2014年02月27日

(ネタバレ・台詞編)『パーセプション』「神からの声」より

 先日AXNミステリーの推理ドラマ「パーセプション」についてご紹介しました。

 神経科学の権威ダニエル・ピアーズ教授と元教え子でFBI捜査官のケイトが、人間の脳の仕組みという見地から真相を探っていくという異色作です。
(番組の公式HPはコチラ。)
 (当ブログ過去の「パーセプション」ご紹介記事はコチラです。)

 ダニエル教授自身も統合失調症を患っており、現実と幻覚の区別がつかないという症状に悩まされたり、その他、自分の精神世界をうまくコントロールできないで苦しむ人が登場したりと、重いテーマを扱っている部分もありますが、その世界観は基本的に前向きで、人間の多様性について公平に描いており、登場人物たちの率直でときにユーモラスな台詞が魅力です。

 今日はその中でも個人的にラストシーンの味わいが好きな「神からの声」について、あらすじと一部台詞をご紹介させていただきます。

(以下、結末部まで相当ネタバレです。大丈夫な方だけお読みください)

 元麻薬中毒者だった青年ジャレットが何者かに殺害され、捜査にのりだすダニエルとケイト。

 殺害される数か月前、ジャレットは宗教団体「ヘイヴンハウス」で共同生活を送るようになり、自分の財産をそこに寄付していました。

 無神論者のダニエルは、この団体を詐欺師集団と決めつけていましたが、団体の中心人物カイルを気にかけるようになります。
 

 カイルはまだ少年で、神の声が聞こえるというカイルの話を聞きに多くの人が集まり、「ヘイブンハウス」は彼らの寄付金を元に募金や慈善事業を行っていました。

 ダニエルに出会ったカイルは、彼が神を信じていないことを見抜き、こんなやりとりを彼と交わします。

(以下、例によって誤りがあるかもしれませんがご了承ください〈また訳部は私的直訳です。字幕はもっとスマートな台詞になっています。〉)

(カイル、傍にあったラズベリーを手にとってダニエルに見せながら)
How could anybody work at something so perfect, and beautiful and delicious and think that it got that way by accident?
こんな完全な、美しい、おいしいものが偶然にできあがったと本当に思う?

(ダニエル)
There is a scientific answer to that Kyle.
カイル、それには科学的な答えがある。
Earlier versions of the raspberry weren’t so beautiful and deliciaous, so they couldn’t attract enough birds to spread their seeds around.
初期のラズベリーはそんなに美しくも美味しくも無かったから種を広げてもらえるほど鳥を惹き寄せられなかった。

(カイル)
I know how evolution was. I love Darwin. He was the first person in history to look behind the curtain and see how god actually makes it all work.
進化論は知っている。ダーウィンなら好きです。彼はカーテンの背後を覗き、神がすべてのことを実際にはどうなしとげるのかを見た歴史上最初の人物でした。

 この会話の後、カイル本人は賢く善良な少年だとダニエルも認めるようになりますが、一方でカイルの「頭の中に声が聞こえる」ときの状況を詳しく聞きだして、それが脳腫瘍による症状であると確信します。

 ダニエルはカイルに手術を受けなければ危険だと忠告しますが、カイルは「これが神の声を聞くために与えられた病気ならば治さない」と拒絶します。

 カイルの両親は彼に検査を受けさせるべきか迷っていましたが、ある日カイルが階段から落ち、頭に大けがをして病院に運ばれます。

 最初は症状が出て気絶したための事故だと思われましたが、ジャレット殺害事件の捜査を進めていたダニエルは、カイルが事件の真相に気づき、口封じのために襲われたのではと考えます。

ケイトは捜査に戻りますが、ダニエルは内部に犯人がいるならカイルの身が危険だと病院に残ることにします。

カイルは怪我の治療と共に、やはり発見された腫瘍を手術で除去されますが、合併症から、危険な状態に陥ります。

これより少し前から、ダニエルの幻覚として、神の声を聞いたとされる聖女ジャンヌ・ダルクが、ダニエルの前に姿を現していましたが、病院でダニエルの隣に座った彼女に、ダニエルは吐き捨てるように言います。
「神に伝言してくれよ。神はクソ野郎だってな」

 カイルみたいな善良な子が重病を負わされ、殺人犯は野放し、カイルの母親は泣いている。人間の所業は神にとって娯楽なのか、と。

 しかしこの後、犯人は逮捕され、カイルは奇跡的に命をとりとめます。

再びあらわれたジャンヌ・ダルクに
「伝言もたまには有効ね」
といたずらっぽく言われたダニエルは
「存在しない神に頼らずに人間は回復できる」
と答えます。
「存在しないならなぜ伝言を?」
「僕は変人でね」
そう言ったダニエルは、カイルの病室へ向かいます。

事件のあったヘイブンハウスは閉鎖し、代わりに学校を建てる、というカイルの一家。

ダニエルにまだ神の声は聞こえるかと尋ねられたカイルは確信に満ちた笑みを浮かべてこう答えます。
「以前のような声は聞こえないけれど、神の意思はわかる。望む者ならだれにでも」

 その言葉を聞いたダニエルは、自分の研究が受賞して獲得した賞金をカイルに全額寄付する小切手を渡し、「これで学校に本を買うといい」と言います。

 その金額に驚くカイル。以下二人のやりとりです。

(カイル)
Does this mean you believe in god now?
今は神を信じているっていうこと?

(ダニエル)
Absolutely not, but I believe in you.
ぜんぜん違う。でも僕は君を信じている。

(カイル)
I got something for you too.
ぼくからも先生にあげるものが。
(カイル、テーブルの上のフルーツからラズベリーを手に取ってダニエルに渡す。)

(カイルの母)
Kyle, what kind of present is that?
カイル、なんてプレゼントなの。

(カイル)
I think Dr. Piers will appreciate it.
ピアーズ先生(ダニエル)は喜んでくれると思う。

 ダニエルは何も言わずにラズベリーを手に病室を去り、外に出ると、ラズベリーをじっと見つめた後、少し笑ってそれを口に入れました。
(END)

 推理ドラマにしては珍しいほどに、登場人物が正直に思うところを語っていて、それでいて相手の思いを尊重してもいる。そして、ときにこの回のようにラストシーンがさわやかですらある作品です(これ以外だと最終回もそういう感じです)。

「パーセプション」よろしければご覧になってみてください。(2014年2月28日,3月3日にそれぞれ朝6時からのこりの回が放映されます。)

 読んでくださってありがとうございました
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posted by Palum. at 23:46| 日本の海外テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする