2014年08月20日

War horse ウォーホース(戦火の馬)日本公演 感想1 見どころとお客さんの反応


 残念ながら公演日も残りわずかとなってしまいましたが、東京シアターオーブで上演中の舞台「War horse(戦火の馬)」について、感想を簡単に書かせていただきます。
シアターオーブの公式情報はコチラです。
 第一次大戦期、軍馬としてイギリスからフランスへと徴用された馬ジョーイと、彼を追って戦場へ向かった少年アルバートを中心に描かれる、戦争に翻弄された人と馬の物語です。



ロンドン公演のものですが、あらすじ等の情報はよろしければ以下過去記事をご参照ください。
ロンドンの舞台「War horse」@ あらすじと見どころご紹介
ロンドンの舞台「War horse」A ある名場面と、その他のおすすめ作品

日本公演についてですが、わざわざ外国まで来たからか、約1か月と期限があるためか、役者さんが非常に気合を入れて演じてくれているのがわかって、練れた感じのロンドン公演(ロンドンではもう何年間も上演している作品なので)とは別の熱気があって非常に良かったです。

ロンドン版も勿論熱演ですが、既に高い評価を受けている地元でコンスタントに演じ続けるロンドン版の安定感に比べ、日本版は「とどけこの思い!!一球入魂!!おりゃあああ!!」的な気迫があった

今回はフンパツして良い席で観たので、出て来たときと挨拶のときの役者さんたちの顔がとても晴れがましい感じだったところからもそれを感じました。

ちなみにあまり混まないであろう時期のものに行ったのですが、席はみっちり埋まっていました。そして、お客さんの反応も笑って泣いての波がちゃんとあってやはりこの作品の感動は万国共通で伝わるのだと再認識しました。

あえて少しだけ難を挙げると、舞台両脇に出る台詞の字幕がたまに一部省略されたりタイミングが遅かったときがありましたね。あれがお客さんが読める速度に合わせたぎりぎりの線だったのかもしれませんが……。

それから、この作品、第一部がすごい緊迫感のある場面(ジョーイたちが銃撃を受けながら、敵陣へ突っ込んでいく)で終わるのですが、その直後に休憩のアナウンスが入って突如現実に引き戻されてしまうところがあったので、もう少し間が欲しかったです。静かに明るくなってしばらくしてから……くらいがキボウ。

あとは、この作品音楽が哀切胸に染みる感じで非常に!素晴らしいのですが(大好き、聴いているだけで泣けてくる。勿論持ってますが僕的宝物CDベスト3に入る)、輸入盤そのままで、劇場で売っているCDに日本語訳がついていないのが残念でした。上演中はちゃんと字幕が出ていたのであれをつけてもらえるとありがたかったです。

しかしまあ、そんなのは全て些細なことで、もしかしたら日本人にわかりやすいように工夫しているのかなと思わせる場面も多々あり(この作品、観るたびに細かい場面や台詞が違います。今はロンドン版もそうなのかな……とにかく最初に観たのよりわかりやすくなっていました。好き好きたと思いますが)、トータルでは大変すばらしかったです。私だけでなく終演で明るくなった際にはたくさんの人がしっとりしたハンカチ握りしめてましたよ。(どこが違ったのかは追って次回記事で書かせていただきます。)

最後に印象的だった瞬間をひとつ。

というわけで、役者さんの気合と日本のお客さんの感動が相まって、その日の舞台は大成功。カーテンコールでは役者さんたちが、ロンドン公演時の劇場の3倍はあろうかという客席を埋め尽くす人々の拍手を浴びて「うんうん」みたいな満足げな笑顔であいさつをしていました。

そしてみんなが舞台袖にもどったときのことです。

カラになった舞台に向けて拍手が降り注ぎ続けました。

駆け戻ってきたアルバートとジョーイ役(3人でパペットを動かしている)の二人、それに続いてばらばらと役者さんが集まり、もう一度、少し驚いた、しかし嬉しそうな顔で深々と頭を下げました。

あの、「時間差戻り」と役者さんたちの一連の表情について考えてみるに、おそらくあのとき、役者さんたちはお客さんの感動度合を「とりあえず日本のお客さんにも十分気に入ってもらえたようだ」くらいに思っていたのではないでしょうか。だから最初の笑顔にはなんとなく「安堵」がただよっていました。

というのも「ブラボー!!」とか口笛とかスタンディングオベーションとかがあるロンドンや欧米の反応と比べると、「拍手だけ」というのはそんなに「アツイ」反応に見えないからです。
でも日本人の、特にああいう一般的な舞台に来るお客さんはまだそういう派手なアクションをとる習慣が無いので、拍手をやめないことでなんとか自分たちが受けた「いやもう『気に入った』レベルじゃなくって、とぉっても良かったですって!!」という感動を表そうとした。

それに気づいてまず二人、慌てて戻ってきて、みんなも「おい!行こう!」となったんじゃないかなと思います。

 あの止まない拍手と、駆け戻ってきた役者さんたちの驚いたような嬉しそうな笑顔は、「確かにこの作品が、文化の違う日本でも大きな感動を与えたのだ」という事実を象徴しているようで、舞台そのものとはまた別のすがすがしい感動がありました。

 心に染みるストーリーと、美しい音楽、パペットの馬の圧倒的な質感と勇壮な美。

 どれをとってもイギリス舞台芸術の至宝と呼ぶべき名作ですので、もし迷っている方は今からでもご検討下さい。(十分混んでると思ったけど、一応チケット入手できる回もある模様)

 よくぞ来てくださった。そして、日本にまた戻ってきて欲しい。心からそう思わされる素晴らしい舞台です。
当ブログ「ウォーホース」関連の記事は以下の通りです。
ロンドンの舞台「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」@ あらすじと見どころご紹介
ロンドンの舞台「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」A ある名場面と、その他のおすすめ作品。
「War horse(ウォーホース)戦火の馬」 日本公演決定
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想1見どころとお客さんの反応
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想2ロンドン初演版との違い
「War horse(ウォーホース)戦火の馬)」日本公演 感想3結末部(ネタバレ注意)
「史実 戦火の馬」(ドキュメンタリー番組)

 次回、もう少しこの日本公演について追記いたします。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 09:52| 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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