2025年07月19日

天才脚本家ロッド・サーリングの恐怖ドラマ「四次元への招待(Night Gallery)」パイロット版3作品放送

ロッドサーリングとアイズの肖像画 - コピー.jpg
(ロッド・サーリングとドラマに登場する絵画)

映画「猿の惑星」(1968)、TVドラマシリーズ「トワイライトゾーン」(1959〜1964)などを手掛けたアメリカ映像作品界の巨人、ロッド・サーリングの「四次元への招待(原題:Night Gallery)」(1969)のパイロット版三作品が「スーパー!ドラマTV」で2025年7月22日23:00から放送される。

(レンタルにはアカウント作成が必要、サムネイルは白黒だがカラーの作品)

スーパー!ドラマTV #海外ドラマ☆エンタメ 2025/7/22(火) 23:00 (チャンネル視聴方法ページはこちら
[字]四次元への招待 パイロット版「復讐の絵画/アイズ/絵になった男」/THE CEMETERY/EYES/ESCAPE ROUTE
※約30分の作品3本

(1969年当時のトレイラー(※音量注意))
Night Gallery (1969) Pilot Trailer

【各話あらすじ】※スーパー!ドラマTVHPより引用

・「復讐の絵画」:嫌われ者のジェレミーは叔父を秘密裏に殺害し、まんまと遺産を引き継ぐが、屋敷の壁に飾られた風景画に奇妙な変化が起こっていることに気づく……。

・「アイズ」:盲目の富豪メンローは美術品のコレクションを自分の目で鑑賞するのが夢だった。なんとしてもその夢をかなえたい彼女は……。

・「絵になった男」:元ナチの戦犯ヨゼフは戦後、南米に潜伏していたが、追跡者の手は目前に迫っていた。どうにかして逃れたい彼は……。

人々が自身の行いにより容赦なく飲み込まれる「運命」の恐ろしさは、一滴の血も映らないのに、息もできないほどの迫力。

そして、作品に秘められた1960年代の時代への怒り(偏見、貧富の差、第二次大戦の傷跡など)が、それと地続きの不安な時代を生きる私たちの心にも、警鐘のように響き渡る。

お金を出せばなんでも買えるわ - コピー.jpg
(「アイズ」に登場する盲目の大富豪メンロー〈ジョーン・クロフォード〉。視力を渇望するあまり、生きた人間の視神経を買おうとする)

三作品とも物語に絵画が関わっていて、冒頭にロッド・サーリング本人がその絵画の前に立って、物語の幕を開ける構成。

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(「復讐の絵画」の一場面、伯父を殺した甥ジェレミーに降りかかる恐怖。墓地の絵画の右下に「あるもの」が小さく浮かび上がっている……)(画像出典:映画ナタリー記事)


このドラマのために本物の絵を描いたのは「刑事コロンボ」や「ジェシカおばさんの事件簿」でもドラマに登場する絵画を手掛けた、舞台美術家のヤロスラフ・ゲブル氏。(画像左)

ヤロスラフ・ゲブラ氏写真 - コピー.jpg

(Image Credit:Hollywood (gebrart.com)

彼の絵が、ドラマの緊迫感と精神性に一層の重厚感を与えていて、恐ろしいと思いながら、あまりの凄みに心が引きずりこまれる。

(スプラッターシーンは一切ない。物語そのものの迫力が観客の心臓を鷲掴みにするような作品なので、「怖いのは苦手」という方も、1960年代アメリカの最高の映像芸術としてご覧いただけたらと思う)

どれも最高の出来栄えだが、圧巻は「絵になった男(The Escape Route)」。

ナチス戦犯の男が潜伏先の南米で出会った絵画にまつわる物語で、アイヒマン裁判(1962年処刑)が背景にある。(「アイヒマンの次はあんただ」というセリフが、男に死を予言している)

悪魔のような男の一脈の人間性と、運命の審判の苛烈さが、強烈なコントラストを生み出した傑作だ。

(自身もユダヤ系でありながら、ナチス戦犯の男の中にも「人間」を見たサーリングの「究極の冷静」には尊敬を通り越して畏怖の念を抱かずにはいられない)

絵になった男 絵を見つめるシュトローベの背中リサイズ - コピー.jpg

絵の中の世界に憧れるシュトローベ - コピー.jpg
(ナチス戦犯として逃亡の日々を送るシュトローベ。美しい湖の上の漁師の絵を見た彼は、その絵の中の静かな生活に憧れる)

SFアンソロジー・ドラマの金字塔「ミステリーゾーン」の生みの親であるロッド・サーリングが、再び超常現象をテーマとするアンソロジー・ドラマに挑んだシリーズを字幕版日本初放送(ただしパイロット版のみチャンネル初放送)。サーリングは「ミステリーゾーン」同様、本作でも脚本とホスト役を務めており、「ミステリーゾーン」以外のロッド・サーリング脚本作が楽しめる非常に重要な作品となっている。本作は、60分(パイロット版は120分)の中で、2本あるいは3本の魅力的だが背筋の凍るような短編を放送するというオムニバス形式をとっている。
日本では「怪奇!真夏の夜の夢」と題して放送された本作のパイロット版では、3本の短編の中の1本「アイズ」を、当時まだ20代のスティーブン・スピルバーグが監督。日本では残念ながら放送時にカットされてしまったこの「アイズ」は、「刑事コロンボ/構想の死角」や「激突!」よりも前となる彼のプロデビュー作である。
(c)2019 Universal Studios. All Rights Reserved.

【ネット配信情報】

FOD「(字幕版)四次元への招待」※カラー作品(単品レンタル48時間300コイン/330円)



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(Image Credit:Youtube)


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第一話「復讐の絵画」のジェレミーを演じたロディ・マクドウォールが犯人役の回のご紹介記事。軽薄な甥による伯父殺人という設定ほか、共通点が多い作品。


四次元への招待 -日本語吹替音声収録コレクターズ・エディション- [DVD]


【参照】

・ロッドサーリング(Wikipedia)日本語版英語版


ヤロスラフ・ゲブル氏のIMDb紹介ページ

ヤロスラフ氏の訃報ページ

ヤロスラフ・ゲブル氏HPトップ

上記HP内、コロンボの肖像画、ほか氏の作品が観られるページ


posted by pawlu at 07:30| おすすめ番組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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