉蔵は助かった。

 この事件は政治家で名士の父のスキャンダルとなった。
    起訴猶予となった葉蔵は、父の世話になっていた骨董商の男(父も葉蔵もその男を「ヒラメ」と読んでいた)を身元引受人として釈放され、彼の家で寝起きをすることになる。

 ヒラメが心配するような後追い自殺の気力などなく、いたたまれなさからヒラメの家を出て堀木を訪ねた葉蔵は、そこで、雑誌社に勤める子持ちの未亡人の女性シヅ子に出会い、彼女の家に身を寄せた。

 彼女の紹介で、子供向け漫画の仕事を得て、彼女と同棲することになった葉蔵。

 同時に故郷とは絶縁することになり、憂鬱な思いの中で酒を飲みながら漫画の仕事をこなすうちに、自活したいという思いとは裏腹にまた酒代が膨れ上がり、自分がいては、この母子を不幸にする、と思った葉蔵は、シヅ子の家を黙って後にし、行きつけになったバーのマダムのもとに転がり込んだ。

 彼女の店を手伝い、漫画を描きながら無為な日々を過ごしていた葉蔵だったが、ある日タバコ屋の娘ヨシちゃんに出会い、彼女の無垢に打たれて、彼女と結婚することにする。

 束の間ヨシ子と幸せな新婚生活を送っていた葉蔵、しかし、堀木との付き合いを断ち切ることができずに、再び酒浸りの日々を送るようになり、そんな中、ヨシ子が葉蔵の漫画を買い取っていく男に暴行されるという事件が起こる。

 堀木とともにその事件を目撃した葉蔵。

 葉蔵が惹かれたヨシ子の無垢の信頼、それによってヨシ子が卑劣な男に騙された。

 この皮肉に苦しめられた葉蔵は、混乱の中で、ヨシ子の自分に対する愛情すらも疑うようになる。

 事件に巻き込まれた挙句、葉蔵から疑われたヨシ子は、自殺するつもりで催眠剤を手に入れ、それを見つけた葉蔵は、「お前に罪は無い」と思いながら、それをすべて自分で飲み干す。

 二度目の自殺未遂、しかし、またしても死に損なった葉蔵は、ますます酒を飲んで喀血し、薬を求めて入った薬局の女主人から、アルコール依存を断つために、と、ひそかに渡されたモルヒネの虜となる。

 薬欲しさに、女主人を誘惑し、それでも膨れ上がった薬代と中毒症状はどうしようもなく、ついに行き詰った葉蔵は、父に助けを求める長い手紙を書き送る。

 やってきたのは、堀木とヒラメだった。
 
 「お前は、喀血したんだってな」
 その優しい微笑みに感動した葉蔵。とにかく、病気を治さなければと説得されて、連れていかれた先は、胸の病気を治すサナトリウムではなく、脳病院だった。

 施錠された病棟。

「人間、失格」
 堀木の微笑に裏切られ、その刻印を額に打たれた心地の中、鉄格子を透かして季節の移り変わりをただ漠然と見ていた葉蔵は、訪れた兄から、父の死を告げられる。

 懐かしくおそろしかった父の死。

 苦悩さえも失った葉蔵は、兄に引き取られ、廃屋のような家に老いた女中と住まわされることになる。

「今の自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一切は過ぎていきます」

 ことしで二十七才になった葉蔵は、白髪が増えたために、周囲からは四十以上に見られている。

 手記はそんな話で結ばれていた。



 物書きの「私」は「あとがき」の中でこの数奇な写真3枚と手記を手に入れた経緯を語る。

 葉蔵のことは知らない、しかし、「私」に手記を託した女性は、おそらくかつてバーのマダムしていた人だ。

 彼女のもとに送られてきたこの手記を、彼女は「小説の材料になるかもしれない」と、私に託した。

 葉蔵の生死は知らない。ただ、手記を送られてからもう十年経つから、なくなっているかもしれない。
 そう語るマダムに、「あなたも、相当ひどい目にあったのですね」と、「私」は言う。
 「あのひとのお父さんが悪いのですよ」
 マダムは「私」に、なにげなく、そう言った。
「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいな良い子でした」

(完)

 人間に怯えて、道化を演じ続けた果てに、世間から孤立していった葉蔵。

 彼自身の語りの中、そして、マダムの記憶の中では、自分の苦悩を押し殺して人間を笑わせた「聖なる道化」のようにも見える葉蔵ですが、彼の語りの中に埋没した他者とのやりとりには、それだけでは片づけられない物語の奥行があり、太宰治のダイレクトな自伝であり遺書であるかのようにも思わされるこの作品が、漫画となることで、確かに作品の中にほのめかされ、しかし、重視されてこなかった要素を浮かび上がらせています。

(原作ファンにとって、他メディアのリメイクに満足がいくことは少ないのですが、この漫画は、原作にかなり忠実でありながら、漫画の特性を活かしたデフォルメがされており、原作ファンにも非常に読み応えがありました。)

 当ブログでは、何回かに分けて、この原作と漫画の比較を行い、それぞれの作品の特色をご紹介させていただきたいと思います。よろしければまたお立ち寄りください。

当ブログ太宰治関連記事は以下の通りです。併せてご覧いただければ幸いです。
「黄金風景」(太宰治短編ご紹介1)
「花吹雪」(太宰治短編ご紹介2)
「哀蚊(あわれが)」(太宰治短編ご紹介3)
「人間失格」原作あらすじ

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:57| 太宰治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月04日

不思議なアザラシ&アシカ動画


 本日は、Youtubeのカワイくてちょっと不思議なアザラシとアシカの動画をご紹介させていただきます。

 ちなみにアザラシとアシカには次のような違いがあるそうです。

「アシカには小さな耳殻(耳たぶ)があるが、アザラシには耳殻がなく、小さな孔が開いているだけである。」
「アシカの前脚は長いヒレ状だが、アザラシの前脚は短く五本指があり、手のような形をしている。」
「アシカは前後の脚で体を支える力があるが、アザラシは前脚で体を支えることができないため、陸上で上体を起こしていればアシカである」


出典:「違いがわかる事典」 「アシカ」と「アザラシ」と「セイウチ」の違い


 なお、英語ではアザラシは「Seal」アシカは「Sea Lion」と呼ばれています。

 犬好きなもんで、どちらも犬っぽくてカーワイー、と思っていましたが、たまに驚くような人懐っこさがあるところまで犬を彷彿とさせます。


まずはアザラシ編
「Charlie and the seal!」


https://www.youtube.com/watch?v=RoJTbfnCVkA

アイルランドのジャーナリスト、チャーリー・バード氏が、アザラシ(ゾウアザラシ〈elephant seal〉)たちがくつろぐ浜辺を取材していたときの出来事です。

(参照:TV roove!「ビーチで寝ていたらアザラシにメチャクチャなつかれてしまうおじさん」
http://www.tvgroove.com/news/article/ctg/7/nid/13018.html)


 ゾウアザラシは警戒心が薄く、人がかなり近づいても逃げないので、観光でアザラシを観にいくというイベントもあるくらいですが、このアザラシ(大きいけどまだ子供)、近くに座って取材をしていたチャーリー氏をじっと見つめ、その後、隣に横たわったチャーリー氏に、てち…と前足をかけたかと思うと、身を乗り出してカメラをふぐふぐかいだ後、前足を彼に置いたまま、くつろぎはじめてしまいます。
「すばらしい経験です……」と喜びを語るチャーリー氏

 画面が切り替わると、さらに気を許したのかチャーリー氏に頭をもたせかけてしまっている赤ちゃん。

 さらに、なんと、なんかうらやましく思ったのか、もう一頭の赤ちゃんが、デッデデッデデ…と寄ってきて、最初の赤ちゃんに並んで彼に頭を乗せてきます。
「これは私の人生で最も驚くべき経験です、素晴らしい!!」と言いながら、プシュン!という赤ちゃんのクシャミにも嬉しそうにアハハハハ!と笑うチャーリー氏。

 彼の笑い声を聞きながら、二頭は「このおきにいりの親戚のおじさんと一緒に僕も寝るのだ」みたいな感じで彼にべったり寄り添ってお昼寝しています。


続いてアシカ編

「My life changing experience with a sea lion」


https://www.youtube.com/watch?v=YNPrUWXVlAY

 海を少し疲れた感じで泳いでいたアシカの赤ちゃん。

 可愛い!!ハーイ赤ちゃん♪という感じでボートから声をかけている女の子(投稿者ギルキンソン氏の姪っ子さん)の声がしましたが、なんと、その呼び声にこたえるように、アシカの赤ちゃんがボートに上がってきてしまいます。

 そして、後部の座席を見つけると勝手にヨジヨジして、そこに座り込む赤ちゃん。

 野生動物だから触ってはいけない……と思いつつ、そっと座席の隅に座ってこの光景を撮影するギルキンソン氏。

 すると、身を乗り出して波をみつめていた赤ちゃんが、何を思ったか、ギルキンソン氏の膝に近寄り、顎をのせてきます。

 さらに、まるでよく慣れた猫のように、眠たげなとろーんとした顔のまま彼の膝枕の上で寝返りをうち、ギルキンソン氏に頭をスリスリゴシゴシスリスーリ……(本当にギルキンソン氏からなんかオーラでも出ているのではと思わせるほど念入りにくっついてくる)。

 最後には、これだけスリスリされてんのに、触ってはダメも何も無いか……という感じでそっと指先で赤ちゃんの首を撫でるギルキンソン氏、思い切り身をそらしてそのつつましいイイコイイコを満喫し、お返しのように鼻先をにょ、と彼の手につけて、再イイコイイコをしてもらい、約一時間、アシカの赤ちゃんはそのボートで休憩していったということです。

 最後に「新しい友達です!」という字幕とともにギルキンソン氏とアシカの赤ちゃんの写真が登場しますが、優しい笑顔のギルキンソン氏と一緒に写っているアシカちゃんも明らかに穏やかに笑っており、初対面の野生動物と人がこんなに親し気なツーショットってあるのかと思わされます。

 「人生を変えるような出来事」とギルキンソン氏が形容する、この不思議な体験は、ネット上でニュースとして紹介されました。

「Daily mail」情報
「Adorable moment an affectionate baby sea lion leaps onto a boat and cuddles up to a passenger caught on camera」
Read more: http://www.dailymail.co.uk/news/article-2338721/Adorable-moment-affectionate-baby-sea-lion-leaps-boat-cuddles-passenger-caught-camera.html#ixzz4JIfrh2oM
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「The Huffington Post」情報
「Baby Sea Lion Snuggles Sailor After Climbing Aboard Boat Near Newport Beach In California (VIDEO)」
http://www.huffingtonpost.com/2013/06/06/baby-sea-lion-snuggles-aboard-boat-newport_n_3398883.html

 この二つの動画、何故、アザラシもアシカも、こんなにいきなり人に気を許したのかが謎ですが、しかし、チャーリー氏もギルキンソン氏もいかにも優しそうで、赤ちゃんたちとの出会いに感動しているのがその表情からよくわかります。

 野生動物なのに……と思いますが、逆に野生動物だからこそ、自分に害を為さず、好意を持っている存在を見分けることができる個体もいるのかもしれません。

 赤ちゃんたちの可愛らしいしぐさと、彼らに見込まれ寄り添われた人たちの嬉しそうな温かい笑顔に心なごみます。

 当ブログその他の動物動画関連記事は以下の通りです。よろしければ併せてご覧ください。

夏向き癒しの犬動画2作(「ゴールデンレトリバー、フロート(大型の浮具)を盗む」&「ドッグスパ」)
夏向き癒しのイルカ動画
イルカたち、フグ毒を回し飲みしてハイになる(イギリスBBCドキュメンタリーより)
自然番組の撮影方法(BBCドキュメンタリーより)
 
 (近日中にその他のアザラシ動画について、もう少しご紹介させていただく予定です。)

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:42| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月03日

『ダメな自分を認めたら部屋がきれいになりました』(わたなべぽんさん作 お片付けコミックエッセイ)


 先日より、当ブログのわたなべぽんさん最新作「やめてみた」ご紹介記事に多くのアクセスをいただきました。

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -
やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -


(当ブログ前代未聞のアクセス数だったんで、正直何事かと思いました。9月1日にモーニングショー(※)で紹介されていたみたいですね。観たかったな……。)

(※)参照:価格.com HP内「テレビ紹介情報」
「「羽鳥慎一モーニングショー」 2016年9月1日(木)放送内容」

http://kakaku.com/tv/channel=10/programID=59158/episodeID=990930/

 読むと気持ちがすっきりする、すてきな本です。

 おかげさまで、ぽんさんも脱却したゴシップネット閲覧については、この本を読んだことをきっかけに私も禁閲覧を継続できています。(お世話になってまっス!!)

 アクセス御礼として、本日はぽんさんのお掃除本「ダメな自分を認めたら部屋がきれいになりました」を一部ご紹介させていただきます。

ダメな自分を認めたら、部屋がキレイになりました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
ダメな自分を認めたら、部屋がキレイになりました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -

 実は結構「にぎやかな部屋(ぽんさんお友達談)」にお住まいだったぽんさん、ある出来事をきっかけにお掃除に挑みますが、約半年にわたる挑戦の中で、お掃除をはじめたときには思いもよらなかった発見をし、心境にも変化が起きます。

 ぽんさん作品の魅力である、「人を謙虚に見習い、コツコツ地道に頑張る日々を通じて、それまでとは違う新しい自分と暮らしにたどりつく」という過程が、この本でも丁寧に描かれています。

(メソッドはベーシックなのですが、この心理描写があるから、まず、チャレンジ前のぽんさんに「あーわかるわかる」と共感し、努力の果ての成果と気持ちの変化を読んで「自分もこのすがすがしい気持ちになってみたい」みたいな感じで、チャレンジしたくなるんです。)
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 「スリ真似ダイエット(スリム美人の生活習慣や食生活を真似るダイエット)」シリーズで計35kgのダイエットに成功したことで注目をあつめたぽんさんでしたが、これはそのダイエットをはじめる前のお話。

スリム美人の生活習慣を真似したら 1年間で30キロ痩せました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
スリム美人の生活習慣を真似したら 1年間で30キロ痩せました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -

もっと! スリム美人の生活習慣を真似したら リバウンドしないでさらに5キロ痩せました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
もっと! スリム美人の生活習慣を真似したら リバウンドしないでさらに5キロ痩せました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -

スリム美人の生活習慣を真似して痩せるノート術 (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
スリム美人の生活習慣を真似して痩せるノート術 (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -

 今は見事スリム美人になって、美と暮らしに磨きをかけているぽんさん。

 すべてはこのお掃除チャレンジからはじまりました。
(ちなみにダイエット成功の前に大掃除をしていたというケースは結構あるみたいです。どうも、掃除はメンタルに強く作用するみたいですね。)

 自分の話になってしまいますが、僕は結構な掃除下手なもんで、掃除・片付け本は相当読み漁っています。

 ダイエットや勉強法と同じで、読んでいてしっくりくるもの、そうでないものがある中、ぽんさんの本は、「体験談を通じて掃除したい人の心を整えてくれる部門」では、一番自分に合っていました。
(掃除・片付け本については、本によって色々アプローチがあってそれぞれ面白さが異なっていたので、機会があれば、ほかの名著もご紹介させていただきたいと思います。〈ちなみに、アレコレ読んだ成果ですが、「相変わらず散らかしの達人だが、一応人並みの部屋」くらいにはなっています。今のトコロは。〉)

 以下、個人的に見所だと思った部分をいくつかご紹介させていただきます。(一部ネタバレがありますのであらかじめご了承ください)

1,ブラックライト事件(お掃除チャレンジ開始のきっかけ)

 「スリ真似」開始のきっかけは、腰かけた際に便座を割ったことだったそうですが、お掃除開始のきっかけも結構パンチがきいています。

 ぽんさんと夫さんがご友人と一緒にカラオケに行き、ブラックライト(人工的な紫外線、白い部分だけ光らせるという特性があるので、暗い部屋での照明に使われる)のある部屋に入ったところ、ぽんさんご夫妻だけ、服から髪から肌から、とにかく全身が細かに光り輝いてしまい、光源が二人に付着した家のほこりであることに気づいたぽんさんは、一生懸命はたきながら、「なんだろね」と、しらばっくれましたが、もはや歌どころではなかった……という一件がきっかけだったそうです。

 原因に気づいていない夫さんの無邪気な反応とのギャップが哀しい。

部屋がきれいになりました2.png

 子供の頃から片付け、掃除が苦手で苦労していらしたぽんさん、それでいいとは思っていたわけじゃないけど、頑張っても何度もリバウンドしてしまうから、きっかけがつかめなくなってしまった……という状況だったようですが、夫さんともども全身光り輝いてしまったせいで、「相当恥ずかしい」と、外部の目を意識して、ついに決意が固まるという過程が描かれています。

(ちなみに、汚部屋描写として一番ショッキングだったのは、「床につまようじが落ちていて、ぽんさんの足の小指を貫通した」というエピソードでした。)

2、物を減らすまで

 「ブラックライト事件」の翌日、一生懸命掃除機をかけて、安心していたぽんさんでしたが、その後、必要なものがすぐ見つからない、収納場所から物が出せない(入りきらない物たちが周辺に砦を築いているから近寄れない)という事態に見舞われ、「ほこりをとる」から、「物を減らす」という作業にシフトチェンジします。

 この作業中、レシピ本やエクササイズ関連の品、英語のテキストなど、買ったっきり手をつけていないものがあまりにも多くて愕然とするという場面があります。

 「なぜこれらを収納に困るほど買ってしまったのか」「買ったのに手をつけないのか」という二点についてぽんさんが自分の深層心理を分析し、やがて「高額のほぼ新品」であるそれらの品々をどうすることにしたのかが、葛藤とともにこまやかに描かれており、個人的にはこの作品一番の見所だと思います。(あまりにも自分にあてはまったから余計。)

 「無理に収納するより、物を減らした方が良い」というのは、ぽんさんの本以外でも、昨今の多くの掃除、片付け本で提唱されているところであり、実際、掃除が苦手な人ほど、物が多いと混乱し、管理しきれなくなるので(例、僕)、その意見はまったく理にかなっていると思いますが、そもそもなぜ買いすぎ、なぜやらなかったのかを自分で見極められないうちに、とにかくジャマだから、と、無理に捨てても、その心理の落とし穴は依然残っているわけですから、のど元過ぎれば、また、別の物を増やしてしまう可能性があります。

 物を買ってしまったのはどういう気分のときだったのかを思い出し、購入後すぐに「使うかどうかわからないけど持っているだけで安心するもの」と化したそれらの物が、本当に自分の実になったのかをよく考えてから、その物たちをどうするか決める、という過程を経て、ようやく、むやみやたらと物を増やさない自分になれる、ということが、ぽんさんの自己分析を通じて描かれています。

 ぽんさんが具体的にどんなふうに考えをまとめていくかについては、是非直接本をお読みになってください。名台詞の連続で、もう共感しか無い。でも、物を増やしちゃう心理はそっくりそのまま体験していたけど、こんなふうにきちんと結論を出せたことはなかったので、読んでいて自分の気持ちも整理される心地がしました。

 魂に突き刺さる名セリフの一つ
「捨てちゃったら、“なりたい自分”をあきらめることになっちゃう気もするし……って夢はあきらめたくないのに、ものだけ買って努力しないなんて、ムジュンしてるよね(どーしたかったんだわたし……)」
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 私のような、なんか頑張るつもりで物を買うだけ買ってやらずに地層が発生してゆくタイプの散らかし人には、ものすごく響くシーンです。

 片づける人の心理ばかりでなく、物の処分の目安や、棚やタンスの収納例など、掃除をする際の具体的なお手本にできる情報もすっきりと可愛い絵でくわしく説明されています。

 食料品の処分をためらうぽんさんに、夫さんが友人から聞いたという食品放置の恐怖を語る一コマ(なぜか稲川淳二風〈笑〉)パスタの袋をほったらかしていたら、夜中にアノ虫が群がって端をジワジワと削り取っていたという話

部屋がきれいになりました4.png


3、成果

 本の最後に、お掃除後のぽんさん宅の写真が登場します。

 スッキリとした部屋に、木目の家具や籠収納、植物の緑がぬくもりを添え、機能的な中にも暮らしの息遣いが感じられる居心地のよさそうな仕上がり。さすがセンスが素敵です。ご注目ください。


 
 ぽんさん作品については、現在書かれているポイントを読みながら頑張っている最中なので(さしあたり減酒が目標)、いずれまた一部をご紹介させていただくこと思います。よろしければ見にいらしてください。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 22:32| おすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月02日

ドラえもん誕生日記念「地底のドライ・ライト」ご紹介(※ネタバレ)(欲に目がくらんだドラえもん大暴走の回)


 明日9月3日はドラえもんの誕生日です(2112年9月3日うまれ)。

(なんでも連載開始時、対象読者とのび太が小学4年生で、当時の小学4年生男子の平均身長129.3pにちなんで決められたそうです。)
(「ドラえもん‘s ホームページ」内「ドラえもんの誕生日に秘められた秘密」を参照させていただきました。
http://www2.anakama.com/basicofdora_2.htm

 これを記念してか、NHK BSプレミアムで9月5日午前9時より、藤子・F・不二雄ワールド誕生までと先生ご自身のエピソードを紹介したドキュメンタリー「藤子・F・不二雄ふしぎ大百科」が再放送されます。

 藤子F先生の温かなお人柄が伝わるとても良い番組でしたので是非ご覧になってみてください。

(番組公式HP http://www4.nhk.or.jp/pcafe/x/2016-09-05/10/8964/2315603/

 今日はドラえもんを勝手にお祝いして、普段とても頼りになるドラえもんが、ドラやき愛ゆえに人が変わってしまった異色作、「地底のドライ・ライト」をご紹介させていただきます。
(なんでお祝いでそういう側面を扱うのさ)

てんとうむしコミックス33巻収録

ドラえもん (33) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (33) (てんとう虫コミックス) -

以下あらすじです。(ネタバレなのであらかじめご了承ください。)




 冬のある日。

 部屋の石油ストーブを「部屋のあちこちでストーブをつけておくなんてもったいない」と、ママに消されてしまったのび太とドラえもん。

 ケチだとぶーたれるのび太に、「うちの苦しい経済事情も、わかってあげなくちゃ」と物わかりのよすぎる発言をするドラえもん。
 図星でしたが、ママは、地球には石油がもうあまり残っていないから大事に使わないと、と、ごまかします。
 それを聞いたのび太は、石油がなくなったら乗り物は止まるし、電気は止まって暗くて寒くなって……とはげしく怯えます(すなお)。
 そこで、ドラえもんが22世紀の主要エネルギー資源、「ドライ・ライト」のかけらを見せてあげます。

 太陽光線のエネルギーをドライアイスみたいにかためたものだというそれは、非常に温かく、光をはなち、寒さに触れると、暑い場所でのドライアイスのように溶けてしまうという性質を持っていました。

 実は夏の間、地面に降り注ぐ日光をドライライトにして、その鉱脈をのび太家〜町内の地下に貯蔵していたドラえもん。保温容器に入れて、いるだけ出して使うことにします。(鉱脈への入り口も要密閉。)

 カイロにも、照明にもなり、やかんに入れればお湯を沸かせるという、非常に便利なこの燃料、なんてすばらしい!と感動したのび太は、ドライ・ライトを販売する会社の設立を持ち掛けます。

 やがては世界中に輸出して大儲け……と展望を語るのび太を、きみはすぐそんなこと考える!!と強くたしなめるドラえもん。

 ところが、「安くて便利なエネルギーが手に入ればみんなよろこぶよ。悪い?」ともっともらしいことを言われた挙句、ドライライトで儲ければドラやき食べ放題とそそのかされたドラえもん、「や、や、やろう。やろう!!」 とよだれをたらしてじたばたし、いそいそ訪問販売を開始します。

 100g100円で町内の人々に売り出そうとしましたが、高いからいらないとか、友達相手に金もうけしようなんて!とか言われて、まったく売れずに寒風の中、スゴスゴもどってきます。

 やっぱりこんなことで金儲けするのはよくない……と、思いなおそうとしていたドラえもんに対し、昼寝していたのび太(おい)、
「きみを社長にしよう(提案内に出てくるドラえもん社長、なぜかチョビひげスーツ姿)。ビルなんかすぐたつ(ドラ会社)。そうだ、社長室の横にドラやき食堂を作ろう。いつでもすきなだけドラやきが食べられるの」
と、のび太が提案しているコマに描かれているのは、ドラやきをどんぶり飯に乗せた「ドラどん」、熱々の鉄板で焼いた「ドラステーキ」、あん以外にもなにやら挟んである「ドラバーガー」、カレーソースをかけた「ドラカレー」、半分に切ったドラやきを美しく並べてシソ等を添えた「ドラさしみ」。

ドライ・ライト1.png

ドライ・ライト2.png

 「ドラさしみ」がギリで(シソとかいらないけど)、後は到底一般的に食べたいと思うようなラインナップではありませんが、ドラえもん的には理性が崩壊するほど魅力的なプランだったようで、メロメロ目&よだれダラダラになってしまった挙句、なにがなんでも売ってくる!!と飛び出していきます。

(めずらしく「のび太が見送り、ドラえもんが動く」構成なので、ドラえもんの後ろ姿が多い回。かわいい。〈しかし、のび太もワルよのォ〉)

ドライ・ライト5.png


 どうしたら売れるか考えた挙句、今日のところはサービスで見本をくばることにします。

 「この便利さがわかれば、買わずにはいられなくなるよ。石油だってそうなんだ。昔の人は石油なんか使わずにちゃ〜んと暮らしていた」
(現代人全員身につまされる台詞。)

 ジャイアンたちをはじめとして、まちの人々に「とにかく使ってみて、明日からは100グラム100円」と言いながら気前よくサンプルを配ったドラえもん。

 効果は絶大で、家に戻ってくるころにはもう、大勢の人々が見本をもらいにつめかけていました。

 「そんなに大人気か!?ドラやきは近い!!」
ハート目になりつつ、見本をくばるために鉱脈の入り口を開けていたのび太に
「あけはなすなと言ったろ。溶けちゃうんだ」
と、慌てて扉を閉めました。

 有料化は明日から、と言っていたのに、あまりの反響にサンプル配布を締め切ってしまったドラえもん。それでもいいから分けてと頼む町の人に、
「100グラム100……いや200円!!」
と、いきなり倍の値段を提示します。
 のび太が販売開始早々の値上げを止めようとしても「倍に売れば、ドラやきが倍買えるよ」と、耳を貸しません。

 300円……500円!!と訪れる人ごとにうなぎ上りに値を吊り上げ、「高い!」と町の人(空き地の隣にお住いの厳格なおじさん神成さん)とのび太に驚かれますが、
「高くていやなら、買わなきゃいいんだ。ドラやき…いやドライ・ライトはここにしかないんだから!」
と、横暴論理を振りかざします。

 「500円でいいから売ってくれ」
折れざるを得なかった神成さん。
「それみろそれみろ」
経営方針に余計な口をはさもうとしたのび太に振り向いたときのワッルイ顔ときたら、もはや我々が知っているドラえもんではありませんでした。

ドライ・ライト3.png

 すぐに掘りだしてきます、と、イソイソ鉱脈へ行ったドラえもん。一方、「ドラやきのことになると人がかわったようになる」……と、長い付き合いながら知らなかった友の一面に困惑するのび太。

 そうとは知らず、ドラえもんは、大いにゴキゲンでつるはしをふるって、「おまちどおさま〜」とカモの顧客にドライライトを持っていきました。

 部屋に戻ると、来年の夏はもっと広い場所でドッサリ作ろう、と、のび太に業務拡大を提案し、
「世界中へ輸出して、世界中のドラやきを輸入しよう。ウヒョヒョ。」(ドラえもんには悪いが、どら焼きはそんなにワールドワイドな食べ物ではない。)

ドライ・ライト4.png

 そう言いながら、畳一畳分ほどによだれを派手にたらしまくりますが、ふと気づくと、なんだか暑くなっていました。

 しまった!と庭に戻るドラえもん。

 浮かれて鉱脈の扉を閉め忘れてしまい、時すでに遅し、ドライライトが溶けて町中に流れでていました。

 空き地で半そでやノースリーブ姿で汗をかきながら遊ぶジャイアン、スネ夫、しずかちゃん。

 「みんな夏すがただよ。この暑さ当分続くだろうね」
 のび太のことばに、ひげまでうなだれきったドラえもんは「フニャ……」と声にならない声をもらすだけでした……。

 一般的な味覚ではあまり魅力を感じられない「ドライ・ライトドラ会社のドラやき食堂(『体脂肪計タニタの社員食堂』的なノリで)」や、「世界中のドラ焼き」などのドラえもんの暴走するドラやき愛と、それに起因する悪徳経営者っぷりが印象に残る回です。

体脂肪計タニタの社員食堂 ~500kcalのまんぷく定食~ -
体脂肪計タニタの社員食堂 ~500kcalのまんぷく定食~ -

 ふだんは性格いいんだけど、のび太が言うとおり、ドラやきがからむと豹変してしまうドラえもん。でも、そんな奥行きがあるからこそ、大人になった今でもドラえもんから目が離せません。

 いかにも子供向けにタダシイことしか言わないし、しないキャラだったら、子供時代が終わるとともに読むのもやめていただろうなとつくづく思います。(どんな話だったかもすぐ忘れちゃっただろうなあ。)

 こんなふうにエキセントリックだったり欲にかられちゃうところがあるから余計好きなんだと思います。

 この回が収録されている33巻、あの、「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」というジャイアンの歴史的名言も読めますし(「横取りジャイアンをこらしめよう」の回)、その他名作揃いなので是非お手にとってみてください。

 引き続き当ブログで折に触れドラえもんの魅力をご紹介させていただきますので、お立ち寄りいただければ幸いです。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:41| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

おススメです!『築地はらぺこ回遊記』『築地まんぷく回遊記』(おざわゆき・渡邊博光 作 コミックエッセイ)


すみません、今日は「人間失格」について書かせていただく予定だったのですが、8月31日に築地移転延期(新たな移転時期は来年2月以降予定)が決定されたので、すごく好きな漫画をご紹介させていただきます。

(参照:Yahooニュース築地市場の豊洲移転延期=新時期は来年2月以降―安全性懸念、小池都知事が表明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00000056-jij-pol

(人間失格については明後日以降で早めに書かせていただく予定です。明日夜はドラえもんの9月3日のお祝い記事とさせていただく予定です。〈最近の話題のテンションの乱高下なんなんだ〉)

『築地はらぺこ回遊記』、『築地まんぷく回遊記』


築地はらぺこ回遊記 -
築地はらぺこ回遊記 -
※こちらは紙書籍のみ、もう持ってるけど持ち歩きたいから電子書籍版も出していただきたい……。


築地まんぷく回遊記 -
築地まんぷく回遊記 -

 漫画家のおざわゆきさんと相方ダンナ様でマンガ内ではコラムご担当の渡邊博光さんによる築地食べ歩きコミックエッセイです。

 なお、おざわゆきさんはご両親それぞれの第二次世界大戦下の体験をもとにして書かれた「あとかたの街」「凍りの掌」で2015年日本漫画家協会賞大賞(コミック部門)を受賞されています。
(どちらも名作でした。いずれご紹介させていただきたいと思います。)


あとかたの街(1) (BE・LOVEコミックス) -
あとかたの街(1) (BE・LOVEコミックス) -

凍りの掌 シベリア抑留記(1) (BE・LOVEコミックス) -
凍りの掌 シベリア抑留記(1) (BE・LOVEコミックス) -

(参照:「漫画だから描ける戦争 おざわゆきさん『あとかたの街』『凍りの掌』」産経ニュースhttp://www.sankei.com/premium/news/150719/prm1507190024-n1.html


 個人的な話になってしまいますが、ただいまダイエット中の私は、満たされぬ心ゆえか昨今グルメ漫画をこよなく愛読しています。

 その中でもこの2冊は、自分の中でお宝本。とてもとても美味しそうで楽しそうです。

 これ読んだのがきっかけで初めて築地に行き、歴史の趣を感じさせながらも、今も大現役で人々の胃袋を満たし続ける町の、お店とお客さんがひしめく活気に、足を踏み入れるや否や、「たーのしー!!アハハハハ!!」とブッ壊れました。別に無理に食べ続けなくても、歩くだけで異様にテンション上がる。

 以下、漫画のおススメポイントです。

1、ごちそう描写

 全ページカラー、人はかわいらしい感じにデフォルメされていますが、料理は質感たっぷりに非常に丁寧に描かれています。リアルなだけでなくどこか温かみがある色づかいも魅力。ページ三分の一くらいを占めてドドーン!!と登場する料理の悩殺度は、過去様々観たグルメ漫画の中でも屈指です。

 『まんぷく回遊記』内、築地場内の有名店「八千代」さんのアジフライのご雄姿。
築地まんぷく回遊記1.png


 ※アジフライ・牛丼等、築地の名物料理のいくつかについては、『はらぺこ回遊記』のほうで、渡邊さん執念の名店食べ比べコラム「築地回遊ガイド」が楽しめます。

『まんぷく回遊記』内「魚竹」さんの清楚なぬた達。

築地まんぷく回遊記2.png


2、多様なお店情報

 築地と言えば、特に観光客をくぎ付けにする寿司、海鮮丼、または市場で働く男たちの胃袋を満たすガッツリボリューミーな料理が有名ですが、移転にともない、築地大特集があちこちで組まれるはるか以前から、依頼された取材ではなく本気で築地好きなお二人(特に渡邊さんは、おざわさんに「築地がアイドルなら(渡邊さんは)ストーカー」と形容されるほどに築地を追い続ける生き字引〈以前嵐の番組「イチゲンさん」でも名店紹介をなさっていました。〉)が、足と舌で集めた築地情報が載っているため、海の幸もガッツリもしっかり網羅しつつ、さらに多様なお店が紹介されていて、築地の奥深さを知ることができます。

 例、「パン工房・ル・パン」さん(『まんぷく回遊記』)や、ナポリタンが一躍有名となった「フォーシーズン」さん(おざわさんいわく本当に涙するほど美味しいらしい。)(『はらぺこ回遊記』)などなど。


 非常に可愛らしい「角山本店」さんの「細工麩」(季節ごとにデザインが変わる手作りの品だそうです。)

築地まんぷく回遊記3.png

 ※渡邊さんいわく、自殺行為に近い「年末鬼混みの築地訪問」でも比較的落ち着いて買い物できるお店、とのこと。(注、漫画内でも言及されていますが、店間の移動は「鬼混み」をかき分けて行くことになります。)


3、相方同士の飲み食べ歩き

 おざわさんが女性担当者の方たちと行く食べ歩きもほほえましい(あと、慣れない人が築地をあるくときの気構え〈服装とか、プロが行き交い慌ただしい場内通りを歩くときの目配りとかがよくわかる〉)ですが、なんといってもうらやましいのは、おざわさんと渡邊さんの夫婦食べ歩きです。

 場内では動きやすいようにカジュアル、混雑時間を過ぎた場外は粋に着物で繰り出して、二人が趣味の築地歩き時間と美味しい食べ物を共有している様子は実に楽しそうです。これはまさに相方・つれあいですね。

蕎麦屋「長生庵」さんにて

築地まんぷく回遊記5.png

多け乃食堂」さんにて
築地まんぷく回遊記4.png


 以上、ちょっと駆け足になってしまいましたが、二冊の超おすすめ漫画でした。食べ物描写が素晴らしいので読み物としても楽しめますし、移転が実現しても残留が決まっている場外(※)の情報が数多く載っていますので、ガイドブックとしても依然役立つ作品だと思います。


(参照:「これからの築地」築地場外HP http://www.tsukiji.or.jp/related/future/

 是非お手にとってみてください。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:03| おすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月31日

(閲覧注意)日英恐怖CM情報

(注意:今回は怖がりの方には閲覧注意の記事です。そうでない方も、できれば朝になってからお読みください。〈書いといてなにその言いぐさ。〉)





 先日、子供の頃トラウマだったちびっこ向け図鑑や雑誌のオカルト記事(高い画力で落武者の霊とかをボカシ一切無し超緻密に丹念に描いた見開き挿絵つき)のお話をしましたが、今回は大人になってから見たイギリスのトラウマCMについて書かせていただきます。

 誰得情報だよというご指摘がありそうですが、どうしても忘れられないんで……。

 以下CMの内容です。

 朝、蛍光灯に照らされ薄暗がりで歯磨きをする男。
 男の手が一瞬止まる。
 洗面台の鏡に映る男の姿、その足元に青いトレーナーを着た少年が倒れている。
 上半身は大きくねじれ、両足は背中側に不自然に曲がっている。
 鏡の中の少年に視線を落としたあと、歯磨きを続ける男。

 電話や書類をめくる音がせわしなく響くオフィス。
 仕事をする人々の側のカーペット敷きの通路に、あの少年が倒れている。
 同じようにねじれた姿で。
 倒れている少年のすぐ横を通りすぎていく男。

 エスカレーターで下る男が顔を背ける。
 視界の片隅、エスカレーターの降り口の傍らに、あの少年が倒れている。

 バスの中。
 窓際に座り、力なくこめかみを窓ガラスにもたせかけている男。
 窓の外の、人々が行き交う歩道に、あの少年が倒れている。
 少年にゆっくりと近づき、通りすぎていくバス。

 晴れた日の公園。
 芝生に挟まれた遊歩道を歩く男。
 芝生でサッカーに興じる人々の間に、あの少年が倒れている。

 夜更け、暗がりの中、パソコンに向かう男。
 ふと、腰掛けたまま、椅子を引くと、机の下に、あの少年が倒れている。
 同じようにねじれた姿で。男の足元に。
 少年の青白い顔、半ば閉ざされたまま、凍りついたうつろな目。
 うなだれた男は、口元に手をあて、小さく嗚咽する。

 ベッドに横たわる男。
 苦しげなため息と共に寝返りをうつ。
 眠れぬ男の目の先の床に、ドアの下から漏れる薄明かりを受け、あの少年が倒れている。

 真っ暗な画面に浮かび上がるメッセージ。

Kill your speed, or live with it.
(減速しなさい。さもなければ「それ」と生きなさい)

It’s 30 for a reason.
(制限速度時速30マイル〈時速48km〉の理由です。)

 男は制限速度を守らずに走らせていた車で少年をはね、少年が亡くなった。その過去の記憶が、男の日常を片時もはなれない。

 朝から晩まで、何をするときも、いつも、男の心の中には、少年のなきがらが、はねられた姿のまま、横たわり続けている。

 これはそういう男の心の中を描いた映像なのだ。

 それまで、「これはなんだ……?」と、不自然な姿勢で横たわる少年と、彼を見ないようにする男、少年に無反応なそのほかの人々という奇妙な状況を、一言の台詞も無く、リアルな生活音以外なんの音もしない映像の中で見続け、二行のメッセージによって、謎が、「交通事故による少年の死と加害者である男を苛む記憶」という答えに変わった瞬間、私のつま先からつむじまで、皮膚のよじれるような寒気が、鳥肌とともに駆け抜けました。

 制限速度の厳守(市街地では30マイル)を呼びかける政府広報CMだったそうですが、非常に恐ろしかったです。

 脳科学者の茂木健一郎先生がしばしば言及する「アハ体験」という言葉があります。

 何かがわからず、うずうずした先に答えをみつけた瞬間の脳のひらめきを指すそうですが。40秒近い謎の果てに、メッセージを示して、視聴者自身に「今まで見続けていたあの倒れている少年は死んでいる。ずっと重苦しい顔をしていた男が加害者だ」という回答を悟らせるというこのCMの構成は、まさにこの「アハ体験」を利用したものになっています。

 ただし、あの「わかった」瞬間は「アハ」などという生易しいものでなく、「あっ!?……(戦慄絶句)体験」でしたが……。

 公式に公開された動画が見つけられなかったので貼り付けられないのですが(あっても怖くて貼れない)、「Kill your speed or live with it」で探してみると、どのようなものかご覧になれるかもしれません。

(ただし、著作権違反をしている物かもしれませんし、本当に怖いし、関連して類似恐怖動画が出てくる可能性が高いので、自己責任でお願いいたします。)

 ちなみに、私同様戦慄の鳥肌に見舞われた視聴者は多かったようで、「しばらく悪夢を見た(I had nightmares)」「冗談抜きで机の下に足が入れられなくなり、椅子の上にあぐらをかいてすわるようになってしまった(I now can’t put my feet under my desk and have to sit cross-legged on my chair. I’m not joking.)」という感想が寄せられていました。

 いくらなんでも恐ろしすぎると思います(それは事故を起こしたらこの比ではないのはよくわかりますが……)が、「警告を視聴者の印象に強く残す」という目的は完璧に果たしているCMです。
 BGMと売り文句がにぎにぎしく繰り広げられるその他のCMに挟んで、この台詞の無い、音も極限までそぎ落とした奇妙な映像は自然と視聴者の関心を引き、謎の答えを視聴者の脳内に立ち昇らせることで、警告をその内面に強く刻み付けました(同時に心に傷が刻まれましたが……)。

 イギリス政府広報のこの「スピード減速CMキャンペーン」に関する記事はこちらです。
 主に加害者のトラウマに焦点をあてた構成だという説明がなされていました。
http://www.politics.co.uk/news/2009/1/30/kill-your-speed-or-live-with-it
(ぼんやりとですが画像つきなのでご注意ください)

 後に、この話を知人にしたところ、昔、日本にも恐ろしい政府公共広告機構(AC)CMがあった、と教えてもらいました。

 1980年代初期に放送された、通称「母と子」または「キッチンマザー」と呼ばれる覚せい剤の危険性を訴えたCMです。

 白い机に向かって並んで座る、
男の子とじっと突っ伏す母親。


 子供がはげしくしゃくりあげているのにも気付かない様子で、髪を振り乱し、うつろな目をした母親が顔をあげると、注射器で覚せい剤をうつ。

 広い世代に広がりつつある覚せい剤の危険性を警告する、淡々とした男性のナレーション。

 徐々に周囲が暗くなり、うつぶせた母親は闇に消え、「ママー!!」と繰り返して泣き叫ぶ男の子の姿も、次第に
小さく遠ざかってゆき、最後には完全なる暗闇。


 浮かび上がった「覚せい剤を追放しよう」という文字のメッセージに「ママー!!」という子供の声が重なる……。


 教えてくれた知人の共感者も多いらしく、ネット上では「最恐」と形容されている作品です。

 私は子供の頃非常に怖がりで、ありとあらゆる事象を怖がっていましたが、長ずるにつれ、江戸川乱歩&エドガー・アラン・ポーに美を見出し、伊藤潤二のホラー漫画を愛読するようになり、近頃は、「子供の頃超怖がってたあの子供向けオカルト情報の挿絵ってよく見ると独特のパワーがあるな、なんといっても画力が凄いし」なんて思っていましたが、公共広告CMだけは未だに、本当に駄目です。生理的に無理。

 それが、娯楽・芸術ではなく現実の警告だからでしょう……。

 イギリスCMの沈黙の恐怖と真逆の、日本的絶叫の恐怖表現ですが、この場合は非常に効果的に視聴者に危険性を訴えています。

 このACCM恐怖症、わからない人にはとことんわからないようですが、わかる人にはものすごくわかり(なぜか私の親しい人たちは、強心臓の祖母を除き男女問わず全員アウトだった〈いい年してその手のCMになるとリモコンをお手玉するようにしてアタフタチャンネルを変えていた僕に対する祖母の「何やってんの?」的真顔マナザシが忘れられない。〉)、ゆえにイギリスでも日本でも、いくつかのある種の傑作が今でもネット上で語り草になっている模様です。

 いつもと違ってまったくご覧になることをお勧めしませんが、どちらも構成的には観る者の心理を巧みにとらえている(この情報過多時代にどちらもシンプルな表現なところが印象に残る)と思ったので書かせていただきました。

 次回は、太宰治の『人間失格』(含漫画バージョン)について書かせていただく予定です。

人間失格 ─まんがで読破─ -
人間失格 ─まんがで読破─ -

(ついこの間まで勝手にドラえもんご紹介ウィーク繰り広げていたのに、いきなりものすごくダークになってしまいすみません。別に自分が荒んでるとかではないんですが……。)

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:46| イギリスの暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月30日

(100日間リベンジ再び)5週目 (ダイエット停滞気味、絶賛夏バテ中 おススメ本発見)


※今回は日記です。

100日間、文書きとか悪習慣断ち(無駄酒、無駄インターネット)とか、ダイエットとか英語とか頑張ります!と宣言させていただいた、その経過とその他つれづれを書かせていただきます。
 これまでの経過一覧はコチラです。

1,ダイエット

 先々週、1.2kg減ですバンザーイとご報告いたしましたが(先週もキープだったのですが)、そこから1kg増えました……。

 結構不摂生(寝不足+ヌルイカロリー制限+夏バテウォーキングサボり)なクラシだったんで仕方ないかなと思いますが、毎週こうパッとしない経過をご報告するのも哀しいものがあります。

 明日からなんとしてでもウォーキング復活させます。

 ところで、この「100日間リベンジ再び」4週目の言い訳を見てくださったかたの人数が一時期増加したことがあり、ま、まさか、このグダグダ経過に関心を持ち始めた方々が?と、焦りましたが、同じ記事内で、NHKのイルカ番組(「地球ドラマチック 海からの使者 イルカ」)ご紹介をしていたせいだと気づきました。

 アイルランドの孤高のイルカ、ダスティと、彼女を愛し共に泳ぐオランダの人類学者ヤン・プローグ(Jan Ploeg)氏の魂の交流について調べていて偶然このブログにたどり着いてしまった人は、私のダイエット挫折言い訳も併せ読まされさぞ不毛な思いをしたことでしょう。ヤン・プローグさんのブログ探すのに結構頑張ったのでどうか許してください(汗)。
 ヤン・プローグ氏のブログ英語版はコチラです。
 http://www.janploeg.nl/english.html

 恥ずかしいんで今後は日記とその他の話題はきっちり分けようと思います。

 余談なのですが、このヤン・プローグさんのブログを探しの際、お名前の綴りがわからず、こんな流れで目当ての情報にたどりつきました。

「オランダ人の『ヤン』ってどう書くんだろう」
→「オランダ人画家で、ヤン・ステーン(※)っていたな」
→(ヤン・ステーンで検索、ウィキペディアに「Jan Steen」の綴りあり)
→「Jan dolphin Ireland」をキーワードに検索
→「Jan Ploeg English Version」ブログに到着

(※)ヤン・ステーン 
 風俗画で有名な17世紀の画家。静謐な画風のフェルメールと異なり、酒場で騒ぐ人々などを教訓を織り交ぜながらも生き生きと描いた。本人が兼業で居酒屋を営んでいたという異色の経歴の持ち主。

 何故「ヤン・ステーン」について知っていたかと申しますと、絵が好きだけどアナログの申し子な親に命じられて、ウィキペディアからすでに著作権切れになって掲載されている彼の作品をしこたま印刷させられたからです。(日本で入手できる画集が少なかったので)。
居酒屋にて(部分)(撮影者 The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei.)

ヤン・ステーン.png

 親しい友人が撮ったスナップショットのような生き生きとした情景。オランダの風俗画には当たり前のように犬が一員として混ざりこんでいるのが個人的には好感度高いです。
 ヤン・ステーンウィキペディア画像集はコチラ

 確かに良い絵だなーとは思いましたが、サイズがバラバラだったから印刷時に調整したりして地味に大変でした。
 
 でもおかげでプローグさんのブログにたどりつけたんで、親に、あの作業が役に立ったと伝えたら、「ほら見ろ、きっとそういうことになると思ったから頼んだんだ」とあまりにも見え透いた嘘をつかれました。なにが「ほら見ろ」なんだ……。

2,無駄ネット

 ゴシップ記事閲覧禁止は順調に更新できています。わたなべぽんさんの「やめてみた」情報が本当に効きました!

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -
やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 -


 でも、ニュースとか、Kindleセール本を探すとか、「無駄とは言い切れないけど、今読まなきゃダメか?」的部門の閲覧がまだ完全にはやめられていません。

 それでも昔よりは本当に減らせたと思うのですが、まだ、ヘトヘトなときや、やらなきゃいけないことがあるときほど手が伸びてしまいます……。

 ついこの間、この状況を見事に分析してくださっている本を見つけました。
『ストレスが消える「しない」健康法』(小林弘幸 著)

ストレスが消える「しない」健康法 (角川SSC新書) -
ストレスが消える「しない」健康法 (角川SSC新書) -


(以下「【ストレスのサイン】ネットニュースをだらだら見続けてしまう」部より引用)
 「ストレスを感じてるときにやってしまう行動」というのも一つのサインとして注目すべきポイントです。
(中略)ネットニュースに没頭し、特に興味があるわけでもないのに次から次へとニュースを読み続け、気が付けば一時間以上たっていた。
 これこそ体がストレスを感じ、無意識に現実逃避をしている典型的なサインの一つです。(中略)
 最初は「嫌だな」「つらいな」という感情を抱きますが、しばらくすると、「あ〜あ、もうどうでもいいや」と投げやりになったり、考えることをやめて、心に蓋をしてしまうことがあるでしょう。
 そんなときは、ただぼんやりと「与えられる情報」を受け続けるという行動をとりがちになるのです。
 ネットニュースを見続けるというのは、まさにその典型的なパターンです。
(中略)このように頭を使って主体的に行動するのではなく、単なる反応としてその行為を繰り返してしまうときは、体がストレスを受け、アクティブになれない状態だと考えられます。
 こんな状態のとき、一気に「さあ、仕事に戻ろう」と気持ちを切り替えるのは簡単ではありません。「ああ、またネットニュースに没頭しているな」「自分はストレスを受けているんだな」と認識し、「いったい何にストレスを感じているんだろう……」と考えるだけでも、冷静で、客観的な思考になれます。



 こっ小林先生………!!!(キラキラ目+祈り手)

 ネット中毒という問題があることについては色々な本で言及されていますが、「よくないストレス→思考停止→与えられる情報を受け続ける(無駄ネット閲覧)」という流れを専門家の先生がつぶさに書いてくださっている文章になかなか出会えなかったので、非常にありがたかったです。

(ストレスが原因で見ちゃうんだなとは自分でもうすうすわかっていた〈楽しくてやめられないときと明らかに心境が違う〉けど、理路整然と説明していただけるととても助かる。中毒者は自分で自分がコントロールできないので混乱しているのです。)

 この本では、「ストレスを恐れすぎず、しかし、ストレスを感じた際、気力で乗り切ろうとするのではなく、まずはストレスに起因する自律神経の乱れを整える行動をとる」ということを勧め、その方法(席を立つ、深呼吸、朝食をとる、等)を理由とともに具体的に説明してくださっている模様です(感動して読み終えて無いのにフライングご紹介〈汗〉)

 自分の状況にはとても合っていると感じたので、熟読してできるだけ生活習慣にとりいれたいと思います。

3,減酒

 先週よりちょっと酒量が増えてます。「くぴ飲み(半缶)」が「ぐび飲み(ほぼ一缶)」くらいに……。
元々は「人と一緒に適量しか飲んじゃダメ」って決めてたのに、ズルズル堕落している……(汗)。

 このままではイカンので、わたなべぽんさんが上記「やめてみた」で書いてらした、「炭酸水への切り替え」頻度を増やすべく、ちょっとフンパツしたレモン果汁(国産オーガニック)を買ってきました(オリゴ糖で割るとヘルシー美味しい)。今週は上記目標を厳守いたします。

 これもネット同様、別に好きだからではないので、ストレス対処についても鍛えていきます。

 ……というわけで、先週より全体的にちょっと後退してしまいました。ですが「これはマズい」とアタフタしていたら良著との出会いがありましたので、来週は挽回したいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 23:13| 100日間リベンジ再び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月29日

ツチノコ追加情報(ドラえもん界ツチノコとは真逆の世界ご紹介)


ちびまる子ちゃん 田中さんの証言.png

 前回、「ドラえもんに登場するツチノコは激カワ」ということをご紹介させていただきましたが、本当は(?)かわいくない(らしい)ということがわかる、作品掲載時の1970年代近辺のツチノコ情報や本について追記させていただきたいと思います。

ツチノコ3.png
(藤子F先生デザインだけ、当時からなんでこんなにかわいいのか〈×大泉逸郎〉まったく謎。)

1,『ちびまるこちゃん』「まぼろしのツチノコ株式会社」(コミックス4巻収録)

ちびまる子ちゃん (4) (りぼんマスコットコミックス (472)) -
ちびまる子ちゃん (4) (りぼんマスコットコミックス (472)) -

 ツチノコブームに沸いていた当時、『小学3年生』に掲載されていた、田中さん(58歳・農業)の目撃証言を固く信じたまるちゃんが、デパートの懸賞金100万円を目当てに、親友たまちゃんとエキセントリックな学級委員丸尾君とともにツチノコ探しに出かけるというお話です。

「当時、ツチノコ発見者には懸賞金が贈られるイベントがあった」
「ツチノコには毒があり、飛ぶ(らしい)」
という情報を広く後世に知らしめた作品です。

ちびまる子ちゃん ツチノコの恐怖.png

(当時の子供たちが抱いたツチノコのイメージを象徴するコマ)

※今でも岐阜県東白川村「ツチノコフェスタ」、新潟県糸魚川「ツチノコ探検隊」といったイベントでは懸賞金制度は続いているそうです。
http://higashishirakawa.info/event.htm(ツチノコフェスタHP)
http://nunagawa.ne.jp/tsuchinoko/index.html(ツチノコ探検隊HP)

 「捕獲の暁には(丸尾)スエ夫、タマエ、モモコ(まるちゃん)の頭文字をとり、スタモツチノコ株式会社を経営しましょう」という丸尾君のネーミングセンス(社長丸尾君〈予定〉)や、どう考えてもあてになりそうにない「田中さん(58歳)」の証言を、家族からクラスメートに至るまで失笑されても、熱心によりどころとするまるちゃんの純真(含100万への欲望)が味わい深い名作回です。

ちびまる子ちゃん 見ず知らずの田中さん.png

 まるちゃんの奮起を促すべく、「アナタの業績次第ではあなたをわたしの秘書にしてあげてもよいですよ。ズバリ頑張るとよいでしょう」という丸尾君の提案に対する、「そんな条件でよーしがんばるぞ、と言うとでも思っているのであろうか」というナレーションや、100万を手に入れた後の夏休み、ヨットでカクテルを飲みながら「ヘーイ、カモンジョージーイ♪(誰)」と南国を満喫するビキニ姿のまるちゃんのコマ(妄想)も大人心に響きます。
(前者はドラえもんの至言「いい!いい!どうでもいい!」に通じる一脈のわびがある。)

 2、恐怖の子供向けオカルト図鑑情報

 おそらく丸尾君も「スタモツチノコ株式会社」社長(予定)として参照したのではないかと思われる、1970年代のオカルト系図鑑や児童向け雑誌の記事では、藤子F先生のきゃわゆいぷっくりツチノコと完全に対立する、「短い凶暴なコブラ的ヘビ(跳躍力つき)」の情報が紹介されていました。
 
 この手の本ときたら、仮名遣いこそひらがなを多用していますが、それ以外は話題から絵から子供向け配慮が限りなくゼロに近く、むしろ大人でもそれなりにグロ耐性がある人でないとキビシイものがあります。

 レトロ系ライター(※)初見健一さんのブログで紹介してくださっている、1970年代の怖いツチノコ(想像)が見られるページはコチラです。(こちらは週刊誌の挿絵のようですが、幼少時の私が見たのもこんな感じの絵でした。)

 キャプションは
「『なぜなに学習図鑑』の挿絵などで、ちびっ子たちの脳内に凶悪なトラウマを植えつけまくった石原豪人画によるツチノコ画。なんか、毒性120%増しって感じ。」
……そう、そうなんです。まさに「トラウマ」としか形容しようが無い……。
http://tokyoretro.web.fc2.com/tsuchinoko.html
(ブログ、「東京レトロスペクティブ」より〈ブログ自体レトロとサブカルを満喫できてとても楽しいです〉)

 なんでこんなに質感豊かに、恐ろしく描くのでしょうか。当時「藤子F版ツチノコ」しか知らなかった(そして「カーワイー、ツチノコカーワイー♪」と思っていた)私には大ショックでした。
(しかもなんかその本〈図書館蔵〉が古い&大人気だったらしくズタボロだったのが、触ると血や湿気がつきそうなくらいのリアル画と相まって禍々しかった。)

(※)初見健一……サブカルチャー研究家、著作家。今も現役で活躍する昭和レトロな品々やデザインを紹介してくださった心温まる名作「まだある」シリーズの作者でもある。自称「懐かしがり屋ライター」(粋なフレーズ)

まだある。文具・学校編 改訂版 (今でも買える“懐かしの昭和"カタログ) -
まだある。文具・学校編 改訂版 (今でも買える“懐かしの昭和"カタログ) -

まだある。キャラクター編 改訂版 (大空ポケット文庫) -
まだある。キャラクター編 改訂版 (大空ポケット文庫) -

(※2)石原豪人……1950年代から長期にわたり活躍したイラストレーター。映画看板画家からキャリアをスタートさせ、子供向け雑誌、劇画、新聞小説、ゲーム雑誌、(別名義で)SM雑誌やゲイ雑誌まで、依頼があればジャンルを問わずに手掛けた。

石原豪人 妖怪画集 -
石原豪人 妖怪画集 -

新装版 石原豪人---「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター (らんぷの本/マスコット) -
新装版 石原豪人---「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター (らんぷの本/マスコット) -

石原豪人 (らんぷの本) -
石原豪人 (らんぷの本) -

 しかし、当時の挿絵画家の方々の絵は、いい意味でも悪い意味でも妥協や手抜きが一切感じられず、高い技術と、非常に広範囲な仕事ぶりに裏打ちされた、徹底的な絶望感やケレン味、秘めた妖艶さがあって、子供のときにはあれだけ怯えまくったのに、今となるとフラフラと吸い寄せられる魅力があります。

 (ツチノコの話題があるかは未確認ですが)初見さんがこの手の子供向け(だけど全然配慮が無い)情報紙面をまとめた「昭和ちびっこ怪奇画報」という本を出版されています。
(「ちびっこ」と「怪奇」の組み合わせが既に「ナンカチガウ」感満載。)

昭和ちびっこ怪奇画報 - ぼくらの知らない世界1960s-70s (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ) -
昭和ちびっこ怪奇画報 - ぼくらの知らない世界1960s-70s (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ) -


 立ち読みだけさせていただきましたが、当時の紙面の未だ色あせぬインパクトと、今だから言いたくなる突っ込みどころが大量にあってすごく面白かったです。初見さんの的確な評も楽しい。

 でも「欲しいんだけど家の本棚にあると、幼少期の記憶がよみがえって怖い」と未だに購入を躊躇しています……。

 ところで、ウィキペディア記事によると、ドラえもん人気に影響され、台湾の若者たちは幼少期の私同様ツチノコを非常に可愛らしいものだと思っていらっしゃるそうです。

 世の中に架空とはいえこれほどイメージギャップのある存在は無いと思うので、海を隔ててドラえもんを好いてくださっている若い人々が、これからこの手のイメージを知って、私と似たようなショックを受けるのかもしれないと思うとなんかちょっとアンニュイになります。

 以上、ツチノコ追加情報でした。

 読んでくださってありがとうございました。

※(訂正)一時「ちびまるこちゃん」引用画像のさくらももこ先生のお名前を「さくらもここ」(汗)としてしまっていたので、おわびして訂正させていただきます。なんで間違えたんだろう……(汗2)大変申し訳ありませんでした。

posted by Palum at 23:10| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月28日

(※ネタバレ)「ツチノコみつけた!」(『ドラえもん』 脇役キャラトップスター登場の回)


ツチノコ1.png

 今回はドラえもんの「ツチノコみつけた」(コミックス9巻)の一部あらすじと周辺情報についてご紹介させていただきます。
(このキャラ大好きなんで、当ブログで、今まで何度か言及させていただいており、一部内容が重複しますが、今回はどんなストーリーなのかの概要をお伝えしたいと思います。)


 コミックス9巻。
ドラえもん (9) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (9) (てんとう虫コミックス) -

 のび太が体の短い幻のヘビ「ツチノコ」の第一発見者になろうと奮闘する話です。

 以下あらすじです。結末までネタバレですのであらかじめご了承ください。(一部仮名遣いを改めています。)

 「この世に生まれたからには、なにかひとつ足あとを残したい!野比のび太の名前を、歴史の一ページに残したい!それにはどうしたらいいか、真剣に考えよう」
 と真剣な面持ちで目を閉じたのび太、すぐに寝落ちしてしまいましたが(……)未来から帰ってきたドラえもんにたたき起こされます。
(ちなみに、のび太はわりとこの手の思索にふけりますが、寝落ちしなかった場合、思いつくのは「逆立ちで世界一周」とか「大仏様の手で世界一のあやとりを作る」等です。〈真面目に聞こうとしていたドラえもん、このアイディアを聞いた時点で無言で寝室である押し入れにもぐりこむ〉〈コミックス26巻「歩け歩け月までも」より〉)

ドラえもん (26) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (26) (てんとう虫コミックス) -


 見せられたのは未来の百科事典の「ツチノコ」の章。

「昔は単なる想像上の生物とされていたが1975年東京の剛田武さんによって発見され……」
なんと幻のヘビの第一発見者としてジャイアンが歴史に名を残していることが判明。

 それなのに君はのんきに昼寝なんかして……とお説教するドラえもんに対し、ジャイアンの先を越して自分が見つける!と勢いよく飛び出したのび太。

 空き地を捜索中、ジャイアンとスネ夫に、「なんか落とし物か?」と聞かれて、慌てるあまり「関係ない、あっちへ行け!シッシッ!」と失礼極まりない返事をしてしまった結果、尋問にかけられ、ツチノコ探しを白状させられてしまいます。

 しかし、ツチノコの実在を信じていないジャイアンとスネ夫は失笑して立ち去りました。

 ライバルが消えた!と喜ぶのび太。
「必ず見つけてやる。たとえ何か月かかろうと、発見するまであきらめないぞ」
と空き地捜索を再開。

 「あきらめた」
 「まるっきり根性がないんだから」
 舌の根も乾かぬうちにげんなり顔で部屋に戻ってきたのび太にあきれるドラえもん。

 こんな町中にいるなんておかしいよ、と、ふて寝してしまうのび太。しかし、ドラえもんが、未来ではすでに実在が確認され、ペット化されている(笑)ツチノコを連れてきて発見者のふりをすることを思いつきます。

 さっそく、ツチノコブームが起きている2040年代へ行く二人。

 公園では人々に連れられ、たくさんのツチノコが集まっていました。
 
 ヘビがいっぱいいる公園なんてイヤダと思う方もいらっしゃるでしょうが、このツチノコは「オシシ仮面」「宇宙人ハルバルさん」など個性的なキャラを世に送り出した藤子F先生のデザインセンスがさく裂、顔も体ももっちりぷっくりしてごまつぶのような罪の無い目をして、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ!カワイイです。へびってか、オモチの妖精って感じ。

 世間では毒蛇との噂もあるツチノコですが、藤子Fワールドのツチノコは性格も可愛らしくて、おとなしくリードにつながれ、お洋服や赤ちゃん帽子を身に着け、呼ばれると喜んで人の後について歩き、直立してあーんと口をあけておやつをもらい、イイコイイコされるとニコニコ顔で短い尻尾をぴこぴこ振ります。(悩殺)

ツチノコ2.png

ツチノコ3.png

ツチノコ4.png

 ちなみに大福顔の口元にヒゲ?があるタイプと無いタイプがいます。
(大人と子供の違いでしょうか。蛇にヒゲというのが考えてみればフシギですが、それぞれ可愛い。)

 ペットショップでツチノコを入手しようとするも、未来のお金が無かったというミスがありましたが、公園で捨てられかけていたツチノコ(お巡りさんが「ノラツチノコ(←笑)が増える」と無責任な飼い主を注意していた。)を引き取り、喜びいさんで現代に戻る二人。

ツチノコ5.png

 さっそくマスコミに連絡しましたが、記者の人たちが来る前にツチノコがケージから逃げだしてしまいました。

 慌てて探しに行った二人、そこに「あっ!ツチノコ!!」という叫び声。

 興奮した様子のジャイアンの手につかまれ無心にぶら下がるツチノコ。

 ちょうど集まっていたマスコミに取り囲まれ、「僕が見つけたんです!偶然この空き地で!!」と、取材に答えるジャイアンを、二人は渋い顔で見つめるしかできませんでした……。

(完)

 この可愛らしいツチノコは、後年さまざまな形で商品化され、今やドラえもんグッズの常連ともいえる存在です。


ドラえもん ツチノコ のびのびパスケース ぬいぐるみ -
ドラえもん ツチノコ のびのびパスケース ぬいぐるみ -


ドラえもん ツチノコ ティッシュボックスカバー -
ドラえもん ツチノコ ティッシュボックスカバー -

 藤子F不二雄ミュージアムHP内のツチノコグッズ記事はコチラ。
http://fujiko-museum.com/blog/?p=8550/
(ミュージアム公式ブログ「ツチノコ」グッズが大人気!2012年12月28日より)


 しかし、実はツチノコって1970年代のオカルトブームの中では、「体の短い飛ぶ猛毒ヘビ」という存在として「発見者に贈られる懸賞金は欲しいが怖い」と当時の少年少女の間では認識されていたそうです。

 本物の(?)ツチノコのイメージで作られた、フィギュア界の名門、海洋堂さんのツチノコ。
(跳躍して口をカッと開き、攻撃を加える姿〈毒ありげ〉)

カプセルQミュージアム UMA大全 世界の未確認生物 [4.ツチノコ](単品) -
カプセルQミュージアム UMA大全 世界の未確認生物 [4.ツチノコ](単品) -

 当時の「藤子F先生版でないほうのツチノコ」の恐怖イメージについては「ちびまる子ちゃん」(りぼんコミックス4巻)で詳しく描かれています。(こちらも名作です。)

ちびまる子ちゃん (4) (りぼんマスコットコミックス (472)) -
ちびまる子ちゃん (4) (りぼんマスコットコミックス (472)) -

 私は藤子F先生のツチノコしか知らなかったので、後年、図書館で、子供向けオカルト図鑑(※)的なものを見て、ツチノコのカワイイイメージが大崩壊してショックを受けた記憶があります。(海洋堂さんのフィギュア同様、短いコブラ的なものが跳躍して人に襲い掛かる図だったような記憶が……。)
(※)昔そういう絵も話題もまったく子供向けじゃない、異様に緻密で高い画力でトラウマページを繰り広げる恐怖図鑑があった。

 怖いツチノコのイメージ真っ盛りの中で、藤子F先生がどうしてツチノコをあんなに可愛らしくて人懐こい生き物として描かれたのかは謎ですが、夢と温かみに溢れた藤子Fワールドを象徴するようなエピソードです。
 
 是非コミックスをお手にとってみてください。

 次回記事ではツチノコ追加情報として上記の「ちびまる子ちゃん」の作品と、子供向けオカルト図鑑についてご紹介させていただきます。
 
 読んでくださってありがとうございました。

※(補足)今回Seesaaのネットワーク障害で8月28日中の更新ができませんでしたが、100日連続記事更新を目指している最中なので、これを28日分記事とさせていただきます。29日記事は夜更新予定です。よろしければまたご覧ください。
http://trouble.seesaa.net/article/441431247.html(障害報告)
posted by Palum at 21:00| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月27日

(※ネタバレ)「未知とのそうぐう機」(『ドラえもん』 コワカワイイ宇宙人ハルバルさんと秀逸なオチ)



未知とのそうぐう機1.png

 今回は「未知とのそうぐう機」(コミックス17巻)の一部あらすじと幻のグッズ情報についてご紹介させていただきます。

 コミックス17巻。(前回ご紹介「驚音波発振機」も収録)

ドラえもん (17) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (17) (てんとう虫コミックス) -

 宇宙人を呼ぶ電波を発するひみつ道具「未知とのそうぐう機」をのび太が勝手にいじったために、家に宇宙人が訪ねてきてしまうというお話です。

 ドラえもんから「触るな!」ときつく言われただけで(見ていただけなのに、非常に感じ悪く注意されたので、あてつけに触るのび太。ドラえもんもしまっときゃいいのに……)、機械の説明をしてもらわなかったので、単に「UFOが見られる機械」と思い込んで面白がって何度もボタンを押してしまいますが、繰り返すうちにそうぐう機の電波発信源をつきとめた宇宙人ハルバルさん(ハルカ星在住)がのび太の部屋にUFOで乗りこんできます。

 アザラシとおじさんと古風なオバケをミックスしたようなコワカワイイハルバルさん。(17巻表紙に登場)

 異変に気付いたドラえもんが「あー!!やってくれちゃって!!」と。部屋に飛び込んできたとき、のび太はハルバルさんの「NMwwNwW」みたいな喋りに対し、「アハハなんか言っている」とのんきにかまえていましたが、ドラえもんは、のび太を部屋の外に連れ出し、
「態度に気を付けたほうがいい、なにしろ何百光年という遠い星からはるばるくるんだからな。用もないのに気やすく呼ぶなとカンカンに怒って、宇宙戦争になりかけたことさえあるんだぞ」
 と深刻な表情で耳打ちします。

 ホンヤクコンニャクを食べたドラえもん経由でハルバルさんのお話を聞いたところ、

「いいたかないけど地球までの燃料費が二千万円もかかった。ごはんの最中に呼び出されたので、はやく用事を言ってくれ」とのこと。

(まったく個人的な話ですが、子供のときこれ読んではじめて「いいたかないけど」という言い回しを学び、以来これに類するフレーズを聴くたびハルバルさんを思い出すようになりました。児童向け漫画のわりに渋いセリフ……。)

 もちろん用なんかなかったので慌てるのび太。

 様子を察したのかハルバルさんはこうつけ加えます。

「まさか面白半分じゃあるまいな。話は変わるがハルカ星の連合艦隊はこれまでの宇宙戦争で一度も負けたことがないんだ」

 震えあがりながらも、仕方なく食事をごちそうしてごきげんをとってごまかして帰ってもらうことにした二人。
(のび太にコーラをお酌されるハルバルさんの片肘をついたポーズがいかにも接待され中のおじさんっぽい。)

未知とのそうぐう機2.png

 地球の食べ物はうまい、と、はじめて眉間のしわを消して笑顔をみせたハルバルさん(可愛い)でしたが、地球の平和を守るためにおかわりをお出ししようとしたのび太を見とがめたママ、犬か猫でも拾ってきたのかと追及した挙句、ハルバルさんを見て、
「まあっ、アザラシなんかつれこんで……。シッ、シッ」
といきなりほうきでハルバルさんの後頭部を殴り倒します。

未知とのそうぐう機3.png

未知とのそうぐう機4.png

 ドラえもんと同居しているから変わった出来事には慣れているのかもしれませんが、家にアザラシ(違うけど)がいても驚かず、しかも、いきなり派手に殴るなんてママもなかなかスゴイ感性の持ち主です。

 当然激怒したハルバルさん、宇宙艦隊で地球へ攻め寄せる!と言い残してUFOに乗り込もうとします。

 足(ヒレ?)にすがって止めようとするも、衝撃波を受けてふりほどかれてしまう二人。

 「もうだめ!地球はほろびるんだ、君のせいだぞ!」
 「そ、そんな……」
 なすすべなくへたりこむ二人。

 しかし、UFOに向かいかけたハルバルさんが畳に転がるあるものを見て立ち止まります。
 前ヒレでそれを拾い上げると、鼻息荒く、なにやら「NMwwNwW!!」とまくし立てているハルバルさん。
 「ビー玉を見て騒いでいる」
 
 実はハルカ星ではガラスができず、地球のダイヤよりも値打ちがあるとのこと。

 それを聞いたのび太は箱一杯のビー玉を差し出し、
「地球とハルカ星の友情のしるしとして、ビー玉を贈りたいと思って呼んだのです」
 と笑顔で後付けの用事を伝えました。

未知とのそうぐう機5.png

 ハートを一杯まき散らして前ヒレでのび太を熱烈に抱擁したハルバルさん、大喜びで帰宅。

未知とのそうぐう機6.png

「ついに地球は滅亡から救われたのであった!」
 安堵して抱き合うドラえもんとのび太を見て、つい先ほど、息子との共同作業で地球を滅ぼしかけたとも知らないママが、
「テレビの観すぎです」
と、口を「3」にしてあきれていました。

 (完)

 さて、ハルバルさんの交通費片道2000万円は大いなる利益をもたらしたというのはあの熱烈ハグでよくわかりましたが、具体的にハルバルさんはどのくらいうれしかったのかということがちょっと知りたくなりました。

 で、ビー玉の大きさから、きわめていい加減に、ハルカ星のビー玉の価値を予想してみました。
 (寝不足とか具合悪いとか日記回に書いておきながらこういうことには労を惜しまない人)

 一般的なビー玉(ラムネに入っている大きさ)は直径約17oだそうです。
(ウィキペディア記事「ビー玉」より)
 
 (※のび太の手との対比ではもう少し大粒のビー玉にも見えますが一応標準的なサイズとします。)

未知とのそうぐう機7.png

 複雑にカットされているので正確な体積は不明ですが、これに近い大きさのダイヤモンドは約10カラット程度と思われます。(ハリウッドセレブの指輪の記事で10カラットなら親指の爪大とあったので)

(参照:【イタすぎるセレブ達】ジェニファー・アニストンの婚約指輪、関節より大きな10カラット超のダイヤが不評 
http://japan.techinsight.jp/2012/10/yokote2012101017270.html

(本当は1カラット=200mgと重さで換算するそうですが、ダイヤとガラスでは重さが違うので、ここではおおまかな一粒の大きさで考えさせていただきます。)

 上記記事のハリウッドセレブの10カラットの指輪で、石のランクはさほどでもない(らしい)指輪が査定8000万とあるので、カット、透明度、カラーが最高位のダイヤモンドの裸石(ルース ※カット済の粒のこと)以上の価値がビー玉にあるとすると、一粒一億円程度。
(参照:ウィキペディア記事ダイヤモンド)

 箱の中に見えるビー玉は約15個、二段詰まっていると考えると合計30億円。

 しかし、ダイヤと違ってその星に存在もしない物質となると、さらに高値である可能性があります。ダイヤでもピンクダイヤ等希少性があると数倍〜数十倍の値がつくので。
(それにしても、ハルバルさんきっかけで、かつてないほどダイヤ情報を読むとは思わなかった。) 

 なんとなくハルバルさんは星でそれなりの立場のアザラ…方なのかなという印象も受けますが(逆らえない呼び出し電波を受けたとはいえ、すぐに片道2000万の交通費を出しているところとか、連合艦隊とコネがありそうなところとか、接待され慣れた感じのコーラお酌されポーズとか)、のび太のはからいで、一瞬にして超富裕層資産に匹敵する宝石を得たわけですから、そりゃほうきの一撃くらいチャラにしますよね。
 
