2010年01月07日

「地球ドラマチック『町中みんなで合唱団!〜イギリス 涙と笑いの猛特訓〜』」 (BBC原題「The choir :Unsung town」)

新年明けましておめでとうございます。

ご無沙汰してしまいましたが、まだまだ書き続けていきたいと思いますので、よろしければお読みください。

(要約文)
本日(2010年 1月 7日【木】)19:00〜19:40から、NHK教育で
「地球ドラマチック『町中みんなで合唱団!〜イギリス 涙と笑いの猛特訓〜』(前編)」という番組が放映されます。

ロンドン交響楽団で合唱の指揮を担当していたギャレス・マローン(Gareth Malone)さんが、町の人々を募り、合唱団を作り上げていくという番組で、イギリスのテレビ局BBCではThe choirというタイトルで、既に定期的に制作され、高い評価を得ている番組です。


(本文)

今回NHKで放映されるこの番組、普通に、音楽を楽しむ人々のドキュメンタリーとして楽しめますが、さらに、イギリスにしばらく住んでみるとつくづく感じ入る、「ほんとうのイギリス」の姿も垣間見ることができます。

ちなみに、わたしが感じた「ほんとうのイギリス」の姿とは、

@イギリス人は老若男女、芸術が大好き。
Aアフタヌーンティーだけがイギリスではない。
というものです。

@については、小難しい理屈を操るかどうかはさておき、子供からお年寄りまで、美しいものに対する反応がとても率直。
平たく言うと、素敵なものに触れた際に、パアッと明るい笑顔や歓声が湧いてくる人々だということ。
こういうときのイギリスの方々は実に魅力的です。一緒にいて最高に楽しい。

Aについては、わたしだけでしょうか。行くまで
「お花を育てて、紅茶を楽しむ、心豊かな暮らしのイギリス(あとシャーロック・ホームズみたいな人がいる)」
みたいなイメージしかなかったんですよね……。

しかしそれは、
「ニホン人はいつもおじぎしていて、旅先では良いカメラで写真撮りまくっているんだよね」
みたいな、
「うん……まあ……でも、それだけじゃないよ……」
という理解でしかなかったのです。

もっとシリアスな問題(人種差別、格差社会、産業不振など)を抱えたイギリスというのも当然あるわけです。

この番組では、必要に応じて、こうしたイギリスの素晴らしい部分と、これから戦っていかなければならない部分の両方を、合唱団の人それぞれの人生模様を通じて描いていて、しかし、トータルでは観て聴いて、和やかに楽しめるように仕上がっている。

うーん、イギリスのテレビうまいなあ、という構成です。

というわけなので、この「The choir」イギリスでは正しく褒めたたえられ、「Boys Don’t Sing」という回が、2009年度BAFTA賞(アカデミー賞的なものですが、テレビにも映画にも贈られる)を「FEATURES」という部門で獲得しています。

下記のURLをクリックすると、このBAFTA賞授賞式の動画ページがご覧いただけます。指揮者ギャレスさんのスピーチの英語は、とても聞き取りやすくてきれいです。

(※このページの左側、テレビのマークのついている隣の「FEATURES」という見出しをクリックなさるとご覧になれると思います。)

http://www.bafta.org/awards/television/tv-noms-2009,709,BA.


これは同じくNHKの『地球ドラマチック』で「クワイアボーイズ」というタイトルで既に放映されていたそうです。

これらの番組で合唱団を束ねる指揮者ギャレス・マローンさんは、イギリスではとても有名な方です。特にこの番組シリーズで人気者に。

音楽を愛し、音楽を人々と作り上げることを心から楽しんでいる彼は、常に謙虚な姿勢ながらも、コミュニケーションの面では積極的で、音楽と人間に対するまっすぐな好意が感じられます。

多分、今回NHKで放映される回ではないかと思うのですが、わたしが観た番組では、ギャレスさんはビラ配りをして、合唱団のメンバーを集めようとしていました。

ところが、あまり音楽に関心の無い町だったのか、寒空の下、ビラを受け取ってすらもらえない状況。

そんな中、ビラを受け取らないまでも、彼を無視しなかった人について、

「ありがとう、あなたは笑顔をみせてくれた」

というようなことをおっしゃっていたギャレスさん。

これは、よ〜〜っぽど、普段から誰に対しても礼儀正しくあろうと心がけていないと出てこない発想だと思います。

彼の英語は聴き取りやすく、聞いていてすがすがしいセリフがとても多かったです。

そんなわけで、彼の能力と人柄は、若くして多くのイギリス人の尊敬を集めているそうです。

まあ、「そういうことを言ってはいかん」と言われてしまいそうですが、外見もいかにも優しく賢そうな好青年。

日本でも、スポーツ界やアジア映画界を含め、言葉遣いの美しい、笑顔のさわやかな男性が人気ですが、彼などまさしくそういうお人です。

ところで、彼は欧米人には珍しく、日本人が年齢を若く見誤るタイプの外見をしていらっしゃいます。
最初、彼が出て来たときは、ハタチそこそこの学生さんかと思いました。でも、もう三十代の既婚者なんですよね……(ウィキペディア調べ)。

また、BAFTA授賞式の彼は、スコットランドの民族衣装であるキルトを着ていらっしゃいます。
(女性用スカートと間違えたら、スコットランドの人の心象を悪くしますので、お間違えなきように。あれは戦闘の時にも身にまとった、超超男らしい衣装なのです)。

彼が生まれた場所はスコットランド地方ではないのですが、イギリスの知人いわく、
「もしかしたら、先祖の誰かがスコットランド系なのでは。そういう人は公式の場でよくキルトを着る」
とのことでした。

(余談……確かにケンブリッジの町でも、大学の行事の後らしき礼装の人々のなかに、颯爽とキルト衣装で歩く若者をよく見かけました。
こういう、自分の民族の伝統への誇りというのは、見ていてとても気持ちのいいものです。)

と、いうわけで、この番組の「音楽のパワー」「イギリスの描き方」「才気溢れる好青年指揮者(笑)」に注目しつつ、
「地球ドラマチック『町中みんなで合唱団!〜イギリス 涙と笑いの猛特訓〜』(前編)」よろしければ、ご覧になってみてください。
(情報遅くてすみません。間に合わなくても、来週【2010年 1月14日(木)19:00〜19:40】の後編だけでも十分面白いと思うので……)

イギリスのテレビは滅茶苦茶!!面白いので(ドギツイのは引きますが……)、こういうドラマ以外の番組もたくさん放映されるといいなあと思います。

NHKの番組紹介HPです。
http://www.nhk.or.jp/dramatic/

BBC「The Choir」の番組HPと、ギャレスさんのインタビュー記事です。
(日本からは観られない動画もあります。残念……)
http://www.bbc.co.uk/sing/choir/
http://www.bbc.co.uk/sing/choir/gareth.shtml

ギャレスさんの公式HPです。
http://www.garethmalone.com/

ギャレスさんのウィキペディアの記事です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Gareth_Malone
posted by Palum. at 15:13| 日本の海外テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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