

http://en.wikipedia.org/wiki/Animals_in_War_Memorial (慰霊碑のウィキペディアURL)
この夏、イギリスの舞台「戦火の馬(ウォーホース War horse)」が来日します。
来日舞台公式HPのURL
http://warhorse.jp/
第一次大戦時、軍馬としてフランスへ渡ったジョーイと、彼を連れ帰るべく戦場に向かった少年アルバート、そして、戦場でジョーイに出会ったドイツ兵フリードリヒら、戦争に翻弄された人と馬の悲劇と情愛を描いた感動作です。
ものすごい名作なので、迷っている方には行く価値があると力強くお勧め致しますが、明日2014年5月8日木曜深夜[金曜午前 0時00分〜0時50分]BS1でこの第一次大戦時の軍馬の史実を追ったイギリスのドキュメンタリー「史実 戦火の馬」が再放送されるとのことなので、併せて番組内容を簡単にご紹介させていただきます。
番組紹介ページURL
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/120823.html
イギリスでは第一次世界大戦時、100万頭もの馬を戦地に送りました。
元は騎兵隊用の馬でしたが、機関銃、塹壕や鉄条網など、この戦争から始まった近代戦の前に苦戦を強いられます。
このとき戦場に連れて行かれた馬の多くは、ジョーイのように、元は農場で働くなどしており、軍馬として訓練された馬ではなかったため砲撃の音に足がすくんでしまったことも、被害を大きくしました。
それ以後、馬は騎兵隊用だけでなく、砲台や物資、負傷兵を運ぶなどの役割を担うことになりましたが、敵の攻撃だけでなく、足を取られるぬかるみや、寒さ、蹄をつらぬくために敷かれた罠、疲労や病気によって多くの馬が戦地で動けなくなり、兵士らの手で射殺されました。
この行為は馬だけでなく、それまで世話をし、生死を共にしてきた兵士たちにとっても非常に残酷な出来事でした。
(番組では過酷な戦地での、馬と人との心の通い合いを象徴する絵や写真も出てきます。)
BBCが動物愛護団体「ブルークロス(Blue cross)」所蔵の軍馬の絵や写真について紹介した記事URL
(※愛馬を失って涙ながらに別れを告げる若い兵士の有名な絵画「Good bye old man」も見ることができます。)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-oxfordshire-16550273
多くの犠牲を払って、文字通り泥沼の戦争が終わりを迎えたとき、しかし、地獄を生き延びた馬たちに、なおも過酷な運命が待ちかまえていました。
弱った馬の多くは食料として殺処分されたのです。
それでも何割かの馬は幸運にもフランスの農家に買い取られ、荒廃した地を新たに耕すという生活を送ることができましたが、しかし、二度と故郷に帰ることはかないませんでした。
このドキュメンタリーの中では、ウォリアーという、天性の勇猛果敢さを持ち、砲撃音を恐れず、主人である将軍ジャック・シーリーを慕い共に戦い、戦地の象徴ともなった伝説的名馬についても紹介しています。
「ミラー」誌のウォリアー紹介記事URL
http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/the-real-war-horse-brough-scott-158362
ウォリアーは無事シーリー将軍に連れ帰られ、故郷の美しいワイト島で緑の野を駆ける余生を送ることができましたが、勇敢に忠実に働こうとも、このような結末を迎えることができた馬は本当に少なかったのです。
戦争の悲劇と馬の献身、人との絆を描いていて、これ自体非常に考えさせられる内容ですし、その内容や場面の多くが、舞台「ウォーホース」と重なっているので、是非ご覧になってみてください。
当ブログ「ウォーホース」関連の記事は以下の通りです。
ロンドンの舞台「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」@ あらすじと見どころご紹介
ロンドンの舞台「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」A ある名場面と、その他のおすすめ作品。
「War horse(ウォーホース)戦火の馬」 日本公演決定
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想1見どころとお客さんの反応
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想2ロンドン初演版との違い
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想3結末部(ネタバレ注意)
「史実 戦火の馬」(ドキュメンタリー番組)
読んでくださってありがとうございました。