2014年03月31日

(おススメ動画)ブリテンズゴットタレント出場者たち3 Charlotte and Jonathan (シャーロット&ジョナサン〈オペラデュオ〉)、Attraction(影絵劇グループ)

本日もイギリスのオーディション番組「ブリテンズゴットタレント」の中から、個人的に好きなパフォーマンスについてご紹介させていただきます。

この番組の出場者についてご紹介させていただいたその他の記事は以下のとおりです。

 ・シャヒーン・ジャファーゴリ(当時12歳の歌手)
 ・スタブロス・フラットレー(ギリシャ系オモシロ父子ダンス)
 ・映画「ワン チャンス」ご紹介記事(歌手ポール・ポッツ氏のオーディション動画リンクあり)
 ・Diversity(ダイバーシティ)(ダンスグループ)
 ・ジュリアン・スミス(サックス奏者)
アシュレイ&パッヅィー(少女と犬のダンスコンビ)
・(番外編)ボグダン・アリン・オータ(ピアニスト)「ノルウェイゴットタレント」のファイナリストですが、個人的に好きなので貼らせていただきました。やりとり英語なんでリスニングにも使えます。

●Charlotte and Jonathan (シャーロット&ジョナサン)
 
 2012年ファイナリスト10代の学生二人のオペラデュオ。(以前、映画「アンコール!」ご紹介記事でも動画リンク貼らせてさせていただきました。)先生に勧められてコンビを組んでオーディションに参加。

 どうぞ動画をご覧ください。

 

 外見にコンプレックスを持ち、からかわれもしていたジョナサンは、いつも自分を守ってくれるシャーロットがいてくれなかったらとてもこんなところには来られなかったというほど引っ込み思案な性格だったそうですが、17歳とは思えない壮麗とでもいうべき美声を披露します。

 (イケメンとはいえない外見、おとなしい性格に驚異の歌声という点では初代王者ポール・ポッツ氏を彷彿とさせる演者です。)

 ここでサイモン氏がジョナサンに対し、「一人でオーディションを続ける気はないか」と酷な提案をしていますが(このときに限らず、片一方の方が突出していると思ったときよく言っています。)、ジョナサンは「デュオで来たのですからデュオとして続けます」と答え、観客の喝采を浴びていました。

 シャーロットはこの出来事をバネに、持ち味の朗らかな声質に加え、次第に声量をあげ、勝ち進むとともに、「君らはデュオで良かった」とサイモン氏に言わせることに成功しました。

 得票数において、アシュレイ&パッヅィーに僅差で敗れましたが、感動的なパフォーマンスです。

●Attraction(アトラクション)

 ハンガリーの影絵劇グループ(shadow theatre group)。

 2013年ブリテンズゴットタレント優勝者で、外国人参加者としてはじめてこの番組の頂点に登りつめました。



 スクリーンの向こうで人が組み合わさって、構成する影絵で、遠近を利用し、人や建物、樹木や動物までも演じ、そのなめらかな動きの美しさと静謐な象徴性で審査員、観客らの心をゆさぶり、一組の家族が戦争によって父親を失うという物悲しいストーリーに多くの人が涙しました。

 私も何度観ても泣いてしまうのですが、不思議です。美しいからでしょうか。それとも影というものには、なにか、人の思い出に直接訴えかける力が秘められているのでしょうか……。

 今回は以上です。これからも、イギリスに限らずこのような魅力的な動画があったらご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 17:35| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月30日

(おススメ動画)ブリテンズゴットタレント出場者たち2,Ashleigh and Pudsey(アシュレイ&パッヅィー)〈少女と犬のダンスコンビ〉

本日もイギリスのオーディション番組「ブリテンズゴットタレント」の中から、個人的に好きなパフォーマンスについてご紹介させていただきます。

この番組の出場者についてご紹介させていただいた過去記事は以下のとおりです。

 ・シャヒーン・ジャファーゴリ 
 ・スタブロス・フラットレー
 ・映画「ワン チャンス」ご紹介記事でもポール・ポッツ氏のオーディション動画リンクあり
 ・Diversity(ダイバーシティ)
 ・ジュリアン・スミス

Ashleigh and Pudsey(アシュレイ&パッヅィー)

 16歳の少女アシュレイと6歳の犬パッヅィーのダンスコンビ。2012年のブリテンズゴットタレント優勝者です。

 まずは動画をご覧になってみてください。



 ダンスに合わせて人と犬が踊るパフォーマンスはイギリスでは珍しくないようで、過去にも素晴らしいコンビがいたのですが、パッヅィーの凄いところはステップです。特に動画3:18秒あたりから30秒まで、ほぼずっと2本足で歩いています。

司会者のアント&デックが「人間みたいに歩いている!」と言いましたがホント、音楽に合わせてトコトコ歩くすがたは、中にちっちゃい子でも入っているみたいでした。

 それにしても彼はアシュレイが好きなのでしょうねえ……(美人なだけでなく面倒見がよさそうで、話し声がいつも笑っているみたいなとても素敵なお嬢さんですから気持ちはよくわかる。)演じている最中パッヅィーが口をぱかっとあけて笑顔っぽいのもカワイイ。

 いや、アシュレイがしゃべっているときに彼女と相手を見る瞳のキラキラとしていかにも賢そうなところからして感動的です。

(冗談抜きで、なんで頭と性格の良い犬の瞳ってあんなに澄み光っているんでしょうね。性格が悪くて怠け者の上にドライアイなのでなにがどうなるとああなれるのか不思議で仕方が無い。〈中身を治して目薬をさせ〉)

 ちなみに、このコンビ、ちゃんとファイナルまで繰り返し内容を変えてます。パッヅィーすげえ……リアルに「振付け覚え脳」で大敗北している自信があります(哀)。

 ところで、いつも辛口なサイモン氏が実は相当な犬好きらしいというのが、この動画で明らかになります。

 普段の彼のキャラを知る人からは「この人誰?」と言われそうなぐらい(前回記事のジュリアン・スミス氏が演奏はじめるまでの不機嫌丸出し顔と見比べてみてください。)登場シーンから「ほんわ〜」みたいな笑顔でしたし、「He is gorgeous」「cute」と言っています。

(「キュート」はともかく、日本人には「ゴージャス」ってなんか豪勢とか華やかなものに使うイメージがありますが、どうも容姿の良い動物にも使うみたいですね。)

 別の動画(ファイナル直前の映像)でしたが、おそらくは演技終了後、なんか嬉しそうに「うーん、本当にかわいいねえ〜(愛)」みたいな態度でパッヅィーナデナデしてました(笑)。

 このパッヅィーの映画「Pudsey the movie(パッヅィー ザ ムービー)」がイギリスで2014年夏に映画公開されるそうです。
(パッヅィーの声はブリテンズゴットタレントで審査員をしている俳優でコメディアンのDavid William氏〈デイヴィッド ウィリアム〉が担当するそうです。)

 オーディションでサイモン氏に「いずれはオスカーをとれるようになると思うかい?」と聞かれ、アシュレイが「はい!」と元気に答えているときに、「できますとも!」みたいな顔をしていたパッヅィー、これからの活躍が楽しみです。

(なんかあまりいじらずに、パッヅィー本来の、あの楽しそうに演技する性格の良さ、賢さカワイサの出た作品だといいなあと思います。最近の動物映画、動物の良さ加工しすぎと思うの多いんで……〈究極無加工は刑事コロンボの犬ですが……出てきても別にためになることをしない。しかし最高に可愛いです。〉個人的には「奇跡の旅」の犬猫の撮り方が一番好きでした〈マイケル・J・フォックスが声優担当〉。いずれご紹介させていただきます。犬好き号泣必至の名作です。)

奇跡の旅
 映画紹介記事はコチラ。予告編の動画も観られます。
http://www.digitalspy.co.uk/movies/s107/britains-got-talent/news/a540278/pudsey-the-movie-britains-got-talent-dog-in-first-trailer-video.html

 本日は以上になります。また明日、おススメ動画をご紹介させてください。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 16:15| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月29日

(おススメ動画)ブリテンズゴットタレント出場者たち1,Julian Smith(ジュリアン スミス〈サックス奏者〉)


 先日イギリスのオーディション番組「ブリテンズゴットタレント(Britain’s got talent)」のうち、2009年王者「Diversity(ダイバーシティ)」について少し情報と動画をご紹介させていただきました。

 その他、この番組の出場者についてご紹介させていただいた過去記事はコチラです。

 ・シャヒーン・ジャファーゴリ君(当時12歳ながらマイケル・ジャクソンの「Who’s loving you」を歌い、その中性的だが堂々たる歌声で喝采を浴びた。美声は無論のこと、辛口審査員サイモン・コーウェル氏に別の曲の歌い出しを止められるというハプニングの後にこのパフォーマンスを見せた安定感が圧巻。)
 ・スタブロス・フラットレー(ギリシャ系ぽよオモシロ父子のダンスコンビ。フラットレーはイギリスでは知らない人のいないアイリッシュダンスのレジェンド、マイケル・フラットレーから来ているが、パフォーマンスの味自体はなんか違う。)

 この番組の初代王者ポール・ポッツ氏を描いた映画「ワン チャンス」についての映画ご紹介記事でもポール氏のオーディション動画リンクを貼らせていただいています。

 本日から数回に分けて、その他、私がいままで観た中で、好きだったパフォーマンスの動画とパフォーマーの方々の情報を簡単にご紹介させていただきます。

●Julian Smith(ジュリアンスミス)(前回記事でご紹介したDiversityのパフォーマンスにも出演していた人です。)

 2009年ファイナリストのサックス奏者です。

 風渡る豊かな清い川の流れを思わせる、透明で広がりのある音で「Somewhere」を奏で、審査員アマンダに「サックスを聴いて初めて泣いた」と言わしめました。



 どことなく求道者を思わせる真摯な風貌や話し方にスタイリッシュなファッションのコンビネーションが個性的。

(音も観た感じ通り、「誠実で力強く温かい〜大人カッコイセクシー」まで幅広い感じです。)

この人の格好、30代後半にしていい感じに着崩していてすごく大人オサレだと思うんですが、「雑誌コーデそのまんま」にも「カジュアルを狙ったつもりがだらしなくて若作り」にもなっていないのはやっぱり内外中身がいいからですかね)

 個人的には実力者ぞろいの2009年でも屈指の魅力ある演者だったと思うのですが(ファイナルでは得票数で第3位)、i-tune販売やHMVのダウンロードは可能みたいだけれど、CDがお店では簡単に手に入らないらしいのが残念(ルーマニアのピアニストBogdan Ota(ボグダン・オータ)氏といい、CDいろんな店舗で流通させるには、なんかシロウトの知らない壁があるんですかね。)。

 疲れたときとかに目を閉じて、この人のこの曲をイヤホンで聴くと脳の疲れがサラサラと取れていきます。音楽に対する真摯な思いが、この音の呼吸から伝わってくる感じです

ジュリアン スミス氏の公式HPはコチラ(「Somewhere」等視聴ができます。ホントいい……)
http://www.juliansmithsax.co.uk/

 本日は以上です。明日もおススメ動画紹介をさせいただきますので、よろしければご覧になってください。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 12:56| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月28日

(おススメ動画)Diversity(ブリテンズゴットタレント2009年優勝のダンスグループ)

 先日映画「ワンチャンス」についてご紹介記事を書かせていただきました。(まだ観ていないのですが、映画の背景を少しだけ……)

 本日は、この映画の主人公ポール・ポッツ氏を世に知らしめたイギリスのオーディション番組「ブリテンズゴットタレント(Britain’s got talent)」のうち、2009年王者「Diversity(ダイバーシティ)」について少し情報と動画をご紹介させていただきます。

 Diversityオーディション登場時の動画。


 
Diversityのウィキペディア記事は以下の通りです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Diversity_(dance_troupe)

 2014年現在も活躍中で、秋冬にはライブツアーがあるそうです。観たいなー……日本にも来てくれればいいのに……彼らのパフォーマンスは誰が観てもカッコイくて面白いんですよ。

 Diversityの公式HPはコチラ。
 http://www.diversityofficial.com/
 ツアー情報はコチラです。
 http://www.diversityofficial.com/tour

 Diversityは兄弟と仲間達で構成されたダンスグループで、独創的な振付けとチームワークで魅せる斬新なパフォーマンスで、スーザン・ボイルさんをおさえて優勝しました。

 オーディション映像で喋っていた長身ハンサムな青年がリーダーで振付け担当のAshley Banjo(アシュレイ・バンジョー)。メカニックな動きから、クラシック、音楽以外の音声を利用したユーモラスなものまで融通無碍に取り入れた多彩な振付けができる人です。あと、他のパフォーマーとのコラボがとてもうまい。その年旬な人や、自分たちには無い技術を持つ人たちと巧みに組めるから今でも評価が高いんでしょうね。
 (余談ですが、彼を見るたびに、なんて「スラムダンクのキャプテンとかにいそうな人だろう」と思います……なんか顔立ちとか体格とか汗もまぶしそうな感じとか……)
 ちなみにDiversityの中でよく宙を舞っているフワフワ頭に眼鏡という超オシャレな少年はPerri Kiely(ペリ・キーリー)

 登場時は13歳くらいで、目がくりくりして中性的な顔立ちなので、「ヒップホップコナン君」といった趣でした。今でもそのルックスと高いダンス技術でメンバーの中でもひときわの人気者です。

 Diversityの特色として、ダンスでありながら「美しい」、「カッコイイ」というところを表現するだけでなく、ダンサーの一部が舞台セットの一部のようになったり、動きをずらして観る人の空間や時間の感覚を崩して見せるというトリッキーな動きを見せて、「新しさ」を打ち出しているところがあります

 なお、この年はFlawlessという青年ダンスチームも登場しており、身体能力と技術の高さではDiversityを上回っていたかもしれませんが、「斬新」「面白い」という点が得票を分けたようです。しかしFlawlessもホンット凄かった(彼らも2014年春にツアーがあるそうです。)。ブリテンズゴットタレント史上に残るダンスグループの名勝負でしょう。

 Flawlessのオーディション動画はコチラ。


 
 以下、個人的に好きなDiversityの動画リンクを貼らせていただきます。
 
 Diversity優勝時の動画

 

音を巧く使い、また、帽子や手で彼らを審査するブザーを演出するなどの笑いどころも入れてあります。スーザン・ボイルさんら他のパフォーマンスも素晴らしかったのですが、これはやっぱり「勝つ」作品だと思いました。

 Diversityはマイケル・ジャクソンの「This is it」ツアーで共演する予定だったそうですが、マイケルの急死のためにその夢はかなわないままに終わりました。
 その後彼らはマイケルに捧げるダンスをいくつか作っています。これもその一つ。

 

 個人的にはこれがDiversity映像のなかで一番好きです……。ちなみに、ミニ・マイケルみたいなダンサーはおそらくTheo Mini King of Pop、「Got to dance」というダンスオーディションで活躍した少年だと思います。
そして、サックス奏者は2009年ファイナリストのJullian Smith(ジュリアン・スミス)。確かな技術に誠実な人柄のにじみ出た素晴らしい音を奏でる奏者でした。この演奏も大人の男の気合とカッコよさ満点です。

 この方の演奏も大好きなんで、「マイケル」×「Diversity」×「Jullian Smith」という僕的夢のコラボでした。なんて粋なんだイギリス……。

 以上、Diversityの好きな動画をご紹介させていただきました。
 当ブログその他ブリテンズゴットタレントの名パフォーマンスについてのご紹介記事は以下のとおりです。

 ・シャヒーン・ジャファーゴリ(当時12歳の歌手)
 ・スタブロス・フラットレー(ギリシャ系オモシロ父子ダンス)
 ・映画「ワン チャンス」ご紹介記事(歌手ポール・ポッツ氏のオーディション動画リンクあり)
 ・Diversity(ダイバーシティ)(ダンスグループ)
 ・ジュリアン・スミス(サックス奏者)
アシュレイ&パッヅィー(少女と犬のダンスコンビ)
・(番外編)ボグダン・アリン・オータ(ピアニスト)「ノルウェイゴットタレント」のファイナリストですが、個人的に好きなので貼らせていただきました。やりとり英語なんでリスニングにも使えます。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:07| おすすめ動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

(ご紹介編)映画「ワンチャンス」

 まだ観に行っていないのですが(すみません……〈汗〉)、本日は最近(2014年3月21日)公開されたイギリスを舞台とした映画「ワンチャンス!」についてと関連動画を少しご紹介させていただきます。

 公式HPはコチラ
 http://onechance.gaga.ne.jp/index.html?type=fc
予告編動画はコチラです。


 日本でも有名になったイギリス発のオーディション番組、「ブリテンズゴットタレント(Britain’s got talent)」初代優勝者ポール・ポッツのこれまでの人生を描いた作品だそうです。
 
 携帯電話販売のアルバイトをしていた冴えない風貌の男性が「誰も寝てはならぬ」を驚愕の美声で歌い上げて喝采を浴びる姿はイギリスのみならず世界中で話題になりました。

(ポール・ポッツ氏オーディション登場時の動画)


しかし、ここに至るまで、彼が夢を諦めずに努力し続けたというストーリーは、他の国ではあまり知られていないところで、映画はその部分に焦点をあてて描いているそうです。

 監督は「プラダを着た悪魔」デヴィット・フランクル。

 そして製作はこのブリテンズゴットタレントの毒舌審査員として有名な音楽プロデューサー、サイモン・コーウェルです。
(映画にも本人役で登場しています。予告編の中の「ま、どうぞ」とポールにパフォーマンスをうながす感じ悪そ……ゴホゴホ、鷹のような目をした人が彼です。)

今回公式HPを観て初めて知ったのですが、この方、ワン・ダイレクション〈ただいまdocomoのCMでおなじみボーイズグループ〉や、イル・ディーヴォ〈美男4人組オペラ歌手グループ〉のプロデュースまで手掛けているのですね。実にやり手です。

 (ところで、このサイモン氏がただの毒舌な人ではないところを実証してみせたときがありました。2009年シャヒーン・ジャファーゴリ君という少年のパフォーマンスをやりなおさせたときのエピソードです。当ブログで過去にご紹介させていただいた記事に動画を追加いたしましたので、よろしければ併せてご覧になってみてください。コチラです。最近の彼の動画も追加させていただきました。相変わらず美声で、なんかキレイカッコよくなってます……。)
 
 最近「カルテット!人生のオペラハウス」や「アンコール!」といった、イギリスを舞台にし、音楽を味付けに、苦しくもある人生を温かい味わいで良作が立て続けに公開されていますが、これもその一つのようなのでとても楽しみです。

(当ブログ「アンコール!」ご紹介記事はコチラ。主演のテレンス・スタンプは本当にいい俳優さんです。)

 さて、このオーディション番組で栄冠をつかんだポール・ポッツ氏は現在も順調にキャリアを積み重ねていて。今年は日本で公演なさるそうです。
 日本公演の情報はコチラ
 http://info.yomiuri.co.jp/event/2014/03/post-452.php

 彼も出ている、個人的に非常に好きな動画があるので結びに紹介させていただきます。

 「ブリテンズゴットタレント」の優勝者は、「ロイヤルバラエティーパフォーマンス」という舞台で、エリザベス女王をはじめとしたロイヤルファミリーにパフォーマンスを披露する権利が与えられるのですが、このロイヤルバラエティーパフォーマンス100周年記念だった2012年に、近年の優勝者と人気のパフォーマーが集結してみせたパフォーマンスです。



 メインは2009年優勝者「Diversity」(スーザン・ボイルさんをおさえて優勝したダンスグループです。兄弟や古くからの仲間達で結成された、チームワークと独創的な振付けのダンスが持ち味。そしてこういうコラボが本当に巧いです。当ブログDiversityの情報と動画ご紹介記事はコチラ。)美しいアクロバティックな演技を見せているのは2010年優勝「Spellbound」、ぽよんとしたギリシャ系オモシロ親子ダンスデュオは2009年ファイナリスト「Stavros Flatley」(当ブログ過去のご紹介記事はコチラ)。そして最後を飾るのがポール・ポッツ氏です。

 この多彩さ、そしてそれを全部楽しむお客さんのストライクゾーンの広さがイギリスの本当に魅力的なところです。
(個人的にはここで「スタブロスフラットレー」を挟んでくるセンスが心から好きだなあ……)

 この映画の公開にちなんで、個人的に好きなブリテンズゴットタレントパフォーマンス映像をご紹介させていただきました。よろしければ併せてご覧ください。
 ・シャヒーン・ジャファーゴリ(当時12歳の歌手)
 ・スタブロス・フラットレー(ギリシャ系オモシロ父子ダンス)
 ・映画「ワン チャンス」ご紹介記事(歌手ポール・ポッツ氏のオーディション動画リンクあり)
 ・Diversity(ダイバーシティ)(ダンスグループ)
 ・ジュリアン・スミス(サックス奏者)
アシュレイ&パッヅィー(少女と犬のダンスコンビ)
・(番外編)ボグダン・アリン・オータ(ピアニスト)「ノルウェイゴットタレント」のファイナリストですが、個人的に好きなので貼らせていただきました。やりとり英語なんでリスニングにも使えます。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 20:21| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月26日

12日目 (100日間で人は変われるのか、自分人体実験開始)A


2014年3月14日〜2014年6月22日(日)の100日間で自分がどのくらい変われるか頑張ってみたい」と書かせていただいてから12日後の今日。(凄い中途半端な中間記録)

 あんまり頑張れてない……。

 12日後の今日、私はようやく大きな間違いに気づきました。

 「100日がんばった結果はこうだった」ということをのたまわれるようになるまでに、まず「100日間毎日頑張れる自分」を作らなければならなかった。

そして100日頑張れる自分になるまでに私が越えなければならない精神的ハードルは相当に高かった……。

 さて12日前に打ち立てた目標は以下の通りです。

 1,毎日1時間運動をする(ストレッチも含めて)
 2,英語を毎日3時間勉強する(通勤中のアプリ使用等を含めて)
 3,1,2をやりつつブログも毎日更新する

 結論から申し上げますと……。

 1,運動……3日に一回くらい成功する。(ちなみに運動と言っても今のところまともにとりくめているのは「限りなくそぞろ歩きに近い」軽〜いジョギング程度です。「走るのは大嫌いだけれど歩くのは大好き」という変な体質なんで折衷でこんな感じ)
 2,毎日英語……隙間時間(通勤移動時間等)を含めて1時間程度。
 3,1,2をこなしつつのブログ毎日更新……1,2があんまできてないから計算不可能。

 上記の結果としては「グラム単位で体重が減った」止まりですね。英語は試験とか受けていないのではっきりわかりません。

 まずい……このままでは今年も「○○をガンバル!」と書いて、そしてがんばれなかったカレンダーがまた一冊積み重なってしまう……(だからそんな不吉なものとっておくな。)

 「習慣化は1つずつ」という話を聞いたことがあるのですが、今2個いっぺんにやろうとしているのがいけないのかもしれません。

 いろいろ考えると、やっぱり運動と英語は一気に鍛えたいのですが、とりあえずなんとなく、意外にも運動の方が好きみたいなので(体育の成績でいつも「楽しんで自発的に取り組む」的な項目にマイナスがついていた。)、まず、頑張って運動のほうを習慣化したいと思います。

 それから、「ちゃんと頑張れるようになってから100日後にしたいので、期日伸ばしますテヘペロ」とかやっちゃうと3年後あたりに100日目がくる可能性があるので、あるいは一生涯来ない可能性すらあるので(もっそい真顔)、やっぱり2014年6月22日を期日のままにしておきます。

 ところで「100日がんばれたらどのくらい人が変われるのか」の資料を探そうとググっていたら、Kazuさんという方の、本当に100日ダイエット頑張りとおした方の記録をご紹介されている「Sitemiru(シテミル)」というブログの比較的付近にその日はたまたま自分の初日の所信表明がでてきてしまい、顔から火を噴きそうでした。
(本当にほほに「ボッ」ていう感触がした。)
「Sitemiru(シテミル)」ブログのURLはコチラ
http://sitemiru.com/2013/08/15/youtube-100day-diet/
 

 このKazuさんという方は100日睡眠時間を削ってでも時間をひねりだして運動をして、食事に気を使うというシンプルにして難しい体調管理を達成して100日間で22kgものダイエットに成功したのです。人ってなんて凄いんだ(なんだその他人事口調は)。

 Kazuさんご本人のダイエットブログURLはコチラ。
http://kazudiet.jp/

 Kazuさんの動画(映像としても素敵なセンスだと思います)。
 

 この方の情報の近くに「100日」というキーワードがあったばっかりに近めの位置に表示されてしまった我が駄文。

 なんだろうこの申し訳なさ……うまくたとえられないけれど「ぼくはしょうらいだいりーがーになりたいです。きのおはおかしをたべてごろごろしてねてきがついたらあさでがっこうをちこくするのがいやなのでズルやすみをしました」という文章の近くにイチロー選手の格言とか並んでしまったらこのくらい気まずいと思います。

 それにしても(話題転換)がんばれるって素敵なことですね……。こんなに鮮やかな結果がでなくても、まずはその能力をすこしずつでも身に着けられるようにがんばります。

 というわけなので、また結果、およびかならずや生じるであろう魂の葛藤の道程を(「言い訳」って奴では)をご報告させてください。

 次は少なくとも今日より頑張れている自分になることをここに誓います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 19:53| 100日間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月25日

「ラファエル前派展」おススメ絵画フォード・マドックス・ブラウン作「ペテロの足を洗うキリスト」「よき子らの聖母」

 本日も現在開催中の「ラファエル前派展」について書かせていただきます。
(公式HPはコチラ

 当ブログこの展覧会に関する過去記事は以下の通りです。
 1,ラファエル前派展
 2,「オフィーリア」ミレイ作
 3,ミレイの「オフィーリア」と夏目漱石の『草枕』
 4,エリザベス・シダル(オフィーリアのモデル)
 5,「ラファエル前派展」混雑状況と展示の工夫
6,おススメ絵画ミレイ作「両親の家のキリスト」
7,おススメ絵画2ミレイ作「釈放令」


 今回の展覧会で初めて存在を知った画家の中にフォード・マドックス・ブラウンという方がいました。

 リアルと言う意味ではミレイ、装飾性や女性美という意味ではロセッティに及ばないかもしれませんが、逆に言えば、描写力と装飾美を均等に持ち合わせた画家と言う意味でミレイやロセッティには無い魅力ある絵画を残した人のようです。

 特に彼の使う緑がとても素敵です。「緑のブラウン」と言ってもいいような気がします(結局何色なんだ)。

フォード・マドックス・ブラウン作「ペテロの足を洗うキリスト」

ペテロの足を洗うキリスト.jpg

 逮捕の直前、最後の晩餐を前にして、弟子たちの足を洗うイエス・キリストの姿を描いた作品です。

展覧会公式HPの解説はコチラ(大きな画像が観られます。)
自分が死んだ後も、このように互いにへりくだり、助け合うようにという思いを込めて、無心に弟子の足を洗うイエスと、師の意思がわからずにあまりのことに足を洗われながらも息をつめるペテロ。

 背後ではその様子に、もしや自分のたくらみに気づいたのかと思いながらサンダルの紐を直しつつ、二人を射るようにみつめる裏切り者ユダ。

 そしてただならぬ事態に不安そうにささやき合う他の弟子たち。

 イエスの腕、ペテロの足などの肉体描写は非常にリアルに描かれ、登場人物の表情はそれぞれ思うところを明確に示している、緊張感のある画面構成ながら、画面を閉める、床やソファ、愛弟子ヨハネの衣の暖色と、イエス、ペテロそれぞれがまとう衣の青みがかった緑。イエス一人に輝く光輪の透き通った金色が静かな調和のとれた美しさを構成しています。

 テート美術館HP内の紹介ページは以下の通りです。
http://www.tate.org.uk/art/artworks/brown-jesus-washing-peters-feet-n01394


 同じくフォード・マドックス・ブラウンの「よき子らの聖母」
 テート美術館の画像つき紹介ページは以下の通りです。
http://www.tate.org.uk/art/artworks/brown-our-lady-of-good-children-n02684

 先ほど、「描写力と装飾性を均等に持ち合わせている」と描かせていただきましたが、この絵がまさしくそれです。

 幼いイエスキリストの体を洗う聖母マリアと、水を入れた容器を差しだし、それを手伝う天使。

 絵画後方では沈みゆく陽を背に、祈りをささげる幼児と、ひざまずいてその小さな手を握り締める天使がいます。

 なんでもイタリア旅行の記憶をもとに描いた作品だそうですが、そう言われて観ると、なんとなく黄昏の水辺の光の温かさが、ちょっと南方がかっています。(イギリスの景色を描いた作品の光はもう少し涼しい感じ)そしてまだぬくもりの残る風にそよぐような大木の枝がアーチ形の窓から真横に広がっています。

 この背景のリアルと比べると、人物の顔は中世の宗教画のようにある程度デフォルメされています(先述「ペテロの足を洗うキリスト」と比較するとよくわかります)。しとやかにほほ笑むマリアに手を洗われている幼いイエスの目がきょとんとしたようにくりくり丸くて愛くるしい。

 そして必見は、天使の衣の黄緑に散らされた細い金糸と髪飾りの色彩美と(珍しいことに翼も金色の光沢をもつ緑です)、その手にある水を入れた器、聖母子の背後の布の図案です。

 これ売っていたら普通に女性の心をわし掴みでしょう……高級輸入雑貨屋さんとかにありそうな感じ。布は繊細な青い柄の中にオレンジがかった薔薇がちりばめられ(この緻密な柄の中にふんわり浮かぶマリアの細く丸い光輪が神秘的)、先のとがった器は白地に金彩、内側は深みのある青です。

 数ある聖母子像の中でも、背景が黄昏である点や、こうした小道具のデザイン性の高さで異彩を放ちながら、色彩調和とぬくもりのある場面描写で温かい穏やかさを醸す、見れば見るほど目に快い名画です。

 なんか展覧会でもピックアップされてないし、ウィキペディアにも画像がアップされてないからブラウンの中で突出して評価の高い絵ではないのかもしれませんが、私は好きです。綺麗だし、夕暮れの平和な温かい空気を感じる。

 ところで、この絵、よく見ると、金色の額縁に円形の飾りメダルがついていて、そのなかにお祈りをする天使と鳩が素朴な線で描かれています。いっそう芸が細かいですね。

 一時期、イギリスの絵は他のヨーロッパ絵画に比べるとレベルが低いというような言われようだったそうですが、私は別にそんなことないと思います。

 しいて言うなら「バーン!!(擬音が旧いよ)」とドでかく濃密な筆致の壁一面の歴史大作……みたいなものが少ないかもしれませんが、かわりにこんなに繊細で美意識の高い愛すべき絵を描いている。

 おなじく芸が細かくて可愛らしいものをいつくしむ日本人からすれば、その魅力において決して劣るものではないと思います。

 展覧会ではブラウンの小さな風景画も何点か観ることができます。

 いずれも彼の色彩感覚が冴える良品ですが、特におススメは「干し草畑」

 テート美術館の画像つきページは以下の通りです。

http://www.tate.org.uk/art/artworks/brown-the-hayfield-t01920

 雨上りのたそがれ、紫の雲たなびく丘の緑と、複雑な色に陰る干し草を積む人々を描いた作品です。

 月が出ていてもまだ明るさの残っている時間帯の独特の色合いが温かく描かれていて、なにやら懐かしい気配。

 どうも画像や印刷で色が再現しにくいようですが、暖かい日の草の匂いがただよってくるような美しい色合いの絵でした。

 (余談ですが、この絵は詩人でデザイナーとしても名高いウィリアム・モリスの所有となったそうです。)


 「ラファエル前派展」にはこのほかにも美しい作品がたくさん展示されていますので、会期残りわずかとなりましたがおでかけになってみてはいかがでしょうか。(さすが六本木森ビル、ビル自体スゲーオサレなんで出かけて楽しかったですしね。)

 読んでくださってありがとうございました。

 参考資料 「ラファエル前派展」 朝日新聞社
posted by Palum. at 20:05| 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月24日

「ラファエル前派展」おススメ絵画2ミレイ作「釈放令」

本日は引き続いて4月6日まで開催中の「ラファエル前派展」の名画について書かせていただきます。
本日は現在開催中の「ラファエル前派展」で展示中のおススメ絵画について少しご紹介させていただきます。
 この展覧会に関する当ブログ過去記事はコチラ。
 1,ラファエル前派展
 2,「オフィーリア」ミレイ作
 3,ミレイの「オフィーリア」と夏目漱石の『草枕』
 4,エリザベス・シダル(オフィーリアのモデル)
 5,「ラファエル前派展」混雑状況と展示の工夫
6,おススメ絵画ミレイ作「両親の家のキリスト」

 「オフィーリア」で有名なエヴァレット・ミレイ作「釈放令」
釈放令.jpg

 拡大画像をご覧になりたい方はコチラ(テート美術館HPより)


 戦いに敗れとらわれたスコットランド兵(スコットランドの民族衣装であるキルトをまとっています)に出された釈放令を示す紙を、彼の妻が看守に差し出し、夫が自由の身となった瞬間を描いた作品です。

 妻と、妻の腕の中で眠っている幼い子供に手を回し、長い不安から解放されて妻の肩に寄りかかる夫。
 彼を連れて帰れる喜びと誇りを秘めた厳かで力強いまなざしの妻。

 そして、家族の一員として一緒に来て、後ろ脚で立ち上がり夫に前脚をかけながら、「おかえりおかえり」と言うように、妻につながれた夫の手を舐める犬。

 この犬がホントチョーカワイイです。……生で観ると、背中のツヤツヤした毛並と、喜びにふぐふぐ鳴っていそうな鼻周りのあたたかい感じが圧巻。

 動物を描いたら天下一品と言われた同時代の画家ランドシーアの犬にもひけをとらない魅力がありました。(ただ、「鼻しっとり湿ってそう度」「あったかい鼻息聞こえてきそう度」ではやはりある意味その道を極めたランドシーアの傑作群が紙一重一枚上手ですが〈変態か〉)

 ランドシーアの傑作「老羊飼いの喪主」……(ウィキペディアより)犬が共に暮らした亡き羊飼いの棺に悲しげに顎を乗せている姿です。今気づいたんですがこれもしかして「釈放令」の犬と種類同じなんですかね。これもスコットランドの犬なのかな……。
 
