2015年01月04日

たかぎなおこさん思い出のフレンチトースト(漫画「浮き草デイズ」と「はらぺこ万歳!」)

元旦早々流血記事を書いてしまったので、今回は別系統の話題をご紹介させていただきます。

大人気エッセイコミック作家たかぎなおこさんの最新作「はらぺこ万歳!」に出てくるフレンチトーストについて。

はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん -
はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん -

たかぎなおこさんは、ご本人の温かな人柄がにじみでたほんわかした作風で、女性のひとりぐらしや、旅、趣味のマラソン、そしてご自分の上京物語などを描いている作家さんです。

ひとりぐらしも5年め -
ひとりぐらしも5年め -

ひとりたび1年生 -
ひとりたび1年生 -

マラソン1年生 -


上京はしたけれど。 -
上京はしたけれど。 -

また、カラフルで可愛らしい絵で描かれた食べ物の絵がとっても美味しそうなのも魅力のひとつ。

ご本人の自炊風景も旅ごはんも見ているだけでワクワクします。

そんな彼女が描いてきた食べ物エピソードの中でも、ファンの間で名高いのが『浮き草デイズ』2巻の「モモセさんのフレンチトースト」。

浮き草デイズ〈2〉 -
浮き草デイズ〈2〉 -

三重のご実家からたかぎさんが上京してきたとき、イラストレーターとしての仕事がまったくとれずに、ホテルの朝食係としてバイトしていたときのお話です。

ギリギリ生活のたかぎさんにとって、このバイトでのまかないは貴重な栄養源。

そのなかでも、顔は怖いけれど、実は優しいホテルのシェフ「モモセさん(どろぼうひげで目つきが厳しい)」のおいしくて量の多い朝ごはんを、たかぎさんはとても楽しみにしていました。

 (例)実は優しいモモセさん、凄味のある顔で「お前パパイヤって、食ったことあるか?(ギロ…)」と、たかぎさんに余ったパパイヤを渡す(笑)。

浮き草デイズ パパイヤ1.png

浮き草デイズ パパイヤ2.png

モモセさんの大盛りカレーや、前日から仕込んだスープとチャーシューで作ったラーメン。

なかでもたかぎさん憧れの一皿はフレンチトーストでした。

「ふわふわで黄金色でめちゃめちゃおいしそう」

と、お客様に運ぶときから羨望のまなざしで見ていたフレンチトースト。

ついに、
「今日のまかないはフレンチトーストだ!!」(だん!〈怖い顔〉)←このコマ好き(笑)

浮き草デイズ フレンチトースト.png

と、出てきた黄金色ふわふわフレンチトーストを、たかぎさんたちはうまうまーと感激しきりで食べていました。



イラストレーターになるという難しい夢を抱きながら、どこかあぶなっかしいたかぎさんを、「めしはちゃんと食ってんのか?」「変なバイトしてないだろうな?」と、怖い顔でちょいちょい心配してくれていた「モモセさん」。

たかぎさんはこの人のことをひそかに「東京の母」と慕っていましたが(笑)、自身も上京者だった「モモセさん」は地元青森に店を出すという夢をかなえるべく、やがて東京を去りました。

「まったくよ〜、どうなるんだろうな、おめ〜のこれからの東京生活はよ〜」
(ホテルの厨房で卵を割りながらためいきをつくモモセさん。)
「まあ…メシくらいはちゃんと食えよ」
そんな言葉をたかぎさんに残して。

これがたかぎさんの上京物語「浮き草デイズ」のエピソードですが、月日は流れ、いまや売れっ子コミックエッセイストとなったたかぎさんが、「モモセさん」のモデルとなったシェフ「ハヤセさん」の姿をネットで見つけ、13年ぶりの再会を果たすというエピソードが最新刊「はらぺこ万歳!」に登場します。

「モモセさん」ことハヤセさん、現在は「海坊厨(うみぼうず)」という地元の人気店を経営、青森駅から徒歩6分というナイスな立地で、ランチ1380円、夜のおまかせコースは2730円で華やかなデザートまでついた素敵な創作料理を提供しているそうです。

「ぐるなび」内「海坊厨」紹介ページ
http://r.gnavi.co.jp/t672500/

(ちなみにたかぎさんが見つけたのと同じページを拝見したらば、当時より20kg御痩せになったハヤセさんは、お笑いコンビ「バイきんぐ」の小峠さんをがっちりさせたと言えなくもない感じだった。)
「あなたもきっと海坊厨(うみぼうず)の虜に」(青森2722の魅力 No.850)※この記事の住所は旧店舗のものです。

そんなわけでひさびさの再会を果たした二人。

このときの感慨を、たかぎさんは、
「思えば絵で仕事がしたいと思いつつバイトに明け暮れていた当時の私は……厨房で働くハヤセさんを見て、手に職があるっていいなぁ〜とうらやましく思ってましたが……ハヤセさんはハヤセさんでいつかは店を持ちたいというさらなる夢があったようで……それがイラストレーターとして、そしてレストラン店主として再会できるなんて……時がたつというのも素敵なもんだなぁ〜と思いました」
……と語っていらっしゃいました。

さて、フレンチトーストですが、たかぎさんの訪問をきっかけにメニューにのることとなり(前日仕込みが必要なので要予約)、しっかりぐるなびで「たかぎなおこ著、浮き草デイズに登場しております」という一言とともに宣伝されております(笑)。
http://r.gnavi.co.jp/t672500/kodawari/

二回目の訪問で泣きながらフレンチトーストを食べるたかぎさん。(今回はハヤセさんお得意の素晴らしい飴細工つき)


はらぺこ万歳!フレンチトースト.png


たかぎさんのイラストおよび数々の写真を観るに、本当に創意工夫が行き届いて、おいしそうで、しかもその華やかさや食材の良さのわりに価格も相当リーズナブル、なんとかして取り急ぎ青森に行けないもんかとすら思いますが、今のところ無理です。うーむ……。(ラーメン者〈誰?〉としては、同じくたかぎさんのまかない思い出話をきっかけにメニュー入りしたという具だくさんラーメンも超気になる。)

ともあれ、このせちがらい世の中で、「才能があり、真面目に努力した人柄のよい人がそれぞれに成功し、片方がそのときの相手の優しさを忘れずに義理堅く訪ねて行った。(そして今もそれぞれの夢の仕事で輝いている)」という事実に心温まります。

 この名エピソード「フレンチトースト」以外にも、たかぎなおこさん作品は読むとほんわかしますので(食べ物がおいしそうすぎて空腹時にはおすすめできませんが……)男性女性を問わずとてもおススメです。ぜひお手にとってみてください。

 「はらぺこ万歳」「浮き草デイズ」のWEB特設ページは以下の通りです。(試し読みつき)

「はらぺこ万歳」
http://hon.bunshun.jp/sp/harapeko
「浮き草デイズ」
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163712703

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 00:07| 番外編 おすすめ映画・漫画・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月01日

(のこり90日)「100日間」リベンジ 今年の抱負

 新年あけましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。

 今年が皆様にとって実り多い年でありますように。

 さて、元旦ですので、個人的な話ですが、本年の抱負を報告させていただきたいと思います。

「インターネットを断つ」(今ブログ書いてるのに?)

 厳密に申しますと、「必要のないインターネット接続を断つ」です。

 実は私と無駄ネットとの戦いの歴史は非常に長く泥沼化しており、かれこれ数年、「もうやめる!」と誓い、ありとあらゆる手を尽くしていながら挫折の繰り返しです。

 日常生活に差し支えるレベルではギリ無いのですが……しかしいともたやすく数時間無駄にするので、他にしたいことがあっても時間をひねりだせないのです。(特に休日蝕み度が酷い。)

 認めるのはつらいのですが、前回の100日チャレンジ挫折の最大の理由でもありました。
(ダラダラネット観た後、どうにかして課題をこなそうとして寝不足が続いて最終的に体調崩した。〈虚〉)
 
 ちなみに、何にハマっているかというと、ゲームでもSNSでもなく、なんというか、ゴシップとか対人トラブルとか、人間関係のドロドロを扱う幾つかのサイト閲覧がやめられなかった……。

 普段その手の話題を口にすることも無く、そして観てもちっとも楽しくないのに、です。

 自分自身や環境にストレスがたまると見たくなるというか、気づいたら見ていて、とめられなくなっているのです。(呪いか。)
 
 ストレス解消ならもっと楽しいものや綺麗なものに接した方が後味はずっと良いのも自分でわかっていたのに、なんかそれを求められずに、うわあ嫌だなあ怖いなあと思いつつ見続けている。

 このまさしく中毒症状としか言えない現象を自分なりに分析してみたところ、どうも「自分のストレスを、もっと強烈なストレスを感じているであろう他人の話で塗り込めて思考回路を麻痺させる」という行動に出ているようだと気づきました。

 この心理を自覚した後、思い出したのは伝説的ギャグ漫画『お父さんは心配性』の中のこんなくだりです。

お父さんは心配症 (3) (りぼんマスコットコミックス (405)) -
お父さんは心配症 (3) (りぼんマスコットコミックス (405)) -

 主人公の佐々木光太郎(通称パピイ、彼に全く似ていない常識人で可愛い娘を溺愛している。)が、お見合い交際中のナース安井さんに会いたいがために医者に変装して病院を徘徊するうち、本物の医者と間違われて手術をしなければならなくなる。(りぼんコミックス3巻収録「病院は大パニック!」内)

 で、その筋の方らしき患者が、ピストルで撃たれた腹を押さえて
「先生…腹が…腹が痛えよ!なんとかしてくれよ」
と訴えてきたときのこと……。(画像参照)

佐々木光太郎なりのオペ.png

 困り果てた佐々木パピイ、「わ、わかりました」と言ったかと思うと、そのヤクザ屋さんの腕にメスをまっすぐ「ぶすっ」と……。

 当然悲鳴をあげる患者に対し、佐々木パピイ。

「新たな傷の痛さでお腹の痛さを忘れることができます。」
「バカヤロー今度は腕が痛いよ!」
「それでは腕の痛さを忘れるために新たな傷を……」
(鎌〈どっから持ってきたんだ〉をふりかざして看護師たちに止められるパピイ。)

 ……「人のストレスで自分のストレスを忘れることができます。」というカラクリで時間を湯水のように浪費し、そして本当にストレスを無くすために必要な努力は怠っているというのは、「それではストレスを忘れるために新たな傷を……」と自らグサグサやっているも同然だよなとつくづく痛感したのです。

 ここまで反省しても、ときおり無駄ネット閲覧にのめりこんでいるのが現状なので、今色々手を講じています。こうしてブログで懺悔宣誓するのもそのひとつです。(『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』という本に書いてあった手法〈怠惰なりに必死〉)

新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣 -
新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣 -


 なんとか佐々木パピイ的「今ある傷の痛みを忘れるために新しい傷を増やす」系統の処置はやめて、いや、少なくとも徐々に減らして、まっとうに自分を良くしていきたいです。

 新年いきなり流血シーンからスタートしてしまいましたが、そんな決意を込めて、皆様に時折、ネット離脱のためにしている工夫や状況報告をお伝えしていきたいと思います。

 しかしこれで元旦記事を終わらせるのもなんなので、もうひとつご紹介。

 超短編の名手、星新一の作品「大黒様」(『妄想銀行』収録)で、ある男に福をもたらすべく現れた大黒様がこんなお言葉をかけるシーンがあります。

妄想銀行 (新潮文庫) -
妄想銀行 (新潮文庫) -

「福とはその障害になっているものを取り除けば簡単に手に入る。」

 まあ、星新一ワールドは往々にしてぷちブラックなので、オチとしては、せっかく大黒様にいらしていただいたのに、「悪いところをとりのぞいて幸せに導く」のが仕事だというお話を皆まで聞かずに、持ち前の「あわてもので欲深」という「悪いところ」を発揮した男が、大黒様の大きな袋を奪い取った挙句、ほうぼうから回収してきた袋一杯の「悪いところ」を吸い込んでしまう……というものなのですが。

 ともあれ、私は大黒様のお言葉を胸に刻んで、自分の中にある壁をけずりとるようにしてでも減らしていく、今年はそういう挑戦の一年にしたいと思います。

 いいご報告ができるように頑張ります。

 そして今回ご紹介した『お父さんは心配性』と『妄想銀行』、ジャンルは違えど(ホントだいぶ違う)、どちらも稀有な才能に圧倒される名著中の名著なので、是非お手に取ってみてください。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum. at 23:44| 「100日間」リベンジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする