2013年06月03日

「クリスティのフレンチミステリー」再放送

以前少しご紹介させていただいた。AXNミステリーの「クリスティのフレンチミステリー」が明日(2013年6月4日朝6時〜)の朝から再放送されるそうです。
 アガサ・クリスティの推理小説を、基本的な筋立てはそのまま、ベテラン警視ラロジエールと、若手刑事ランピオンという独自の主人公に入れ替え、コメディ要素を強くした作品です。

 当ブログ過去ご紹介記事はコチラです。

 渋い男前と思いきや、おこりんぼかついばりんぼで女好き、しかし土壇場では有能なラロジエールと、彼のことを「長所を見つけるのが難しい人(酷)」と言い、理不尽に耐えつつも支える真面目で優しいランピオン。二人のシニカルだけどどこか温かみのあるやりとりが魅力です。
 世界的名探偵ポアロやミス・マープルが出てくるはずの原作から彼らを抜き取ってこの2人を登場させるという大胆な試みにご注目ください。
私が観た限りでおススメは「五匹の仔豚」(今回は6月12日放映)。番組情報はコチラです。
画家であった父が毒薬で死に、母が毒殺犯として逮捕、その後獄中死したと聞かされていた娘が、探偵を雇って真相を探ろうとするという話です。
ちなみに原作では探偵はポアロ、このドラマでは、ラロジエールの横暴にとうとう堪忍袋の緒が切れて探偵社の引き抜きに応じたランピオン(笑)。
また、原作では母の死後に真犯人をつきとめようとする話だそうですが、ドラマでは母親は存命です。(この改変がラストシーンに重要な役割を果たしています。)
こんなふうに、クリスティ作品にたまに漂う救いの無さを、ユーモアとアレンジでうまいこと調整しているところもいいですね。
加えて、「5匹の仔豚」では、海辺の風と夕暮れの光の漂う景色、少女の思い出の中の、愛し合っていたはずの家族の姿、可愛らしい少女の声で歌われる、作品を象徴したマザーグースの歌などが情感を添えています。
ちなみに死亡した父親を演じている人は、同じくフランスの推理ドラマ「ワイン探偵ルベル」(こちらも良作でした。端正な展開のミステリにワインと大人の恋が彩りを添える、まさしくフランスといった感じの粋なドラマ)で、探偵ルベルに協力をあおぐ警視役の方です(ヴィンセント・ウインターハルター)。
創作のためにモデルと愛人関係になるというエゴイストですが、娘の記憶の中では砂浜で彼女と遊ぶ優しい父親。この複雑な人格を無理なく演じています。とてもいい役者さんですね。彼無くしてはこの作品の説得力が生まれなかった気がします。
 明日〜6月18日まで、平日朝6時〜放映されます。ラロジエールの性格上、家族で観ると静かになってしまう艶笑がたまに混じってますが、基本的には軽やかで笑える娯楽作品です(そうそう、男女問わずファッションもお見逃しなく。クリスティドラマの隠れた華です)。よろしければご覧になってみてください。

当ブログのフレンチミステリーに関連する主な記事は以下のとおりです。

(一部内容が重複しています。またリンク切れが多いのであらかじめご了承ください。)
クリスティのフレンチ・ミステリー(AXNミステリー・フランスドラマ)
「クリスティのフレンチ・ミステリー」再再放送(AXNミステリー
「五匹の子豚」(クリスティのフレンチ・ミステリー※ネタバレ編)
クリスティのフレンチミステリー「ABC殺人事件」(ドラマ独自の年の差恋愛も見どころ)

ドラマに関するフランス語のウィキペディア記事は以下の通りです。
「クリスティのフレンチミステリー(原題:Les Petits Meurtres d'Agatha Christie)」の紹介ページ
同上「ABC殺人事件(Les Meurtres ABC)」の項目

読んでくださってありがとうございました。

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posted by Palum. at 23:50| 日本の海外テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする