東京限定の話で残念なのですが、件名のミュージカルが本日から(2011年3月3日〜14日)観られるそうです。
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旧約聖書のヨセフ(英語ではJoseph、発音としては「ジョゼフ」に近いです。)の不思議な波乱万丈の人生を題材に、1960年末~1970独特の原色とナンデモアリ感覚が良い意味で爆発した、最高に面白い作品です。
今回はアメリカのキャストの来日ですが、元々この作品は、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー氏と、作詞家ティム・ライス氏というイギリスのミュージカルのゴールデンコンビ(※)が最初にタッグを組んだ記念すべき作品です。
(※その後、同じく聖書を題材に作られた「ジーザス・クライスト・スーパースター」は世界的大ヒットに。)
旧約聖書のエジプトの牢獄の場面なのに、七色の光とともにアフロや超ミニのハデハデな人が、突如あふれ出てきて「Go Go Go Joseph !Sha la la Jopseph、you’re still in your prime!(行け行けヨセフ!シャララ、ヨセフ、君は今も最高~!」と踊りまくるのを素直に「うわあ、た~のし~い!!」と思える方には非常にオススメいたします。
(というか、映画版だと、その中に、ふさふさとお花のレイを沢山かけた、長い衣に派手なサングラスのおじいさんがどさくさまぎれに一緒に踊ってるんですが、まさか…神様……?)
逆に、「ミュージカルってなんで突然歌いだすの」的な人は、事前に頭を相当ほぐしておく必要があります。ノリにびっくりするから……本作の映画と、「ジーザス」はご覧になっておくといいかもしれません。
しかし、たまには堅苦しい日常を離れ、度肝抜かれるのって、すごく気分いいですよ……。
(あらすじ)
基本的には旧約聖書ヨセフの物語に忠実です。(場面の崩し方はハンパないですが)
ヨセフは一族の長であるヤコブ(英語ではJacob「ジェイコブ」と発音しています)の息子。ヤコブは十二人の息子に恵まれましたが、今は亡き最愛の妻の面差しを継いだ、美青年のヨセフをことのほか可愛がっていました。ヨセフにだけ特別な晴れ着を作ってあげるなど、その差は誰の目にも明らか。
(これがミュージカルでは色鮮やかな総天然色のコートになり、作品の題名にされています。)
しかし、これが他の兄弟の嫉妬を招き、兄弟たちはヨセフを殺してしまおうとします。(聖書内では、長男ルベンは彼を助けるつもりだったと書かれています)
いったんは穴に投げ込まれるも、命をとるのは思いとどまった兄弟たちは、通りかかった商人に彼を売り飛ばし、ヨセフはエジプトに連れて行かれてしまいます。兄弟たちは、山羊の血をつけたヨセフの晴れ着を、父ヤコブに見せて、彼は野獣に食い殺されたと嘘をつきました。
ヨセフは宮廷の役人ポティファルの奴隷になり、その聡明さを買われて良い待遇を受けますが、ポティファルの妻が彼の美青年ぶりに目をつけ、誘惑してきます。
ヨセフは応じませんが、ポティファルの妻は逆に彼を陥れ、ヨセフが自分に言いよって来たと、夫に嘘を言います。
恩を仇で返されたとポティファルは激怒、ヨセフを牢獄に入れてしまいます。
絶望的な状況、しかし、ヨセフには、人のみた夢から、未来を読み解くという不思議な力があり、これによって、彼の運命は大きく変化していきます。
最大の注目ポイントは聖書の超大胆アレンジです。
この作品と「ジーザス」には、1970年前後の破天荒が、良い意味でぎうぎうに詰まっています。
しかし、この聖書を題材にしておきながら、ノリがドタバタなミュージカルが、生誕から約40年経った今、ようやく日本に来た遠因に、アノ衝撃の最聖ぬくぬく漫画「聖☆おにいさん」(※イエス・キリストとブッダが立川のアパートでルームシェアして有給休暇を過ごすという、物凄いコンセプトの傑作ギャグ漫画。)の大ヒットがからんでいるのではとひそかに思っています。日本人もこの手のシャレがわかる(どころか大好き)と実証したわけですから。
「ジーザス」にある、ユダの苦悩やイエスとの悲劇的な対立とは異なり、「ヨセフ」は原色カラフルで大人から子供まで無心に楽しめる展開です。
(ちなみに、ロンドン版ミュージカルでは、七色の服を着た子供たちがヨセフたちの活躍を見守っています。【ポティファルのセクシー妻が、ヨセフになんか言ってる最中はちゃんと退場している(笑)】)
しかし、単にファミリー向け、ではなく、目を疑うほど燦然と斬新です。色あせないというか、ある意味、21世紀には生み出せないキョーレツさ……。
例を挙げると、
(注、以下少しネタバレです。大丈夫な方だけお読みください)
@エジプトのファラオがあの王の頭巾(ネメスというそうです)をとると、なぜかプレスリー風だ。
A兄たちがジャマイカ風など、時代も国もまるっと超越した音楽で歌って踊っている。
B人の生き死にに関わる話題で、わりとあっさりギャグが挟まる。
次回、アノ独特の雰囲気について、もう少しくわしくご紹介させていただきます。
(映画「英国王のスピーチ」についても近々書かせていただきます)
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