 ところでこのコワカワイイハルバルさん、2007年に一度フィギュアになったみたいですが(ビー玉つき〈大笑〉)今は特にグッズ化されていないようです。

VCD 1/6計画限定 ハルバル メディコム・トイ -
VCD 1/6計画限定 ハルバル メディコム・トイ -

 地球を滅亡させようとはしましたが、よく見るとマニアックドラキャラの大スター「ツチノコ」(毒すら持っていると噂されるUMAヘビなのに、藤子F先生のデザインにかかるとおもちみたいで人懐こい生き物に変身。こちらはあまりの可愛さにグッズ多数。)の次くらいに可愛いと思うので、またなんかグッズ化されたら見てみたいです。

UDF ツチノコ (警戒色&アルビノセット)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -
UDF ツチノコ (警戒色&アルビノセット)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -


 藤子F不二雄ミュージアムでハルバルさんディスプレイについてご紹介なさっている記事はコチラです。巨万の富(ビー玉)に囲まれて幸せそう。
http://fujiko-museum.com/blog/?p=10608/

 是非、原作をお手に取って、この絶妙なデザインのハルバルさんとオチ(そしてママの冷静すぎる反応)をお楽しみください。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 18:13| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月26日

(※ネタバレ)「あやうし!ライオン仮面」(『ドラえもん』 超マニアックキャラがまさかの人気)


ライオン仮面5.png

 今回は「あやうし!ライオン仮面」(コミックス3巻)のあらすじと、ここに登場するキャラのこぼれ話をご紹介させていただきます。

コミックス3巻。
(泣ける「ペロ生きかえって!」、ドタバタ恋愛劇(?)「ああ、好き好き好き!」が読めるおすすめ巻。〈結局全巻好きなんだろ〉)

ドラえもん (3) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (3) (てんとう虫コミックス) -


 以下あらすじです。(結末までネタバレですのであらかじめご了承ください。)一部仮名遣いを変更させていただいています。


 「ワハハハハ、ライオン仮面。もはやのがれることはできんぞ!」
 ヒーローライオン仮面が、少女とともに悪の組織に取り囲まれ、絶対絶命のピンチに。

ライオン仮面1.png

 「ワーッ!!」
 一斉にレーザーガンで撃たれ、叫び声をあげるライオン仮面。

ライオン仮面2.png
 (10月号につづく)

 「いいところで切れちゃうんだいつも」
「ライオン仮面」を読んでいたのび太とドラえもん。
「10月号ではどうやって助かるんだろう」
 どう考えても助かりそうにないけれど、主人公が死んじゃおしまいだから、きっとなんとかするんだろう。
 でもその展開が知りたい。
 「そうだ!!本人に聞けばいいんだ」
と、ご近所にお住いの作者フニャコフニャ夫(笑)の家へ直接訪ねていくドラえもん。
(※初期ドラえもんは後ののび太の保護者っぽい性格とやや異なり、率先して動く傾向があります。)

 フニャコ先生は売れっ子らしく、家には数人の編集者が不機嫌そうに原稿待機中。

 それなのに、ライオン仮面の続きをさっぱり思いつけずに机に向かって途方に暮れているフニャコ先生。
(細身でお人柄のにじみ出た穏やかなお顔のリアル藤子F先生と異なり、ぽっちゃり体形で不機嫌そうな顔つきですが、フニャコ先生もF先生のトレードマーク、ベレー帽をかぶっています。)
 「あれからどうして助けていのか、見当もつかん」
 そんなことはじめに考えておくべきだと文句を言う担当さんと、あのとき君がせきたてたからだと言い返すフニャコ先生。

 大人同士の責任のなすり合いを見て、本人にもわかっていないんじゃしょうがないと家を出るドラえもん。

 それでも続きが知りたいので、タイムマシンで来月に行って発売済みの10月号を立ち読みします。

 ところが半分しか読んでいないうちに、古風にはたきで本屋のご主人に追い払われるドラえもん。

 今月に戻ってくると、空き地でみんなにライオン仮面の続きについて話しはじめます。

 「あれからね、場面が変わるんだ。ライオン仮面の弟のオシシ仮面が登場する」
 兄を追ってくらやみ団本部へ乗り込んでいく!けど、あとは秘密。
 と、話を終わらせようとした瞬間、「きみっ、ぜひその先を教えてくれたまえ!!」と土管から飛び出してドラえもんにすがりつくフニャコ先生。

 「あんたの描いた漫画だよ」
 「まだ描いてないんだ」
 追いかけっこの末押し問答をする二人を、担当さんが追いかけてきます。

 気分を変えて土管の中で考えていたんだ(珍しい思索スペース)、と言い訳をするフニャコ先生を、早くしてくれないと間に合わない、と急かす担当さん。

 早く続きを教えて!!と先生に激しく揺さぶられ、しかたなくもう一度来月に行って続きを買ってくることになりました。

 担当さんを部屋から追い出し、来月号を読み始めるフニャコ先生。
「死んだはずのライオン仮面をどうやって助ける?」
「それが、オシシ仮面もつかまるよ」

 ドラえもんの言葉通り、紙面の中には、縛り上げられて吊るされ、悪の組織にとりかこまれているオシシ仮面。

ライオン仮面3.png

(獅子舞の面をかぶり、うずまき模様風呂敷風マント(?)姿。アメコミヒーローを思わせる二枚目マッチョの兄と自身を比べてなにか思うところがないのかが、どうしても気にかかる。)

「グエーッ!!」という絶叫とともに、炎に包まれるオシシ仮面。

ライオン仮面4.png

(11月号に続く)

「なんだこりゃ?こんな終わらせ方じゃあ、あとが困るじゃないか!」
「描いたのあんたでしょ」
フニャコ先生の逆ギレに唇が「3」になるドラえもん。

「あとのことは来月号までに考えようというわけか。」
「そうらしいね」
「なんという無責任なわしだ!!」
「ぼくは知らないよ」

 そうは言っても続きが気になって仕方がないフニャコ先生のために11月号を買いに行くドラえもん。

 「場面が変わって、オシシ仮面のいとこのオカメ仮面が出てる」(もはや「獅子」ですらない。)

 ここで「原稿まだですかっ!」と担当さんに怒鳴られ、12月号に物凄い不安を残しながらも、丸写しをはじめるフニャコ先生。

 その他雑誌の担当者も我慢できずに急かしはじめ、パニックを起こしたフニャコ先生は、ドラえもんにすべての雑誌の来月号を買ってこさせます。

 ドラえもんが戻ってくると、机の前で過労とストレスで倒れていた先生。

 「きみ、その雑誌を見て描き写してくれ」
そう言って強引に仮眠に入ったフニャコ先生を背に、とりあえずベレー帽をかぶらされ、一生懸命模写をするドラえもん。
 「ぼくのうつしたまんががのって、この雑誌がでるとすると……、まんがのほんとうの作者はだれだろう??」

(完)

 読者に期待させておいて難しい物語構成は来月に先送りする大人の事情とか、その渦中で「ライオン仮面」→「オシシ仮面」→「オカメ仮面」と、どんどんキャラ設定からしてシュールになるところとか、そんな自身の仕事ぶりに対するフニャコ先生の「なんという無責任なわしだ!!」という一部大人の深い共感を呼ぶ(含僕)セリフが見所です。

この作品、発表より約40年の月日を経て(1971年「小学4年生」掲載)現実世界で後日談が発生します。

1、2008年「オシシ仮面フィギュア化」
たった二コマしか登場しない、しばりあげられて「グエーッ!!」と叫ぶだけのこのキャラが、フィギュア化されて発売。

しかも、捕まって吊り下げられている姿の「通常バージョン」と、炎に包まれている「グエーッ!!」姿の「バーニングバージョン(大笑)」の二種類。

UDF オシシ仮面 (ノーマルVer.)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -
UDF オシシ仮面 (ノーマルVer.)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -


UDF オシシ仮面 (バーニングVer.)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -
UDF オシシ仮面 (バーニングVer.)(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -
アマゾンの購入者レビューには、「友人の誕生日プレゼント用に購入しました」、「会社の机に飾っています」等、原作ファンの方たちのお喜びの声が届いていました。
ちなみに二個セットで買った方が多い模様です。

 (補足、このフィギュアを作られた「メディコム・トイ」様、かの「きれいなジャイアン」等、原作マニア心をくすぐるセレクトのフィギュアを多く作っておいでて、商品紹介ページと愛に溢れた購入者レビューを見ているだけで楽しいです。なお、つい先日〈2016年8月24日〉「美男子のび太(コミックス8巻「消しゴムでのっぺらぼう」)」「カッコイイドラえもん(コミックス2巻「うそつき鏡」)の普及版が発売されたそうです。当ブログの同原作ご紹介記事はコチラです。)

UDF きれいなジャイアン(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -
UDF きれいなジャイアン(ノンスケール PVC製塗装済み完成品) -

UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 かっこいいドラえもん 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -
UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 かっこいいドラえもん 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -

UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 美男子のび太 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -
UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 美男子のび太 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -

2、「オシシ仮面Lineスタンプ化」

藤子・F・不二雄プロ制作の公式高品質カラー作品。
「ドラえもん(泣いて笑って)」から購入可能。「グエーッ!!」という気持ちを表明したいときにおススメです。

(結局いつ使うんだと思いましたが、ご紹介者様いわく、「大ピンチを表すときに使えます」とのことです。なるほど……)

(参照:Neverまとめ 【ジワジワくる】よく使う?「LINEスタンプ」10選 まとめ作成者:eight-threeさん http://matome.naver.jp/odai/2143990485605740001) 

 この文を書くにあたり、ウィキペディア記事も参考にさせていただきましたが、こちらも非常にこまやかなウィットに飛んだ名文で、みなさんのオシシ仮面愛に胸が熱くなります。

 なんでよりによってこのキャラにこれほどの人気が発生するのかとやや不思議ですが、あの前代未聞のキャラデザインと(兄との差異と)、「グエーッ!!」のインパクトの前には理屈など無力です。

 フィギュア化情報を得てパソコンの前でギャハハと笑った僕もまた、心のどこかで長年オシシ仮面を愛していたのですから。

 たった2コマを約40年間ファンの記憶に刻み付けたフニャコ……いや藤子F先生はやはり素晴らしい。

 ときにはフニャコ先生同様ご苦労をして、土管にこもったこともあったかもしれませんが(それはないんじゃない?)先生の努力の結晶は、こうして不滅のものとして、2コマであってすら多くの方々を魅了し続けています。(オリンピック閉会式にもドラえもんが出てきてくれてうれしかったなあ……。)

 すぐれた作品構成、鮮烈なキャラデザインとギャグセンス、そしてファンの方々の不滅の愛情に心なごむ名作です。是非お手にとってみてください。

 読んでくださってありがとうございました。



posted by Palum at 06:10| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月25日

(※ネタバレ)ドラえもん「ホンワカキャップ」(飲めばホンワカ、でも飲みすぎると……)

ホンワカキャップ.png

本日はドラえもんのひみつ道具「ホンワカキャップ」(コミックス30巻収録)についてご紹介させていただきます。

(コミックス30巻 表紙でドラえもんが持っているのがホンワカキャップです。〈※この巻、前回ご紹介の「ねむりの天才のび太」も入っていておススメです〉)

ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -

 これを瓶につけて注いだ液体はホンワカ放射能なるものを帯びて、アルコールによく似たホンワカした気分になれるというひみつ道具です。

 なんと素晴らしい、と、思ったら、酔いすぎると危険というところまでアルコールに似ていて、大人の飲み会そっくりのトラブルが起こってしまいます。

 以下あらすじです。
(結末までネタバレですのであらかじめご了承ください。)
一部仮名遣いを変更させていただいています。

 自慢の切手コレクションを、「一緒に切手を集め始めて、おまえばっかりたまるのはどういうわけだ」と逆ギレされたジャイアンと公平に分ける(=大量に持っていかれる)ことになったスネ夫。

 この件についてのび太に愚痴ったら「見せびらかしたりするからだよアハハ」とノー同情だったのに腹を立て、「他人の不幸を笑うな!!」と膝を蹴っ飛ばしてむしゃくしゃ顔で家に帰ります。

 口を滑らせたとはいえ、いきなり蹴られたのび太も非常に面白くない思いで家に帰ると、パパがお友達と家呑み中でした。
「いやなことはみんな忘れて楽しくやろうじゃないの」

 「大人はいいよな。お酒飲んで良い気持ちになれて」
不公平だと嘆くのび太に、ドラえもんが「ホンワカキャップ」を出してくれます。

 ジュースにキャップを付けて注いだものを飲んでみると、ホワ〜といい気持ちになるのび太。

 一口だったのですぐ覚めましたが、これはいい、と、キャップを持ってドラえもんと一緒にしずかちゃんの家に遊びに行きます。

 ホームサイズのコーラでさっそく家呑み開始。

 真っ赤な顔で、飲めや歌えの楽しい時間を過ごします。(しずかちゃんもちゃんと加わってる。)

 楽しかったけど飲みすぎたな、と、千鳥足で帰る途中、ジャイアンに出くわした二人は、
「いいものやるぞ!!いいからとっとけって」
と、ホンワカキャップを渡してしまいますが、酔いが醒めてから半べそで大後悔。

 「宴会やるからコーラ持って俺んちへ来い」
塾へ行こうとしていたのにそんなことをジャイアンに言われたスネ夫は断ろうとしましたが、
「俺とじゃ飲めねえってのか!?」
と嫌な先輩みたいな脅しをかけられ、仕方なしにコーラを一ケース持ってジャイアンの家に行きます。

 「じゃ、かる〜く一杯……」
「せこいこといわねえでガバガバやれ!」
(注、小学生の発言)

 しかし、一杯飲んだらいい気分になったスネ夫は、喜んでグラスを重ねていきます。
「もりあがったところで、カラオケといこう。」
「いよっ、待ってました!!」
 完全にどこかで見た光景です。

ホンワカキャップ2.png

 ジャイアンの家をゆるがす、あの有名な歌声。

 いつもならじっと耐えるスネ夫ですが、その日は違いました。
 しだいに歌を聴く表情が険しくなっていったかと思うと、コーラを手酌でガバっと飲み干し、吐き捨てるように言いました。
「ケッ!やめろやめろ、へたくそ」
「今なんと言った!?」
激怒するジャイアンの顔に激しくあびせかけられたコーラ。
「へたくそをへたくそといってなにが悪いへたくそ!!」

ホンワカキャップ3.png

 さらに、ジャイアンにかけたから空になったグラスをさしだし、
「ほれ、つげよ!!」
と酌を要求するスネ夫。

 「お前コーラぐせが悪いな……」
完全に圧倒されて、コーラをしたたらせながら言われたとおりにするジャイアン。
そろそろ塾へ行かなくていいの?と愛想笑いをしますが、るせえ!もっとつげ!!と命じられ、もうない、と答えた瞬間コーラ瓶が飛んできます。
「買ってこい!!」

ホンワカキャップ4.png

 もはや瓶から直飲みしながら、空瓶のいくつも転がる部屋にあぐらをかき、
「でっかい顔しやがって!!てやんでえ!!みんな泣かされてんだぞ。お前なんか町の公害だぞ!!バーロー」
と、こめかみに青筋を立てながら、日ごろのうっぷんをぶつけるスネ夫に対し、次第にうなだれるジャイアン。

 「グス……なにもそんなに……言わなくても……」
 そしてシャツで顔を覆い、肩を震わせ、さめざめと泣きだします。
「心の中では……みんなに悪いと……あたし、つらい!」

ホンワカキャップ5.png

 何故かオネエ化したジャイアン、その胸ぐらを容赦なく掴んだスネ夫、
「悪いと思ったら切手返せ!!」
と恫喝。
「返すわよ!!ほかの人のおもちゃも本もみーんな返すわよ!!(泣)」

ホンワカキャップ6.png

 家の前でホンワカキャップを手にしたドラえもんと、数冊の本を抱えるのび太。
「さっさと次の家へまわれ!!」
 巨大なふろしきを背負い、涙を浮かべるジャイアンの尻を蹴って追い立てるスネ夫を見て、のび太とドラえもんは
「さめた後が思いやられるなァ」
と、つぶやきます。

 大人の知人に、ドラえもんって大人になってから読むと違った面白さがあるんだよ、と伝えたいとき、一番例示に向いている回かもしれません。

 (絵的なインパクトとしては、ひみつ道具に煽られたしずかちゃんがとんでもない行動に出る「腹話ロボット」や、現代アートをもしのぐシュールさの「からだの部品とりかえっこ」が良いと思いますが。)

 ジャイアンのホンワカハラスメント(≒アルコールハラスメント)と、スネ夫の前代未聞の豹変ぶり(酔ってからの表情や台詞がやたら生々しい)が、大人心にツボです。

 彼らが口にしたのはあくまでホンワカ放射能ですが、私同様アルコールのもたらすいい気分につい惹かれてしまう方も、その先に待ち受けている危険を心に刻みたいとき、あのジャイアンにコーラを浴びせかけるスネ夫を思い出してみるといいかもしれません。

 もう数作、ドラえもん作品についての記事を書かせていただきますので、よろしければおつきあいください。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 06:32| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

おススメテレビ番組情報と100日間リベンジ再び 4週目

 

※今回はおススメテレビ番組紹介+日記です。とりとめがなくなってしまいますがよろしければおつきあいください。

 まず、NHKで近々再放送されるおススメ番組情報です。

1,「フランケンシュタインの誘惑 人が悪魔に変わるとき スタンフォード大学監獄実験」
(2016年8月25日(木)BSプレミアム 午後5:00〜午後6:00)
 1971年、アメリカの名門、スタンフォード大学の、架空監獄施設で行われた実験を紹介した番組です。
 公式番組情報はコチラです。

 人間は与えられた立場により、たった数日で激変するという想定外の結果と、被験者への深刻なトラウマを残した心理学実験史上最大のスキャンダル。

 番組前半は、この出来事の記録を実際の映像と音声で紹介、後半では、この実験で得られた理論を悪用した(軍部が施設職員を残虐行為へと走らせた)と思われるアメリカ軍による捕虜虐待事件について言及しています。

 この警告は非常に示唆に富み、概要を知ることに意義があると思いますが、かなり残酷な場面が多い(特に捕虜虐待の証拠写真については、NHK内でも放送の是非が問われたのではというほどショッキングなものです)ので、ご注意ください。

 当ブログでこのスタンフォード大学監獄実験についてご紹介させていただいた記事はコチラです。

2,「地球ドラマチック 海からの使者 イルカ」

 8月29日(月) 午前0時00分〜0時45分
 野生のイルカたちと彼らを愛する人々との交流を紹介した番組です。(公式番組情報はコチラです。)

 餌付けなどをしなくても、人という生き物に興味を示してコミュニケーションをとろうとするイルカたちの様子や、独自のコミュニケーション能力(ホイッスルと呼ばれる不思議な発声など)について知ることができます。

 注目はアイルランドの島で単独行動をするイルカ「ダスティ」。

 イルカに魅せられたオランダ人人類学者ヤン・プローグ氏(イルカについては専門外ながら、彼が実際に海で出会ったイルカについて紹介しているブログが専門家からも注目を集めています。〈http://www.janploeg.nl/english.html〉)が海に入ると、どうやってか気配に気づいて近寄ってきて、戯れるように一緒に泳ぎます。
(ちなみに番組原題は「Dances with dolphins」。この美しい情景によく合っています。)

 取材で海に潜ったフランスの海洋学者セラノー氏の動きも興味津々で見つめている。

(※ただし、あくまで野生のイルカなので、水族館の人馴れしたイルカのように触ろうとするのは危険と警告されています。)

 ところで、ダスティが単独行動をしている理由として、彼女の理解者であるプローグ氏は、
「群れの中ですばぬけて頭がよかったからでしょう。人間の社会でも抜きんでたものははみ出し者になりがちです。おそらくダスティも群れから追い出されたか、自分から離れたのでしょう」
と推察しています。

 「寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ(百人一首 良暹法師)」……。

 せつねえですが、しかし、ゆえにプローグ氏たちとの友情を育むことができたのでしょう。

 ちなみにフランスの番組ですが、放送・番組内使用言語は聞き取りやすい英語なので、英語リスニング教材を探している方にもおすすめです。

当ブログ、イルカ動画ご紹介記事はコチラです。よろしければご参照ください。

夏向き癒しのイルカ動画
イルカたち、フグ毒を回し飲みしてハイになる(イギリスBBCドキュメンタリーより)
自然番組の撮影方法(BBCドキュメンタリーより)


3 再放送していただきたいな……。「地球ドラマチック 新種発見!?史上最大の恐竜」

 再放送予定不明なんでただの願望です。

 イルカ番組のためにNHKホームページ見てて、素敵な番組を見逃したことに気づきました……。

 2014年に発掘された巨大恐竜の全貌を追う番組です。番組公式情報はコチラです。

 憧れのBBC自然番組プロデューサー、ディビッド・アッテンボローさんがご紹介役だったのに見逃したあぁぁ!!(悔)

 この番組は今年2月にイギリスに制作されたものとのことなので、アッテンボローさんはこのとき89歳。(8月現在90歳。)

 御年のことを言うのは無粋というものですが、こんな現役バリバリに教養番組に登場なさる90間近の方なんてちょっと例が無いと思うので、是非再放送でその活躍を見せていただきたいです。

 番組情報ページ内、トレードマークの青い半そでシャツ姿の銀髪紳士がアッテンボローさんです。

BBCの動画が一部公開中なのでリンクを貼らせていただきます。(原題は「360° meet the largest dinosaur ever discovered - Attenborough and the Giant Dinosaur」)



https://www.youtube.com/watch?v=rfh-64s5va4

 あーあ、面白そうだなあ(泣)。

 NHKで放送されるとき、この方が出る場合はBBCみたいに「アッテンボロー」のお名前をタイトルに入れておいていただけると嬉しいのですが……。

 (イギリスTV界草創期の功労者にして巨人なので、あちらでは「アッテンボローさんが出る」というところは必ず強調されます。)

 7月23日放送だったそうですが……当時の自分は「もっと頑張んないとなあ……(グダダラ)」みたいな日々でした(今も似たようなもんだがもっとヒドかった)。

 そうこうしているうちに良いものはどんどん発信されていっているのだと痛感……。

 近々、この方の別番組についてもご紹介させていただきたいです。 


 以下より、日記です。俄然無益な情報のみになります。(書かない方がいいのでは)

 ブログ毎日更新とかダイエットとか、生活習慣改善とか頑張るぞー!と、はじめた100日間チャレンジ4週目のご報告です。(これまでのご報告一覧はコチラ

1,ブログ更新日時ミス

 先週、100日連続ブログ更新が寝過ごして20日で途切れてしまいましたうわああああ(嘆)と書き、反省して仕切りなおしたのに、間違えて22日中にブログ更新しそこねてしまいました。先週みたいな思いは二度としたくないと早めに仕上げて寝かしといたのに寝かせすぎた……。

 一度ある程度続けたものに挫折してしまうともう一度軌道に乗せるのが大変だとよくわかりました……(汗)。

 グダグダになってしまい申し訳ないのですが、あきらめたわけではないので、23日より再々仕切り直しとして(汗2)、11月末までの連続更新を目指します。

 今、毎日ブログ更新をしようかな……と思っている方がいらしたら、極力書き溜めておくことをお勧めします(最低でも1週間分)。

 私はそれまで続いていた無気力期から抜け出すために、一番好きなものを頑張ってみようとブログ更新を始めたのですが、「がんばりまーす」とノーストックで宣言だけして始めてしまった結果、自転車操業となってしまいました。そして、書き溜めていないと好きなものですら謎の義務感に圧迫されながらの作業となり、ちょっと辛いときがあります。
 でも、見て頂き始めないと気力がわいてこないっていうのもまた真なんですけどね……(困)。

 今後はこまめに時間をとって先の記事を書いて、忙しい時や体調不良のときに備えます。

2,ダイエット

 一昨日より体重計が壊れていて計測不能なので、来週に持ち越させていただきます。
(家電って壊れるとき同時期にクル気がするのですが、ウチだけでしょうか……今洗濯機や冷蔵庫も一斉に調子悪くて困っています。なんでみんなそんなに仲がいいの。)

 ただ、計測してないけど先週よりちょい増えな予感……(嫌な予感)。
 1の記事書き溜めが順調に進めば、寝不足から抜け出せてペースアップできると思うんで頑張ります。

3,減酒

 先週飲んで寝落ちしたせいでブログ更新できなかったんで、さすがに懲りてあまり手をだしていません。

 ただ、目標の「人といるとき以外は炭酸水に置き換えて完全ノンアル」まではいけてないです。
 忙しいとついビール等を買い物カゴにシノばせてしまい、帰って半缶くらいくぴっとやりたくなっちゃう傾向があります。

 基本半缶なんだからそんなに気にしなくてもと思う自分と、その一口が時に暴走して、ブログとかダイエットを危機に晒すんじゃん!という自分が毎日脳内口論を繰り広げている状況です。頑張れ後者。 

 明日は、愛するドラえもんの中で飲酒の喜びと危険性を暗示した大人向け名作「ホンワカキャップ(コミックス30巻収録)」をご紹介する予定です。
(ドラえもんたちが飲んでるのはアルコールじゃないけど、明らかに大人の飲み会がモチーフになっている作品。)

ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 00:15| 100日間リベンジ再び | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

(※ネタバレ)ドラえもん「驚音波発振機」(ジャイアンの歌による害虫・ネズミ駆除)

 
 今日もドラえもんの話題です。(好きなんで……。)

 害虫に悩まされるこの時期、「あんなこといいな、できたらいいな」と言うにはリスクが高いけれど、しかし駆除効果抜群のひみつ道具のお話です。(コミックス17巻収録)

ドラえもん (17) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (17) (てんとう虫コミックス) -


(以下、結末までネタバレですのであらかじめご了承ください)一部仮名遣いをひらがなから漢字に一部改めさせていただいています。

 冒頭、不機嫌そうに町を歩くジャイアン。
 
 新曲を作ったのに(作ったから)、突如子供たちが町から姿を消したのでストレスが溜まっています。

 ドラえもんに何とかしてもらおうとジャイアンから身を隠しながら逃げ帰ってきたのび太でしたが、家から飛び出してきたドラえもんと正面衝突します。

 ジャイアンのことを話そうとしてもテンパってて聞きもしないドラえもん。家でドラえもんの天敵、ネズミに出くわしてしまったのです。
「おおそうだ!爆弾で家もろともふっとばしてやれ!」

驚音波発振機1.png

 なんて物市販してんだ未来デパート。
 
 ドラえもんをなだめて、未来のネズミ取り機を使えば良い、とアドバイスをするのび太。

 浮かない顔で、「驚音波発振式ネズミ・ゴキブリ・南京虫・家ダニ・シロアリ退治機(※)」を出すドラえもん。(※全ドラえもんのひみつ道具の中で最長の名前を持つそうです。ウィキペディアより。)
 超音波で害虫、害獣を駆除する機械を発展させたものだけれど、その驚音波のテープは無くしてしまって手元にない状態。

 するとのび太が、ジャイアンの新曲を使うことを思いつきます。
 のび太の提案に瞠目するドラえもん。
「そうか!!歌わせてこの機械にかけて、音波の中でも特に有毒な部分を取り出し、うんと強めれば……」
 ひどいこと言ってる。
驚音波発振機2.png

 ジャイアンに、是非新曲を家で聴かせてほしいと頼みに行く二人。

 「心の友よ!!」と感涙するジャイアンを連れて戻ってきますが、有毒音波を流すにあたりママを避難させなければなりません。(ジャイアンの歌≧バルサン)

 しかし、なんのことかわからないママからぴしゃりと断られてしまったので、やむをえずタケコプターを付けてはるか上空へ強制退避させることに。
「ママの命をまもるためしかたがなかった」

(地味に笑いを誘う一コマ)
驚音波発信機3.png

 ひそかに耳栓をして、度胸を決めると、部屋にある驚音波発振機については「歌の力を強める機械」とボヤかし、歌い始めてもらう二人。

 耳栓すらも貫通する驚音波に耐えていると、押し入れからゴキブリがよろけ出てきて、力尽きて息絶えます。

 「すごいすごいその調子!」「もっともっと」
二人の喝采に気を良くして歌いまくるジャイアン、やがて、窓や壁にひびが走ります。

 そして激しく揺れきしむ天井。

 敵とはいえ、ネズミたちの阿鼻叫喚に、

 「ものすごい悲鳴!この世のものとも思えない」
と戦慄して身を寄せ合うドラえもんとのび太。

驚音波発信機4.png

 劇場の大シャンデリアを揺らしたという伝説のオペラ歌手マリア・カラスに匹敵するほどの超絶声量です。(質はともかく。)

 「あっ、見ろ!」
窓からネズミ一家が命からがら逃げ出してゆくのを確認したドラえもんは
「よかった!!」
とのび太にしがみついて泣き崩れます。

「喜んでくれて俺も嬉しい」
食い違ったまま満足げに汗をぬぐうジャイアン。

驚音波発信機5.png

 数日後。

「ネズミ・ゴキブリ・南京虫・家ダニ・白アリ!! 全滅させます。料金――百円 のび太消毒社」
部屋に散らばるチラシを見て大慌てするドラえもん。

 のび太はしずかちゃんからの白アリ駆除依頼電話応対中でした。
「うんすぐ行く。あぶないから誰も家に残っていちゃいけないよ」
 そしてすぐにジャイアンに電話。
「やあジャイアン。またきみの芸術にひたりたくなったんだけど……」(←笑)
 今日の会場はしずかちゃんの家だよ、とワルイ顔で電話を切るのび太に、ドラえもんは「ばれたら殺されるぞ」と警告します。
 方法は秘密にしてあるんだからばれっこない、と、聞き入れようとしないのび太。

 「ジャイアンもよろこぶ。しずちゃんもよろこぶ。ぼくはもうかる。こんないいことやめられないや」
……とドラえもんの心配をよそに、笑顔で驚音波発振機を持って出かけてしまいます。

 しかし、さらに数日後。

 「心の友よ、頼みがある」
のび太宅を訪ねてきたジャイアン。
「スネ夫の家のゴキブリを退治したそうだな。うちも頼む」

 ジャイアンの家。
「なんだ、歌の機械じゃないか。それでどうやってゴキブリとるんだい。はやくやってみせろよ」
 笑顔で興味津々のジャイアン。無言で機械を操作するしかないのび太。

 その顔をうかがい知ることはできませんが、その後ろ姿からは幾筋もの冷たい汗が流れていました……。

驚音波発信機6.png

(完)

 かけたものがなんでもおいしくなる「味のもとのもと」をかぶってしまったジャイアンを一口でいいから食べようと目のイってしまったのび太たちが追いかけまわす「ジャイアンシチュー(コミックス13巻収録)」と並ぶホラーエンディング。

ドラえもん (13) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (13) (てんとう虫コミックス) -

 前者がパニックムービー調なら、こちらは迫りくる惨劇をほのめかしながら無情にもフェードアウトしていく静的構成です。

 100円で全害虫害獣が駆除できるなら(窓と壁の修繕費が発生するかもしれないけど)破格だから、アイディア自体は良かったんですけどね……。

 のび太はよくドラえもんの道具を活用(≒悪用)して(しばしば無断で)新商売を始めるのですが、軌道に乗るかと思いきや何らかの理由で水泡に帰すというのが定番です。その中でも一番恐ろしい結果になった(に違いない)のがこの回。

 このコミックス17巻には、この他にも、ふりかけたものが五分おきに倍になる薬(一個の栗饅頭にかけたら二時間で1677万7216個に増える)「バイバイン」、宇宙人を呼び寄せてしまう「未知とのそうぐう機」など、扱いを間違えると恐ろしいことになるひみつ道具(そしてもちろんのび太は間違える)が登場して面白いです。
 是非お手にとってみてください。(当ブログ「未知とのそうぐう機」ご紹介記事はコチラです。)

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 00:00| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月21日

(※ネタバレ)のび太、オリンピック選手候補に?「ねむりの天才のび太」


ねむりの天才のび太5.png


 前回、射撃のオリンピック出場者(張 富升選手〈中国〉)がのび太に似てるとのウワサが……という話題をご紹介させていただきましたが、原作内でのび太が未来のオリンピック選手としてその才能を嘱望された回がありました。

 種目名は「いねむり」(スポーツじゃない)。

 どうして誰も射撃の選手になることを勧めてあげなかったのかということについては残念ですが、ネット上の、
「のび太がオリンピックのクレー射撃に出たら、金メダルですか?」
「出たら金メダルですが、のび太君の場合、寝坊→遅刻→失格という天敵がいます」
という秀逸なやりとりどおり、大いにありうること(※)なので、ならば種目「いねむり」のほうがより選手として安定した活躍が見込めそうです。

(Yahoo!知恵袋よりhttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13142800933

 (※)大人になっても、愛するしずかちゃんとの結婚式にすら寝坊して遅刻しかけている。(日にちを間違えるというダブルミスでセーフ)(「のび太の結婚前夜」コミックス25巻)

ドラえもん (25) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (25) (てんとう虫コミックス) -

 こののび太のいねむりの才能について余すところなく堪能できるのが、「ねむりの天才のび太」(コミックス30巻)です。

ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (30) (てんとう虫コミックス) -


 のび太が「もしもボックス」で世の中を「ねむればねむるほどえらいという世界」に変えた結果、身の回りの人々はおろか、日本中から尊敬を集めるというお話です(笑)。



 以下あらすじです。(結末までネタバレですのであらかじめご了承ください。)



 今日も学校で居眠りをして先生にきつく叱られたのび太。

 学校からの電話を受けてお説教をするママの前ですら寝てしまい、怒りを倍増させてしまいます。

 「いねむりしながらおきていられるくすり(難しい)をだして」とドラえもんに泣きつこうとしますが、ドラえもんが部屋にいなかったのでまたひるね。

 帰ってきたドラえもんが「ゆめグラス」でのび太の夢の中を覗いてみると、見ていたのはひるねの夢(南国でハンモックにゆられているという、なかなか大人心をくすぐるリラクゼーション夢)。

ねむりの天才のび太2.png

 あきれかえるドラえもんに、
「むりしておきたってべつにいいことがあるわけじゃなし……」
と、何やら目の奥がツンとするセリフで反論し、おきてりゃえらいなんて誰がきめたんだろう、と、また眠りかけたのび太。
 しかし、ここで、「もしもボックス」を使って、逆に眠ればえらいという世界にすることを思いつきます。

 翌日より、授業中の居眠りも先生から絶賛され、眠れない他のクラスメート全員が廊下に立たされる羽目に。

 女の子たちや出木杉君にまでその能力を羨望のまなざしで称えられ、いい気分で帰宅するのび太
(ジャイアンとスネ夫は「へんな世の中になったなあ」と腑に落ちない顔。)

 昼寝をせずに家事をしているママを見とがめて、
「やる気がないんだ、ねむくないからとおきていれば、いつまでたっても眠れないよ」
 と正座でお説教、ママは優秀な息子に頭が上がりません。

 うとうとしかけていたのにのび太の帰宅で目がさめてしまったというドラえもんに、こんなことくらいで目が覚めるのは本物じゃないからだ、と、一蹴するのび太。
「ぼくなんかこうだぞ」
 枕代わりの座布団を手に、本物のいねむり(?)を披露するのび太。
 見事、たたまれた座布団が床に落ちると同時に眠りに落ちます(本当にすごいはすごい)。

 そこにしずかちゃんが訪ねてきて、中学進学時の「ひるねテスト」を習得するべく、のび太先生の指導を申し込みます。

「体の力を抜いて、頭の中をからっぽにして、なんにも考えないで……」
 のび太にそう言われても、テストのことなど考えてしまうしずかちゃんはなかなか眠れません。
「頭の中をからっぽ!ど〜してこんなかんたんなことができないの!?」
「そりゃのび太の頭はもともとからっぽだもの」
 隠れ失言王ドラえもんの冷酷な指摘から口論になる二人。やかましくて眠れないとしずかちゃんが起きてしまいます。

ねむりの天才のび太1.png


 「やりかたをかえよう。目を閉じて……なにか楽しいことでも考えよう。と、いっても、ワクワクこうふんするようなことはだめだよ。なにかおだやかな、のんびりした……そうだ春の野原を想像しよう。お日様、そよ風、一匹の蝶がひらひらと……つづいて二匹目のちょうがひらひら……」
 今流行の瞑想を先取りしたような見事な誘導で、しずかちゃんを眠りにいざなうことに成功します。
(真面目な話、今個人的に、眠りに落ちるためのリラクゼーション音声とかちょいちょい聞いていますが、結構、誘導時の間の取り方とかイメージするものとかが似ています。のび太すげえ。)

 涙すら浮かべて感謝するしずかちゃんの口コミで先生のもとへつめかける女の子たち。

 さらに、教養番組「正しいひるね」への出演依頼が舞い込みます。

 いねむり評論家由目見さんから
「眠りは世界を救う!!ねむりながら戦争はできません。平和のため、のび太先生をお手本にして、みんなねむりましょう」
と、部屋に入ったロケカメラの前で紹介されます。

ねむりの天才のび太3.png

 さっそくもはん演技として、かの「座布団落下時にはもう寝ている」技を披露するのび太。

 この驚異の早業に対し、スローモーションによる分析が入ります。
 
 今回は頭の上で手を組んで寝るスタイルだったのですが、実は中空ですでに両手を上げて、たたまれかけた座布団の上で目を閉じ、眠りのポージングをとっています。(「う〜む、むだのないアクションですなあ」〈by由目見さん〉)
 眠りに落ちるまでの時間は驚異の0.93秒。(「おそらく世界新記録でありましょう!!」)

ねむりの天才のび太4.png

 「あのねすがたのみごとなこと。一すじのよだれがなんともいえませんねえ。ねむりの天才というほかありません」

 テレビの中でアップになるのび太のスヤ顔(一すじのよだれ付)。
「オリンピックのいねむり種目に、日本代表として、大活躍が期待されます」
(そりゃもうウサイン・ボルトばりの伝説の絶対王者ぶりを発揮することでしょう。)

 テレビでののび太の圧倒的ないねむりぶりを知り、これまでの非礼を土下座して泣きながら詫びるジャイアンとスネ夫。
 絶対王者は、王者の風格漂う笑みを浮かべ
「つまらないうらみは水に流し、手をとりあってねむりの道をきわめよう」
と二人を赦します。

「しずかだねえ……この平和が永久につづくよう祈ってぼくらもねむろうか」
 ねむりの天才がゆったりと見つめる先には美しい満月。
 天才の慈悲深さに感涙するジャイアンとスネ夫。

 しかしその前に晩御飯たべなくちゃ、と、空腹を抱えて家に戻るのび太。

 息子の言いつけどおり寝ていたママは食事の準備はおろか買い物も済ませておらず、あくび混じりにでかけましたが、みんなすでに眠っていて何も買えませんでした。

 愕然とするのび太、しかし次の瞬間に居眠り運転のダンプが突っ込んできて、居間が大破。
 さすがの天才もたまらず「もとに戻して!!」と「もしもボックス」に駆け込んだのでした。

(完)

 中学入試の「ひるねテスト」って何とか、由目見さんって誰とか、ねむりの道って極めた先はどことか、気にになるところまみれですが、のび太の「あたまをからっぽに」という誘導とか(ドラえもんには酷いこと言われていたけど……)、のどかな野原を想像させるところとかは、ヨガや瞑想の世界に通じていると気づいて、ちょっと真面目に感心してしまいました。

 クライマックスは、放り投げた座布団の着地点を確認せずに中空で眠りのポージングに入っているスローモーション映像。スピードを妨げないという点において、今回王者ボルトのいるジャマイカチームに次いで銀メダルをとった男子陸上400mリレーのバトンパス技術をも彷彿とさせます(しないよ)。

 のび太がもしもボックスに入って世の中の価値観を逆転させるエピソードは他にも数編あり(お金のいらない世界とか)、いずれもこの回に劣らぬウィットに富んでいます。いずれまたご紹介させていただきたいです。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 23:03| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月20日

きれいなのび太、オリンピック射撃競技に出場?(歴代きれいなのび太ご紹介つき)


きれいなのび太.png

 オリンピックで盛り上がる2016年8月中旬、こんな話題がネット上をにぎわせました。


 「中国の射撃の選手にのび太ソックリな人がいる」

 「男子25mラピッドファイアピストル」という種目で、決勝進出まで果たしたその選手の名前は張 富升(チャン フーシェン)。

 惜しくも4位でメダルを逃しましたが、丸いメガネにかっちりとした前髪で射撃の名手というスペックがまんまのび太だろと日本で騒がれ、果ては中国までその話題が波及していったとのことです。

 ちなみに、のび太の射撃能力についてですが、「未来のシューティングゲームで世界最高記録をたたき出す」「タイムマシンで西部に行った際に、たったひとりでならず者の集団を(麻酔銃で)壊滅させる」など、けた外れのものがあります。(コミックス24巻「ガンファイターのび太」より)

 ドラえもん (24) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (24) (てんとう虫コミックス) -

 世界最高得点獲得時には、ドラえもんからも興奮した口調で天才とたたえられますが、興奮が過ぎて「じつにふしぎだ!ほかになんのとりえもない、頭も悪い、のろまでぐずで……」とド失礼な感想が付け加えられています。
(大人ドラファンの間では有名ですが、ドラえもんはちょいちょいのび太にシビアな発言をします。)

 のび太の射撃シーンとしておそらくもっとも名高いのは大長編「のび太の宇宙開拓史」のクライマックス。

大長編ドラえもん (Vol.2)  のび太の宇宙開拓史(てんとう虫コミックス) -
大長編ドラえもん (Vol.2) のび太の宇宙開拓史(てんとう虫コミックス) -

 悪役ギラーミンから、「腕利きのガンマンときいた。おまえと対決できるのを楽しみにしていたぞ」と決闘を申し込まれています。

 これに対し「ぼくにまかせてくれ。なあにまけるもんか」とみんなを下がらせて受けて立つのび太。繰り返しますがのび太。

のび太の宇宙開拓史.png

 射撃がかかるとのび太はこんなにも頼もしくてカッコイイのです。

 (補足)のび太の射撃について、驚くべき緻密さで統計をとっていらっしゃるサイトを見つけました。
射撃エピソードを含む全タイトルや標的、命中率まで読むことができます!
 「遠足新報」(のび太の特技分析・射撃編―「スナイパーのび太」の射撃シーン全リスト より)
 http://www.hatosan.com/ensoku/2011/05/post-32.html


 そんなかっこいいほうののび太実写版と日本をざわつかせた張 富升選手の画像が見られるURLはコチラ。(おそらくオリンピック期間中限定公開と思われます。)
「男子ラピッドファイアピストル決勝見逃し」(8月14日)

http://sports.nhk.or.jp/video/element/video=27319.html

 張選手は17:10ごろに登場します。黒いサンバイザーが目の上ギリギリの直線前髪みたいに見えるから余計似ているんですね。

張選手についての「R25」掲載のニュースはコチラhttp://r25.jp/off/00052263/ 
(「東京五輪ではメダル獲得なるか のび太が射撃で五輪出場?「思った以上に似てる」の声」)

 読ませていただいた範囲で、一番張選手について細かに情報を集めてくださっていたニュースはコチラです。(芸能ニュースJP 8月18日「【画像】リオ五輪に野比のび太現る…&彼女持ちか??」)
(原作のび太の華麗な拳銃さばき画像も見られます。)

 さて、動画や写真を観ていただくとおわかりになると思いますが、張選手は鋭い目に整った顔立ちで、クールなイケメンです。

 しかも身長184pで立ち姿がきれいですし、あの無造作な髪形やメガネ男子っぷりもスタイリッシュに見え、のび太だとしても「表参道を歩く個性派モデルのび太」といった趣です。

 メガネの形がちょっと違えば、普通にカッコイイ選手と認識されたでしょうが、僕としては「きれいなのび太」として好感度うなぎのぼりです。
 まだ22歳とのことなので、東京オリンピックにも是非そのままのスタイルでいらしてください!!

 ところで、張選手ほどかどうかはわかりませんが、コミックス内には「きれいなのび太」が見られるエピソードがいくつかあります。
(※「ドラえもん」全作品内でも屈指のレジェンド「きれいなジャイアン」についての当ブログ記事はコチラ

以下にまとめさせていただきましたので、是非コミックスをお手にとってみてください。

 1,「うそつき鏡」(コミックス2巻)

ドラえもん (2) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (2) (てんとう虫コミックス) -

 「今までぼくの顔はまんがみたいだと思っていたけど、こ、これはほんとにぼくだろうか!?」
と鏡をのぞき込むのび太。(当記事冒頭引用画像)

 今となるときれいなのび太の側に時代を感じるところがまたいい。

 人間に偽りの美貌を見せて虜にした挙句、もっと美しくなるためにと無茶苦茶なアドバイスをする、なんのために開発されたのか、まったくわからないタチの悪い鏡の話。

 まんまとそそのかされてキメ顔(と、うそつき鏡に言われた変顔)をするのび太は、ドラえもんに叱られても鏡にへばりついておせじを聞くのをやめられなくなります。(怖い)

 なお、この作品のタイトルページにすらりと足の長い、ダンディなドラえもんが登場するのですが、こちらは「かっこいいドラえもん」の名でフィギュア化されています
((笑)と書こうと思ったら、限定版は現在8万円近辺でひっくりかえりそうになった。)。

UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 かっこいいドラえもん 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -
UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 かっこいいドラえもん 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -

VCD かっこいいドラえもん ワンダーフェスティバル2010(冬)開催記念限定 -
VCD かっこいいドラえもん ワンダーフェスティバル2010(冬)開催記念限定 -



2,「消しゴムでノッペラボウ」(コミックス8巻)

ドラえもん (8) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (8) (てんとう虫コミックス) -

 しずかちゃんが、絵の上手な五郎君の描いた絵を素敵とほめたことから、この絵の少年のような顔になりたいと考えたのび太。

 それではとドラえもんが「取り消しゴム」と「目鼻ペン」を使い、のび太の元の顔を消して書き直すことを提案します。
(最初はドラえもんが絵を元に描いてくれようとしたが、失敗した福笑いみたいにされてしまったので、五郎君のもとに紙袋をかぶって尋ねていく羽目に〈笑〉)

 五郎君作ののび太(後で嫉妬したスネ夫に加筆されて台無しになります。)

きれいなのび太2.png


 こののび太のフィギュアも「美男子のび太」として8月24日発売予定だそうです。(スネ夫に加筆されちゃった顔付〈笑〉)張選手効果で売れ行きアップしそうですね。

UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 美男子のび太 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -
UDF ウルトラディテールフィギュア 「藤子・F・不二雄作品」シリーズ8 美男子のび太 『ドラえもん』 ノンスケール PVC製塗装済み完成品 -

 ところでこのとき、容姿にこだわるのび太に対し、ドラえもんが「くだらないことを気にするんじゃないよ。男の価値は顔じゃないぞ。中身だぞ。……もっとも君は中身も悪いけど……」と、はげますつもりでうっかりのび太の価値を全否定してしまっていました。


3,「顔か力かIQか」(コミックス40巻)←シビアなタイトル……

ドラえもん (40) (てんとう虫コミックス) -
ドラえもん (40) (てんとう虫コミックス) -

 出木杉君との全方位的な差異を嘆くのび太に、「いいとこ選択しボード」を貸してあげるドラえもん。

 自身の総力の範囲内で、顔、力、IQの数値を変更できる(なにかの力を上げるなら代わりになにかを下げなければいけない)ボードを利用し、「体力を下げてでもかっこよくなったのび太」

きれいなのび太3.png

 なお
「たいしたことないな」
と鏡の前で不満げなのび太に
「もとがもとだからね、ぜいたくいっちゃいけない」
と、またしても問題発言を混ぜ込むドラえもん。
(この後、きれいなのび太がジャイ子に惚れられてしまい、大トラブルに発展していました。)

 以上です。全エピソードとても面白くておススメです。(個人的にはエキセントリックな「うそつきかがみ」が推し回です。)

 当ブログでは今後もドラえもんご紹介をさせていただきますので、よろしければまたお立ち寄りください。(次回記事は原作のび太が実際オリンピック選手候補になりかけた「ねむりの天才のび太」についてです。)

 読んでくださってありがとうございました。

(訂正)引用画像内の藤子先生のお名前を一度「不二夫」と誤記してしまいましたので、お詫びして訂正させていただきます。大変申し訳ありませんでした。

posted by Palum at 04:29| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月19日

ロシアの犬風狐たち(50年間の実験で明かされた遺伝の秘密)(NHKドキュメンタリー「オオカミはこうして犬になった」より)

 本日は約50年前からロシアで実施された、風変わりな狐の実験についてご紹介させていただきます。

 NHKドキュメンタリー「オオカミはこうして犬になった」(2011年初回放送)でもとりあげられた、犬の進化の過程を解き明かすための実験です。

 比較的人に警戒心を示さない狐を代々つがいにした結果起こった、驚くべき変化。

 それは、それまで突然変異と思われていた、オオカミから犬への性質や容姿の変化を解き明かすヒントといわれ、遺伝学上の大きな発見でした。

 個人的な話をしますと、正直、理数系は壊滅的な奴なんで、遺伝がどうのと言われてもよくわからないのですが、わが愛する犬という種族がからんでいるのと、可愛いのとで番組ガン見してみたら(細かいことはイマイチよくわからないなりに)とても面白かったです。

 1959年、動物の家畜化、特にオオカミが犬に進化した過程を調べていた遺伝学者ドミートリ・ベリャーエフ氏は、当時、ロシアで毛皮採取用に飼われていた毛皮農場の銀狐たちの中に、野生そのままに人間に強い警戒心を見せる狐と、人間が近寄っても威嚇せずに好奇心を示す狐がいることに注目、狐たちをその性質で二分割して集め、繁殖を開始しました。

 実験の様子がわかる動画はコチラです。

「Dogs evolution contradicts Darwin, Rate My Science」(RateMyScienceチャンネルより)※英語解説付



https://www.youtube.com/watch?v=ZEOjlsUd7j8

 実験中、警戒心が薄い穏やかな狐カップルから何割か両親の資質を引き継いだ穏やかな子ぎつねが生まれ、またその子供たちのうち穏やかな狐同士をつがいにし……ということを繰り返した結果、以下の現象が起こりました。

 1,世代を重ねるごとに、(可愛がられて後天的に、ではなく)生まれながらに人を恐れない狐(研究所では「エリート」と呼ばれる)が生まれる確率が高くなった。
  ※6世代目ではわずか1.8パーセントだったものが、50世代目では85パーセントまで増加

 2,狐たちがただ人を恐れないだけでなく、犬のように尻尾を振る、甘え鳴きをするなど、人に積極的に親愛の情を示すようになった
  ※ヴェリャーエフ氏の弟子で研究の後継者トルート博士によれば、尻尾を振りだしたのは4代目から。

 3,「エリート」狐は野生の狐と異なる形状になっていった。
  (例1)額が広く、鼻面が短くなる
  (例2)たれ耳、巻尾になる
  (例3)白いぶちが生じる、または全身白くなる 
     ※元々は黒地に表面のみ白い毛が覆っている

 そして今。

 おでこの広い、鼻先の丸い(心なしか眼もくりくりしている)狐が「ふめめぇぇぇ!」と、本来赤ちゃんが母親にする甘え鳴きをして、ふさふさ尻尾をばっさばっさ振ってお腹を見せて撫でてアピールをしたり、人を見るとテンション上がってふぐふぐ鼻息をあらくして、口をぱかっと開けた笑顔で、あがが…とさしだされた手を甘噛みしたりするようになりました。


 美しい毛皮とすらりとした端正な姿で、顔と声は赤ちゃんみたいで朗らかで人懐っこい。

 この世にいまだかつてこれほどギャップ萌えな生物がいたでしょうか。

 ウィキペディア記事に画像があったのでご覧ください。(画像提供:Kayfedewa)

「A Russian Domesticated Red Fox with Georgian White fur color」

Georgian_white_Russian_domesticated_Red_Fox.jpg

「A Russian Domesticated Red Fox with classic red fur color」

Red_Color_Russian_domesticated_Red_Fox.jpg

 か、かわいい……鼻が……鼻の先がこう、ぷくっと丸いのが……ぜえはあ(落ち着け)。

 この狐たんたちと一緒に狭い部屋に閉じ込められたら「死因、萌死」で密室殺人が完成してしまいそうです。

 いやしかしホントに可愛いので、NHKで取材に行かれた生物学者の福岡伸一(※)先生も、犬みたいに綱つけてお散歩に行った狐たんが、先生から差し出されたペットボトルを、「ナニコレナニコレ」と、あががと噛んで遊んだり、お腹出してコロコロ転がって先生に撫でてもらったりするもんだから「ちょっと……日本に持って帰りますかね……」と笑顔で悩殺されていました。

(※)前回、記憶の遺伝を扱った阿刀田高氏のエッセイ「遠い記憶」の記事で、最新のネズミの記憶実験について引用させていただきましたが、そのコラムの筆者が福岡先生でした。気づかなかった……。

 ちなみに、今はこのエリート狐の親戚たちが、ペットとしてロシアで飼われているそうです。まあそうなりますよね……。

 こうして、野生動物から人馴れした性質の動物が生まれるまでの過程として、単純な突然変異の産物ではなく、穏やかな性質のカップルを選んで、その子を育てるという方法を繰り返したのではという説が有力視されるようになりました。

 (別の番組で観たのですが、逆に言えば、野生の本能というのは単に幼い頃から可愛がっていればどうにかなるとは限らず、犬と遺伝子上は非常に似通っている狼を、ごく小さい頃から人と同居させても、大きくなるにつれて動作や気象が荒くなり、同じ場所にいることはできなくなる可能性が高いそうです。)

 では、なぜ「エリート」狐たちに形質的変化が出てきたのか(お鼻ぷっくり萌え萌えわんこ顔とかになってきたのか)ということについてですが、これは警戒心の減少により、大人になってもストレスホルモンを分泌する遺伝子が機能せず、野生なら成長した時点で起こる遺伝子の働きによる容姿の変化が無い、言い換えれば子供の姿を残したままで成長するという結果になるからだそうです。

 そして、このように野生の狐と「エリート」狐が同様の遺伝子を持ちながら、「エリート」狐は警戒心が無いために、特定の遺伝子の働くタイミングが野生の個体と異なる、そのタイミングの差異(そしてそれに伴う容姿の変化)すらも、子は受け継ぐということが、この研究で裏付けられたそうです。
(耳や尾の形、体色の違いも、このタイミングの差異が影響を与えたものと考えられています。)


 ……この「顔が野生の狐と違う理由」という話を聞いて我が愛犬を思い出しました。

 鼻面が短く、大きなぷっくり鼻をして、眼も大きく、晩年にいたるまで、なにやらきょとんとした童顔でした。

 そして基本穏やかな犬だったのですが、身内にはテンションが高く、この狐たんたちのようにぐーとかあーとか変な声を出したり、あががと手をくわえる癖がありました。
(※ 現在は甘噛みはしつけで治すのが一般的みたいですが、ほんとにくわえるだけだったので別にやめさせなかったです)

 ずいぶんと苦労をかけてしまったのですが、なぜかあまり容姿が大人化しなかったのは、私ら一家があれだけ頼っても、あの犬が警戒心やストレスを感じないようにしてくれていたからなのだろうかと思うと、ありがたいような、済まないような気がします……。

 元来、人を支えて働く優しい犬種だから、あの犬もその気質を引き継いで頑張ってくれたのかな……。

 すみません、最後は勝手にしんみりしてしまいましたが、以上、不思議なカワイイ狐のお話でした。

 参照したウィキペディア記事はコチラです。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Russian_Domesticated_Red_Fox

 近日中に、ロシアではないのですが、同様に非常に人馴れした狐たちのおススメ動画をご紹介させていただきますので(この記事書くんでいろいろ見ていて見つけて鼻血ブーだった)、よろしければまたお立ち寄りください。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 00:01| 番外編・おすすめテレビ番組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月18日

(ネタバレあり)「垂直デスマッチ」(椎名誠『わしらはあやしい探検隊』より)


先日、蚊の話でもご紹介させていただいた、椎名誠さんの名作エッセイ『わしらはあやしい探検隊』より、椎名さんたちが遠泳に行った際に起きた事件を描いた「恐怖の神島トライアングル」「垂直デスマッチ」についてご紹介させていただきます。

