テレビ東京ほかで2021年4月2日(金) よりアニメ「灼熱カバディ」が放送される。
(原作漫画『灼熱カバディ』武蔵野 創(はじめ)作。アプリ「マンガワン」、ウェブコミック配信サイト「裏サンデー」で連載中)
<放送情報>
・テレビ東京:4月2日(金)スタート 毎週金曜深夜1時23分〜
・テレビ大阪:4月2日(金)スタート 毎週金曜深夜2時10分〜
・テレビ愛知:4月2日(金)スタート 毎週金曜深夜2時05分〜
・AT-X :4月4日(日)スタート 毎週日曜夜10時30分〜
<イントロダクション>
宵越竜哉は『不倒の宵越』と呼ばれるサッカーの名選手だったが、 高校入学を機にスポーツと縁を切ってしまう。 そんな彼のもとへ、とある運動部が勧誘にやってくる。 その競技は、 仲間と協力し縄張りに侵入する敵を捕らえ 、引きずり倒す事で勝利へと繋げる… 言うなれば『走る格闘技』。 競技の名は……カバディ!!
【期間限定情報】
※2021年4月7日まで、Kindleで1~3巻の期間限定無料お試し版が読める。
2巻から登場の天才攻撃手(レイダー)王城(2巻表紙右)と宵越の対決シーンは必見。
灼熱カバディ(1)【期間限定 無料お試し版】 (裏少年サンデーコミックス) - 武蔵野創
灼熱カバディ(2)【期間限定 無料お試し版】 (裏少年サンデーコミックス) - 武蔵野創
日本ではまだマイナーなスポーツ「カバディ」の魅力と、それに挑む「不倒の宵越」ら、個性豊かなキャラクターたち。
カバディのエネルギーを伝える画力と、深い心理描写、そして思い切りのいいギャグが混然一体となった作品だ。
普段あまりスポーツ漫画を読まない人、世代や境遇が違うから10代のスポーツ選手には感情移入しないだろうと思っている人にこそおすすめしたい。
1,構図
カバディは、敵味方に分かれたコートの中で行う「ドッジボール」と「鬼ごっこ」を合わせたような競技だ。
狭い空間の中でスピードとパワーを駆使して戦い、指先一つ、つま先一つのタッチが得点や自陣への生還につながる。
「灼熱カバディ」は、そうした緊迫感を、独特の奥行きや高低のある構図で表現している。
それは、どんな激戦も一ミリの狂いもなく見極める、極限まで集中した「審判の目」のようだ。
これが、観客がその場にいたとしても観ることのできない、現時点ではどんなカメラも追いきれない、「カバディ」独自のエネルギーを表現している。
2,心理描写
武蔵野先生は、作画にデジタルを取り入れていらっしゃるようだが、このデジタルならではの、層を重ねて作られた奥行きや陰影のある画面が、プレイヤーの心理や視界を巧みに再現している。
(例)宵越が数々のプレッシャーの中、敵陣に向かうシーン。
彼の目に見えている現実の光景と、頭を占める情報が、透けたりぼやけたりしながら、交錯している。
視力とは別に、人間の脳が映像としてとらえるものは、精神状態で大きく変わる。
そうした意識を反映した視界が、読者が追体験できるほどに克明に描かれている。
字が視界に浮かぶ表現は、漫画ならではだと思うが、こういう重要な場面はどうアニメで表現されるのか、注目したい。
(この「大山律心戦」は本当に名作なので、是非ここまでアニメ化してほしい。)
なぜ彼らはカバディを選んだのか。
作品の中でも、日本国内でのカバディはマイナースポーツとされている。
野球やサッカーのように、トッププレイヤーになれば、社会的地位や高収入が得られるようなシステムは、まだ存在していないのだ。
それでもカバディを選んだ。そこには、選手たちそれぞれの人生がある。
幼いころからカバディと共に生きてきた者。
カバディと将来収入を得る仕事は別だとはじめから割り切っている者。
そして、なんらかの事情で、メジャースポーツから離れ、カバディに足を踏み入れた者。
宵越は将来を嘱望されながら、周囲の嫉妬や指導方針に馴染めずにサッカーから離れたし、そのほかにも故障や、才能の壁を実感して、最初に抱いていた夢をあきらめた選手たちがいる。
幼いころから夢に向かって努力していても、10代後半には、その夢に見切りをつける決断を迫られる。
そして、それは多くの場合、持って生まれた肉体の限界や、環境など、個人の情熱だけではどうにもできない要素で決められる。
スポーツの世界には、そういう独特の残酷さがある。
作品の登場人物たちは、そういう経験に対し、自分たちで折り合いをつけてカバディに臨んでいるし、ときに、(実体験に基づいて)非常に冷静な目でスポーツ界の事情を見据えている。
それでもカバディは彼らの心をとらえ、彼らは渾身の力を込めて試合に臨む。
最初はカバディ部の勧誘を迷惑がっていた宵越は、カバディの魅力に気づいたとき、「この燃える世界は、気持ちがいいんだ」とつぶやく。
自分の持てる力のすべてを尽くす者同士がぶつかり合い、火花を散らす。
彼らはその「燃える世界」に立つために、競技の有名無名を超えて、カバディに没頭する。
天才プレイヤーで普段はチャラ男な高谷煉は、好敵手佐倉学との激突で、自分の才能を全力で発揮できた時、「…超ォ〜…………生きてる……!!」と言った。
彼らにとって「生きてる」ということは、外からどれだけ利益を得るかではなく、自分の内側にある、エネルギーを燃やし尽くすこと。
おそらく人生をカバディに捧げる者も、途中で違う道を進むことを覚悟している者も、「燃える世界」で「生きてる」実感を求めている。
そして、そうした彼らの群像劇が、スポーツに限らず、「燃える世界」で「生きてる」人間や、その生きざまに憧れる読者の心も、熱くするのだ。
手に汗握る戦いの合間に、ギャグシーンがふんだんに盛り込まれている。
(特に作品途中から登場する、最強の防御手(アンティ)にして情報が多すぎる人、久納監督がいい味出している。)
(久納監督(かっこいい←しかしそれだけでは全く語りつくせない人物))
また、自他ともに認める長身イケメンの宵越は、「スポーツ以外は残念な人」のため、なぜか女性ファンがつかない。
代わりに彼の才能にほれ込んでいるサッカー部の監督と選手たちが、勧誘兼見学と称してしょっちゅう試合を観に来ていたが、途中から「不倒の男 宵越」という応援旗まで振り回すようになり、もはや普通に大ファンだ。
(『スラムダンク』の名シューター、三井寿の友人たちが結成した応援団の旗「炎の男 三っちゃん」へのオマージュと思われる)
作者の武蔵野先生はスラムダンクの大ファンとのことで、単行本を読むと各話の後ろに一コマギャグが入っている(そして本筋ではかっこよかったシーンを平気でぶち壊す)スタイルも、スラムダンクを思い出させる。
(武蔵野先生がカバディのことを知らず、連載を躊躇していたときも、「スラムダンクも当時メジャーでもないバスケを扱った」と担当さんに説得されて、挑戦を決意されたそうだ。〈単行本一巻あとがきより〉)
この惜しげもない緩急が、「感動」と「笑い」を互いに引き立てあっているところも、作品の魅力になっている。
アニメ放映に先立ち、Youtube予告動画のコメント欄には、カバディが国技のインドからも、「いちインド人として、カバディのアニメ化にとても興奮しています!」「インドのアニメファン達へのギフト!」「待ちきれない!インドのスポーツだ!インドからみなさんにたくさんの愛とパワーを込めて」など、たくさんの応援コメントが届いている。
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