2009年07月13日

ケンブリッジという町


ケンブリッジは、ロンドンから、ノンストップの直通電車でなら、約四十五分(キングスクロス駅からの場合)。

中心部に、オックスフォード大学と並び称される名門、ケンブリッジ大学のキャンパスを擁する歴史ある町です。

……まあ平たく言うと、中くらいの大きさの、古い建物(普通の新しいのも混じってます)のきれいな町、と言ったところでしょうか。


ほどほどに便利な、それなりに静かで安全な町です。

全体的には、キャー素敵ぃ、というより、勉強に向いていて暮らしやすいという感じです。

だから、サタデーナイトはフィーバーだぜい(旧い)とか言う人には、きっつい場所のようです。

いわゆる、若者がナイトライフを楽しめる場所は、非常に少ないようで、実際クラスメートから、

「耐えられない」
「オックスフォードにいたこともあるけれど、あっちのがまだマシだった」(これは真逆の見解も)

という意見を聞いたことも、少なくありません。

私は、夜は早く眠くなり、朝が非常に弱いので(寝てばっかじゃん)、不自由はありませんが。


とりあえず、ケンブリッジという町について、つくづくと感心するのは、

「木が大きくて地面が平たいなあ」
ということです。

大きな木(ケンブリッジ大学の一キャンパスの庭にて)1

大きな木(ケンブリッジ大学の一キャンパスの庭にて)

四階建て家屋位の高さと容積の木が、町中でも青々小山のように生い茂っています。
日本ならしめ縄張られそうな希少さですが、樹齢なら三十年は若手、百年もザラのようです。

歴史ある町並みが出来上がった時から、ともに年月を経てきたのでしょう。
わっさわっさと葉を重ね、風が吹くとせせらぎのように涼しくざわめき、木漏れ日は、はるか頭上から、溢れるように豊かに降り注ぎます。

木がこんなに美しい生き物だということに、ここに来てから気がつきました。

また、ケンブリッジに来て地平線、というものを、初めて目の当たりにしました。

地平線(ケンブリッジ郊外)

地平線(ケンブリッジ郊外)

ここは全くと言っていいほど起伏がありません。

町中はともかく、バスで少し郊外に出ると、その真っ平らぶり、まるで板です。

そういう所は、たいてい農地か牧草地で、緑が果て遠く、空との境目まで続いています。

かつて、のび太君が「地平線」を「チダイラ線」と読み間違え、どこを走っている電車かと聞いて、ママを怒らせてましたが、気持ちわかる。
私も見たことがなかったのですから。
日本だと建物か山かにぶつかることのほうが多いですよね。

そういうわけで、良い町なのですが、実は最初に、ここに来ることに決めた時は、ちょっとヤでした。


なぜならば、
「ケンブリッジに勉強に行く」
というと、大抵の人が、
「ケンブリッジ大学の学生になる」に勘違いするから……。

「日本語の勉強をしに東京に行く」という話が、「東京大学の学生になる」にすり替えられるようなものです。

「飛びます飛びます」、違った、「何でそーなるのっ!?」(※)。


語学留学斡旋会社の方に、
「治安が良くて、ロンドンからあまり遠くない場所」
という条件でお願いしたら、この町が提示されたのですが、上記の理由で、
「他の場所ありませんか……」
と、ためしにうかがったら、オックスフォードを提案されました。一緒です。

案の定、親しい友人はともかく、風の便りに私のイギリス行きを知った人々は、ケンブリッジ大で何を勉強するんだなどと聞いてくるので、

ケンブリッジという町(強調)で、英語を勉強するのです。ケンブリッジ大学ではありません。私は英語がしゃべれません」
と、訂正してまわる必要がありました。


一回なら苦笑交じりですが、五、六回過ぎた辺りからアンニュイな作業になりました。

それでなくても、仕事辞めて勉強し直しなんて、リスキーな選択をした矢先に、
「違います、無理です、しゃべれません、へっへ(乾いた笑い)」
なんて、唱え続けていたら、いい加減どんよりするというものです。

来てしまえば、どうってことないんですけれどね。

(※)日本の宝、コント55号の決めギャグ台詞。前者は坂上二郎さん、後者は欽ちゃんさん(敬意)のもの。




posted by Palum at 20:54| イギリスの暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする