2014年05月03日

「超絶技巧!明治工芸の粋(すい)‐村田コレクション一挙公開‐」 展覧会概要ご紹介

 東京日本橋の三井記念美術館で、「超絶技巧!明治工芸の粋」が開催されています。
 (公式ホームページURL……http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
 「村田コレクション」とは電子部品で有名な村田製作所の元役員村田理如(まさゆき)氏が収集した約一万点の明治工芸コレクションのことです。

 普段は村田氏が館長を勤める京都の清水三年坂美術館にあるそれらの作品の一部(約160点)が、今回東京で見られることとなりました。
(清水三年坂美術館公式ホームページURL……http://www.sannenzaka-museum.co.jp/

 明治時代、幕末まで培ってきた高い美意識と技術が、怒涛のごとく押し寄せてきた西洋化の波とぶつかり合い、工芸のあらゆるジャンルにおいて、前代未聞の精緻な作品群が生まれました。

 主に海外への贈答品として制作されたために、名作のほとんどが日本から流出していた状況だったのですが、今その偉大さが見直されています。
 
 この展覧会では、以下のような作家たちの作品を見ることができます。

並河靖之(明治七宝の巨人、漆黒の地に花鳥を描いた端正な作品で有名)

濤川惣助(金属線を枠として色彩を流し込む七宝制作の工程の途中で、金属の枠を取り去る「無線七宝」を手掛けた。靖之と対照的に、淡い色彩の地に、やわらかな輪郭の作品が有名)

正阿弥勝義(しょうあみかつよし)、海野勝a(うんのしょうみん)、加納夏雄(かのうなつお)(日本近代金工の三羽烏と呼ばれた名手)
(※加納夏雄と海野勝aについての清水三年坂美術館の紹介ページURL http://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku_13_2_22.html

安藤禄山(あんどうろくざん)(象牙で実物と見紛う野菜や果物を作り上げた謎の牙彫(げちょう)師)

高村光雲(たかむらこううん)(「老猿」で有名な木彫家、息子は「レモン哀歌」で知られる詩人で彫刻家の高村光太郎)

・錦光山(きんこうざん)、藪名山(やぶめいざん)(京都、大阪で技を競い合った薩摩焼の陶家。象牙色の地に金と多彩な色彩で、ときに肉眼では判別困難なほどに繊細な図案の作品を作り上げた。)

 このほか、漆芸、刺繍画、自在(金属部品を細かく組み合わせて作られた、繊細に動かすことのできる細工置物、甲冑制作技術を生かして作られた)などの作品が展示され、明治の手仕事の偉大さを総括して目の当たりにすることができます。

 ……なんか今回人名と漢字ばっかりの文になってしまいましたが、ひらたく言うと明治工芸、すごすぎて息ができなかったり逆に笑えてきたりします。

 かつてあるイギリスの方とお話した時、明治工芸を評して「生で見たとき気絶しそうになった」と極めて真顔でおっしゃっていましたが、僭越ながらわかる気がします……。

(ちなみにその方を気絶させかけたのは皇室所蔵の並河靖之作「黒地四季花鳥図花瓶」、闇の奥に小さな花や木々がさらさらと揺れて浮かび上がるような衝撃の逸品です。〈この作品について少しご紹介させていただいた当ブログ過去記事はコチラ〉)

物を見て「綺麗、ステキ」を超えてそういう感覚になるというのはなかなか無いことなので、美術鑑賞とかそういう堅苦しいことではなく、五感の体験としてお勧めしたいです。

 ちなみに、この三井記念美術館そのものの内装がクラシカルで、エレベーターの金属板とかに至るまでぬくもりのある感じでとても素敵です。当然日本橋そのものが素敵な町ですし。

 そんなわけなのでこの連休中にお出かけになってみてはいかがでしょうか。

 当ブログのこの展覧会、および明治工芸に関する記事は以下の通りです。よろしければ併せてご覧ください
極上美の饗宴 並河靖之の七宝
極上 美の饗宴 「極上美の饗宴シリーズ“世界が驚嘆した日本”七宝 幻の赤を追う」
「超絶技巧!明治工芸の粋(すい)‐村田コレクション一挙公開‐」 展覧会概要ご紹介(※今回記事)
「超絶技巧!明治工芸の粋(すい)‐村田コレクション一挙公開‐」おススメ作品(七宝編1 並河靖之作品)
 読んでくださってありがとうございました。
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posted by Palum. at 23:27| 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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