(『キンキーブーツ』でローラを演じた三浦春馬さんを偲ぶトリビュート動画、春馬さんの作品にかける思い、シンディ・ローパーをはじめとするブロードウェイの制作陣からの追悼、一部日本版『キンキーブーツ』のパフォーマンス映像などで構成されている)
(※以下、ブログ内画像出典:Youtube)
三浦春馬さんは、2016年と2019年の2回、ミュージカル『キンキーブーツ』で、主人公のドラァグクイーン、ローラを熱演した。
「この舞台は美しく華やかな舞台に立つローラと保守的で倒産の危機にある靴工場の従業員たちが困難を乗り越え再生していく物語です。困難な中でも自分らしく生きることの大切さを教えてくれる、互いを受け入れ、自分が変われば世界も変わる、というメッセージ性の強い舞台でした。三浦さんは、このメッセージに強く共感したそうで『仕事をしていく上で、何か別のものが見えたような気がする』ということを仕事関係者と話していました」
(AERA dot. 2020.7.18 記事より)
2013年、まだキンキーブーツの日本版上演が決まっていないときに、ブロードウェイで本場の「キンキーブーツ」を観た春馬さんは、動画内で、当時の感動を語っている。(動画0:50頃)
「主演のビリー・ポーターさんが現れた瞬間に、雷に打たれたような感覚に陥り、もう……一言じゃ…言葉にならない衝撃を受けました。」
そして大役をつかんだ春馬さんは、全身全霊でローラを演じた。
春馬さんのローラの素晴らしさを、ブロードウェイのスタッフの方々はこう振り返っている。
「キンキーブーツでの彼は圧巻でした」
(Director/Choreographer Jerry Mitchell氏のコメント)
「彼はその美しさと繊細さ、笑いと喜びをローラという役柄にもたらしました」
(Music Supervisor/Orchestrator/Arranger Stephen Oremus氏のコメント)
「それまでの作品で知られていたイメージから彼は脱皮したのです。(略)彼の望みはベストを尽くすことでした。(略)持てる熱意、喜び、精神のすべてをこの作品に注ぎ込みました。(略)稽古を重ね、ついに開幕の夜、彼は私たちの前に現れました。輝きと活気に満ちたローラとしてです。私たちは皆、驚くべき魔法を目にし、魅了されました。」
春馬さんは、「キンキーブーツ」、そしてローラという役にかける思いを、2019年版公演パンフレットの中で次のように語っている。
僕にとってはひとつの夢であり目標だった『キンキーブーツ』のローラ役。初演の千穐楽は「必ず再演したい」という前向きな思いの中、幕を閉じたんです。幕がとじてから再演までの2年半は実に早かった!
この間にブロード・ウェイではオリジナルキャストのビリー・ポーターさんの復帰公演が行われました。再び拝見したビリーさんのローラは、ブロードウェイで頂点に立った人の風格と威厳がありました。先日のアカデミー賞でもビリーさんのタキシードドレス姿が評判になりましたよね。『キンキーブーツ』でトニー賞を取ったことが自信となって世界に影響を与える存在となった。アートやエンターテインメントは人々の心に寄り添って、ジェンダーレスな考え方に寛容さをもたらす力があるんだと改めて思いました。
僕個人としては、留学したことも大きかったかな。『キンキーブーツ』に出演して世界の広さに触れてみたいと感じたし、ブロードウェイの舞台で実力者が集まってプライドを持って自分を主張する姿に憧れました。留学して海外で生活して「主張しないと自分を見てもらえないんだ」と感じました。僕は子役時代、現場で大人の顔色をうかがって過ごしてきたこともあってか、本当のことが言えなくて我慢してしまうタイプだったんです。でも、留学から帰って仕事でもプライベートでも「自分はこう思う」と言えるようになった。日本でも生きやすくなったかもしれないですね。
今回の『キンキーブーツ』再演では今の自分が作り出すローラを演じたいと思っています。一つひとつの台詞やキャラクター同士の関係性をもっと見つめたいし、もっとシンプルにこの作品のテーマが伝わりやすい芝居をしたいですね。稽古中の今、自分が思う課題は芝居かな。もっとブラッシュアップしていきたい。それは僕だけが変わっても機能しないので、この作品のテーマと同様に「受け入れるから皆も変わっていくんだ」ということを大事にしながら、カンパニー全員で取り組みたいです。
ローラは父の望みと本当の自分とのギャップに苦しんできた。葛藤があったからこそ、ありのままの自分でいようという強さを見つけられたんだと思う。彼がどう傷つき、不安の中を歩いてきたのかをしっかり表現したいし、苦しんだからこそ今の強さがあるんだということを伝えていきたい。2年半前の若い僕が演じたローラではなく、もう少し凛としたローラを作っていけたらと思います。
2度目の出演となった今も、僕にとって『キンキーブーツ』は夢であり目標です。挑戦できる環境にいるのはとてもありがたいし、幸せなことだなと思います。もし僕の希望が叶うならば、この後も再演を続けて2年か3年に一度、「夢をつかみたい」と思う自分を見つめ返せる場所になったらいいなと思います。
また、パンフレットの中で、春馬さんは、もう一人の主人公、チャーリーを演じた小池徹平さんと、作品について語り合っている。
(※以下、パンフレットインタビュー部抜粋、敬称略、画像出典:Youtube)
──初演から継続してのメンバーが多い、再演の稽古に入ってみていかがですか?
三浦 元々仲がよかったカンパニーだから、再演の稽古が始まって「そうそう、この感じ!」って。再演としてすべてが新鮮なんだけど、ファミリーとしてまたここにいるんだということがうれしくてホッともしています。徹平君くんは?
小池 去年、FNS歌謡祭で『キンキーブーツ』メンバーほぼ全員で出させていただいたのが大きいなと思う。あそこで久しぶりの集合があって「いよいよ来年また始まるね」という話をして。稽古が始まって、「皆がこの日に照準を合わせてきたな」という感じも伝わったし、かといって力も入りすぎていない。だから、馴染みやすかったよね。
三浦 そう、馴染みやすい。いい作品で戻ってきたワクワク感と高揚感が本当に幸せなことだなと思う。再演だからこそ、もう関係性ができてるしね。この間徹平君に「春馬は初演の時より構えてないからやりやすい。信じてくれてるし、頼ってくれてる」と言われたんですね。お互いに力まず、相手に任せられるというのが、初演と全然違う。初演の時はこのフィールドに立つことが夢であり目標だったから、肩に力が入っていた。
小池 今回の春馬は「カンパニーをよくしていかなきゃ」とか芝居以外のことを考える必要がないから、ローラを演じることに専念できている。周りも春馬という人間が分かっているから、気さくに話しかけられるしね。誰も気を遣わない環境を作れているのが大きいと思うな。このカンパニーは座長っぽく振る舞う必要がないんだよ。
三浦 カンパニーのみんなは徹平君のことを冗談で「社長、社長」と呼んでるけど(笑)。でもリーダーとして柔らかいムードの中で士気を保とうとしてくれているんだと思う。
小池 僕もひょっとしたら肩の力が抜けているかもしれない。
三浦 徹平君だけじゃなく、みんなが楽しもうとしているのが一番かな。
ハイスピードで進む稽古
小池 稽古が始まって1週間だけど……。
三浦 1週間で1幕全部終わっちゃったよね(笑)。
小池 めちゃめちゃ早いよ。1幕最後の「EVERYBODY SAY YEAH」のナンバーが2時間くらいで終わっちゃったもの。
(ブログ筆者補:動画12:34頃。理想のブーツが生まれ、靴工場の皆で喜び合っているシーンのナンバーのこと。)
三浦 複雑な動きなのに、やっぱり体の動かし方を覚えているものだよね。最後、トレッドミルの上で二人で複雑に動かなきゃいけないところも、1回でできたし。
小池 いきなりやったけど、二人とも何の躊躇もなかった。トレッドミルの上で回るのもすぐできたね。
三浦 若干おっかなびっくりではあるけど(笑)。僕は小心者だから。怖さが取れれば何の問題もない。
小池 初演はトレッドミルに乗るところから練習したよね。
三浦 そう、歩く練習から。
小池 この場面に限らず、最初は「こんなだっけ?」と思うけど、やってみたら「ああ、こうだった」と思い出す。ブーツをぽんぽん投げるのも「ああ、こんなことをやっていたな」って。そういえば初演の時、よく1回も落とさなかったなと思う。
三浦 ノーミスだったよね。1回も落としてない。
小池 それは本当にすごかったなと思う。
三浦 初演でミスしたのって……ローラの登場の時にコケたくらいかな。ドレスの裾を踏んでツルっと尻もちをついてすぐに立ち上がったんだよね。
二人の絆はさらに深まった
小池 久しぶりに『キンキーブーツ』のナンバーを歌って、楽しいのは楽しいけど、「こんなにスタミナを使うんだ」と思うね。
三浦 難しいよね。
小池 まだ『キンキーブーツ』の喉になってないんだなと思って。今は、喉の筋肉痛です。
三浦 あははは。
(略)
三浦(略 小池さんのチャーリーについて)僕はどっちかというと安定性がなくて、いつも違うことをやってて波があるんだけど、徹平君は本番が始まったらブレない。
小池(略 春馬さんのローラについて)春馬のブレは悪いブレじゃなくて、感情に流されているところがローラにとって大事だなと思ってる。あばれ馬くらいがちょうどいい。(略)もちろんパフォーマンスは最高基準なんだけど、不安定さがキャラクターに合っているし、守ってあげたくなる。そこが春馬のローラが人を動かすところだと思う。春馬が好きなだけあばれられるように、僕は下で支えるから。
三浦 誰だったっけ、チャーリーのことを屋台骨だって言ったのは。ブロードウェイの演出チームだったかなあ。でも本当にそうだと思う。チャーリーがしっかりいてくれるから、みんなが自由にやれている。
小池 ペース配分は考えているかな。テンポ感とブロードウェイ演出チームに言われたことを守りつつ、日本のみんながやりたい芝居や面白みを踏まえて、僕がそれを楽しんでできたら、再演はいいのかなと思ってる。春馬とは初演の時から同じ方向を向いているし、初演を乗り切ってさらに絆は深まったと思うんだ。
現場から寛容性を実行していきたい。
──この作品のテーマのひとつである「寛容性」について、どのように考えていらっしゃいますか?
三浦 年を重ねれば重ねるほど考えることかなと思います。経験が増えると、個人のプライドも高まって自分は意識しなくても威厳を保ちたくなるのかもしれない。自分から折れて、相手の意見に寄り添ってあげるのはとても難しいことだけれど、それを超えた先にお互いの理解があるよね。「受け入れる」というテーマを届けなければいけないこのカンパニーの中でも素直になれないことってあると思うんです。でも、僕らプレイヤーやスタッフがまずラインを超えないことには、実のあるテーマを何の嘘もなく届けることができないから。現場から寛容性をちゃんと意識していかないと、自分の成長につながらない気がしています。今回、スタッフの方たちも寛容性というテーマをしっかり持ってくれているのが嬉しいなと思って。顔合わせのあいさつでプロデューサーが「一緒に作っていきましょう」と言ってくれたのが「ああ、本当にそう思ってくれてるんだ」と感じました。でも、僕はコミュニケーションが下手だから…。
小池 いや、そんなことないよ。
(略)
三浦 この作品のテーマとなっている寛容性、特にジェンダーの問題は2年半前よりも関心を持たれるようになっている気がする。演劇はお客様と一緒に作るものだから、反応も2年半前とは変わってくるかもしれないね。でも、お客様に「こういうふうに観ていただきたい」ということではないんですよね。
小池 そう、好きなように感じてほしい。ただ、みんなに楽しんでもらいたいなという気持ちでやっていますね。こんなハッピーなミュージカルってなかなかないから。
(略)
──お二人にとってミュージカルに出演する意味は?
三浦 ミュージカルに出演する意味? 何だろう……喜びかな。ストレートプレイに出演することも喜びなんだけど、自分を解放できる感覚はある。
小池 ミュージカルは自分が持っているものを全部吐き出さないとできない。芝居しながら歌うことも簡単にはできないし、今まで勉強したことをすべて使わないと歌えない。アーティストとして歌っていた時とは別次元だし、生の芝居が終わった後の拍手はリアルに伝わってくるから、喜びはすごく感じます。
三浦 『キンキーブーツ』は特に、リアルタイムでお客様の歓喜を感じやすい演目じゃないかなって。ブロードウェイの演出チームが「感情が踊りになり、歌になる」と言ってたけど、シンプルな表現がなんてエネルギッシュで気持ちいいものなんだろうと思う。ミュージカル、好きよね?
小池 うん、好き。やめられないもの。
三浦 ミュージカルにどっぷり関わらせてもらったのが『キンキーブーツ』でよかったなと思います。集まってきてくれるみんなが素敵だし、楽曲とストーリーが素晴らしいから、ブロードウェイの求めるクオリティに追いつけるように頑張りたいと自分なりにストイックになれたんじゃないかなと思う。
小池 『キンキーブーツ』で一番好きなところは?
三浦 一番好きなところは、ブーツ。ヒールですよ。
小池 ああ、さすが!
三浦 ブーツを履けば、ヒールを見ればトランスミッションを上げてどこまでも高揚できるというキャッチーなテーマ。ヒールはジェンダーの問題にも人を受け入れるというテーマにも連れていってくれるじゃないですか。だから、一番好きなのはヒールと言っていいかな。徹平くんは?
(補:春馬さんお気に入りのナンバー「SEX IS IN THE HEEL」のナンバー、動画10:00頃)
小池 そうだなあ。一番最後かな。みんなで手をつないで、ビューティフル〜♪と歌って、あんな最高の気分で暗転を迎えるってすごく幸せだなと思って。
三浦 そんなミュージカル、ほかにないんじゃない?
小池 ないと思う!その後、カーテンコールでお客様まで踊ってくださるものね。日本のお客様がここまでノリノリになるのを初めて見たよ。
三浦 あれは楽しいよね。本当に幸せです。
素晴らしい作品、作品を愛し情熱を注いで一緒に作り上げていく仲間、リアルタイムで歓喜し、拍手する観客。
そのすべてが集結する舞台のために、全てを捧げた春馬さん。
彼の才能と誠実な心を最大限に輝かせ、作品と作り手たちと観客が響きあう、舞台、とくにミュージカルという場が、彼とともにあれば、悲劇は起きなかったのではないか。
ローラについて語り、力いっぱい演じる春馬さんの笑顔を観るたびに、そう思う。
春馬さんは舞台について、別のインタビューでこうも語っていた。
「近年、舞台が面白いなと感じています。 この間『キンキーブーツ』をやらせていただいて『舞台を見たことがきっかけで、ミュージカル鑑賞が趣味になった』という話を聞くと、こんなに嬉しいことはなくて──。理屈じゃないんですよね、リアルに自分が歓喜する瞬間って。そんなこともあって、少しでも自分が日本におけるミュージカルシーンを活性化していく一つの大きな歯車になれるように──。そのためには、もちろんドラマや映画などの映像の現場でも頑張っていかなきゃいけない。日本ではまだ著名人を観に行くという感覚の割合のほうが高いと思うから。スキルや作品性を楽しむお客さまも増えてきてるとは思うけど、やっぱり名実ともに大きな存在にならなきゃいけないなっていうところで、できる限りのことをしていきたい」
(略)
「今では舞台の上で表現したいと思うとき、何かスゴイものを観ていただきたいなという気持ちが一番なんです。そのためにも、いい存在になりたいです」
(略)
「10年後も舞台の上に立っていたい。ミュージカルでやりたい役もいっぱいあるんですよ。例えばジキルとハイド、ジーザス・クライスト・スーパースター、昨年のトニー賞を総なめにしたディア・エヴァン・ハンセンとか──。日本で再演する時は、絶対にオーディションを受けたい。でも、日本でお客さまを呼ぶにはネームバリューがいつでも必要。だから、しっかり映像でもいい芝居して──。まだまだ経験的には浅いですし、いろんなジャンルの監督と出会い、学ばせてもらい勉強していきたいです」
(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」インタビュー 2018.9.12)
『ジーザス・クライスト・スーパースター』は、十字架にかかる運命が迫るイエス・キリストと、キリストを裏切るユダの最後の日々を描いた作品だ。
春馬さんが演じたかったのは、キリストだったのだろうのか。
それとも、本当はキリストの孤独を誰よりも理解していた、ユダだったのだろうか。
物語の中のキリストとユダは、共に、人間という生き物が持つ、宿命に気づいている。
人々は、苦しみの中で救いを求め、輝く存在に熱狂し、だが、その陰で払われる犠牲の痛みには気付かない。
そして、世の中が移り変われば、それまで熱狂した存在をいとも簡単に見捨て、罵りさえして、気づかないうちに、自分たち自身も、ほかの誰かの思惑に流され、飲み込まれていく。
そんな人々を悲しげに見つめ、それでもユダは人々の命を、キリストは人々の魂を救おうとして、違う形で犠牲になる。
どちらの役だったとしても、春馬さんなら忘れがたい輝きを放っただろう。
あの素晴らしい作品を演じる春馬さんを観たかった。
春馬さんが亡くなった後、本棚にあった『キンキーブーツ』のパンフレットを手に取ったら、何かが固い音を立てて、床に落ちた。
春馬さんの最後の舞台、コロナ禍のため、2020年3月、上演期間半ばで公演中止となったミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 汚れなき瞳」のチラシだった。
まだ上演が1年近く先だったから、出演者の写真もなく、物語の説明もほとんどない、裏は白紙。
だから、『キンキーブーツ』の客席でそれを眺めたあと、なにげなく二つ折りにして、パンフレットに挟んだきりだった。
そのときの気持ちを思い出した。
春馬さんは、これから舞台に積極的に挑戦するつもりなのか。
今、日本の人気のある役者さんたちに、そういう動きが増えてきている。
とても素敵なことだ。演じる人にとって、舞台で、観客の前に立つ素晴らしさは、やはり特別なものだというから。
そして、春馬さんは2年か3年おきには、『キンキーブーツ』を再演したいとパンフレットの中でコメントされている。
それは毎回、絶対観に行こう。小池徹平さんとのコンビは本当に最高だから。絶対にこのお二人の『キンキーブーツ』をまた観たい。
自分を取り巻く状況がどうなっていても、それを楽しみに頑張ろう。
そう思っていた。
世の中の平和や安全が当たり前でないことや、どんなに容姿や才能が優れ、表面上成功していても、その陰で、真剣で優しいからこそ悩み、それでも努力して輝きを放ち、人々を笑顔にしようとしている、春馬さんのような人が存在していることを、そういう人の苦しさや痛みを、少しも想像していなかった。
自分のことだけで、頭が一杯だった。
折り曲げられた最後の舞台のチラシの、固く尖った音が、それが何か気づいた瞬間、耳の奥に、心臓に、突き刺さって、今も残っている。
それを消したいとは絶対に思わない。
でも、どうしても心が痛むとき、春馬さんへの追悼として動画で語られていた、ブロードウェイ版副監督のD.B.Bonds氏の言葉を思い出す。
彼との思い出をいつまでも忘れない最善の方法は、「キンキーブーツ」で語られていることを実行することかもしれません。
ご存じ6つのステップです。
1:真実を追いかけること
2:新しいことを学ぶこと
3:自分を受け入れ 他人も受け入れること
4:愛を輝かせること おそらくこれが最も重要なことです
5:プライドを掲げること
6:自分が変われば世界が変わる
6つのステップを続けることを、春馬も願っているでしょう。
引用出典:
・2019年日本版『キンキーブーツ』パンフレット
「ローラ 三浦春馬」コメント部
「JAPAN CAST SPECIAL TALK SESSION with 小池徹平as チャーリー×三浦春馬asローラ 」
・Youtube「Kinky Boots Haruma Miura Tribute movie」
・AERA dot.「三浦春馬さんが周囲に語っていた「何か別のものが見えた」という言葉と「ストイック」すぎた素顔」(2020.7.18記事)
https://dot.asahi.com/dot/2020071800026.html?page=1
・ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)「三浦春馬インタビュー「怖がらずにもがき苦しんでいきたい」」
(2018.9.12up)
当ブログ 三浦春馬さん関連記事
・三浦春馬さんのCD「Night Diver」発売(Youtube動画内のコメントと劇評記事リンクご紹介)
・三浦春馬さんが語ったこと(「生きるべきだ」という言葉と「想像力」の意味 NHKドラマ「太陽の子」のインタビュー動画より)