2025年07月12日

「次の停車駅はヒートンパーク!とっとと降りろ」(オアシス再結成コンサート記念で、リアム・ギャラガーが車内アナウンス)

(オアシス再結成記念のラッピングトラム〈路面電車〉写真の人物がリアム・ギャラガー)
マンチェスターのオアシスラッピングトラムリサイズ - コピー.jpg

2025年7月現在、マンチェスターは、伝説のロックバンドにして地元の英雄「オアシス」の再結成で、熱狂的な盛り上がりに包まれている。

コンサート期間中は、街中を走る「Bee Network」のトラム(路面電車)では特別な車内アナウンスが聴ける。


オアシスの中心メンバー「ギャラガー兄弟」の弟、リアム・ギャラガー(独特のパワフルな歌声と我が道を爆走するキャラクターが持ち味。「ギャラガー兄弟の、より暴れん坊な方」と言ってもファンには通じる)が、コンサート会場であるヒートンパークをあの独特な声で教えてくれるのだ。

彼の車内アナウンスが聴けるリアム・ギャラガー本人のX(旧Twitter)ポスト

(Manchester Evening Newsのローカルニュースより)

(※ちなみにリアムのアナウンスでHeaton Parkが、「ィートンパーク」と聞こえるのは「Hの発音の脱落」で、典型的なマンチェスターアクセントだそう。そして「Bee Network」のトラムの車体が黄色と黒なのはマンチェスターのシンボルが勤勉な労働者を意味する「働きバチ(Worker Bee)」だからだとか)

「The next stop is Heaton park ! off you go!(次は、ヒートンパーク!さあどうぞ!)」
という比較的カジュアルだけど、まあ一般のアナウンスでも無くはない、というのもあるけれど、個人的イチオシは

「The next stop is Heaton Park ! (パンパン!←手を打ち鳴らす音)Come on! move it!(次は、ヒートンパーク!おら、とっとと降りろ!)」
という、「リアム全開」バージョン。(※動画0:11ごろ)

「いいなあ、コンサートに行かれなくても、この電車に乗りたい……」
と、うらやましくて何度も聴いてしまう。

「お前らお待ちかねのコンサート会場だぞ!モタモタすんじゃねぇ(ゲシ←背中を蹴る音)」みたいな響きで、「リアムに背中を蹴られている気分になりたい人」のニーズにぶっ刺さる。

「客に向かってその態度は何だ」などと一般常識を振りかざしても無意味だ。

若いころには数々の問題を起こし、兄ノエルに激怒されて2009年に決裂したリアムも、紆余曲折の果てに、聴き手の感情を爆発的に解放するような、唯一無二のパワフルな声を取り戻した、「音楽を心から愛する大人の男」になっている。

ノエルの「兄性」(「母性」「父性」みたいなもの)は、生物学上の兄だからということとは無関係に、昔から歌声からもキャラクターからも溢れていた。(溢れすぎていて、弟の無責任な行動に、なんら躊躇無く罵声と鉄拳制裁を下していた)

けれど、葛藤の果てにソロミュージシャンとしても成功し、今回オアシス再結成(そしてノエルとの和解)という悲願を果たしたリアムも、いまや「口は(ものすごく)悪いけど、ファンに最高の音楽を届けてくれる頼れる兄貴」感を放射している。

この分断と不信の時代、「心の兄貴」を求める人には、小鳥のさえずりよりも、清流の水音よりも深い安心感が湧く、ヒーリング効果抜群のアナウンスだ(真顔)。


2025年再結成での歌声(「Acquiesce」)
Because we need each other, we believe in one another

運命共同体である人間同士の思いを歌った名曲。兄のノエルと交互に歌うパフォーマンスの一部(ギターを弾く伸びやかな高音の声の持ち主が兄ノエル)。リアムのソロ活動時以上の声量が絶賛されている。あとリアム短髪すごく似合う。





入り口リサイズ - コピー.JPG




【参照動画】

Oasis - Slide Away (Live from Cardiff, 4 July '25) (Official Visualiser)

2025年7月時点で公式に発表されているコンサートでの歌声。


オアシス再結成の喜びに染まるマンチェスターの風景(街がとてもかっこよくてうらやましい)


POSTCARDS FROM MANCHESTER


【参照】

 (Transport for Greater Manchester 13 July 2025 at 07:53)



Liam Gallagher records tram announcements for Heaton Park gigs
(Manchester Evening NewsのYoutubeチャンネル)
posted by pawlu at 13:40| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月18日

ハリソン・フォードがスコッチウィスキーのCMシリーズに登場

ナイス - コピー - コピー.jpg
Image Credit:Youtube/Glenmorangie Single Malt Scotch Whisky

(※お酒のCMのため、以下に引用した情報の一部視聴・閲覧には年齢制限があります)


ハリソン・フォードがスコッチウィスキー「グレンモーレンジィ」のCMに出演。

Once Upon a Time in Scotland... Harrison Ford met Glenmorangie


 「スコットランドを訪れるハリソン・フォード本人のCM撮影とスコットランド滞在記」という構成で、12話にわたり、スコットランドのウィスキーの製造風景や豊かな自然と文化が紹介されている。

映画界のアイコン、 ハリソン・フォードを起用したグレンモーレンジィの新しいグローバル・キャンペーンでは、俳優であり映画監督でもある ジョエル・エドガートンが一連のエピソード映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ スコットランド」を手がけました。

ハリソンの軽快なユーモアが光る本作では、ハリソンが「俳優ハリソン・フォード」を演じる設定で、グレンモーレンジィの本拠地であるハイランド地方を訪れ、複雑でエレガントなウイスキーを製造する技術や職人技と出会います。スコットランドの発音やキルトのエチケットを 学んだり、シングルモルトを飲みながら地元の人々と親交を深めたり。絵のように美しいスコットランド北部のハイランド地方で撮影された数々のシーンは、180年以上にわたってグレンモーレンジィを製造してきたテインの歴史ある蒸留所から、 19世紀に建てられたアードロス城、グラス湖を囲むドラマチックな風景まで、地元の美しい自然を映し出しています。

全12話で構成されるこの作品でハリソンと共に登場するのは、グレンモーレンジィ蒸留所で 働く実在の職人たち。彼らは、世界的な映画界のレジェンドの指導のもと、初めての演技に挑戦しました。名優ハリソン・フォードの気難しくもチャーミングな一面と、蒸留所メンバーの名演技をお楽しみください。

 今回のCMでは相変わらずかっこいいものの、大ヒット映画の中の彼とは大分異なるハリソン・フォードの姿を観ることができる。


・「(このCMでは)絶対にアクションはやらない(やりたくない)」と、暖炉の前に腰かけてウィスキーをたしなむ穏やかな演技を死守しようするハリソン・フォード。


・電話でマネージャーらしき人物に「「本当の俺」を見せたい。リラックスした、太陽の光のような……」とCMの演技プランを語ったら「本当の君は不機嫌だろ」と言われ、不機嫌になるハリソン・フォード。


・キルト(スコットランドの伝統的な男性用民族衣装、スカートに似た形状)を着たのはいいけれど、座り方の正解がわからなくて困るハリソン・フォード。

キルトの座り方に困る - コピー.jpg

……まさかあのクールなタフガイの、こんな姿を見る日が来るとは(ほめ言葉)。

それまで彼が映画で演じたキャラクターとは違う一面を少し覗いてみたいと思ったんです。彼はポーカーフェイスで、時に少しナーバス、そして人に強気な雰囲気を出すイメージがありました。しかしながら彼のことを知り、時間をともにすることで、人間的な深みがあり、配慮深い性格で、そして子供っぽいところがあることを発見しました。そうしたハリソンのすべてを活かしたくなったのです。

監督のプランは見事に成功している。

グレン・モーレンジィのHPで1話〜6話まで日本語字幕のついた動画を視聴できる ※2025年4月18日時点〈以降もとても面白いのでぜひ全話字幕つきにしていただきたい〉)


※ちなみに、2023年に、彼の妻のキャリスタ・フロックハートのドレスアップした姿に、ドアの陰から「ワーオ」みたいな感じで見とれるハリソン・フォードの画像が話題になった。

妻キャリスタのドレスアップ姿を見つめるインスタ写真 - コピー.jpg

これも「渋いハンサムからこぼれる思いがけない愛嬌」が素敵だった。
アップ、妻キャリスタのドレスアップ姿を見つめるインスタ写真 - コピー.jpg
(古き良き映画の一場面のよう)


【グレン・モーレンジィCM動画のおすすめエピソード】


・エピソード8:「山で語る」

山頂に立つ2 - コピー.jpg
Image Credit:Youtube/Glenmorangie Single Malt Scotch Whisky

 CM撮影のために、ウィスキーのボトルを手に、スコットランドの雄大な山の頂きに佇む、とても格好良いハリソン・フォード。
(台詞を語る声も実に渋い)

 しかし諸事情によりNGが出ると「(斜面が急で)足元が滑る」「(撮影効果の)スモークが煙たい」と、結構文句が多いハリソン・フォード。

 それでも彼のメイク直しに来て転びかけた女性スタッフを助け起こしたりしているうちに、「俺を信じろ、お前はクールだ。この景色をどう思う?このウィスキーは?」と、彼を力づけ、今この瞬間の素晴らしさに気づかせようとする、彼自身の内なる聴く。

(内なる声に耳を澄ます)
内なる声を聴く - コピー - コピー.jpg


(キルト姿のハリソン・フォード。非常に絵になる立ち姿はさすが)
山頂に立つ(キルト) - コピー.jpg

(もしかしたらこの絵のオマージュなのかもしれない)
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EPISODE 8: THE MOUNTAIN (Once Upon a Time in Scotland, Harrison Ford met Glenmorangie)


・エピソード7:「俺はクールか?」

アンガス氏とハリソン、美しい自然 - コピー.jpg
Image Credit:Youtube/Glenmorangie Single Malt Scotch Whisky

 山でのCM撮影前の出来事。

台本を傍らに、川べりに腰かけて「(このウィスキーのCMがさまになるほど)俺はまだクールなのだろうか」と思い悩むハリソン・フォード。

 蒸留所の職人アンガス氏(本物のグレン・モーレンジィ醸造所のスタッフ)が、その悩みを聞いて、妻に電話。

「君はハリソン・フォードをどう思う?」と、彼がそばにいないふりをして尋ねてみる。

(この瞬間、アンガス氏に「そんなこと聞くな!」みたいな声なき抗議をしているハリソン・フォードが実に趣深い)
アンガス氏に抗議するハリソン - コピー.jpg

(そして抗議をしているわりに彼女の返事を固唾をのんで待つハリソン・フォード)
返答に耳を澄ますハリソン - コピー.jpg

 ナイーヴな大スターの心配をよそに、アンガス氏の妻は「彼は本当にクールでセクシーだわ」と率直に絶賛、アンガス氏は「ほらね」みたいな表情で、それをスピーカーホンごしにハリソンに聞かせてあげる。

 ところがこの後アンガス氏の妻が「本音を言えば、もし許されるなら浮気しちゃいたいくらい」と、率直を通り越したレベルまで思いを語ってしまったために、すみやかに通話オフ。

しかも、それがきちんと切れていなかったために、感謝したハリソンが「君のカミさんは本当にクールだな」と言っているのが聞こえてしまい、

「ハリソン!私『エアフォース・ワン』のあなたが本当に好きで……」

とウキウキ声で重ねて余計なことを言い、今度こそ通話を切ったアンガス氏は、ハリソンを励ます側だったはずなのに、ちょっとムっとしていた。


それでも最後にはウィスキーで乾杯する二人。

この人間模様の間、美しい川の水が、絶え間なく穏やかに流れている。

(このCMは音の作品としても素晴らしく、バグパイプの音楽はもちろん、この川の流れをはじめとするスコットランドの様々な音がとらえられている。麦畑を撫でて吹き抜ける風、樽の並ぶ醸造所の空気の流れ、抜栓や乾杯のグラスが奏でる柔らかい余韻、暖炉の薪がはぜる音までもがくっきりと聴き取れて、その場にいるかのような感覚を味わえる。左右から音が響くイヤホンやスピーカーでの視聴がおすすめ)

EPISODE 7: AM I COOL (Once Upon a Time in Scotland, Harrison Ford met Glenmorangie


 ハリソン・フォードの新たな魅力と、人々が大切に守り続けるスコッチウィスキーの制作風景。

そこに重層的に織り込まれた、ウィスキーのゆりかごとなる、スコットランドの豊かな自然と壮麗で繊細な文化。

そしてまさに熟成したウィスキーのような味わいを醸す、ハリソン・フォードの複雑で奥深い響きの声。

洗練とユーモアの絶妙なバランスの映像と音から、やがて数々の物語を含んだ、ウィスキーの香りと味わいの気配が立ちのぼって来る。

CMという枠を超えて、五感にも、そして心にも愉しさをくれるシリーズだ。




【関連情報】スコッチウィスキーを題材にした映画たち


イギリスの名匠ケン・ローチが、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したドラマ。スコットランドを舞台に、恋人や家族からも見放されていた青年が、信じられる仲間を得たことで前向きになっていく姿を、笑いや涙を交えて描く。ケンカの絶えない人生を送るロビーは、恋人レオニーや生まれてくる赤ちゃんのために人生を立て直そうとするが、なかなかまともな職に就けず、またもトラブルを起こしてしまう。服役の代わりに社会奉仕活動を命じられ、そこで3人の仲間と出会ったロビーは、奉仕活動指導者でウイスキー愛好家のハリーからスコッチウイスキーの奥深さを教わり、テイスティングの才能が開花。仲間とともに1樽100万ポンド以上する高級ウイスキーに人生の大逆転をかける。



(HP内あらすじ)
ナチスによるロンドン空爆が激しさを増す第二次世界大戦中のスコットランドのトディー島。島民たちがこよなく愛するウイスキーの配給が止まってしまい、皆完全に無気力に陥っていた。島の郵便局長ジョセフ(グレゴール・フィッシャー)の2人の娘はそれぞれの恋人との結婚を望んでいたが、周囲から「ウイスキー無しじゃ結婚式はムリ!」と猛反対されていた…。 そんな時、NY行きの貨物船が島の近くで座礁。沈没寸前の船内には、なんと5万ケースものウイスキーが積まれていた!「これはきっと神様からの贈り物に違いない!」島民たちは禁制品のウイスキーを秘かに“救出”しようとする・・・。
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2025年04月12日

ドリフ伝説の傑作「階段落ち(池田屋の決闘)」放送?

「階段落ちシーンの撮影」で、時代劇の舞台俳優のように颯爽と階段を駆け下りてくる加トちゃん(階段「落ち」なのに……)。右はダメ出しのために待ち構えている志村けん監督
階段を駆け下りる加トちゃん - コピー.jpg


先にお断り、「間違っていたら本当にごめんなさい」。

ただ、もしかしたら、2025年4月13日(日)、BSフジで放送される「ドリフ大爆笑」で「階段落ち(池田屋の決闘)」が観られるかもしれません。


「階段落ち」は、志村けん監督が映画で新選組の池田屋襲撃シーンを撮ろうとしたのに、斬られて階段を転げ落ちる役のスタントを務める加トちゃん(旅回り一座の役者だったために一人だけ顔が白塗りの舞台化粧)の演技が、迫力もリアリズムもゼロで大もめになるというコント。

BSフジの番組HPで「第151回 1996年9月10日初回放送」とあり、Wikipediaの番組一覧によると、このとき島崎和歌子さんがゲストだった(階段落ちでは撮影班のスタッフ役で登場している)ので、この回だったのではと思われます。

「第151回のテーマが「身体(からだ)」なので、体を張ったスタントネタにも合っている。

(同年11月19日(次々回)も和香子さんがゲストなので、こちらの可能性もありますが)

傑作選やドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」での再現でも知られ、加トちゃんが「自己ベスト」コントにも選んだ最高傑作なので、(もし放送されていたら)お見逃しなく。


よろしければ、当ブログの「階段落ち」ご紹介記事もご覧ください。

撮影現場 - コピー.jpg南の島に雪が降る <東宝DVD名作セレクション> - 加東大介, 加東大介, 久松静児, 笠原良三, 広瀬健次郎, 加東大介, 森繁久彌, 伴淳三郎, 有島一郎
加トちゃんが明かす「階段落ち」はアドリブ満載だったという撮影秘話と、そのコントの大筋に影響を与えたかもしれない、戦争映画の傑作、『南の島に雪が降る』の一場面をご紹介、


【参照】

ドリフ大爆笑(BSフジ)

ドリフ大爆笑(Wikipedia)

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2025年03月27日

BBC、オアシスの再結成を記念して、ものすごく失礼なドキュメンタリー映画(?)を製作

BBC制作「オアシス:再結成 ザ・ムービー」の動画
Oasis: The Reunion: The Movie | Red Nose Day 2025

(冒頭で、「これは真実の物語である。いくつかのシーンや登場人物には、ドラマの(演出)効果上の変更が加えられている」と断りがあるが、ものには限度がある)


イギリス伝説のロックバンド「オアシス(OASIS)」

2024年夏、彼らの15年ぶりの再結成のニュースが世界を駆け巡り、チケット争奪戦の果ての価格高騰は、イギリス政府の調査にまで発展した。

そんな彼らの再結成までの道のりをBBCが取材したドキュメンタリー映画がYouTubeで公開された。

……のかと一瞬たりとも思って真面目に観ようとしてしまった私が馬鹿だった。
(よく見るとサムネイルがすでに変なのに(とくに眉の毛量)BBCの権威に騙されて飛びついてしまった)


実はこの動画はBBCが作成したコント作品で、オアシスの主要メンバーで「世界一仲が悪い兄弟」と言われる(だから決裂した)「ギャラガー兄弟」のノエルとリアムが、オアシスを再結成するまでを、最大限失礼にジョーク化。

コント内では実にひどい理由(=純然たる金目当て)で再結成する彼らのチケットをオンラインで取ろうとしたファンが、チケット購入の順番待ちが長すぎて、パソコンに向き合ったまま命を落とすという悲惨な状況も描かれている(多分死因は待ちくたびれか餓死)。

実際、Youtube動画の書き込みで「大金を払う覚悟でパソコンの前で6時間待って、ようやくと思ったときに謎の理由で接続が切れた」とカンカンに怒っているファンの書き込みを読んだこともあるので、当たらずとも遠からずではある。

(ちなみに、来日公演はチケット購入が抽選式だったので、チケット代の高騰は(公式には)起きていない。私はもちろん落選した)

コント内でノエルとリアムと共謀して価格を釣り上げた悪の権化「チケットマスター」を人気司会者ピアーズ・モーガンが演じていて無駄に豪華、というか「チケットマスター」って人間だったのか(いや本当はチケット販売会社)。

それにしても恐ろしいのは、これがれっきとしたイギリス国営放送、しかもその鋭い取材力や、息を呑むような素晴らしいドキュメンタリーで、世界にその名をとどろかせるBBCが作ったこと。

さらに恐ろしいのは、これが「RED NOSE DAY」というチャリティ番組のために製作されたということだ。

日本の「24時間テレビ」のようなもので、社会福祉のために視聴者の寄付を募る、極めて真面目な意図があるのに、「コミックリリーフ」というお笑いをからめたコンセプトのときには、全力でジョークをぶち込んでくる。

(国営放送のチャリティ番組だというのに、あの兄弟の代名詞ともいえる、絶対に言ってはいけないFからはじまる4文字の放送禁止ワードもふんだんに含まれている。(字幕では「****!」ってなってるけどイギリス人は彼らが何言ってるかみんな知ってる、そしてそこを隠すための「ピー!」音の連打が凄い)

イギリス人ほどブラックジョークに慣れていないと、笑えるところとその笑いがひきつるところがある作品(ギャラガー兄弟のお母さまをジョークの巻き添えにするのはちょっと…本当はとても立派な方だし、彼女には頭が上がらないのがギャラガー兄弟の人間的魅力だから)。

とはいえ、BBCの「どこの国も追随を許さない」(この件に関しては、世間の非難が怖いわりにあまりにも馬鹿馬鹿しくてどこの国もついていけない)凄さを見せつけた。

ファンの方は怒らないで観られると思えたなら、一見の価値はあるかもしれない(怒っている人も相当数いたそうだ。そりゃそうだろう)。

私は原則面白かったけれど「イギリスとBBCの深淵」に改めて度肝を抜かれたのと、ギャラガー兄弟ご本人たちがどう思うだろうと、それだけは心配。


ということは一応は本人たちの許可をとっていたのだろうか……)


【参照URL】
BBC Comic Relief viewers make 'nonsense' complaint about Oasis sketch Manchester Evening News Elizabeth Cotton TV and Celebrity Writer 22:05, 21 Mar 2025



【参照】
(チケット高騰問題のニュース)
オアシスのチケット高騰 英政府が調査へ 正規ルートなのに額面の2倍


(「なんでコントの中のノエルとリアムはあんなに眉毛が濃いの」問題資料)※でもこれは本当にいい曲
Oasis - Whatever (Official Video)

実際のギャラガー兄弟の荒っぽいしゃべり方がよくわかるインタビュー動画、毒舌の中にえも言われぬセンスがあって不思議と癒される
ノエル・ギャラガー「本人」がTwitterでネット住民と直接対決!? | Actually Me | GQ JAPAN


リアム・ギャラガーに73の質問─オアシス、最近の音楽、真のロックスターについて | 73 Questions | VOGUE JAPAN

「オアシスはほんとうはものすごくかっこいい」こともお伝えしておきたくて貼った動画

Oasis - Champagne Supernova (Official Video)


【和訳】Slide Away - Oasis (Live at Knebworth)


(再結成時の「テレグラフ」のニュース動画)

Oasis reunion: Liam and Noel Gallagher announce 2025 tour dates


【当ブログ関連記事】


入り口リサイズ - コピー.JPG




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2024年12月03日

第一次世界大戦のクリスマス休戦を描いたイギリスの感動的なCM動画

握手をして名乗る二人 - コピー.jpg

1914年冬、クリスマスを迎えた第一次大戦下の戦場で、イギリス軍とドイツ軍の一部が戦闘を停止し、交流をしたという実話がある。

第一次大戦から100年経った2014年、イギリスの大手スーパーマーケット「セインズベリー」がこの出来事を映像化したコマーシャルを制作した。

1914 | Sainsbury's Ad | Christmas 2014


【ストーリー】



雪の降る夜の戦場。

塹壕の中にも雪がちらつく中、若いイギリス兵ジムは、缶の中に一枚だけ残された、配給の薄く堅いパンを、さびしく見つめていた。

塹壕で乏しい食事を見つめるジム - コピー.jpg

ふいに次々に名前が呼ばれ、故郷からの小包が手渡された。

包み紙を開いたジム、その顔にほほ笑みが広がった。

贈り物を見て笑顔になるジム - コピー.jpg

中には、愛する恋人ローズの写真。そして水色の包み紙に銀色の文字の、一枚のチョコレート。

送られてきた恋人ローズの写真 - コピー.jpg

送られてきたチョコレート - コピー.jpg

光輝くようなクリスマスプレゼントだった。

そのとき、ドイツ軍側の塹壕から歌声が聞こえてきた。

「きよしこの夜」

イギリス兵たちとまったく同じように塹壕で寒さをこらえながら、白い息とともにクリスマスを祝って歌う兵士たちの中に、ジムと同じ年頃の兵士、オットーがいた。

歌うオットー - コピー.jpg

歌詞はドイツ語だったけれど、メロディはイギリス兵にもおなじみのクリスマスの歌。

やがて、イギリス側の兵士たちも、英語で同じ歌を歌いだした。

英語で歌い始める兵士 - コピー.jpg

敵軍から聞こえてきた歌声に、オットーは驚きながらも笑顔で歌い続け、両軍の兵士たちはいつしかお互いの塹壕に向かって歌声を大きくし、それは、英語とドイツ語の合唱になって、深く掘られた塹壕に、雪の冷たさを忘れさせる音楽が降り注ぎ、広がっていった。

イギリス軍の歌声に驚きながら笑顔になるオットー2 - コピー.jpg

立ち上がって歌う兵士たち - コピー.jpg


塹壕の中で歌い合う兵士たち - コピー.jpg

翌朝。

鉄条網から飛び去るロビン - コピー.jpg

雪がやみ、鉄条網に、イギリス人が愛する「ロビン(コマドリ)」が小枝のように止まっていた。ふるさとではクリスマスの象徴でもある胸の赤い可愛らしい小鳥は、やがて軽やかに飛び立っていった。

塹壕の壁にもたれて休んでいたジムは、それを見つめたあと、両手をきつくにぎりしめ、それから立ち上がった。

塹壕を超えて歌い合った「きよしこの夜」、鉄条網から飛んでいったロビン。


ジムはゆっくりと塹壕のはしごを登っていった。

できるかもしれない。叶うかもしれない。

今日はクリスマスなのだから。


まずそうっと帽子をかかげ、それから両手を挙げ、ゆっくりと、ジムは塹壕から顔を出した。

塹壕から顔を出すジム - コピー.jpg

イギリス側の塹壕から人影が。

突撃してくるつもりなのか。ドイツ兵たちはいっせいに殺気立ち、休んでいた者たちも急いで臨戦態勢に入った。


ジムのそばでうとうとと眠っていたイギリス兵は、物音に目を覚まし、それからその目を疑った。ジムが塹壕から身を乗り出している。

「ジム!?やめろ!!」


ドイツ兵たちが一斉に銃を構える中、オットーは塹壕潜望鏡に駆け寄った。彼の目が、両手を挙げたジムの姿を捕えた。

状況を確認するオットー - コピー.jpg

「撃つな!!」

あのイギリス兵は武装していない。

それなのに、塹壕から這い出て、両手を挙げたまま、薄雪を踏みしめて、中間地帯(ノーマンズランド)に向かって歩いてくる。


オットーの頭の中に、音楽が響いた。

「きよしこの夜」。

あの兵士は、きのうの歌声の中の、誰か。


「オットー!?やめろ!!」

顔を真っ青にこわばらせて、だがオットーも塹壕から身を乗り出した。

塹壕から出るオットー - コピー.jpg

あのイギリス兵は敵ではない、少なくとも今この瞬間は。

でも、ドイツ軍があのイギリス兵を撃てば、あっという間に殺し合いが始まるだろう。

撃たせないためには、見せるしかない。

自分がイギリス軍に撃たれない姿を。

塹壕から歩みを進めるジム - コピー.jpg

塹壕から歩みを進めるオットー - コピー.jpg

ジムとオットーは、両手を挙げ、緊張と覚悟に大きく見開かれた目を、お互いの心の支えとしてしっかりと見つめ合いながら、一歩、また一歩と足を進めた。

オットーを見つめるジム - コピー.jpg

ジムに歩み寄るオットー - コピー.jpg

昨日歌い合った「きよしこの夜」のメロディの記憶が、二人の若者の、命をかけた歩み寄りの距離を縮めていく。


二つの塹壕の兵士たちは、息を呑んでその様子を見つめていた。

戦友は、撃たれずに進んでいく。彼を撃たない敵軍、戦友と同じ危険を冒して、こちらに歩いてくる敵軍の若者……。

やがてジムの後ろにイギリス兵たちが、オットーの後ろにドイツ兵たちが、続いた。


歩み寄る人々2 - コピー.jpg

雲の切れ目から薄紅色の光がのぞく空の下、クリスマスの朝に、人々が集った。

最初の一歩を踏み出した勇気のある若者同士が、しっかりと握手を交わした。


「ぼくはジム」

「ぼくはオットー」

少しぎこちない英語でオットーは言った。

「オットー、会えて嬉しいよ」

「ぼくも嬉しい」

それはドイツ語だったが、ジムには伝わった。


それからの彼らは、まるで古くからの仲間のように過ごした。

握手を交わす人々 - コピー.jpg

記念撮影 - コピー.jpg

握手をし、お互いの帽子を交換し、両国入り混じっての記念撮影をする人さえいた。

ただ着ている服と言葉が違うだけで、一緒に笑い合っていた。

(クリスマス休戦で実際に撮影された写真、左から二番目の人物はドイツ軍兵士)※Imperial War Museums動画より

一緒に写真におさまる英独の兵士たち - コピー.jpg


オットーに写真を見せるジム - コピー.jpg

ジムはオットーに大切な写真を見せた。

「ローズ、恋人なんだ」

「素敵な人だ」

オットーはドイツ語と身振りで、そう思っていることを伝えた。

やがて周囲から歓声が上がった、誰かがサッカーを始めたのだ。

行こう。

ジムはオットーの肩を叩いてゲームに加わった。



サッカーの試合 - コピー.jpg

サッカーの試合は白熱し、選手たちは思い切りぶつかり合っていたが、倒れても、誰も血を流していなかった。笑いながらすぐ立ち上がった。

観ている者たちも自軍を応援しながら、互いの良いプレーにも拍手を送っていた。

両軍に拍手を送る人々 - コピー.jpg

だが、温かなにぎわいを、遠くの鋭い音が断ち切った。

砲撃の音。

砲撃の音に気付いた人々2 - コピー.jpg

どこかで戦いが激しさを増している。

それは、こちらに向かってくるかもしれない。


あわただしく荷物をまとめ、兵士たちは自分たちの塹壕に戻る準備をした。それでも、別れの握手を交わすことは忘れずに。

別れの握手をかわす人々 - コピー.jpg

ジムは、試合中にオットーが脱いでいたコートを手渡した。

「ありがとう」

二人は真面目な顔で、もう一度しっかりと握手をした。

もう一度握手をするジムとオットー - コピー.jpg

「…よいクリスマスを」

ジムはそう言い、オットーもドイツ語で同じ言葉を返した。


やるせない思いで塹壕に降りてきたオットー。

コートのポケットに入れた手が何かに触れた。

何かに気づいたオットー - コピー.jpg

中に入っていたのは、水色の包み紙に銀色の文字のチョコレート。

チョコレートのプレゼント - コピー.jpg

ジムから、オットーへ。

命がけで塹壕から出てきてくれたことへの感謝をこめた、クリスマスプレゼントだった。

オットーは塹壕の向こうを見上げた。


塹壕に戻ったジム。

今、彼が持っている食べ物は、缶の中の一枚の薄く堅いパンだけ。

それでもパンを見つめるジムの目には、満ち足りた温かい光が宿っていた。

今、このパンだけになったのは、チョコレートを贈り物にしたから。

あの宝石のように光り輝いていたチョコレートは、オットーを笑顔にしてくれているはずだから。


乾パンを見つめてほほえむジム - コピー.jpg

ジムのプレゼントだと気づいたオットー - コピー.jpg




「Christmas is for sharing(クリスマスは分かち合うために)」

このメッセージとともに、真剣に作られた映画の、一番大切な場面を凝縮したような、心揺さぶられる、そして深く考えさせられる映像は、今も名作として語り継がれている。

当初は、クリスマスのコマーシャルとしては不適切ではないか(実際の戦争のエピソードを、企業がCMに使っていいのかなど)とも言われ、賛否両論があった作品だったそうだ。(※The Guardian記事より

しかし、こうして10年の月日も国も超えて、映像を観た私たちに、こんな人たちが互いに殺し合わなければならなかった戦争の残酷さと、人が「兵士」ではなく、人間同士として向き合ったときの心の交流の温かさを教えてくれた功績は計り知れない。

(それに現実問題として、企業の後押しがなければ、作品の配給で利益を得ることはできない、たった3分の映像に、これだけの人材を集め、セットや衣装などを準備することはできなかっただろう)

この作品は、ジムとオットーが、両手になにも武器を持たずに歩み寄ったように、国や時代や政治的思惑を切り離して、人と人との物語として考えたい。

歌、サッカー、チョコレート。

なにかで感情を分かち合えるなら、その人たち同士が殺し合う必要など、本当は無い。

もし、この日、彼ら自身が決めることができたなら、きっともう戦わなくて済んだ。

そこにいる人たちには感情を分かち合える可能性があるのに、そこにいない人間のプランに基づいて、分かち合うことの代わりに殺し合いを強制させられる、それが戦争。

けれど、そんな戦争の中でも、戦うのは生きた人間同士だったから、押し殺された心と心が、クリスマスをきっかけに解き放たれ、温かい交流につながった瞬間が、かつて本当に存在した。 

重要なのは、この出来事(クリスマス休戦)全体が伝えるメッセージです。それは、戦争の真っ最中の、最も困難な時期や、最も恐ろしい状況においてさえ、偉大な人間性が存在する可能性があるということです。

(アラン・クレーヴァ― 作家・第一次世界大戦研究者)CMメイキング動画解説より

この出来事は「110年前、第一次大戦中の戦線の一部で起きたこと」、「時間や場所が遠く離れた状況での話」、そんなふうには思わずに、こうした「人と人同士の真実の物語」として、今を生きる私たち自身の心の中に刻みたい。

一緒にサッカーをしながらみんなで大笑いした時間や、ジムがオットーにチョコレートを贈ったあとの満ち足りた笑顔のように、「誰かとなにかを分かち合えること」が、一番楽しく、心を豊かにしてくれる素晴らしいことだと誰もが思えたら、それをいつも忘れないでいられたら、あるいは、せめてそう思える人たちが自分たちで決めることができる世界なら、人は初めから戦争という選択をしないで済むのかもしれない。

そういう、平和への道筋が、つかのまでも本当に、垣間見えた瞬間だったのだから。

10年の月日が経ち、社会情勢が変わり、この作品にも、「偉大な人間性が存在する可能性」という言葉にも、10年前よりはるかに価値を感じる一方で、それだけ本当は心細くなっている今、もう一度放送してくれたら、そして、今度はこの作品に込められた思いとともに、世界中に広まってくれたらと思わずにはいられない作品だ。



(クリスマス休戦を伝える当時の新聞記事)
クリスマス休戦を伝える新聞見出し - コピー.jpg

(クリスマス休戦でのサッカーのエピソードに基づいて作られたイギリス軍とドイツ軍兵士の像)
クリスマス休戦でサッカーをする英独兵士の像 - コピー.jpg
Image Credit:BBC


【関連動画】
(作品メイキング映像)
The making of 1914 | Christmas Ad | Sainsbury's

(史実解説)
The story behind 1914 | Christmas Ad | Sainsbury's

(「Imperial War Museums」の史実解説動画(※遺体の映像が含まれています))


【関連作品】
クリスマス休戦をモチーフとした映画(2005年)

第一次大戦を題材とした傑作映画(1930年)


【参照】
Why do we associate robins with Christmas? (Scottish Wildlife Trust Molly Murray
Visitor Centre Assistant)

posted by pawlu at 19:32| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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