わしらは怪しい探険隊 (角川文庫) -
わしらは怪しい探険隊 (角川文庫) -

椎名さんと沢野さんでなければもしかすると死んでいたのではという状況(二人とも運動神経が良い)なのですが、椎名さんの独特の比喩と妄想がさく裂し、申し訳ないけれど人の大ピンチに大笑いさせられてしまう名文です。

以下あらすじご紹介です。


(ネタバレですのであらかじめご了承ください。当然原文のほうが全然断然面白いので、読んでない方は先に是非そちらをお読みください。)


前に椎名は10km泳げるって言っていたよな。神島一周なら約4kmだから余裕だろう。

そんな話をキャンプの同行者にされた椎名さんは、つい「できる」と答えてしまいます。

そして同じく泳ぎが得意だと言っていた沢野さんとともに、遠泳に旅立つことに。

(実はこの出発の二日前、参加者全員が数百万匹の蚊の大群、通称「蚊柱」に襲われ、テント内でリアルに命の危険を感じながら死闘を繰り広げたというのに、翌日は襲われずよく眠れたからと4km泳ごうとする丈夫な人々。)

島のへりはそのほとんどが崖に囲まれているとはいえ、歩ける浜辺は歩いていいというルールでスタートしたので、当初は海に落ちる滝などの奇観を楽しみ、世間話をしながら探検気分を味わっていました。
(このとき沢野さんは頭にタバコとライターをくくりつけていたので、頭を濡らす泳法はできず、泳ぎながらも言葉を交わせる、比較的ゆるやかな進み方でした。この持参品が後の運命をわけることになります。)

やがて、崖がけわしくなり、泳ぐしかなくなったころ、事件は起こりました。

岩場にたたきつける波を避けようと、少しだけ陸を避けて泳いでいたつもりの二人が、ふと振り返ると、いつのまにか、思っていたよりはるかに沖に流されていたのです。

驚いて陸に向かって泳ぎだした椎名さんの全身を恐怖がつきぬけました。
まるで川の流れに逆行するような明らかな水の抵抗を感じたのです。

伊勢海と太平洋の真ん中に位置する神島は、実は非常に複雑な潮流の中にあり、二人はまさに今その渦中を泳いでいたのです。

こういうときは、抵抗しても疲れておぼれてかえって危険なので、流されるだけ流された方がいい、と、退廃的な人生のような助言を聞いたことはあるけれど、どうしてもそのとおりにする気にはなれない。
だってそのまま流されていったら行きつく先は太平洋かもしれないのだから。

そんな風に予備知識と生理的にどうしようもなくこみげる恐怖の間で葛藤していた椎名さんでしたが、奇跡的に「肩先から腰をくるみ、足の先まで重苦しくのしっかかっていた潮の圧力が急にこそげとったように消えてなくなり、体がいっぺんに軽くなったような感じ」がする瞬間が訪れました。
(この辺体感した人ならではの説得力のある文だなあと思います。)

「おい、今だぜ!」
同じ感覚があったらしき沢野さんがそう声をかけ、猛然とクロールで陸に向かって泳ぎだしたのを慌てて追いかけた椎名さん。

「生涯の力をありったけ絞り出すようにして」ようやく二人とも無事に岩場にたどりつくことができました。

しかし、そこから先はせりだした崖、背後もまた垂直の崖(背後の崖を泳いで避けようとして流された)。

しかも、激しくたたきつける波によってえぐられた洞窟から、老いた怪獣の咆哮のような不気味な音が聞こえてくる。

後で聞いたら、この洞穴は島の西側まで貫通しており、船が難破してこの中を仮死状態で流され、それで助かったものもいるが、そのまま追ってきた荒波によって西側の海まで吐き出されて行方知れずになった者もいるという、正真正銘の危険地帯だったそうです。

そうとは知らず、思い切って泳いでこの地点を超えてしまおうかといったんは思った椎名さんでしたが、とにかくその咆哮が尋常でないので怖くて断念。(泳いだらその洞窟に吸い込まれる可能性があった。)

結局、前後の海に戻るというのはあり得ないので、崖を登るしかない。比較的傾斜がゆるやかで「ガレ場」と呼ばれる岩と土がまじりあう部分と、枯れ沢で形成された部分があるからそこを行こう、という意見で合意した二人。

幸運にも二人ともロッククライミングの経験があるけれど、裸に裸足なのがどうにも(二つの意味で)痛い。
(お二人のロッククライミング歴については「ハーケンと夏ミカン」で読めます。面白いし、装備の重要性もよくわかります。)

ハーケンと夏みかん (集英社文庫) -
ハーケンと夏みかん (集英社文庫) -


そもそもザイル(ロープ)がないので、二人でロッククライミングをするときの利点、一人が滑落しても、一人がロープで体を確保する、というのができない。下の人間が落ちていったら、ただ見ているしかできない。

しかもその下に待ち構えているのは、あのぎざぎざの岩場と怒涛の波間。

(以下引用)
「おーやだやだ」
と、俺は言った。神島一周などという身の程を知らぬばか気に満ちた挑戦などせず、ベースキャンプでカレーライスの下ごしらえとか四の字固めの練習でもしていればよかった。長老とにごり眼(補:友人のあだ名、相変わらず〈特に後者は〉失礼なネーミングセンス)におだてられてこんなところで抜き差しならぬ状態になっている自分が情けない。


……確かに、別に大切な使命があったわけでもないどころか、特にやりたかったわけですらないことをきっかけに、下手したら太平洋まで流されていたかもしれないところを生還してもなお、海パンいっちょうで岩登り(吹き上げる咆哮海風つき)をしなければならないとくればしみじみと嘆かわしいことでしょう。しかしこの目の前の状況としては相当危険というタイミングで笑いを挟んでくるのが椎名さんのセンスです。

しかし嘆いていても始まらないので、二人はクライミングを開始します。
二人が選んだルートは、足場となる石がたくさんあり、経験者の二人としてはやりやすかったのですが、反面かなりもろく、いつ足をかけた石を踏み外すかわからない場所でした。
(本人が足を滑らすのも、上から石が落ちてくるのも怖い。)

休憩をはさみつつ、どうにかこうにかある程度登ると、しかし、二人ともその高さに青ざめます。

こういうとき、登るより下りる方がはるかに難しく、もはや後戻りができないとよくわかっていたからです。

そうなると、もしこれから先、身動きがとれなくなったら、はてしなくその場にくぎ付けにされてしまう……ここからまた、心底危険なのに、なぜかそういうときほど不毛な妄想が延々とさく裂する椎名作品の真骨頂が展開します。

(以下引用)
そんなのは厭だ。たぶん、こんなところにはめったに島の人もやってこないだろう。クギづけになってしまい、やがてそのまま朽ち果て、白骨になってしまうだろう。
 そうして何年かたったある日、島の人が偶然変わり果てたおれたちを発見する。(中略)すると島の人たちは一様に首をかしげるに違いない。
 俺たち二人は水泳パンツしか身に着けていない。すなわち、その崖の中腹に貼りついていたふたりの白骨死体は、なぜか黄色と緑のシマシマパンツ(炊事班長〈沢野さん〉のもの)と赤茶、市松模様のパンツ(おれのもの)しか身に着けていなかった。この二人はこんな崖の真ん中でいったい何をしていたのだろう――ということが永遠の謎となるはずだ。
 どうせならなにかしらの謎を残して死ぬ、というのはわるくないが、しかしこの程度の謎というのではちょっとロマンがない。つまり早い話があまり恰好がよくない。そんなのはいやだわ、いやだわ、


……この切実なんだか悠長なんだかわからない妄想は、沢野さんの「早く来いよ!」という檄によって断ち切られます。

その後、ロッククライミングの基本姿勢は三点確保(手足計4本のうち3つで体を支え、残り一つで手がかり、足がかりを探す)だけれど、厳しい場所(今)だとどうしても四点確保(両手足でその場にしがみつく)になってしまう。最も安全だけれど、このままだと何時間たっても進めない。四点確保がロッククライミングの主流にならないのは、実にここのところの問題が未解決であるからだ、とか、さっきの「白骨パンツのミステリー(←笑)」についてだが、考えてみれば死んだ時点で崖から落ちるからは成立しないんだな、とか考えながらじりじり進んでいた椎名さんでしたが、あと少しであのクマザサが生えた手がかりの多い楽なルートにたどりつける、という希望が、沢野さんの叫び声に断ち切られます。

突然滑り落ちてきた沢野さんを、椎名さんの左手と付近の石が止めましたが、そんな腕力に長けた椎名さんが、沢野さんの次の発言に震えあがりました。
「へびだよ、蛇……」
沢野さんの目の前を、ヘビが素早く横切り、驚いて足を滑らせてしまったのです。
考えてみれば蛇がいないほうがおかしいような状況。遭遇したのがまむしだったかもしれないというのがいっそう不気味でした。
(ここでまたしても妄想〈以下引用〉)

これが、よく小説やドキュメンタル述べるに出てくる豪胆の探検家であれば、
「まむしごときにおののいていたら地球のデコボコはどこも制服はできない、おのれ、まむちゃん!」とか言ってすばやくひっつかまえ、花結びにして海に放り投げてしまうのだろうが、おれたちはどちらかというと「全日本蛇よりも蜘蛛が嫌いな会」というものよりも、「全日本蜘蛛よりも蛇が嫌いな会」の方の会員になりたいと思っている人々なのである。
 しかし、それじゃあ大蜘蛛中蜘蛛小蜘蛛蜘蛛蜘蛛たくさんうじゃうじゃいる穴ぼこと、赤蛇青蛇まだら蛇がのたくりからまる穴ぼこがあってじゃあ蜘蛛穴にはいんな、といわれたら即座に「全日本どちらの穴にも入りたくない会」に加入してしまうヒトでもある。
 ま、しかしこれは当たり前のことであろう。


……というわけで、荒海を泳ぎぬいても、崖を海パンで登れても、大の大人の滑落を支えても、蛇にだけは遭遇したくない椎名さんは、今回お前が助かったのはお前より10kg重い俺が下にいたからで、逆だったら二人そろって落ちてただろ、だからやっぱりお前が先に行け、と主張するも、同「全日本蜘蛛より蛇が嫌いな会」加入予定の沢野さんは、ずっと俺がトップだったんだからこんどはお前が先に行け、と、譲らず、「あまり論理的でない会話」の果てに、二人同時に極力物音を立ててヘビを威嚇しながら進もうという結論に達し、とにかく平地の藪の中までたどり着くことができました。

とはいえ、こんなところにこそまむしが大量にいそうだと思った二人は「そこで再びまたあまり論理的でない、どちらかというと感情的な部類に入る会話をした。」(←笑)

しかし、ここで、あの、海を流されかけた時ですら沢野さんが落とさなかったタバコとライターが役に立ちました。

蛇はタバコの煙が大嫌いらしい、という予備知識を思い出した二人。

じゃんけんに負けて先頭を行くこととなった(笑)椎名さんは、湿気たタバコを激しくふかし、後ろに続く沢野さんは枯れ枝を握りしめて、
「こらあ、ヘビ、くるんじゃねえぞ」「こら、こらあ!」
等簡潔に叫びながら「完全無欠なおよび腰」でじわじわと進むこと30分(辛長)。

ようやく、すり傷だらけになりながら、確かな道にたどりついた二人は、すわりこんで安堵の笑いを交わしました。


……椎名さんと沢野さんでなければ大変なことになっていたのではという場面が3度ほどありましたが(泳ぎが得意でロッククライミングができて、腕力とタバコを手放さない執念があって初めて生還が果たせた。)、そんな窮地を肌身に迫るような具体的な感覚と、よくそんなことを思いついたというか、むしろピンチのときほど人はいろいろ余計なことを考えるのか思わせるほど壮大な妄想を織り交ぜて描いた名文です。

隅から隅までこうした独特の名調子が楽しめる名作なので、是非ご覧ください。

当ブログ椎名誠さんご紹介記事一覧は以下の通りです。よろしければ合わせてお読みになってみてください。

「私のかわりに大地にあおむけに寝てください。そして、天を眺めてください」(椎名誠と井上靖。「砂の海(楼蘭・タクラマカン砂漠探検記)」より)
蚊の話(椎名誠「わしらは怪しい探検隊」より)
(ネタバレあり)「垂直デスマッチ」(椎名誠『わしらはあやしい探検隊』より)

読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum at 08:01| 椎名誠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

「遠い記憶」(阿刀田 高 著 『恐怖コレクション』より)


残念ながら現在あまり簡単に入手できないのですが、面白い短編集があったので一部をご紹介させていただきます。

阿刀田 『恐怖コレクション』

恐怖コレクション (新潮文庫) -
恐怖コレクション (新潮文庫) -

阿刀田氏はショート・ショートの名手として、毒や奇妙な味のあるミステリー・ホラー作品等を数多く世に送り出し、またそのような分野の作品の審査員、編者としても有名な方です。

一方で、聖書、ギリシャ神話、コーラン等の古典の紹介者としても知られています。

その阿刀田氏が、1985年に、恐怖にまつわるエッセイとして発表したのがこの『恐怖コレクション』。

はっきりとした怪奇現象というより、彼や彼の知人が体験した、説明できるようでしきれない不思議な話や、日常にそっと紛れ込んだ人生の闇を描いた作品集です。

その中でも個人的に特に印象深かった話が「遠い記憶」です。

(以下ネタバレですので、あらかじめご了承ください。)




語り手「私」は、何度も同じ、怖い夢を見る。

夜の海を泳いでいたら、浜辺の光が消えてしまい、星の無い夜、どちらに向けて泳いで良いのかわからなくなるという夢。

陸と信じた方に泳ぐしかないが、もしかしたら今自分はどんどん沖に出ているのかもしれない。そんな恐怖の中、自分が水を掻く音だけが聞こえる。

波にあおられ塩水を飲み、真っ暗な海はどんどん深さを増しているような気がする。
もがきながら、疲労に重くなる体、死が間近であるという予感……。

いつ見ても怖い夢。しかし目覚めると、恐怖のほかに不思議さがこみあげてくる。

なぜ、こんな夢をみるのだろうか。

「私」がこの夢を見始めたのは、小学校6年生のとき。

そして、中学生になったとき、「私」は自分の父が若いころ、軽い気持ちで真夜中の海に入り、戻ろうとしたときに島が停電になって、どちらへ戻ればいいのかわからないままに、不安に駆られて泳ぎつづけたという話を聞かされる。

「後天的な形態変化は遺伝しないが、学習内容は遺伝する」という生物学の一説がある。

左の通路を選ぶと、感電する巣箱にネズミを入れ、何世代か飼い続けると、とうとうはじめから左へ行かなくなるネズミが誕生する。

「左に行くと感電する」という経験の恐怖と学習が、子孫のネズミにはあらかじめ植え付けられているということになる。

(※補:2013年、これに似た実験がアメリカで行われ、「ネズミに桜の香りを嗅がせた後に、電気ショックを与える」という実験を数世代にわたり行った結果、孫の代のネズミはより微弱な桜の香りでも事前に身構えるようになったということです。つまり現時点で、「先祖の学習内容がある程度遺伝され、同じ目に遭った時の脳内の反応が、前の世代より敏感で早くなる」ということまでは実証されたそうです。〈参照:「ソトコト」HP「福岡伸一(生物学者)の生命浮遊 記憶は遺伝するか1同2」より〉)


あるいは覚えていないだけで、父以外のだれかがこの夜の海での体験を「私」に聞かせ、それを夢に見ただけなのかもしれないけれど、あの暗い海の夢を見たあとに自分の心のうちにめぐってくる遠い記憶めいたものは、人に伝え聞いたという形では、現れえないのではないか、と戸惑う「私」。

奇妙な夢を描いた夏目漱石の短編、「夢十夜」第三夜に、語り手である「自分」がいつのまにやら盲目の幼児の父となり、その子を背負って雨夜の田舎道を歩く、という夢がある。

文鳥・夢十夜 (新潮文庫) -
文鳥・夢十夜 (新潮文庫) -

その状況になぜか言い知れぬ恐怖を覚えながら、「自分(子を背負う父)」が道を歩き続けると、最後に森の中に来た時にその子が、
「文化五年辰年だろう。御前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」
と言い、「自分」の脳裏に、100年前のこんな夜に、自分は盲目の子を殺したのだという記憶がよみがえる、という話である。

この「夢十夜」の男も、先祖の遠い記憶を受け継いで、それを夢に見るのかもしれない、と、「私」は思い、もう一つ、「私」から離れてくれない怖い夢を思う。

夢に現れる光景自体は怖いものではない。

ただ、一人の女がそこにいる。

髪を古風に丸髷に結い、黙って薄笑いをしている。よく見ると、口以外は無表情で、紙のように白い顔をしている。

それだけなのに、「あ、いけない」と「私」の身の内に狼狽がかけぬける。

誰なのか、なぜ笑っているのか、わからない。恐怖だけが尋常でない。目覚めても、その戦慄はしつこく「私」につきまとう。

「私」は思う。

この白い顔で薄笑いをする女と、自分の細胞に潜む誰か先祖の間に、忌まわしい過去があり、それがこんな夢を見させているのではないか。

いったい何があったのか。

寝ざめに、わが身は知らない遠い記憶をたぐろうとしても、「ただうらうらと白ずんだもどかしさが残るばかりで、何も見えない。」

(完)

不思議といえば不思議な話なのですが、しかし、現実にありそうといえばそうでもあり、実際、今現在、科学はその現象の糸口をつかみつつあります。

特に恐怖の記憶が遺伝するというのは、ある意味、種の生き残りをかけた必要な情報伝達なのかもしれません。

今、確実に実証できているのは「子孫は先祖と同じ危険を体験したとき、より早く、敏感に反応する」というところまでのようですが、もしかしたらこの阿刀田氏や漱石の短編のように、もっと細かい記憶が、世代を隔てた子孫の細胞まで、メモリのように受け渡されるということが実際にあり、そのメカニズムもいずれは解明されていくのかもしれません。

私は犬との付き合いで、「遺伝は思いのほか世代を隔て、また細かいところまで伝わっているのではないか」と思わされることが何度かあったので、ご先祖様の恐怖や忌まわしい過去はご免こうむりたいけれど(「私の細胞の中に潜む先祖」という一文が妙に怖かった。「私」は冷静に因縁を見極めようとしているけれど、こんな怖い記憶を子孫の身の内に持ち込まれたら困る。)、この「記憶の遺伝」ということについては、妙に興味をひかれるところがあります。
(私が体験した犬の話については、また改めて書かせていただきます。)

この『恐怖コレクション』、何か出没して怖いというより、自分の身近、あるいは身の内に覚えがあるような不思議や恐怖を描いていて、虚実のあわいがあいまいな読後感ですが、そこが非常に面白いです。

どのエピソードもごく短く(5ページ程度)、ショートショートの達人らしい明瞭ながら余韻のある文、著者の幅広い知識も盛り込まれていて時間を忘れて楽しめます。是非お手にとってみてください。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 08:02| 番外編 おすすめ映画・漫画・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする