2016年07月27日

スタンフォード監獄実験(NHK BSプレミアム「フランケンシュタインの誘惑」放送内容)

明日(2016年7月28日〈木〉)21:00より、BSプレミアムの、科学史の闇を描いたシリーズ「フランケンシュタインの誘惑」で「スタンフォード監獄実験」が紹介されます。(公式情報はコチラ
(再放送7月30日午後6時00分〜 午後7時00分、8月25日午後5時00分〜 午後6時00分)

「スタンフォード監獄実験」
「与えられた役割や立場が人間の行動に与える変化」を調べるため、1971年、アメリカの名門、スタンフォード大学の、架空監獄施設で行われた実験です。

その実験環境の過酷さ、その後の被験者への深刻な影響などから、史上最も残酷な心理実験といわれ、その後、繰り返し映画の題材になりました。

(ドイツ映画「es」、「es」のアメリカ版リメイク「エクスペリメント」、2015年に再び「The Stanford Prison Experiment」として映画化されたそうです)

「The Stanford Prison Experiment」の予告動画



「es」(※実際の事件以上に残虐性が強い内容となっています。)
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この実験は、「囚人役」「看守役」に分けられた一般人たちが、ごく短期間のうちに激変、看守役が囚人役を虐待しはじめ、実験を観察していたはずの学者すらも状況にひきずられて判断力が欠如、実験を中止できなくなるという事態を引き起こしました。

監獄環境の過酷さと看守役からの虐待により、精神に変調をきたす被験者が出ても実験は継続され、危険性に気づいた牧師(実際の刑務所カウンセラーを担当、学者に招かれて実験を見に来た)と被験者の家族により実験開始より六日目で急きょ中止となりましたが、(当初2週間の予定で実施)その際も看守役の被験者は中止に抗議したそうです。
(詳しくはウィキペディア記事をご参照ください。非常に詳しく書かれています。)

人間が普段持ち合わせていると自分でも思っている倫理観や判断力は、環境と立場の変化により(それが架空のものであってすら)たった数日で崩壊する、そしてそれを外部から観察しているだけのつもりだった人間さえも、いつのまにか巻き込まれて、目の前で被害に遭っている人間を見ても(本来自分はそれをやめさせられる立場のはずなのに)事態を変えられなくなる。

実験は、こうした、当初の想定をはるかに超えた人間の心のあやうさをあぶり出し、しかも後遺症をおった被験者たちの心を癒すためには10年の月日を要しました。
(実験を実施した心理学者ジンバルドー本人がカウンセリングを担当、今回の番組でご本人が登場するそうです。)

心理学上の大スキャンダルとなったこの実験は、しかし、「人間は立場と集団によって、一瞬で変貌してしまう」という重要な警告を残しました。

「正義を信じて組織に加わったはずの人間が残虐行為に加担してしまう」
「自分は相手を嫌っていないのに、周囲がその人をいじめているからと、それを止めずに逆に参加してしまう」
など、外部からみたら、なぜそのようなことがおこってしまったのかと思わせる事態も、この人間のあやうさに起因しているのではないでしょうか。
(番組では、併せてその後アメリカ心理学会が「テロとの戦争」の中で犯したスキャンダルについても触れられるそうです。)

実験がもたらした事態の異常性に目がいきがちですが、自分を含めた人間という生き物、そして集団の怖さを思い知らされる、もっと多くの人に警告として広められるべき事件だと思います。

よろしければ、番組をご覧になってみてください。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum at 04:20| 番外編・おすすめテレビ番組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする