2016年08月28日

(※ネタバレ)「ツチノコみつけた!」(『ドラえもん』 脇役キャラトップスター登場の回)


ツチノコ1.png


 今回はドラえもんの「ツチノコみつけた」(コミックス9巻)の一部あらすじと周辺情報についてご紹介させていただきます。



 のび太が体の短い幻のヘビ「ツチノコ」の第一発見者になろうと奮闘する話です。


 以下あらすじです。結末までネタバレですのであらかじめご了承ください。(一部仮名遣いを改めています。)


 「この世に生まれたからには、なにかひとつ足あとを残したい!野比のび太の名前を、歴史の一ページに残したい!それにはどうしたらいいか、真剣に考えよう」

 と真剣な面持ちで目を閉じたのび太、すぐに寝落ちしてしまいましたが(……)未来から帰ってきたドラえもんにたたき起こされます。

(ちなみに、のび太はわりとこの手の思索にふけりますが、寝落ちしなかった場合、思いつくのは「逆立ちで世界一周」とか「大仏様の手で世界一のあやとりを作る」等です。〈真面目に聞こうとしていたドラえもん、このアイディアを聞いた時点で無言で寝室である押し入れにもぐりこむ〉〈コミックス26巻「歩け歩け月までも」より〉)





 見せられたのは未来の百科事典の「ツチノコ」の章。


「昔は単なる想像上の生物とされていたが1975年東京の剛田武さんによって発見され……」

なんと幻のヘビの第一発見者としてジャイアンが歴史に名を残していることが判明。


 それなのに君はのんきに昼寝なんかして……とお説教するドラえもんに対し、ジャイアンの先を越して自分が見つける!と勢いよく飛び出したのび太。


 空き地を捜索中、ジャイアンとスネ夫に、「なんか落とし物か?」と聞かれて、慌てるあまり「関係ない、あっちへ行け!シッシッ!」と失礼極まりない返事をしてしまった結果、尋問にかけられ、ツチノコ探しを白状させられてしまいます。


 しかし、ツチノコの実在を信じていないジャイアンとスネ夫は失笑して立ち去りました。


 ライバルが消えた!と喜ぶのび太。

「必ず見つけてやる。たとえ何か月かかろうと、発見するまであきらめないぞ」

と空き地捜索を再開。


 「あきらめた」

 「まるっきり根性がないんだから」

 舌の根も乾かぬうちにげんなり顔で部屋に戻ってきたのび太にあきれるドラえもん。


 こんな町中にいるなんておかしいよ、と、ふて寝してしまうのび太。しかし、ドラえもんが、未来ではすでに実在が確認され、ペット化されている(笑)ツチノコを連れてきて発見者のふりをすることを思いつきます。


 さっそく、ツチノコブームが起きている2040年代へ行く二人。


 公園では人々に連れられ、たくさんのツチノコが集まっていました。



 ヘビがいっぱいいる公園なんてイヤダと思う方もいらっしゃるでしょうが、このツチノコは「オシシ仮面」「宇宙人ハルバルさん」など個性的なキャラを世に送り出した藤子F先生のデザインセンスがさく裂、顔も体ももっちりぷっくりしてごまつぶのような罪の無い目をして、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ!カワイイです。へびってか、オモチの妖精って感じ。


 世間では毒蛇との噂もあるツチノコですが、藤子Fワールドのツチノコは性格も可愛らしくて、おとなしくリードにつながれ、お洋服や赤ちゃん帽子を身に着け、呼ばれると喜んで人の後について歩き、直立してあーんと口をあけておやつをもらい、イイコイイコされるとニコニコ顔で短い尻尾をぴこぴこ振ります。(悩殺)


ツチノコ2.png


ツチノコ3.png


ツチノコ4.png


 ちなみに大福顔の口元にヒゲ?があるタイプと無いタイプがいます。

(大人と子供の違いでしょうか。蛇にヒゲというのが考えてみればフシギですが、それぞれ可愛い。)


 ペットショップでツチノコを入手しようとするも、未来のお金が無かったというミスがありましたが、公園で捨てられかけていたツチノコ(お巡りさんが「ノラツチノコ(←笑)が増える」と無責任な飼い主を注意していた。)を引き取り、喜びいさんで現代に戻る二人。


ツチノコ5.png


 さっそくマスコミに連絡しましたが、記者の人たちが来る前にツチノコがケージから逃げだしてしまいました。


 慌てて探しに行った二人、そこに「あっ!ツチノコ!!」という叫び声。


 興奮した様子のジャイアンの手につかまれ無心にぶら下がるツチノコ。


 ちょうど集まっていたマスコミに取り囲まれ、「僕が見つけたんです!偶然この空き地で!!」と、取材に答えるジャイアンを、二人は渋い顔で見つめるしかできませんでした……。


(完)


 この可愛らしいツチノコは、後年さまざまな形で商品化され、今やドラえもんグッズの常連ともいえる存在です。








 藤子F不二雄ミュージアムHP内のツチノコグッズ記事はコチラ。


(ミュージアム公式ブログ「ツチノコ」グッズが大人気!2012年12月28日より)



 しかし、実はツチノコって1970年代のオカルトブームの中では、「体の短い飛ぶ猛毒ヘビ」という存在として「発見者に贈られる懸賞金は欲しいが怖い」と当時の少年少女の間では認識されていたそうです。


 本物の(?)ツチノコのイメージで作られた、フィギュア界の名門、海洋堂さんのツチノコ。

(跳躍して口をカッと開き、攻撃を加える姿〈毒ありげ〉)




 当時の「藤子F先生版でないほうのツチノコ」の恐怖イメージについては「ちびまる子ちゃん」(りぼんコミックス4巻)で詳しく描かれています。(こちらも名作です。)




 私は藤子F先生のツチノコしか知らなかったので、後年、図書館で、子供向けオカルト図鑑(※)的なものを見て、ツチノコのカワイイイメージが大崩壊してショックを受けた記憶があります。(海洋堂さんのフィギュア同様、短いコブラ的なものが跳躍して人に襲い掛かる図だったような記憶が……。)

(※)昔そういう絵も話題もまったく子供向けじゃない、異様に緻密で高い画力でトラウマページを繰り広げる恐怖図鑑があった。


 怖いツチノコのイメージ真っ盛りの中で、藤子F先生がどうしてツチノコをあんなに可愛らしくて人懐こい生き物として描かれたのかは謎ですが、夢と温かみに溢れた藤子Fワールドを象徴するようなエピソードです。



 是非コミックスをお手にとってみてください。


 次回記事ではツチノコ追加情報として上記の「ちびまる子ちゃん」の作品と、子供向けオカルト図鑑についてご紹介させていただきます。



 読んでくださってありがとうございました。

posted by pawlu at 21:00| ドラえもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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