ランドシーア 老羊飼いの喪主.jpg

 余談ですが、この「釈放令」の中のやわらかい顔立ちながら気丈そうなまなざしの女性のモデルは、エフィー(ユーフェミア)・ラスキン。(旧姓グレイ)
(エフィーとミレイと子供たち ウィキペディアより)

エフィーとミレイ.jpg

 元はミレイを高く評価した評論家ジョン・ラスキンの妻であった女性でした。

 エフィーとラスキンの結婚は実態をともなわない不幸なものであったらしく、ミレイに惹かれたエフィーはラスキンに対して婚姻無効を申し立て、ミレイの妻となります。

 当時ミレイを支持していたヴィクトリア女王でしたが、この出来事を機に、ミレイと疎遠になり(夫アルバート公を熱愛していた女王には妻が夫を捨てるという行為が許し難く思われたのかもしれません)、エフィーには謁見を許さなかったそうです。

 しかし、ミレイの晩年、ヴィクトリア女王は死の床にあった彼に「なにかできることは無いか」と伝言で尋ね、ミレイはそれに対し、「妻の謁見をお認めください」と言ったそうです。

 女王はそれを承諾し、ついにエフィーは女王に謁見することが叶いました。

 ミレイの死後、エフィーも1年ほどして亡くなったそうです。(ウィキペディア記事より)


 ラファエル前派は画家とモデルたちの間で複雑な愛憎劇が繰り広げられたことでも知られますが、個人的にはミレイとエフィーの話は、はじまりこそ波乱に満ちたものであったかもしれないけれど、その後については、なにかもっとひっそりと長年積み重ねられた運命の愛のたたずまいがあるような気がします。 

 イギリステート美術館HP内のこの絵に関する解説URLは以下の通りです。
http://www.tate.org.uk/art/artworks/millais-the-order-of-release-1746-n01657/text-summary

 次回記事では、この展覧会で観られる、ミレイ以外の画家のおススメ作品についてもう少し書かせていただこうと思います。

 読んでくださってありがとうございました。

 参考資料
・「ラファエル前派展」朝日新聞社
・ウィキペディア「エヴァレット・ミレイ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AC%E3%83%BC
posted by Palum. at 20:47| 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月23日

ラファエル前派展おススメ絵画 ミレイ作「両親の家のキリスト」

本日は現在開催中の「ラファエル前派展」で展示中のおススメ絵画について少しご紹介させていただきます。
 この展覧会に関する当ブログ過去記事はコチラ。
 1,ラファエル前派展
 2,「オフィーリア」ミレイ作
 3,ミレイの「オフィーリア」と夏目漱石の『草枕』
 4,エリザベス・シダル(オフィーリアのモデル)
 5,「ラファエル前派展」混雑状況と展示の工夫

  ジョン・エヴァレット・ミレイ作「両親の家のキリスト」(ウィキペディアより。←大きい画像をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。)

両親の家のキリスト.jpg

 「オフィーリア」(こちらも展示中)で漱石をも魅了した画家ミレイ。

 ラファエル前派一と言っても良い技量(物が本当にそこに在るように描くという点ではこの人が一番だと思います)の持ち主で、美女を描いても知的ではかなげで絶品ですが(「マリアナ」というシェークスピア作品を題材にした絵も素晴らしかったです。物憂げに腰を伸ばして立ち上がる女性の額のなめらかな光沢と、ドレスの青のあざやかさが生で観ると本当に凄い!)、ほかのジャンルの作品を描いても一流なんだなというのがこの宗教画でよくわかりました。

 少年のキリストが父ヨセフの大工仕事を手伝っている際に、手を釘で傷つけてしまい、心配する母マリアに口づけをしている場面。

 傷口を洗う水を持ってきている少年はイエスのいとこヨハネです。

 イエスの、十字架に打ち付けられて処刑されるという死、ヨハネの後に洗礼者としてイエスに洗礼を施すという運命がそれぞれ暗示されている場面です。

 マリアの表情がただの怪我を見る以上に悲しく苦しそうなのは、その傷に、いずれ訪れる我が子の最期を感じ取ったからなのでしょうか。
 
 ミレイらしい卓越した質感描写(この人の絵、何を見てもとくに肌の光沢が美しいです。)と、どこか寂しげながら優しい感情表現が見られる作品です。

 ところで、この場面の奥で、羊たちが、塀のところにつめかけて様子を見ています。

「キリスト(羊飼い)に導かれる世の人間(迷える羊)」の寓意なのかもしれませんが、あるいは羊そのものとしてイエスを慕っているのかもしれません。

(漫画「聖☆おにいさん」の中で動物たちがイエスとブッダに尽くそうと必死なように……)

 
聖(セイント)☆おにいさん 1

 羊たちがみっちり顔を寄せて、いかにも異口同音に「メー」「メー」とか言ってそうな感じで鼻先を突き出したり、顎を塀にのっけたりしています。(展覧会図録解説によると肉屋から羊の頭部を貰ってきて描いたそうですが……そんな様子はおくびにも出さず〈←シャレか?〉暢気そうな穏やかな顔をしています。)

 これと、それからよく見ると背後中央のハシゴに留まっている鳩が「つむ」と押すと指が沈みそうなふっくら丸い感じで首をすくめて様子を見ているのがカワイイ。

 図録によれば梯子は磔刑(刑死者の遺骸を降ろす時に用いる)を暗示しているそうですし、鳩はおそらく父神の聖霊の寓意なのでしょうが。

 でも人を描いても美しく優しげなミレイが動物を描くと、寓意を超えて普通に可愛らしいのです。

 この絵画に関するテート・ギャラリーの解説(英文)URLは以下の通りです。
 http://www.tate.org.uk/art/artworks/millais-christ-in-the-house-of-his-parents-the-carpenters-shop-n03584/text-summary

次回の記事では同じくラファエル前派展に展示中で、人も動物も魅力的なミレイの絵画「釈放令」と、この絵にまつわる逸話を少しご紹介させていただきます。

読んでくださってありがとうございました。

 参考資料
 「ラファエル前派展」朝日新聞社
 
posted by Palum. at 00:08| 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月22日

「ラファエル前派展」混雑状況と展示の工夫

 六本木の森アーツギャラリーで、「ラファエル前派展」が開催されています。
 19世紀イギリスで生まれた、「ラファエル前派」の芸術家たちは、丹念な自然描写と奔放で幻想的な画面表現で、ラファエル以降に形作られた美術の概念を打ち破ろうとしました。

 彼らの作品の典型として最も名高いのは、美しく謎めいた女性たちの、主に詩や伝説を題材としたロマンチックな絵画です。

 当ブログでも、過去記事でこのラファエル前派屈指の女神(ミューズ)とも呼ぶべき女性、エリザベス・シダルを描いた傑作絵画「オフィーリア」および「ベアタ・ベアトリクス」(どちらもこの展覧会で観ることができます。)と彼女の生涯についてご紹介させていただきました。

 今回は実際に会場に行ってみての印象と、その他のおススメ絵画について少し補足させていただきたいと思います。

 @混雑状況
 公式HPには、比較的余裕を持って鑑賞可能というようなことが書いてありましたが、いえ……結構混んでます。

 10時台に入場したのですが、既に第一室「歴史」の絵のまわりは結構ぎうぎうでした。後ろの方は程よい感じでしたが。

(入口部にはアーサー・ヒューズの「4月の恋」という少女の絵が一枚のみ。背景がガラスで描いたように透明な光沢のあるこちらも綺麗な絵でした。)

 というのも、ここに先ほどご紹介した、ラファエル前派展の至宝「オフィーリア」があるからです。

 ・ラファエル前派の中で最も高い技術を誇るミレイの最高傑作
・モデルはラファエル前派絵画のスターにしてロセッティの妻、エリザベス・シダル
・「ハムレット」のオフィーリアの死の場面(当ブログ関連記事はコチラ
・夏目漱石も「草枕」でその美を絶賛(当ブログ関連記事はコチラ
・というか普通に「花に囲まれ、透き通った水を流れていく美しい女の人と緑の水辺」というとても不思議な綺麗な絵

……という数々の理由で人目を集めるので、ここでどうしても人が溜まってしまうのです。
そもそも、ラファエル前派の絵は、たいてい非常に描写が緻密で、なにか物語の一場面であったりするため、絵の中にそれを示す小道具がたくさん書いてあったり、傍の解説文も内容が濃かったりで、一枚一枚観るのに時間がかかります。

 なかには双眼鏡やモノキュラーなるスコープで細部を鑑賞していらっしゃる方もいらっしゃいました。この展覧会の場合、確実に役に立ったことでしょう。

 しかし、こういうときあまり最初から律儀に観ると疲れてしまうタイプなので、「オフィーリア」に後ろ髪をひかれつつ、まずはこの部屋を通過してしまうことにしました。(後で戻る戦法。これでなんとかまんべんなく堪能できました。)

 A展示の工夫

 この後は「宗教絵画」「風景画」「近代絵画」「詩的な絵画」「美」「象徴主義」とテーマごとに区切られて展示されていたのですが、この展覧会で見せ方として特に面白いと思ったのが、この「美」の前の一部屋でした。

 通路部のところに、画家たちの肖像画や略歴があり、非常に入り組んでいた画家とモデルの人間関係がきちんと説明されていたのです。

 なかでも、ラファエル前派をある意味象徴するとも言える、ロセッティ、妻シダル、ジェイン(ロセッティの友人モリスの妻)、モリスの四角関係と、ロセッティとの冷え切った夫婦関係に悩んだシダルの死について、通りすがりに大きな人間関係相関図でしっかり学んだ後に、「美」の間に進んで、ロセッティがシダル、ジェインそれぞれを描いた傑作「ベアタ・ベアトリクス」と「プロセルピナ」が並んでいるのを見るという作りになっていたのです。

「ベアタ・ベアトリクス」
468px-Dante_Gabriel_Rossetti_-_Beata_Beatrix,_1864-1870.jpg

「プロセルピナ」
Proserpine-(utdrag).jpg

 一枚の絵それだけでも非常に美しい、時代を作った傑作なのですが、夜明けの光にとどめるすべもなく消えてゆく金色の靄のような「ベアタ・ベアトリクス」と、謎を秘めた強い瞳に血と薔薇を含んだような唇で、見る者の瞳に食い込むような存在感を放つ「プロセルピナ」、二枚並ぶとそこに描かれた女性と絵画そのものの美のコントラストに圧倒されます。

 そして、この2枚の絵の陰に秘められたドラマも。

 こういう、「いきさつを知ってから見る」ように組まれた順路や絵の配置というのは、大美術館の常設展示ではなかなかできないことなので、今後日本で展覧会が開かれる際には踏襲されてゆく展示テクニックとなるような気がしました。

 この展覧会、この有名な美女たちの絵画以外にも「ラファエル前派の人って何でも描けたんだなあ」と思わされる、風景画、宗教画、小品等の名作揃いでしたので、とてもおススメです。

 最後に、とりあえず、上記の絵以外に特にこりゃスゲーと思った作品を一つ。

 バーン・ジョーンズの「愛に導かれる巡礼」
 ラファエル前派展HPの画像はコチラ http://prb2014.jp/archives/artworks/artworks_14/
 ラファエル前派後期の画家バーン・ジョーンズが20年もの間格闘し続けたという大作(約150cm×300p)で、「薔薇物語」という寓意詩の一場面を描いた作品です。
 夢の中である「薔薇」に恋をした詩人が、薔薇を追い求めるという内容で、絵の中では若い詩人が翼を持ち、薔薇の冠を被った「愛」に手を引かれて、いばらの道を進んでいます。
 色が暗いので、チラシなどではあまり良さがわからなかったのですが、実際に見ると「大きくてとてもきれいだ」とすごく素直に感動しました。
 バーン・ジョーンズの持ち味である、非常に丁寧で静かで神秘的な世界。ひんやりとした霧を醸すような画面。
 等身大の人間が描かれていると巻き込まれるようで圧倒されます。
 また中性的な華やかな顔立ちの「愛」の美しさは一目見てすぐわかりますが、大きなフードの陰になってほとんど見えない「巡礼(詩人)」もひたむきで透明感のある目をした青年でした。ギャレス・マローンさんとかセント・オブ・ウーマンのチャーリーをまじめそうで賢そうできれえな青年だなあと思う人は感動すると思います。

 展覧会の結びを飾っているのでご注目ください。

 会期があとわずかとなってしまいましたが、今後もこのブログで展覧会の名画を少しご紹介させていただきたいと思います

 読んでくださってありがとうございました。

 参考文献「ラファエル前派展」朝日新聞社
posted by Palum. at 15:23| 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月21日

(台詞編A)刑事コロンボ「忘れられたスター」

2014年3月15日(土)15:30〜17:08 BSプレミアムで刑事コロンボの「忘れられたスター」が放映されました。

往年のミュージカル女優グレース(ジャネット・リー〈サスペンス映画「サイコ」でシャワールームで殺害される美女マリオンを演じたことで有名〉)が、自身の再起をかけた舞台への出資を断った富豪の夫ヘンリーを殺害するという筋立てです。

当ブログでこの作品についてご紹介させていただいた過去記事は以下の通りです。
1,ご紹介編
2,ネタバレ編
3,台詞編@

本日は、この作品の中の名場面の英語の台詞についてご紹介させていただきます。
(以下ネタバレですのでご了承ください。)



(場面)グレース宅で、コロンボがネッドに彼女の犯行を立証する場面。(※この場面の詳細についてはネタバレ編に書かせていただきました。)

 グレースは自宅で自分の作品を観ている間に、部屋から抜け出して夫ヘンリーを自殺にみせかけて射殺。2階にある夫の部屋から木をつたって出ていき、部屋に戻りました。
(こうして彼女の家の執事に「奥様は旦那様が亡くなった時には、ずっと部屋で映画を観ていた」と証言させることに成功。)

コロンボはいくつかの状況の不自然さから、グレースが犯人であると確信しますが、捜査のために医師であるヘンリーのカルテを調べていた際に、グレースが、実はもって2か月という脳の深刻な病にかかっていたことも知ります。

ヘンリーはそのことを妻には秘密にしつつ、舞台に立ったりすれば、それが命取りになりかねないからと、復帰を反対していたのですが、グレースはヘンリーの思いを知らずに、彼を殺してしまった。

だが、記憶障害が出る病にかかっている彼女は、もはや自分の犯行を忘れてしまっているかもしれない。

コロンボからその話を聞かされたネッドは言葉を失います。

ネッドは今でこそ舞台の指導者として、グレースの復帰を後押しする立場ですが、元々は彼女の舞台でのパートナーであり、思いを告げることはできませんでしたが、長年彼女のことを愛していました。

そのグレースが、夫の思いも知らずに彼を殺してしまった。

この残酷な事実を、コロンボがグレースに告げようとしたとき、ネッドは二人の間に割って入ります。

 以下英語の台詞と私的直訳、そして吹き替え版の台詞です(コロンボの吹き替えは声もセリフ回しもとても素晴らしいので、今回から字面でだけでもご紹介させていただくことにしました)。

【ネッド】
This has gone on long enough. I killed Henry.
(直)もう十分だ。僕がヘンリーを殺した。
(吹)もう茶番劇はこの辺で幕にしよう。僕が殺したんだ。

I took the gun out of the glove compartment.
(直)僕がグローブボックスから拳銃を取り出して
(吹)僕が彼の車から拳銃を持ち出して
glove compartment……車のダッシュボードについている小物入れ


I came through a rear window.I went up to his room and I shot him.
(直)裏窓を通って、彼の部屋に上り、彼を撃った。
(吹)書斎の窓から入り、二階へ行って彼を撃った。
rear……後ろ・背面

and I made good my escape over the balcony.
(直)そしてバルコニーからうまく出て行った。
(吹)そしてあのバルコニーから木へ飛び移った。

(グレース、ショックを受けた様子でネッドに詰め寄る)
You don’t know what you are saying!
(直)あなた何を言っているのか自分でわかっていないのよ!
(吹)嘘よネッド!嘘よ!

【ネッド】
It's true, Grace. It’s true.
(直・吹)本当だグレース。本当なんだよ。

【グレース】
No, it can’t be true.
(直)いいえ、本当なわけないわ!
(吹)嘘よそんなこと嘘!

(このやりとりのとき、カメラはネッドとグレースではなく、そのやりとりを聞いて目をふせるコロンボを映しています。自分の犯行を忘れて事態を嘆き悲しむグレースと、彼女のために、彼女がしたことをそっくりそのまま自分の仕業と言ってかばおうとするネッド。コロンボが、二人の心をおもんばかっているのが表情からにじみ出ています。)

Why? Why would you do anything like that? Why?
(直)どうして?どうしてそんなことをしたの?どうして?
(吹)ねえ…ねえ、どうしてそんなことをしたの、どうして?

(ネッドにすがりついて泣くグレース)

【ネッド】
For you, Grace.For you Grace. For you.
(直・吹)君のためさ。君のためだ。君のね……。

【グレース】
For me?
(直・吹)わたしの?

【ネッド】
Henry was preventing you from assuming your rightful position as a star.
(直)ヘンリーは君がスターとしてしかるべき立場を引き受けることを邪魔していた。
(吹)ヘンリーは君が再びスターの座につくことに反対していたからね。

prevent from doing……(を)妨げて〜させない
assume………(役目などを)引き受ける
rightful……正当な

【グレース】
What am I going to do?
(直・吹)私はどうなるの?

【ネッド】
Oh, you will be all right, Grace. My Grace will be all right.
(直)ああ、君は大丈夫さ。僕のグレースは大丈夫だ。
(吹)君は大丈夫さ、グレース・ウィラーはスターだ。

【グレース】
No, I can’t do anything without you.
(直・吹)だめ、あなたなしじゃわたしなんにもできない。

I’ll just wait. That’s what I’ll do.
(直)私、待つわ、そうする。
(吹)私、待ってる。そう、待ってるわ。

I’ll take a long rest. A rest.
(直)私、長い休みをとるわ。休暇を。
(吹)私、休暇をとるわ。休む。

I’ll just a rest. Isn’t that a good idea?
(直)休むわ。いい考えじゃない?
(吹)しばらく休むわ。そのほうがいいわね?

【ネッド】
That’s what you should do, Grace.
(直)それこそ君のすべきことだグレース。
(吹)そうだ、それが一番良い。

Now, you sit over here and you watch Rosie.
(直)さあ、ここに座ってロージー(グレースが若い頃演じた役名)を観るんだ。
(吹)さあ、いい子だ。あそこに座って、ロージーを観ていなさい。

Just watch Rosie.
(直)ただ、ロージーを観ているんだ。
(吹)君の、大好きなロージーをね……。

Shall we go, Lieutenant?
(直)行きますか。警部補(Lieutenant)?
(吹)さあ、行きましょう、警部。(※吹き替え版ではコロンボの役職が当時なじみの薄かった「警部補」ではなく「警部」に変更されている。)

【コロンボ】
It’s not going to take much to break your story.
(直)あなたの(作り)話を打ち破るのにそう時間はかかりませんよ?
(吹)あなたの自白なんてすぐひっくりかえされますよ?

【ネッド】
It might take a couple of months.
(直)おそらく2か月はかかるだろう。
(吹)頑張ってみせる。ふた月間は。

(玄関の扉を開けていたコロンボ、振り返る。ネッドは覚悟を決めた目でコロンボを見つめ返している。しばらく言葉を失うコロンボ。)

【コロンボ】
Yes. Yes, it might.
(直)はい……はい、そうかもしれません。
(吹)そう……それがいいね。
(コロンボより先にグレースの屋敷を出ていくネッド。扉を閉める前に、部屋の中のグレースに目をやるコロンボ。若く美しかった「ロージー」の頃の自分の演技に見入り、もはやネッドやコロンボが来ていたことも覚えていないように背中を向けているグレース。映画の世界と同じように幸せそうに微笑む。)

(完)

 以上が英語の台詞およびふき替えです。英語の台詞も素敵ですが、吹き替えだとネッドのグレースに対する想いが、もっと、永遠に大人の心を持てなかった彼女をかばい守りたいという感じがしますね。

とくに
「(自分が犯人でないという結論が出るまでに、グレースの余命である)二か月はかかるだろう」と、それに対するコロンボの「そう(二か月はかかる)かもしれません」
と、
「頑張ってみせる。ふた月間は」
「そう……それがいいね……」
は、両方ちょっとずつ味が違いますが、どっちも良い台詞だと思います。

 またコロンボ名場面と台詞、吹き替えについては折をみてご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 22:56| 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月20日

(ご紹介編)「ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!」

 先日、NHKEテレで毎週土曜日朝9時から放送中の「ひつじのショーン(Shaun the Sheep)」と、このショーンが初登場する「ウォレスとグルミット危機一髪!」についてご紹介させていただきました。


ひつじのショーン 1



ウォレスとグルミット、危機一髪!


 本日は、このウォレスとグルミットシリーズ最高傑作の呼び声も高い、「ペンギンに気をつけろ!」の前半部あらすじを簡単にご説明させていただきます。


ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!

 「ウォレスとグルミット」シリーズは、発明家のウォレスと、彼の愛犬にして有能な助手であるグルミットが主人公のコメディです。

(前半部あらすじ)

 今日はグルミットの誕生日。

 「早起きマシン(朝ベッドから食堂まで滑り台式に落下させてくれ途中でズボンをはかせ、席に着いたら上着も着せてくれ、焼いたトーストにジャムまで塗って出してくれるという、便利といえば便利、普通に自分でやれば?といえばそれまでの機械〈しかし、ウォレスのたいていの発明はこの「横着」の精神から生まれる〉)」で起きだしてきたウォレスは、グルミットにとっておきのプレゼントを渡す。

 そのプレゼントとはNASA開発の「テクノズボン」。

 プログラムをすると自動で歩き回り、引き綱と首輪をつければ犬の散歩をしてくれ、さらには足裏部にバキュームがついているために、これを履くと天井や壁も歩き回れるという優れモノだ。

 (NASAが何でそんなものをとか、グルミットは家事全般から編み物までこなし、ウォレスの発明だって手伝ってるんだから、散歩ぐらい好きな時に行って帰ってこれるとかいうツッコミをしてはいけない模様)

 しかし、このプレゼントが高額だったため、家計が火の車となってしまったウォレス(そして無駄に自動化が進んだ家なのに、その計算は子供向けのソロバンでやっているウォレス〈さらに言うなら、せめて買う前に計算しとけばいいのに……なウォレス〉)。

 仕方なく、下宿人を置くことに。

 そして、やって来たのはペンギン。(←下宿人……)

 このペンギン、ビーズ二つのようなつぶらな瞳とぴたぴた平たいカワイイ足音に似合わぬ裏のある性格で、まず、本来借りられることになっていたボロボロの空き部屋ではなく、快適なグルミットの部屋に居座り、さらには、ウォレスに取り入ることで、どんどんグルミットの居場所を奪っていく。

 夜はペンギンの(旧自分の)部屋から流れてくる騒音に悩まされ寝不足(爆睡型のウォレスはちっとも気づかない〈これが後で彼に大きな災いを呼び込むことに〉)、ウォレスはペンギンと意気投合して自分の気持ちをわかってくれない。
(そもそも貧乏の原因となった「テクノズボン」からして、有無を言わさず引きずり回されるだけで、ちっとも嬉しくない。)

 堪忍袋の緒が切れたグルミットは、とうとう家出。

 しかし、これはペンギンの周到に計算された罠だった。

 グルミットがいなくなったのを見届けたペンギンは、さて……とばかりに、ぱしっと両手(羽?ヒレ?)をすりあわせ、ある犯罪計画を実行に移す……。

……このイギリス独特のカワイサの皮を被ったブラックシュールと、陰影や小道具に至るまで緻密極まりない画面の中に、意図的にちりばめられた思いっきりなツッコミどころが素晴らしい。

 笑える作品なのですが、一方でヒッチコック作品によく似たテイストで(いや本当に。ストーリー、音楽、画面、スピード感、みんないい意味できちんと継承されています……このことについては、いずれもう少し細かく書かせていただきたいと思います。)「ひつじのショーンが好き」という子供さんはもちろんですが、古風なサスペンス映画のマニアの方に是非ご覧いただきたい作品です。

 ラスト数分のペンギンとウォレスたちの手に汗握る追跡劇(笑)は、冗談抜きで映画史史上に残る名場面です。
 
 よろしければご覧になってみてください。この作品自体や、ウォレスとグルミットシリーズについては、今後も書かせていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:03| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月19日

「ひつじのショーン」と「ウォレスとグルミット危機一髪!」(イギリスの粘土アニメ)

 
ひつじのショーン シリーズ2 1

 NHKEテレで毎週土曜日朝9時から「ひつじのショーン(Shaun the Sheep)」という粘土が放映されています。
http://www9.nhk.or.jp/anime/shaun/

 丘の上の牧場に暮らす羊のショーンと羊たち、牧羊犬ビッツァーや豚たちなどが繰り広げる物語です。

 牧場主の男性も出てくるのですが、基本台詞と呼べるものは無いので、英語の教材にはなりません。

 しかし、キャラクターは可愛いし、話はウィットに富んでいますし、イギリス郊外の生活感はおそろしくよく出ています。

 煉瓦、ペンキ塗りの窓際、木の柵、壁紙、食器などの、年月をほどほどに経た感じと、丘の穏やかな緑が本当にイギリスっぽい。

 あれを観て、ああ、こういう国なんだと思って行った方は、まさしくそのままの屋外と室内をご覧になることでしょう。

 ところで、この作品の主人公ショーン、もとは同じ制作会社アードマンの代表作「ウォレスとグルミット」シリーズの第3作目「ウォレスとグルミット危機一髪!(Wallece &Gromit A Close Shave)」に出ていたキャラクターです。

 
ウォレスとグルミット、危機一髪!


 「ウォレスとグルミット」シリーズは、発明家のウォレスと、彼の愛犬にして有能な助手であるグルミット(ぶっちゃけウォレスより全然かしこ……ゴホゴホ)が主人公のコメディ。

 「危機一髪!」は、副業として窓磨き業をしていたウォレスとグルミットが、ひょんなことからその頃頻発していた羊泥棒事件に巻き込まれるというお話です。

ちなみに原題の「Close shave」には「深剃り」と「危機一髪」の二つの意味があるそうです。

ウォレス発明の羊の毛刈りマシーンが騒動を引き起こすんでこのタイトルなのでしょう。

 当時、ショーンは羊泥棒から逃れて、ウォレス宅に迷い込んできた子羊でした。

 ちいちゃくて手足が紐のように細く、弱弱しく「フメー」と鳴く声も、コトコト室内を歩くささやかな蹄の音もとてもカワイかったのですが、そのいたいけな風情に似合わず、食欲が異様に旺盛で、ウォレスたちの不在時に家の食糧は無論、観葉植物や家具まで食い荒らすありさま。

 その後、ウォレスによって、「羊洗いマシン」に連れていかれたところ(家中のもの食い荒らして全身ベッタベタだったから)、機械が誤作動(ウォレス発明品のお約束)、付属の「乾燥」→「毛刈り」→「毛糸紡ぎ」→「編み物」部まで通過させられ、結果「本体」と「セーター」に分けられてしまったために、自分の毛で編まれたセーターを着る羽目に(笑)。

 こうして同居羊となったショーンも引き連れ窓清掃業に精を出すウォレスとグルミット(厳密には実際に拭いているのはグルミットだけ。ウォレスは依頼人の毛糸屋さんの美女ウェンドリンとお近づきになろうと必死だった)でしたが、ある陰謀により、グルミットに羊泥棒の嫌疑がかけられてしまい……。

 個人的には「ペンギンに気をつけろ!」の次に好きな作品です。

 
ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!


このときから既に器用で機転がきいていたショーンが、スピンオフ作品である「ひつじのショーン」でも、その賢さと、かつての同居人グルミットに似た、一見淡々としているけれど隠れお茶目かつ面倒見の良い性格(この性格自体私にはなんかイギリス人っぽく思われます)を生かして、牧場でもリーダー格として活躍しています。(ちなみにあの旺盛な食欲はおさまった模様〈食べ盛りだったのか?〉)

 余談ですが、この「危機一髪!」では、グルミット操作による、ウォレス唯一とも言うべき、これは本当にカッコイイし欲しいと思わせる、ある発明品が出てきますが、もしかしたらあれはグルミットが作ったものかもしれません。ドグワーツ卒(ハリーポッターたちの学校「ホグワーツ」のパロディ〈笑〉)のグルミットもインテリなんで。

 何が出てくるかは観てのお楽しみ。ウォレスと羊数十匹によるバイクでのスリリングな真犯人追跡シーンの直後に登場します。

(何言ってんだコイツと思われるかもしれませんが本当にそういう場面がある)

 ショーンたち羊がカワイイし、とても面白いので自信をもっておススメいたします。(こちらは台詞がたくさんあるのでリスニング教材にも使えます。)

 ちなみにいつも名作映画へのオマージュがほのめかされているこのシリーズ、この回は「ターミネーター2」を彷彿とさせる、ある場面が出てきますのでこちらもお楽しみに(笑)。

 いずれ、このシリーズ最高傑作「ペンギンに気をつけろ!」についても、あらすじや見どころをご紹介させていただきますので、そのときは併せてお読みいただければ幸いです。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 20:05| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月18日

(台詞編@)刑事コロンボ「忘れられたスター」

2014年3月15日(土)15:30〜17:08 BSプレミアムで刑事コロンボの「忘れられたスター」が放映されました。


 往年のミュージカル女優グレース(ジャネット・リー〈サスペンス映画「サイコ」でシャワールームで殺害される美女マリオンを演じたことで有名〉)が、自身の再起をかけた舞台への出資を断った富豪の夫ヘンリーを殺害するという筋立てです。

 当ブログでこの作品についてご紹介させていただいた過去記事は以下の通りです。
1,ご紹介編
2,ネタバレ編

本日は、この作品の中の名場面の英語の台詞についてご紹介させていただきます。

(場面)振付師ネッドとコロンボのやりとり

早くから夫ヘンリーの死が自殺ではなくグレースの手によるものではないかと疑っていたコロンボ。

捜査のために何度も彼女の前に姿を現しますが、ネッドはそれにいらだつグレースを心配します。

今回は彼女の復帰舞台の指導者として彼女を支える立場でしたが、ネッドはかつては役者として彼女とコンビを組み、その名演で喝采を浴びた大スターであり、またひそかにグレースを愛してもいました。

そんなネッドはグレースの精神状態を気遣って、コロンボにこれ以上無駄に彼女の周辺をうろつくのはやめるようにと強く迫ります。

以下、そのときの二人の会話と私的直訳です。

Let me tell you something, Lieutenant, about being a star,which Grace was.
君に教えておいてやろう警部補(=Lietenant〈コロンボのこと〉)グレースがそうであったようなスターであるということを。

It’s a crazy, ecstatic, explosive blow to the ego.
それは狂気じみていて、有頂天で、爆発的に自己顕示欲に打ち付けてくる(=自己顕示欲を満足させる)。
ecstatic……有頂天の
exploseve……爆発的な

Very few people are lucky enough to be able to handle it.

それをうまくさばける運の良い人間というのはほんどいない。
 ・handle……(動詞)操縦する

And unfortunately Grace wasn’t one of those.
気の毒だがグレースはそういう人の一員ではなかった。

She’s really ambitious. I know that.
彼女は確かに野心的だった。それは知っている。
ambitious……野心のある

But murder? By someone I ‘ve known……and loved for years. I can’t accept that. I won’t accept that.

だが殺人(を犯した)だって?僕のずっと知っている……愛している人が。
僕は受け入れられない。そんなのは認めない。

(コロンボ、つらそうにうつむき、片手をあげてネッドをさえぎり。)

I think she did it.
彼女がやったんです。

(ネッドのオフィスを出て行こうとするコロンボ、足を止め)

She invited me to her house tonight to watch a film. I'm going.
今晩、彼女の映画を観に来るようにグレースさんに招待されました。行くつもりです。

If she means anything to you, you ought to be there, because I think she did it.

もし彼女があなたにとって大切な人なら、あそこに行くべきです。私は彼女が犯人だと思って居ますから。
ought……〜すべきである


ちなみにX means 〜 to 人で、「人にとってXは〜という意味がある」というニュアンスになるようです。
なので「She means a lot to me」で「彼女は僕にとって大切な人なんだ」ととることができます。

それにしても、このネッドの言葉から、スターとして成功するということの、栄光と表裏の危険がまざまざと浮かび上がってきます。

どんなに成功した人でも永遠に同じ境遇に居続けるということはできません。

老いや時代の移り変わりなど、なんらかの形で立ち位置を変えざるをえない。

それが「若くて美しい、喝采を浴び続けるスター」という立ち位置だった場合、これはもう、時とともに絶対に、ゆるやかにその場から滑り落ちていかざるをえない。

だけど、その陶酔を知ってしまった人は、ある種強すぎる酒におぼれるように、その快感でしか満足できなくなる。

アメリカが迎えた歴史上まれにみる未曽有の繁栄、その富と文化の頂点ともいえるエンターテイメントの世界。

そうした、トップの中のトップの光を燦然と浴び、それに目がくらんだ人間が、あたりまえの人生に戻っていくことの難しさ。

 いかにして、「スター」という生き物から「等身大の人間」に帰っていくか。あるいは、はじめから等身大の自分を見失わずにいられるか。

それは今現在も続くあの世界の大きな、非常に難しい課題なのでしょう。

こうして、コロンボと一緒にグレースの家に行ったネッド。

真相を知った彼はここでなおもグレースをかばおうとします。

(この場面の描写はネタバレ編に書かせていただきました。)

このラストシーンの台詞もいずれご紹介させていただきますのでよろしければまたいらしてください。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 06:13| 日本の海外テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月17日

「英国王のスピーチ」の犬(イギリスロイヤルファミリーと犬たち)

2014年3月18日(火)BSプレミアムで午後9時から11時に「英国王のスピーチ」が放送されます。


英国王のスピーチ スタンダード・エディション(Blu−ray Disc)




 NHKの番組情報はコチラ

 この作品は2010年にアカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、オリジナル脚本賞を受賞しました。
 公式HPはコチラ綺麗なページで面白いです。


 第二次大戦期、吃音を抱える内気な国王ジョージ六世(即位前の呼び名はアルバート王子、現エリザベス女王のお父上)が、オーストラリア人の言語矯正士ライオネルと、愛妻エリザベスとともに、症状を克服しようとする苦闘と絆の物語です。

 以前、内容についてご紹介させていただきた過去記事はコチラです。
 (ご紹介)その1
 (ご紹介)その2

 心温まる素晴らしい作品なので、とてもおススメです。

 今回は、この作品を観た日本人が「おや」と思いそうな場面と、ある魅力的な写真集についてご紹介させていただきます。
 
 その場面とは作品のクライマックス、ジョージ6世がある非常に重要なラジオスピーチを行うシーン。

 ジョージ6世の家族(まだ少女のエリザベス女王も付き添っていらっしゃいます)、医師ライオネル、チャーチルら政府の重要人物が、固唾を飲んで見守る状況下。

 そこに茶色の大きな耳の中型犬たちも来ているのです。

(現英国王室公式HP内にも似たような雰囲気の写真がありましたので添付させていただきます。)

英国王室HP内コーギーの写真1

 この犬たちの種類はウェルシュ・コーギー。

 ジョージ6世の代から王室で飼われはじめ、現在にいたるまでエリザベス女王にもつきしたがっています。

 ジョージ6世とコーギー犬(同じく王室HP内の画像)

ジョージ6世とコーギー犬.jpg

 このため、「コーギー犬」=「エリザベス女王」というイメージがイギリス人には染みついていて、テレビの中で「年配の女性の後ろ姿に、あの茶色の犬」なら、それは暗にエリザベス女王を指すほどなのです。

 イギリス人は概して犬好きで、肖像画などにもよく犬が一緒に描かれていますが、これは王室も同様で、代々犬を飼うならわしがあったそうです。

 幼いころのエリザベス女王と母王大后

幼いころのエリザベス女王と母王大后

 そんなわけで、こんな写真集がイギリスで発売されていました。
Noble Hounds and Dear Companions: The Royal Photograph Collection(Amazon情報)
Noble Hounds and Dear Companions The Royal Photograph Collection Sophie Gordon 9781902163857 Amazon.com Books.website


 写真集の中では王室の人々が、普段のかしこまった姿を離れ、よき友である犬(ときどき猫)とくつろいだ様子で接する姿を見ることができます。
(そしてどの犬もホントかしこそうな性格のよさそうな器量よし揃い)

 さて、この作品の表紙にもなっている、パグをぐるぐるまきにくるんで、スカーフまで巻いてあげ、可愛くてしかたがないというように顔をほころばせている紳士。

 実はジョージ6世(アルバート王子)の父上、先代国王ジョージ5世です。
(写真のタイトル「The Duke of York, c.1885,and a pug, wrapped in a coat and “headscarf”」)

 もともと二人の関係は決して悪いものではなく、ジョージ5世はアルバート王子の誠実な人柄を買っていたのですが、立場上、元から丈夫ではなかった彼のことを非常に厳しくしつけ、積もり積もった過度のストレスが、アルバート王子の吃音の遠因になったとも言われています。

 ただ、なんて楽しそうな素敵な紳士と犬の写真だろう、と、この写真集を表紙買いしたのち、この写真に写っている人物が誰であるかと、その後の父子の話を聞いてからもう一度この写真を見た私は、とても複雑な気持ちになりました。

 こういう立場にいる方たちには、本当に犬という、肩書や責任とは無関係に接し、愛情を注げる存在が必要なのだろう。

 しかし、もしも、せめて家族は、立場を離れ、このような優しく楽しげな様子で接することを許されていたのなら……。

 お二人は互いに愛情を持っていたのに、王室の人間だったという理由で、話したい話をしたり、笑い合ったりできず、公務の重圧意外に、本当は背負わないで良い苦労や悲しみまで背負うことになってしまったのではないか。

 それぞれに犬と一緒に笑うお優しい笑顔の写真を見ると、大きな責任の中に生きざるを得ない方々の、心中を考えさせられます。

 映画にもこの二人の、葛藤と絆が描かれていますので、ご覧になってみてください。

 余談ですが、この王家のコーギー犬、当然ながら非常に由緒正しい血統ということで、親戚筋の犬たちはそれがステイタスとなるそうです。

 日本では「サザエさん」の作者長谷川町子さんがこの王家のコーギー犬の流れをくむ犬を飼っていたというエッセイがありました。瞳の表情豊かな、とてもカワイイかしこい犬だったそうです。

 
サザエさんうちあけ話・似たもの一家

 また浦沢直樹氏の名作漫画「マスターキートン」の中でも主人公の太一・キートンのお父さん(いい人なんだが女好き)が同居しているブサ犬が思いを寄せる犬として、この血筋のご令嬢コーギーが出てきます。(すみません、何巻か思い出したら付記させていただきます)

 
MASTERキートン 1

 どちらも素敵な作品なので、コーギーの話は別に、いずれご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。

※英国王室公式HP内の写真は、下記URLのページより引用させていただきました
http://www.royal.gov.uk/TheRoyalHousehold/RoyalAnimals/Workinganimals/TheRoyalKennels.aspx
posted by Palum. at 06:53| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月16日

(ご紹介編)映画「スラムドッグ$ミリオネア」

2014年3月17日(月)BSプレミアムで午後9:00〜11:00に映画「スラムドッグ$ミリオネア」(2008年イギリス・アメリカ)が放映されます。


スラムドッグ$ミリオネア(Blu−ray Disc)


(BSプレミアム番組紹介ページはコチラ

予告編動画はコチラ



映画の公式HPはコチラです。

インドのスラムで育った青年ジャマールがある決意を秘め、賞金を稼ぐために出演した「ミリオネア」というクイズ番組。

 貧しさゆえに正式な教育を受けたことが無いにも関わらず、次々と正解してゆくジャマールに疑いの目が向けられ、最終問題を前にして彼は警察に連行され、過酷な取り調べを受けますが、ジャマールは傷だ
らけになりながらも曇りの無い目ではっきり言います。

 「不正などしていない。知っていたから答えられた」

 生きていく中で、その日、問題として出された問いの答えを知る機会が自分にはあった。
 
そう言って、ジャマールは幼い日から今にいたるまでの人生(答えを知ることができた理由)と、何故彼に金が必要かについて語ります。

 母を失った日、兄と助け合って、苦しくも明るくしたたかに生きた日々、子供たちを食い物にする恐ろしい大人たちの存在、波乱の日々の中で出会った運命の少女……。

 スピーディーな展開と大胆な切り口の映像、子供たちのたくましく輝く生命力と社会の闇、兄弟の愛憎、一途な恋、様々な魅力に溢れた作品です。

 そして、個人的にも思い出深い作品でもあります。

 2008年、私は青い空も海もバカヤローだ気分で半ばヤケクソにイギリスに渡りました。

 英語と言えばたいして努力しなかった受験時の記憶と、映画とマイケル・ジャクソン好きなんでリスニングだけはそこそこという極めてあやふやな土台しかないのに、ただ、英語好きは好きだし、外国に行ってみたかったという理由で。

 しかし、イギリスは私の想像をはるかに超えて良い思い出を与えてくれて、私の「青い空も海もバカヤローだ気分」をゆるやかに正してくれました。

 その、ちょっと「やさぐれ治り状態」のときに、当時教わっていた先生が(背が高くて、目が大きくて面長で温厚で、「やさしい嘘と贈り物」のマーティン・ランドーに良く似ていらした。


やさしい嘘と贈り物 スペシャル・エディション

 あの映画を観たとき、内容それ自体も超好きでしたが、あの風貌に懐かしさがよぎりました)、「この10年で観た中で一番良い映画だった」と勧めてくださったのが、当時公開されていたこの映画でした。

「10年間」という意味の「decade」という単語を辞書で引いて覚えつつ、ランドー先生(チガウ)がおっしゃるなら良いのだろう、と初めてイギリスの映画館に観に行ったのがこの作品です。

(インドが舞台で、主人公もそこまで英語が堪能と言うわけではなく、コムズカシイ単語が出てこないのでリスニングにもとても良かった。)

 そして、本当にいい映画で感動して、原作小説「僕と一ルピーの神様」(原題「Q&A」 )も買って読んでみました。これが、自分が最初に読み通した英語の小説でした。(来る前に少しぐらい英語の本読んどけって言われれば返す言葉もございませんが……〈汗〉)

(余談ですが、原作者のヴィカス・スワラップ氏は2009年以降在日本インド総領事館総領事として大阪に赴任なさっているそうです。多彩ですね……〈ウィキペディア記事より〉日本語版はコチラ

そんなわけで、色々な意味で思い入れのある作品です。2008年ごろってなんか映画の内容が荒れてたり(人がザルから小豆でもこぼすようにザーザーと死に、その描写に命に対する敬意が無い作品が多くてイヤだった)つまんなかったりで、総合レベルとしては10年前に比べるとイマイチだなあと思っていた時期なんですが(自分がすさんでたから気づけなかっただけかもしれませんが)、これは違います。

本当に10年に1度の名作。

いずれ、この作品の見どころや原作小説との違いについても少し書かせていただきたいと思っておりますので、よろしければまたいらしてください。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 12:29| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月15日

(ネタバレ編)刑事コロンボ「忘れられたスター」

2014年3月15日(土)15:30〜17:08 BSプレミアムで刑事コロンボの「忘れられたスター」が放映されました。(先日15:00からと書いてしまい大変失礼いたしました。)

往年のミュージカル女優グレース(ジャネット・リー〈サスペンス映画「サイコ」でシャワールームで殺害される美女マリオンを演じたことで有名〉)が、自身の再起をかけた舞台への出資を断った富豪の夫ヘンリーを殺害するという筋立てです。

本日はこの作品の見どころであるラストシーンについてご紹介させていただきます。(というわけでネタバレなので、一度ご覧になった方だけお読みください)




グレースは自分が若かりし頃出演した映画のフィルムを所蔵、自宅の映写機を使い、それを毎日のように観るのが習慣でしたが、犯行の日は、この映画の上演中に抜け出してヘンリーを拳銃自殺に見せかけて殺害。

そして、「フィルムの準備」、「フィルムへの交換」、「片づけ」の数回戻ってくる執事に、映画を観ている自分を目撃させることで「旦那様が亡くなった時刻には、奥様はずっと映画を観ていた」と証言させました。

しかしコロンボは、執事の証言から、本来1時間45分の上演時間のはずの映画が、終わりまでに2時間かかったことに気づきます。

 この空白の15分に何があったのか。

 おそらく、老朽化していたフィルムが上演中に1度切れてしまったのだ。

 しかし、何度もフィルムを観ていたグレースなら、自分でフィルムの修復をするのに4分程度しかかからない。

 最後に執事が来るまでの残りの11分はなおも空白。

 その間、グレースは何をしていたのか。

 11分間、続きの映らない白いスクリーンを見つめてから、やがて、切れたフィルムを直しに映写機のところへ行った?

 いや、それは不自然すぎる。

 グレースは11分間、フィルムが切れたことに気づかなかったのだ。

 その場にいなかったから。

 ヘンリーを殺しに行っていたから。

 この、状況の不自然さをあぶりだして逮捕で終わりなら、普段のコロンボですが、この作品はふた味違います。

 グレースは事件直後、コロンボ(と彼の「カミさん」)が自分の作品の熱烈なファンであると聞いて、自宅でのフィルム上演にコロンボ夫妻を招きます。

 しかし、上演会の日、なぜか「カミさん」を連れてこず、かつて自分のミュージカル映画のパートナーであったネッドと一緒に来たコロンボ。

 コロンボの妻が来なかったことを残念がりながらもコロンボのリクエストした映画「ウォーキングマイベイビー」(犯行の日にもグレースが観ていたもの)の上演を始めるグレース。

 ですが、そのフィルムが途中で切れてしまいます。

 必要以上にイライラしながら映写機に駆け寄るグレース。

 実はフィルムはコロンボが途中で切れるように細工をしていたものでした。

 それを知る由もないグレースはあっという間にフィルムを直します。

 あまりにも無心に。

 自ら、犯行時11分間の空白があったことを証明してしまう手際の良さで。

 コロンボは既に気づいていました。

 昔のことは鮮明に覚えているのに、最近のことはすぐに忘れてしまうグレースの異変に。

 そして、医者であったヘンリーが、ひそかに「ローズメリー」という女性のカルテを書いていたことも。

 「ローズメリー」は脳に重い病気を抱えており、この病気では記憶に障害が出、激しい運動をすれば死ぬ危険がある。

 安静にしていても余命は長くてふた月。

「再起のステージに立つなどという夢は忘れて、一緒にクルーズの旅にでも出ないか?」

 殺される直前、ヘンリーがグレースに言っていたこと。

 「ローズメリー」

 ロージー。

 それは、かつてグレースが演じた役の名前。

 余命いくばくもないグレースが、ステージに立てば命取りになることを知っていたヘンリーは、彼女の復帰を反対した。

 そうとは知らないグレースは、自分の夢を阻む夫に怒りを覚え、おそらくは症状のひとつとして、感情のコントロールが利かなくなって彼を殺害した。

 しかし、今となってはそのことを覚えているか……。

 そう、ネッドに話しているコロンボに対し、映写室から出てきて話の断片を聞きつけたグレースは、「あなたはまだ夫が誰かに殺されたとおっしゃるつもり!?この家の人間がヘンリーを殺すなんてありえないわ!!」と詰め寄ります。

 やはりもう記憶は無いのだ。

(二度観するとわかりますが、執事が最後に様子を見に来る直前、グレースは怪訝な顔で額を押さえており、おそらくこの時点で自分の犯行を忘れています。)

 真相を話そうとするコロンボに、ネッドが割って入ります。

「もうたくさんだ。ヘンリーを殺したのは私だ」

 それを聞いたグレースは、ネッドにすがりついて悲痛な声で叫びます。

「あなたが!?嘘よ、そんなこと嘘!!なんでそんなことを!?」

「君のためだ。ヘンリーが君の復帰を阻んだからだ。」

 かつて想いを告げることができず、しかし本当は今も愛しているグレースの魂を守るため、ネッドは彼の胸で泣きじゃくるグレースにそう言います。

「あなたなしじゃ私何もできない。私待っている。あなたが帰ってくるまで復帰はやめて休暇を取るわ……」

 涙ながらに力弱くそう言うグレース。

ネッドはその折れそうに細い両肩を抱くと、グレースをソファに座らせます。

「それがいい。さあ、いい子だ。座ってロージーを観ていなさい」

 君の大好きなロージーを。

 腰かけたグレースの頬に、そっと口づけをするネッド。

「あんたの自白なんてすぐひっくり返されますよ?」

 そう言いながら玄関の扉を開けるコロンボ。

「頑張って見せる。ふた月間は」

 シルエット帽をすこしかしげた形でかぶり、真面目な顔で答えるネッド。

 その、覚悟を秘めたまっすぐな目に、しばし、言葉を失ったあと、目を伏せ、コロンボはうなずきます。

「そう……それがいいね……」

 コロンボを追い越して屋敷を出るネッド。

 扉を閉めようとしたコロンボは、残されたグレースの後ろ姿を見ます。

 ソファに腰かけ、コロンボたちに振り向きもせず。

 若く、完璧な美を誇る自分の、軽やかな歌声とダンスの光を浴びるグレース。

 彼女を守るつもりだったとも知らず彼女自身が殺した男。

 彼女のために汚名を被ることを決意した男

 彼女の残り2か月のために、愛を捧げた二人の男の存在すらも忘れてしまったように、その顔に笑みが広がり……。

 そして、幸せに満ち溢れたため息のような歌声と音楽が、物語の幕切れを告げます。

(完)

 個人的コロンボ3大名作の一つと思うこの作品。
(あとは「祝砲の挽歌」と「別れのワイン」が好きです)

 何が素晴らしいって犯人およびその周辺のキャラクターと、このラストです。

 栄光を忘れかねるかつてのスターの悲哀と言えば、前回ご紹介させていただいた「サンセット大通り」、それから最近ではアカデミー賞受賞作「アーティスト」がありますが、それぞれ名声を博したこの2作に一歩も譲らぬ見事なラストです。


サンセット大通り(Blu−ray Disc)


アーティスト コレクターズ・エディション(Blu−ray Disc)

 何度も観たくなる余情と言う点では、個人的には3作中「忘れられたスター」が一番好みです。(全部好きですが。)

 というのも、この作品は古きよきアメリカ映画の美と、それを見る者の哀愁をとても上手に作品の味付けに使っているからです。

 ちなみにこのとき、グレースが観ている「ウォーキングマイベイビー(原題Walking my baby back home)(1953年)」という映画は実際にジャネット・リーが主演した映画だそうです。


 当ブログでは「1950年代の映画は美しさという点では最高だが、1980年代後半〜1990年代のアメリカ映像作品が人生の哀歓をとらえているという意味で最も素晴らしい」とよく書かせていただいています。

 アメリカの1950年代以前の作品(とくにミュージカル作品)はあまりにも美しい。

 ストーリーは幸せと明るさに彩られ、あらゆる意味で技術が高く、登場する人々は軽やかで善良。

 それは一抹の陰すらささない光の美しさです。

 こういう作品、当時はどう受け取られたか定かではありませんが、今の我々が観ると感動しつつ、なぜか曇天の向こうにこの世ならぬものを垣間見たように胸しめつけられます。

 このため、後々の名作の中で「現実との哀しい落差」を示すものとして、引用されることとなりました。(それこそ1990年代の映画の中で)

 以前ご紹介した「レオン(1994年)」の中でも、殺し屋レオンが、人の少ない映画館で、ジーンケリーが歌いながらローラースケートで街中を滑る場面のある「いつも上天気(1955年)」という作品に目をキラキラさせて魅入る場面があります。
(この作品にはすでに現実のほろ苦さが含まれだしているようですが)

レオン/完全版(Blu−ray Disc)

 また、観てる作品の時代はだいぶ下りますが、同じように「美しい映画に見とれる現実の人」という場面で最も印象深いのは「グリーンマイル(1999年)」で最悪の犯罪の冤罪を被ることとなった癒しの人コーフィーが、フレッド・アステアの「トップハット(1935年)」を観る場面でしょう。


グリーンマイル


トップ・ハット


 雨の公園のあずまやで恋の芽生えたフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが優雅にダンスを踊る場面。

 コーフィーは、暗がりの中に映画の光を受けて目をきらめかせ、思わず「この二人は天使だ」と呟きます。

 余談ですが「トップハット」のミュージカルは今イギリスで全国ツアー中です。

 宣伝のために初演時のキャストがテレビに出てきた素敵な映像があったのでよろしければご覧ください。なんかホントなぜか泣けてくる……。



 「なにもかも無くしても、世界が不条理でも、バレエだけは美しかった。あそこには幸福の青い鳥がいた」

 大好きな萩尾望都さんのバレエ漫画「青い鳥」の名台詞ですが、アメリカの古き良き美しいミュージカル映画には、この幸福の青い鳥が宿っています。

(「青い鳥」収録の文庫本「ローマへの道」名作です)

ローマへの道

 その中に生き、そしてそこから出られなかった人間の哀しみと罪。

 そして永遠に夢を見るその人の苦しい無垢をいたわり愛する周囲の人々。

 おそらくは昔、彼女にとても美しい夢をみさせてもらった。その思い出ゆえに。

 「忘れられたスター」の中では、彼女の舞台上のパートナーネッドや、夫ヘンリーだけでなく、執事夫妻もグレースのそういう一面を愛しています。

 映画を観るグレースへの執事の目や、彼女のドレスアップを手伝う妻の態度がとても優しい。

 そして、ある意味結局罪を追求しきれなかったコロンボもその一員かもしれません。

 こういう情や、現実と美との哀しい落差が、温もりの残る複雑な陰影を成し、すぐれた余韻となっています。

 陰の無い世界は現実には無い。

 でも、そこが温かく眩しいということは何故かもう知っていて、憧れる。

 多分そこに立ったことは一度も無いし、絶対にたどり着けないことはもう知っているのに。

 そういう、私たち全員の知っている胸かきむしられる感覚が、罪を犯しながらそれすら忘れて夢に魅入るグレースの涙混じりの微笑に重なる。

「忘れられたスター」はそういう味わいを持つ作品です。

 犯人との頭脳戦という点ではほかにも名作がたくさんありますが、こういう抒情はコロンボの中でも突出しているので、是非繰り返しご覧になってみてください。

 読んでくださってありがとうございました。

 (近々このラストシーンでの英語の台詞についてご紹介させていただきますのでよろしければ併せてお読みください)
posted by Palum. at 20:15| 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月14日

1日目(100日間で人は変われるのか、自分人体実験開始)

 2014年6月22日(日)

 本日から100日後です。

 コチラのページ(みんなの知識「ちょっと便利帳」)で計算させていただきました。
http://www.benricho.org/nenrei/day_calc.html

 なんでそんなもの数えてみたかといいますと、

 「人はどのくらいの月日をかければ、変われるのか」

 よく言われることですが、これを自分で実験してみたくなったからです。

 というのも、私は無類の怠け者。

「怠け道」においてのび太がマスター(達人)なら、私も師範代くらいは余裕でとれます。

 いや、あやとりと射撃と昼寝という無類の特技(昼寝については座布団を床に置くと同時にそれに頭を乗せ、その最中〈頭が空中にあるうち〉に眠りにつけるというある種の神業を披露したことがある〈何巻だったかな……探しときます。〉)が無い上に、彼と違ってドラえもんのひみつ道具で商売を始めるバイタリティが無いんで、はるかに劣るかもしれません

 で、このままではいけないなあと思いつつ幾星霜。
(かくして「今年は〜する」とか新年に書きこんだカレンダーが空しく溜まる〈そんな不吉なものとっておくな〉)

 私がいかに怠惰で根気が無いかは、かつてのブログ更新頻度を見ていただけば明らかです。(よく3か月とか半年とか「死んだのか」みたいな期間沈黙していた)

 別に人より忙しかったわけでもないのに(むしろひまだろお)、好きな作品をご紹介させていただくという作業でもこの有様。

 でも、最近、すこーーーーし、マメさにおいて、自分がマシになった気配があります。

 お陰様でブログ毎日更新は続けられるようになりましたし。

(それまで勉強やら文やらにとりかかろうとしても机に向かうまでに3日かかるような「お前の机は他国に置いてあったのか」というほどの無精者でしたが、度重なるなんかホントにヤんなっちゃう出来事とか、過去記事でも書かせていただいた「ルーマニア人のBogdan Ota(ボグダン・オータ)氏という情熱に満ち溢れた曲を書くピアノの達人が、全然売れずに国を出て運搬会社で働きながら、コツコツと1日5、6時間は修行して腕を磨いた」という話になんか突然真剣にうちのめされて、「(状況を変えるために)自分の行動を変えよう」と思い立った)。

ボグダン氏の「ノルウェーゴットタレント」というオーディション番組での映像はコチラです。



 僕も大人になってから随分経つんで「遅すぎないかおい」と背後で誰かがささやいていますが、しかし今更でもしないよりまし。

 というわけなので、ここに100日間の目標をうちたててみます。

 1,毎日1時間運動をする(ストレッチも含めて)
 2,英語を毎日3時間勉強する(通勤中のアプリ使用等を含めて)
 3,1,2をやりつつブログも毎日更新する

 何キロ痩せるとか、腹筋をチョコレートのように割るとか、TOEICで満点をとるとかカッコいく書きたいところですが、まずは「習慣化」のほうを目指したいと思います。

 じゃないと、ちょっとでも停滞すると、「『あー青い海も空もバカヤローだうまれてすみません』と言いつつ、別に自殺等には走らずただ飲み食いしてふて寝する人」という従来の自分(←……)にたやすく逆戻りしてしまうに違いないので、そこだけは自信あるんで。(大人の何が良いって、自分がどのくらいダメかの見積もりだけはできるようになること〈自慢になるか〉)

 でも100日後にこれらを続けたことで何らかの結果が出て、6月22日が何かの記念日となるようにしようと思います。
 
 しかし、これだけだとあまりにも地味なんで、こういう気分に至るまでに色々読み漁ったガンバル気になれる本とかネット情報とかをご紹介させていただき、「自分人体実験(ネーミングのわりにやること相当ヌルイが)」の観察記録以外に、何かを習慣化してみたいと思っている方の一情報源となれるようにいたします。

 これからしばらく、土日はこういうちょっと自分自身にまつわる記事を書かせていただくことがあると思いますが(もっと大事なご紹介がある場合はそちらを優先します)、いつものテレビや漫画のご紹介記事同様よろしければ立ち寄ってみてください。

 ちなみに、なぜ土日かと言いますと、最も自分を甘やかすからです……。書かせていただかないと危なくて仕方が無い……。

この記事の続きは以下の通りです。

A12日目(私本人にまつわる内容は「あんまりできませんでした」という言い訳のみですが〈さっそくかい〉100日で22kg痩せたというKazuさんという方のブログと動画をご紹介させていただきました。これは感動的です。〈←虎の威を借る狐〉)

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:22| 100日間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月13日

(ご紹介編)映画「サンセット大通り」(刑事コロンボ「忘れられたスター」好きな方におススメ)

2014年3月15日(土)15:00〜17:08 BSプレミアムで刑事コロンボの「忘れられたスター」が放映されます。

往年のミュージカル女優グレースが再起をかけた舞台への出資を反対した富豪の夫を殺害するという筋立て。

かつてのあまりにも華やかすぎた栄光を忘れることができないというスターの苦悩と、そんな彼女への秘められた献身的な愛が根底に流れ、個人的には「祝砲の挽歌」「別れのワイン」と並ぶコロンボ3大傑作だと思っています。

(3作とも犯人が哀しい。そこいらの推理ドラマの「人を殺すだけあって本当に性格の悪い人ですね」と言いたくなるような犯人像とはまるで異なります。)

当ブログで簡単に内容をご紹介させていただいた過去記事はコチラです。

そして、この「忘れられたスター」を気に入った方なら是非併せてご覧いただきたい名作映画があります。

「サンセット大通り」(1950年・アメリカ映画)


サンセット大通り(Blu−ray Disc)




売れない脚本家ジョー・ギリスが、借金取りから逃れるために逃げ込んだ、サンセット大通りの大邸宅。

そこはかつてサイレント(無声)映画の大スターとして名声をほしいままにした、ノーマ・デズモントの館だった。

巨万の富を持ちながら空疎な館に暮らすノーマは、再起をかけて自ら主演するつもりで「サロメ(※)」の脚本を書いており、ギリスに制作を手伝うように持ちかける。

彼女の強引さと、彼女に絶対服従の執事マックスの手際により、次第に館に軟禁されているかのような状態になっていくギリス。

しかも、ノーマは次第にギリスを男として愛するようになってゆく……。

……と、筋立てだけ書くと非常に不気味な話です。

いや、実際かなり不気味なのですが……。

しかし、個人的に今まで観た映画の中で最も完成度の高い作品の一つです。

 冒頭、駆け付けるパトカー。

 プールにうつぶせに浮いている目を見開いた若い男の射殺死体。(水底から死体を見上げるように撮っている)

「プールつきの館に住むのがこの男の夢だった。皮肉なものだ」

そう語る声。

「話は半年前にさかのぼる。わたしは売れない脚本家だった」

 語っているのは、プールに死体となって浮いているギリス本人。

 彼がなぜこんな形で死ななければならなかったのかを回想する形で物語は展開していきます。

 こういう構成や映像の妙、そして、かつて妖精のように美しかったノーマが、今は色褪せた容色と名声に気づくことなく、自分の最盛期の写真や肖像画に彩られた隙間風の吹く邸宅で、ふつふつと再起への夢をたぎらせているという鬼気と哀れ。

 そんな彼女に影のように付き従う無表情な執事マックスがほのめかす、ノーマの謎めいた過去。

 おっかない話ながらこのような要素が緻密に配され、完璧ともいえる完成度を誇る作品です。

「忘れられたスター」のグレース(ジャネット・リー)がほっそりとして夢見がちで瀕死の白鳥を思わせる痛々しさなのに比べると、ノーマ(グロリア・スワンソン)は尊大で不気味ですが、しかしギリスが彼女を見捨てられないだけあって、現実が見えていないながら、情が濃いところもあり、奥行きのあるキャラクターとなっています。

 展開も面白く、特にラスト30分の妙は必見。

 結構ネタバレしている作品(下手したらジャケットに大事なことが書いてあるかもしれません)なので、レンタルの際には是非半目でレジに向かってださい。

「忘れられたスター」より、キャラからテイストから描き方から、あらゆる意味で重いですが、しかしこれもまた、華やかすぎる世界から現実に戻って来ることができない元スターと、その周辺の人間模様を描いた傑作です。

 よろしければご覧になってみてください。いずれこの映画の名場面についてもご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。

(※)「サロメ」
イエス・キリストが現れたころのユダヤの暴君ヘロデの義理の娘。自分の舞の褒美として、ヘロデに洗礼者ヨハネの首を請うた。
オスカー・ワイルドはこの聖書の逸話をもとに、サロメはヨハネに愛を拒絶されたことに怒りを覚えて彼の首を欲したという内容で戯曲「サロメ」を描き、「恋に狂った残酷な乙女の抱く聖者の首」というモチーフがその後多くの画題となった。
(つまり、サロメはノーマが演じるには若すぎる役なのですが、彼女はそこも見失っているのです)
posted by Palum. at 23:28| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

「Dad’s Army」のボタン

 先日、映画「ライフイズビューティフル」のご紹介にちなんで、戦時下のボタンにまつわる記事を書かせていただきました。

 本日は、その番外編として、イギリスの超人気コメディ「Dad’s Army」内のボタンのお話をご紹介させていただきます。(「The Showing up of Corpral Jones」のエピソードより)


「Dad’s Army」は第二次大戦下のイギリスを舞台にした、コメディドラマです。

 
 戦時下がコメディって……、という日本人の呆然をよそに、放送終了後約30年経過した昨今でも再放送を繰り返す(元々は1968〜1977に放映された)怪物番組。(当ブログの過去ご紹介記事はコチラ。)

 私があまりの不謹慎ぶりに度肝をぬかれたオープニング映像をご覧ください。こんな第二次世界大戦の戦況紹介って……(作品自体のテイストは温厚なんですがね……)



そして全員集合のエンディング、なんかほほえましい。
(登場順にマインワリング隊長、ウィルソン氏、ジョーンズ氏、フレイザー氏、ウォーカー氏、ゴッドフリー氏、パイク青年)




 この作品では、若い男手不足のせいで(既に徴兵されてしまっている)、年配の男性たちが地元の防衛に奮闘しないといけないという状況が(ちょっとドリフターズ風味で)描かれています。

 
 無論、物資も非常に不足していて(日本ほどではないみたいですが、イギリスもかなり大変だったようです)、彼らに最初に支給された武器は「pepper(※)」でした(敵の顔に投げろ的な話らしい)。

(※「コショウ」だと思うのですが、もしかしたら「トウガラシ(red pepper)」のことかもしれません。ジャッキー・チェン映画の中には、トウガラシ噛み潰して噴きつけて敵を撃退していたシーンもありましたし【目に入ると痛い。噛む方も大変だけど】。まあ、いずれにしても「無茶」な武器ですが)

 そんな彼らなので、当初は軍服が無く(主にスーツ姿で活動している)、ようやく届いても、ボタンがついていない。

 仕方が無いので、手持ちの服のボタンを外して軍服につけることになりました。


 結果、フレイザー氏は、「トグル(toggle)」と呼ばれる木の棒状ボタン(よくダッフルコートについてる)つきの軍服に。
 
(フレイザー)
They come off my patrol coat. I haven't worn it since Jutland, and the moths got at it.
このボタンはパトロールコートからとってきました。ユトランド以来着ていなかったのでコートに虫食いが。

Jutland……デンマークのユトランド半島。1916年ユトランド沖海戦の頃に着ていたという意味かと。


moth……蛾、この場合は衣類を食べてしまう衣蛾(イガ)の幼虫のこと


(みんなの格好のチェックをしていた隊長マインワリング氏、困惑しながらも)
You’re lucky you didn’t get woodworm, too.

(ボタンがコレだから)木食い虫にまでやられなくて運がよかったな

woodworm……木食い虫


 そして、ゴッドフリー氏の軍服は、なんかキラキラしてカワイイ感じに。

(マインワリング氏)
Those are rather flamboyant.
少々派手じゃないか?

rather……少々、幾分、かなり
flamboyant……けばけばしい、はでやかな

My dress studs, sir. That’s all I could manage. I’m afraid the diamonds aren’t real.

私の礼服の飾りボタンです隊長。これしかありませんでした。残念ながらボタンのダイヤモンドは本物ではありませんが。

stud……飾りボタン


 洋服にとってボタンって大事なんだなとよくわかりました。二人とも、もはや何の服だかわかりません。

 ところで、全員の軍服のボタンが無いと気づいたマインワリング隊長が家に戻って手持ちのボタンをつけてくるようにと申し渡した際、こんなことを言っています。

Be back here in 45 minutes, by which time I expect to have everything buttoned up.

45分後には戻ってくるように、その頃にはみんな出来上がっているだろう。

button up」には「ボタンを留める」と「完成させる」の意味があるそうです。ダジャレですね。

 それを傍で聞いていたウィルソン氏の「Nice little joke sir(良いジョークですな隊長)」という乾いた愛想笑い……。

 このドラマ本当に面白いんですが、多分日本では放映されることが無いでしょう。

 しかしイギリス人にとってはユーモアの中のユーモアとも呼ぶべき名作なので、このブログでは折にふれそのウィットをご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:25| イギリスのテレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月11日

(ご紹介編)フランス映画「ピエロの赤い鼻」道化師という天使

前回、本日NHKで放送されるイタリア映画「ライフイズビューティフル」についてご紹介記事を書かせていただきました。

「ライフイズビューティフル」は、ユダヤ人の父親が、強制収容所に送られながらも、幼い息子の魂を守るために、この世で最も残酷な状況においても、ユーモアを忘れずに「優しい嘘」をつきとおすというお話です。

この映画は個人的に「人生に最も大きな影響を与えた映画10本」に入る傑作なのですが、もし、この映画を好きになった方なら、是非こちらもご覧になっていただきたい、個人的には「対を成す作品」があります。

残念ながら「ライフイズビューティフル」とは違い、大きな賞とは無縁の作品だったようですが、私には同じように偉大な作品です。

「ピエロの赤い鼻」(フランス映画)

ピエロの赤い鼻

 第二次大戦中、ナチスドイツの権力下で、理不尽に絶体絶命の危機にさらされたフランス人と、彼らに同情したナチス兵の心の交流を描いた作品です。

「ベルント」

 「ゾゾ」

 それは、ある、本当に心優しい、勇気ある人物のもつ二つの名前です。

 無私の道化師は天使に似る。

 芸術の世界ではよく描かれるこのモチーフを描き切った名作です。

 (前半部あらすじ)

 少年リュシアンは、週に1度の、ある一日が憂鬱で仕方が無い。

 その一日とは週末、父親のジャックがみんなの前で赤鼻のピエロ姿で、演技をする日。

 パパは好きだけど、パパがピエロになって間抜けな姿で笑われるのにはうんざりだ。

 そんなリュシアンのため息を聞いた、ジャックの旧友、アンドレは、リュシアンのために、ジャックの遠い思い出を語り始める。

 お父さんが赤鼻のピエロになるのには、深いわけがあるんだ……。

 さかのぼる記憶。

 ジャックもアンドレも若く、フランスはナチスに苦しめられていたころ。

 二人はささいなきっかけで、ナチスに反抗してみた。

 本当に些細なきっかけ。

 ただ、二人の憧れだった美しいウェイトレスのルイーズに、いいかっこうをしてみたかったという。

 そして、二人はナチス軍の妨害となるように、線路ポイント切り替え所の爆破
を試みた。

 しかし、そのとき、思いもかけない出来事が二つ起こった。
 
 ひとつは、そのとき無人だと思っていたポイント切り替え所に、職員で知人のフェリクス老人がいて、彼らの仕掛けた爆弾によって重症を負ったこと。

 もう一つは、この爆破の犯人が名乗り出るまでの人質としてナチスにとらえられた村人の4人のうち2人が、皮肉にも真犯人である自分たちであったこと。

 期限内に真犯人があらわれなければみせしめに処刑されるという4人の人質の中に入れられ、雨の中、泥まみれの穴に突き落とされたジャックとアンドレ。

 自分たちが犯人だと正直に申し出ても信じてもらえず、途方に暮れる中、彼らの様子をじっと見つめていたナチス軍のある下級兵士が、飢えと寒さと絶望に震える彼ら4人の前に、もう一度姿を現す。

 ピエロの赤いつけ鼻と、ヘルメットに転がし隠したあるものを持って……。

 
 イタリアの陽光と町、主人公のグィドの元気いっぱいの立ち回りと比べると、ものすごく地味な作品です。

 突き落とされた青灰色の冷たい穴の底のフランス人4人と、穴の上のナチス兵1人。

 作品の核となるのは、彼らのやりとりだけです。

 しかし、これは意図的に色彩も画面も単純化された作品なのです。

 ある一つの大切な色を観る人に届けるための。

 絶望的な曇天の下、冷え切った泥まみれの穴の底で見た、たったひとつの色。

 赤。

 ピエロの赤い鼻。

 赤鼻のピエロ「ゾゾ」、ナチス兵のベルントが、お手玉をして、ジャックたちのいる穴に転がし落とした赤。

 赤いリンゴ。

 「希望を捨てるな」という、穴の上からの「ゾゾ」、ベルントの励まし。

 「ライフイズビューティフル」同様に、過酷な状況下、自分が道化となることで、他の誰かを励まそうとする優しい人の姿を描いた作品です。              

 私はどちらの作品も本当に好きですが、ときに、この作品の半分以上を青灰色が締める「ピエロの赤い鼻」の方を「ライフイズビューティフル」以上に観たくなることもあります。

 家族でもなければ知り合いでもない人のために、危険を冒して赤鼻をつけて笑わせ、リンゴを投げてよこした「ゾゾ」、ベルント。

 幼い息子の魂を守るために笑い抜いたグィドとはまた別の偉大さを、彼は持っています。

 「ライフイズビューティフル」を好きになった方には是非こちらも観ていただき、グィドとベルントそれぞれの勇気と、戦争の愚かしさを知っていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum. at 21:20| 番外編 おすすめ映画・漫画・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月10日

戦争とボタンの話 映画「ライフイズビューティフル」と陶芸家ルーシー・リー

昨日、明日2014年3月11日午後9時からBSプレミアムで放送の映画「ライフイズビューティフル」について書かせていただきましたが、本日はその中のある場面と、陶芸家ルーシー・リーのエピソードについて、ご紹介させていただきます。


(以下、映画の内容について、ややネタバレしておりますので、大丈夫な方だけお読みください)




 「ライフイズビューティフル」は、第二次大戦下のイタリアが舞台です。
 
 ユダヤ系イタリア人グィドは、愛する女性ドーラと結婚し、息子ジョズエも生まれ、陽気に、幸せに暮らしていましたが、ジョズエが五歳になったとき、一家はユダヤ人の強制収容所に送られてしまいます。

(妻ドーラは非ユダヤ系だったのですが、夫と息子を追って、自ら収容所に入ります。)
  

 幼い息子の心を恐ろしい現実から守るために、グィドは嘘をつきます。
 

 収容所にいる間、自分たちはゲームをしている、みんな競争しているけれど、「帰りたい」と言わずに、頑張って得点を集めるんだよ、と。

 
息子ジョズエは、グィドの嘘を信じますが、ある日

「自分たちはかまどで焼かれて、石鹸やボタンにされる」

 という話をほかの大人から聞かされます。

 しかし、グィドはジョズエの話を聞いて、大笑いします。

「人間がボタンに?『ボタンのフランチェスコが落ちた』なんて言うのか?馬鹿を言うな」

 この場面は、わたしにとってもっとも印象深かったシーンの一つです。

 人間はボタンにはならない、そんな馬鹿な話は無い。

 それは本来、悪い冗談としてでも思いつかないような話のはずでした。

 だけど、そんな出来事に直面させられてしまった人々がいた。

 笑ってしまうほど「馬鹿な話」が現実になってしまうのが、戦争というものなのだと、グィドのセリフから痛切に感じました。

 それを愛する息子のために笑い飛ばすグィドの強さには心を打たれますが、しかし、この「人からボタン」というのは、実際にあった出来事だったのです。



 一方、同じ時代「物資不足で金属でボタンが作れない」という状況下、素晴らしい陶器のボタンを生み出し、後に自身の作品の幅を広げた芸術家がいました。

 イギリスの陶芸家ルーシー・リー(1902-1995)です。
(彼女の展覧会について過去にご紹介させていただいた当ブログ記事はコチラ。〈すみません、この記事の中の展覧会HPリンクはすでに切れています〉)

 ユダヤ系だった彼女は、ナチスから逃れるため、オーストリアからイギリスに移住し、陶器のボタンを作ることで生計を立てました。

 戦時下の窮余の一策だったとはいえ、ルーシー・リーの陶器のボタンは、色も形も変化に富み、大変魅力的なものでした。
 
 砂糖がけのねじりクッキーのようなもの、南の海のかけらのようなもの、金属のような光沢を持つもの、とりどりの花びらのようなもの、そして、ルーシー・リーのうつわを思わせる、あたたかみのある白の、流線のまろやかなもの……。

(「イエール大学のルーシー・リー伝記記事」はコチラ。カラフルなボタンが見られます。)

 このとき試みたさまざまな色や形の創意工夫が、後のルーシー・リーのうつわ作りに大きく役立ったということです。

 そして、彼女が91歳で亡くなったとき、彼女の熱烈なファンで友人だった、デザイナーの三宅一生氏のもとに、彼女のボタンの見本が入った箱が届けられたそうです。

 彼女が、「わたしのお友達(三宅一生氏)に渡してほしい」と言い残したものでした。

 布張りの箱の中には、ありとあらゆる形のボタンが、丁寧に整理されて並べられていました。

 それは偉大な芸術家のたゆまぬ努力の結晶であり、しかし、わたしには、まるで、きれいな石やガラス、貝殻や鳥の羽を集めた、遠い思い出の中の宝箱を見たような、なにやら懐かしい心地もしました。

 この箱を最初に開けて、ボタンたちの輝きと出会ったときの三宅一生さんは、いったいどんなお気持ちだったのでしょうか。

 彼は、ルーシー・リーのうつわのミニチュアのような白い薄手のボタンを、白く、厚みと毛の素材感のある生地の上着にあしらい、見るからに上品で心地よさげで、しかし圧倒的な存在感のある作品に仕上げておいででした。

 このエピソードを紹介したNHK「新日曜美術館」の記事はコチラです。


「ある人間は人間でボタンを作ることを思いつき、実行した」

「ある人間は迫害され、理不尽に苦しんでも、綺麗な可愛い陶器のボタンを創りだして暮らし、やがてそのとき培った技術で、すぐれた芸術作品を生み出して、自他の人生を美しい色と形で彩った」

「ボタン」という小さなものにまつわるエピソードが、人間という生き物の、恐ろしさも偉大さも果てが無い有様をあまりにもくっきりと証明していると思ったので、2つ並べてご紹介させていただきました。

今度、番外編として、同じ「戦争中のボタン」について、イギリスの超有名コメディ「Dad’ s Army」の一場面をご紹介させていただきます。
(当ブログDad’s Armyご紹介過去記事はコチラ)

 読んでくださってありがとうございました。

※ルーシー・リーと三宅一生氏に関する参考記事
「うつわ U-tsu-wa」展HP 2009年開催 
http://www.2121designsight.jp/program/utsuwa/
posted by Palum. at 22:32| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月09日

ライフイズビューティフル(イタリア映画)


 英語ともイギリスとも関係ないのですが、来週火曜日(2014年3月11日)午後9時〜10時57分BSプレミアムにとてもいい映画が放映されるのでご紹介させていただきます。

 『ライフイズビューティフル』。
イタリア映画です。(アカデミー外国語映画賞、主演男優賞受賞〈外国語の映画がこの賞を獲るのはとても異例なことだったそうですが、しかしロベルト・ベニーニの陽気で胸に染み入る演技には、間違いなくそれだけの価値がありました。〉)

 NHKの番組紹介情報はコチラ

 第二次大戦期イタリアを生きた、ユダヤ系の男グィド(ロベルト・ベニーニ)の人生を描いた作品です。
 過酷な迫害に巻き込まれながらも、笑いと家族への愛を決して忘れなかったすてきな夫、そしてお父さん。

 いわゆる戦争映画にみられる陰鬱な描写ではなく、むしろ彼の明るさと勇気を通して、多くのことを教えてくれる作品です。

 「人生は美しい」と言えるのはどんな生き方をした人なのか。

 人間が本当に勝つとはどういうことなのか。

 その答えが、観た人の胸に、そっと、灯ります。

 そして私には、人生を重ねるごとに、その温かさ明るさが、増していくように思われます。

1,あらすじ(前半部)※わりとネタバレなんで、気になる方は後日お読みください。




 グィドは友人を連れて、叔父のいる町にやってきます。叔父が経営しているホテルで働くために。
 石畳を太陽が温かく照らす、美しい町。
 そして、グィドめがけて空から降ってきた、美しいお姫様。
 蜂の巣をとろうとして蜂たちの反撃に遭い、納屋の二階から落ちてきた女性ドーラ。
 彼女を受け止め、たちまち恋に落ちたグィド。

 恋しいお姫様の心を射止めるため、ありとあらゆる機会を利用して、彼女を驚かせ、笑せようと奔走します。

 ドーラは裕福な家の生まれで、親に申し渡された許嫁との交際を強いられていましたが、彼女もグィドに惹かれていきます。

 それでも、結婚話は勝手に進み、いよいよ婚約パーティーが開かれることに。

 しかも、こともあろうにグィドが給仕を務める叔父さんのホテルで。
 
 茫然自失のグィド(この瞬間の描写にご注目ください。最高です)。

 しかし、ドーラは決断します。親の言いなりになるのではなく、自分をとても愛してくれている、愛する人と一緒になる。

 ドーラの気持ちを知ったグィドは、陽気で冗談好きないつもの調子を取り戻し、思いつく限りロマンチックに堂々と、でも皆には気づかれないようにお姫様をさらっていきます。

 (前半部見どころ)
 まずはグィドがドーラを婚約者とのデートから連れ出して(というか婚約者のフリをして騙して)、二人で夜の町を歩く場面。
 それまで描かれていた町の風物や小さなやりとりが伏線となって、巧みにドーラへのサプライズを演出します。

 明るく、楽しく、軽やかで、しかし互いに人生を賭けた恋。

 愛する人にいつも幸せな笑顔でいてもらうために、いくらでも頑張るグィド。

 グィドのユーモアの奥にそういう底知れないほどの愛情とたくましさを感じ取ったドーラは、それを受け止め、負けないほどに彼を愛することになるのです。
 
 また、劇場でグィドが(演目などほぼうわの空で)ドーラに熱い視線を送り、こちらを向いてほしい……、と一生懸命念を送る場面もおススメです。
 
 オペラの美しい歌声の中で、伏し目がちにゆっくり振り向くドーラと、それにうっとりと見とれるグィドの表情が良い。

 余談ですが、このドーラを演じたニコレッタ・ベレスキと、監督兼主演のロベルト・ベニーニは夫婦だそうで、その他にもベニーニが監督している作品で理想の女性として登場しています。

 
 確かに、「美しく気丈で聡明で心温か」といった風情で、女性としての全ての良い資質を併せ持った雰囲気を醸す素敵な女優さんです。
 
 このグィドの一生懸命な念力は、物語の後半、ある非常に重要な場面でも活躍します。そこはとても感動的なので是非ご覧になっていただきたいです。

 放映後に、作品後半部の見どころについても書かせていただきたいと思いますので、よろしければご鑑賞後またいらしてください。

 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum. at 20:46| 番外編 おすすめ映画・漫画・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月08日

台詞編4「Flowers from a brook(岸辺の花)」(映画「セントオブウーマン 夢の香り」ネタバレ)



「セントオブウーマン」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。


 当ブログ内のこの作品に関する過去記事一覧はコチラです。

1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1
※以下ネタバレ
4,名場面編2
5,台詞編2
6,名場面編3
7,台詞編3
名場面編4



セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)



今回もこの作品の名場面についてご紹介させていただきます。


完全にネタバレですので、一度ご覧になった方のみ続きをお読みください。


学校で起きた悪戯の目撃者として集会で証言を強要されていたチャーリー、しかし、彼は犯人の同級生の名前をいう事を拒否しました。

その罰として退学させられてしまうところだった彼を、集会に同席したフランクが「チャーリーは自分の得のために友達を売る男ではない」と力強く訴えて救います。

集会は生徒たちの喝采のうちに終わり、建物から出てきたフランクとチャーリーを太陽の色の髪をした女性が追いかけてきます。

以下その台詞と私的直訳です。

(女性)
I’m Chritine Downes, Colonel Slade.
私はクリスティーン・ドーンズです、スレード中佐(※フランクのこと)。

I teach Political Science.
政治科学を教えています。

I wanted to tell you how much appreciate your coming here and speaking your mind.
貴方がここに来てお考えを話してくださったことに心からお礼を申し上げたいと思って。

(フランク)
Thank you. Are you married?
ありがとうございます。ご結婚は?

(ドーンズ思わず笑って)
Uh……I,uh……
あの……私……


Went to an artillery school at Fort Sill with a Mickey Downes.
フォートシルの砲術学校時代に行っていたころ、ミッキー・ドーンズという男と一緒でした。
・Fort Sill……オクラホマ州の地名、軍人の訓練学校がある。
Artillery……砲術

Thought he might’ve snagged you.
あいつがあなたをさらっていったかと.
might have+過去分詞……〜したかもしれない

snag……一般的には「妨げる」「船が倒木に乗り上げる」の意味だが、米語の口語に「すばやくつかむ」の意がある。


(口元をほころばせ首を横に振るドーンズ)

Uh, no, no, I’m afraid not.
いいえ、いいえ、残念ながら違いますわ。

(チャーリー)
Uh,Colonel Slade was on, uh, Lyndon Johonson’s staff, Miss Downes.
ドーンズ先生、スレード大佐はジョンソン大統領のスタッフだったんですよ。

(ドーンズ)
Were you? Fascinating.
そうだったんですか?素晴らしいわ。
Fascinating……素敵な、うっとりさせるような

(フランク)
We should get together, talk politics sometime.
時々一緒に政治学の話をいたしましょう。

(フランク、少し間を置いて)
“Fleurs de rocailles”
「フルール・ド・ロカイユ」(フランス語〈香水の名前〉)

(ドーンズ)
Yes,
(フランク)
“Flowers from a brook.”
「岸辺の花」(香水名の意味)
brook……小川

(ドーンズ)
That’s right.
そのとおりですわ。

(フランク)
Well, Miss Downes,I’ll know where to find you.
さて、ミス・ドーンズ、(この香りで)あなたをどこで見つけられるかわかります。
(字幕訳は「これでいつでもあなたを探せます」です。美しいですね……)

Charlie.
チャーリー

(チャーリー)
Bye, Miss Dowens.
さよなら、ミス・ドーンズ

(立ち去る二人)
You don’t have to tell me, Charlie.
チャーリー、俺に教えなくていい。

5'7'',
5フィート7インチ(約170p)、

auburn hair,
赤褐色の髪、

auburn……赤褐色

beautiful brown eyes.
美しい茶色の目

以上です。この他にも素敵な場面やセリフがたくさんあるので、ぜひとも何度もご覧になって、その美しく奥深い世界観に浸ってみてください。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 18:51| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月07日

名場面編4「岸辺の花」(映画「セントオブウーマン 夢の香り」ネタバレ)

「セントオブウーマン」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。


 当ブログ内のこの作品に関する過去記事一覧はコチラです。
1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1
※以下ネタバレ
4,名場面編2
5,台詞編2
6,名場面編3
7,台詞編3



セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)



今回もこの作品の名場面についてご紹介させていただきます。完全にネタバレですので、一度ご覧になった方のみ続きをお読みください。




 ニューヨークで豪遊した後、フランクは自殺をしようとしますが、チャーリーの説得で思いとどまります。

やがてニューヨークから帰ってきた二人。そしてチャーリーは、学校に戻ります。

 その日、チャーリーは学校で起きた悪戯の目撃者として、集会で、生徒教員全員の前に立ち、証言をすることになっていました。

 しかし、彼は親しくなくとも、完全に彼らが悪いと知っていても、それでも同級生の名前を挙げないつもりでした。

 協力しなければ退学、すればハーバード大へ推薦という厳しい選択を迫られていましたが、ただ、そうするのが自分として嫌だったから。

 このチャーリーの窮地を、後から集会に入ってきたフランクが救います。

 目撃した人間の名前を、「見ていない」ではなく「言えない」と正直に言ってしまったチャーリーは、当然校長の怒りを買いますが、フランクは「この沈黙が正しいかどうかはわからないが、チャーリーは自分の得のために友達を売る男ではない」と言い放ちます。
 それが高潔と言うものであり、勇気と言うものだ。
 そしてそれこそが指導者に必要な資質だ。
 もしこの学校が指導者の揺り籠だというなら、彼にチャンスを与えてくれ。
 その選択を誇れる日がきっと来るだろう。

 そう荒っぽくも力強く語ったフランクを、チャーリーはじっと見上げ(キラキラとした瞳から喜びと信頼の念の溢れる、美しい、心に染みる顔です。本当の意味で「父」と思える人が居ず、一人で戦ってきた若者が、初めて自分を全身全霊で守ろうとしてくれる強い大人の男を見つけた瞬間の顔です)、集会に集まっていた学生たちは二人に拍手喝采を送ります。

 審議の結果、チャーリーは無事学校に残れることになり、チャーリーに付き添われながら、車に戻ろうとするフランクを一人の女性が追いかけてきます。

「中佐(※フランクのこと)!中佐!」
 背の高い、豊かな赤褐色の髪を長く伸ばした、生真面目そうだけれど優しい声の女性。
「政治科学を教えているドーンズです。先ほどのお話に一言御礼を……」
 彼女と向き合ったフランク。
「どうも、ご結婚は?」(←早い〈笑〉)
 唐突な問いかけに、え、いえ……と、笑って口ごもるドーンズ。
 サングラスをかけたフランクの顔にもやがて笑みが広がります。
「同じ隊にドーンズという男がいました。ご主人では?」
「いいえ、違いますわ」
 知的な顔に優しい笑いじわがよぎり、長い髪が空気のゆらぎと光を受けて、太陽を紡いだ糸のように輝きながら彼女の額、高い頬骨、はにかんだ微笑みをふちどります。

 それまで二人を笑顔で見守っていたチャーリーが言いました。
「先生、中佐は大統領の側近だったんです」
「まあ、すばらしいわ」
「ご一緒に政治論でも」
 黙って口元をほころばせるドーンズ。

「『フルール・ロカーユ』」
 やおらそう言ったフランク。
 それは彼女のまとうフランスの香水の名前。
「……そうです」
「『岸辺の花』」
 それが、香水の名の意味。
「そうです」
「……ミス・ドーンズ。これでいつでもあなたを探せます」

 行こう。
 チャーリーをうながして立ち去るフランク。
 ドーンズが金色の微笑のまま、それをじっと見送ります。

 「チャーリー、何も言わないで良い」
 身長170cm。
 髪は赤褐色。
 美しい茶色の瞳。

 満ち足りた声でドーンズの姿を鮮やかに言い当てながら、フランクはチャーリーと一緒に歩いていきます。

 ……これがフランクがついに夢の女とめぐりあった場面です。

 自分は暗闇の中にいると、死を選ぼうとしていたフランクに向き合って立つドーンズの、陽光そのもののような輝き。

 太陽を透かしてキラキラと温かくきらめく彼女の長い髪と、優しい微笑。
 この映画は脇役(スチュワーデスや掃除係の女性など、一瞬フランクと言葉を交わす女性)にいたるまで本当に美しく女性を撮っているのですが、ドーンズの美はことに印象的です。

 一目見てはっとさせられるような華やかで愛らしい美しさのドナ(フランクとタンゴを踊った女性)とはまた別の、夜明けの光の広がるような、冬が終わり春が来たような、人の心に柔らかく温かく染み渡る。
 
 やがて彼女のその温かい美しさと、「岸辺の花」の香りにつつまれて、フランクはようやく待ち望んだ朝を、彼女と共に迎えるのでしょう。

 ところで、私の「80年代後半〜90年代アメリカ映画賛美」の中では、この「屋外の日の光」という要素が結構大きな意味を持っています。

 50年代の映画はストーリーも明るくて登場人物の美貌も演技も技術もそろっていますが、あの透き通って優しい日の光は、それ以後の映像のものです。

 人間どんなに落ち込んでいてもやさぐれていても、寒いところから温かいところに行ったときと、太陽の光がキラキラしているときにはわりとちゃんと気づき、少し和むものです。

 そんな誰にでも覚えがある気持ちが、あの大切に撮られた陽の光によってよみがえり、登場人物の喜びや痛みから癒されていく感覚をより実感できるように作られている。

 そういうところも好きなのです。そして、このドーンズという女性の姿と笑顔は、私にとって、映画にとどめられた陽光の美のひとつの頂点になっています。

 次回はこの場面の英語の台詞について少しご紹介させていただきます。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:15| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月06日

台詞編3「That I could wake up in the morning and she’d still be there. (俺が朝目覚めても、彼女はまだそこにいる)」(映画「セントオブウーマン 夢の香り」〈ネタバレ〉)

「セントオブウーマン」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。


 当ブログ内のこの作品に関する過去記事一覧はコチラです。
1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1
4,名場面編2
5,台詞編2
6,名場面編3


セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)



今回は前回ご紹介した名場面の英語の台詞についてご紹介させていただきます。完全にネタバレなんで、一度ご覧になった方のみお読みください。

自殺を思いとどまったフランク(アル・パチーノ)がチャーリー(クリス・オドネル)にずっと心にしまっていたある夢を語る場面です。
(英語の台詞と私的直訳を書かせていただきます。)

(フランク)
You know what’s kept me going all these years?
何がこの数年俺を生かし続けていたかわかるか?

I thought that one day……
思っていた。いつの日か……
(フランク、沈黙の後に首を横に振る)

Never mind.
忘れてくれ

(チャーリー)
The what?
どうしたんです?

(フランク)
Silly.
馬鹿げてる。

(ためらいながらも言葉を続けるフランク)
Just the thought that maybe one day, I’d……I could have a woman’s arms wrapped around me……
ただ思っていたんだ。もしかしていつの日か、俺に……ある女が腕をからめ……
Wrap……巻く(料理に使う日本の「ラップ」もここから来ています)

And her legs wrapped around me.
足も俺にからめている。

(チャーリー)
And what?
そして?

(フランク、思い切って言う)
That I could wake up in the morning and she’d still be there.
俺が目覚めてもまだ彼女はそこにいる。

Smell of her.
彼女の香り。

All funky and warm.
とても良い温かな香り。

Funky……(俗語)この場合「いかした」の意味合い

I finally geve up on it.
しまいにはその夢をあきらめたが。

(チャーリー)
I don’t know why you can’t have that.
(その女の人のことを)あきらめる理由がわかりません。

You know, when we get back to New Hampshire, I don’t know why you can’t find someone.
ニューハンプシャー(フランクたちの家がある場所)に戻れば、きっとその人が見つかります。

I mean, you're a good looking guy, and you’re fun to be with, and you’re great travel companion, sensitive, compassionate.
だって、あなたはハンサムだし、一緒にいて楽しいし、旅のつれあいとしても素晴らしいし、感受性豊かで、情が厚い。

Sensitive……この場合「感受性豊か」の意味

Compassionate……慈悲深い、情が厚い


(フランク、つくづくと苦笑いして)
Charlie,are you fuckin’ with me?
チャーリー、ふざけているのか?

(チャーリー、いたずらっぽく笑い)
Yes.
はい(笑)。

以上がフランクが自分の夢について語る場面のやりとりです。
このとき、そんなことはもうありっこないといった様子のフランクでしたが、「夢の女」が物語の最後に現れます。

温かく輝く、とても素敵な場面です。

次回はこの場面についてご紹介させていただきます。

読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 23:02| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月05日

(名場面編3)「俺が朝目覚めても、彼女はまだそこにいる」(映画「セントオブウーマン 夢の香り」〈ネタバレ〉)


「セントオブウーマン」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。


 当ブログ内のこの作品に関する過去記事一覧はコチラです。
 過去記事一覧はコチラです。
1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1
4,名場面編2「あるのは暗闇だけだ」(ネタバレ)
5,台詞編2「I'm in the dark」(ネタバレ)


セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)

 今回もこの作品の名場面についてご紹介させていただきます。完全にネタバレですので、一度ご覧になった方のみ続きをお読みください。

 ニューヨークで豪遊した後、フランクは自殺するつもりでしたが、チャーリーの説得で思いとどまります。

 ようやく気持ちを落ち着けたフランクは、ホテルの部屋でジャックダニエルをかたむけながらこんな話をします。

 「今まで生きてこられた支えは……いつか……」

 何度もためらいながらも、チャーリーに促され、フランクは続けます。

 いつか、隣に女が眠っていて、その女の腕も足も自分にからみつき。
 その女が朝になってもまだ側にいる。
 そして、自分は彼女の香りを嗅ぐ。
 甘く温かい香り。
 生きていれば、そんな日が来るかと。
 そんな女に巡り合えるかと。

「あきらめたがね」

 しかし、チャーリーは、家に帰ればきっといい人を見つけられますと言います。「あなたはハンサムだし、思いやりがあって話していても旅をしていても楽しい人だから」と。

 この旅の間中、チャーリーにそりゃもう我儘放題だったのを自分でもわかっているフランクは、「からかっているのか?」と苦笑いをします。

 これが、映画のタイトル「Scent of a woman(女性の香り)」について語られる場面です。

 タイトルがダイレクトに「女の香り」だけだったら、日本人にはいかにも「そういうこと」しか考えてない人の話みたいな感じがしちゃうんで「夢の香り」という副題が足されたのでしょうか。
 何にせよ作品の味をすくいあげた良い副題だと思います。

 最初は女性についてホントに「そういうこと」しか考えていないみたいな言動を繰り返していたフランクが、実は、共に夜を過ごすだけでなく、共に朝を迎え、ずっと隣にいてくれる女性、彼を深く愛し、共に生きてくれる女性を求め、それを絶望の中の生きる支えにしていたという真実が明らかになる場面です。

 チャーリーが、「隣に眠る女の手も足も俺にからみつく」と言った後のフランクの言葉を促しているのもいい。

 旅の中でフランクの人となりを知ったチャーリーには、フランクの夢が、つかのま欲望を満たすことではないだろうとわかっていたのです。

女の香り。
深く愛し合う女の香りに包まれ、満たされた思いで眠る。
その夢がフランクの暗闇を灯していた。

 そして、やがて、フランクの前にその女性があらわれます。

 とても美しい場面なので、こちらも後日ご紹介させていただきたいと思います。
 
 次回は、今回ご紹介した場面の台詞編を書かせていただきます。よろしければまた見にいらしてください。

 読んでくださってありがとうございました。
 
posted by Palum. at 23:23| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

(台詞編2)「I’m in the dark(あるのは暗闇だけだ)」(映画「セントオブウーマン」ネタバレ)

「セントオブウーマン」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。

 今回はこの作品のうち、前回当ブログでご紹介した名場面の英語の台詞についてご紹介させていただきます。
 ※前回同様、完全にネタバレなんで、一度ご覧になった方のみお読みください。

 当ブログ内のこの作品に関する過去記事一覧はコチラです。
 
 過去記事一覧はコチラです。
1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1
4,名場面編2「あるのは暗闇だけだ」


セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)
 豪遊の後、ホテルの部屋で自殺をはかろうとしているフランクを見つけ、それを止めようとするチャーリー。
 出て行かないと君も撃つぞ、と言うフランク。しかし、チャーリーが動こうとしないので、カウントダウンをはじめます。

(Youtube内「Movie Clip」の動画リンク



以下、動画部の台詞+私的直訳です。

(フランク)
Five…four…three……two……one………. Fuck it.
5…4…3……2……1……畜生。
(自分の頭を打ち抜こうとするフランク。その腕をおさえたチャーリーともみあいになる)

Gimme! Fuck it!
(銃を)よこせ!畜生!
Gimme=Give me の略

Get out of here!
出ていけ!
Get out……立ち去る・逃げ出す


(チャーリー)
I’m staying right here!
ここにいます!
(繰り返し)

(フランク)
I’ll blow your fucking head off!
そのクソ頭を吹き飛ばすぞ!!
Blow off……吹き飛ばす

(チャーリー)
Then do it!
やれよ!

You want to do it? Do it! Let’s go.
撃ちたいんだろ?やれよ!さあ。

(フランク、撃鉄を起こし)
Fuck.
畜生。
Get out of here!
出ていけ!

(チャーリー)
You fucked up, all right? So what?
あなたは馬鹿をやったんだろう?だからなんだ?
Fuck up……台無しにする

So everybody does it. Get on with your life, would ya?
皆やっている、(それでも)自分の人生とつきあっているんだ。そうだろう?
Get on with……付き合う、折り合う

ya……=You

What life!? I got no life!
なんの人生だ!? 俺に人生なんて無い!

I’m in the dark here!
俺は暗闇の中にいるんだ。

Do you understand? I’m in the dark!
わかるか?暗闇の中だ!

So give up. You want to give up, give up.
じゃあ降参すればいい。そうしたいんなら。

You said I’m through. You’re right.
あなたの言った通りだ。ぼくももう終わりだ。
Be through……終わる、駄目になる。

We’re both through. It’s all over.
二人ともだ、全部おしまいだ。

So let’s get on with it. Let’s fuckin’ do it.
続けよう。やれよ。
・Get on with it……こちらは「続ける」の意味合い

Let’s fukin’pull the trigger you miserable blind mother fucker!
引き金を引けよ、このくそったれのみじめな盲人が!
Trigger……トリガー、銃の引き金
miserable……みじめな
blind……目の不自由な人

……Pull the trigger.
引き金を引け

(フランク)
Here we go, Charlie.
行くぞチャーリー

(チャーリー)
I’m ready.
いつでも

(フランク)
You don’t want to die.
死にたくないだろう。

(チャーリー)
And neither do you.
あなただって

(うなずくフランク)

Give me one reason not to.
(死なないでいいという)理由をひとつくれ

(チャーリー)
I’ll give you two. You can dance the tango and drive a Ferrari better than I’ve ever seen.
2つあります。僕が今まで見た誰よりもタンゴとフェラーリの運転が上手だ。

(フランク)
You never seen anyone do either.
他の人間がやっているのを見たことがないだろう

(チャーリー)
……Give me the gun colonel.
銃をください。大佐
Colonel……大佐(この場合フランクのこと)

(フランク)
Oh, where do I go from here, Charlie?
ああ、俺はここからどこに行けばいいんだチャーリー?

(チャーリー)
“If you’re tangled up, just tango on.”
『足がもつれても、ただ(タンゴを)踊り続ける』
Tangle up……もつれさせる

on……この場合は動作の継続を表す(例 go on=続ける)

(フランク)
You asking me to dance, Charlie?
俺に踊れと言うのかチャーリー?


 
 ……以上です。チャーリーの言っている台詞“If you’re tangled up, just tango on.”
は、かつてフランクが一緒にタンゴを踊った女性に言ったものです。(このタンゴシーンの台詞ご紹介編はコチラです。)

 暗闇にいても、馬鹿をやって台無しにしても、それでも踊り続ける。
 
 みんな、そうやって自分の人生を生きるしかない。
 
 悲しくても、理不尽でも、最後まで可能性を信じて。
 
 そういう、生きていくうえで最後の支えとなるようなメッセージがこめられた場面です。

この作品については、まだ素晴らしい場面があるので、回を改めてご紹介させていただきます。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 20:47| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月03日

(名場面編2)「あるのは暗闇だけだ」(映画「セントオブウーマン 夢の香り(Scent of a woman)」より〈※ネタバレ〉)

「セントオブウーマン 夢の香り(Scent of a woman)」」は盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。


セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)

 前回記事でこの作品の名場面であるタンゴシーンについてご紹介させていただきました。

 過去記事一覧はコチラです。
1,ご紹介編
2,名場面編1
3,台詞編1


 今回はさらに別の名場面をご紹介させていただきます(この作品本当に名場面だらけなんですが)。
 完全にネタバレなんで、一度ご覧になった方のみお読みください。


(この場面までのあらすじ)
 付き添いのアルバイトで出会ったフランクに連れ出され、彼のニューヨークでの豪遊に同行することとなったチャーリー。
 同級生が起こした問題について、証言をしなければ学校を退学になるという事態に追い込まれていたチャーリーは、それどころではなかったのですが、次第に、我儘で気難しいフランクの心の奥底にある苦しみや優しさを知ることになります。

 ラウンジで出会った美しい女性とタンゴを踊ったり、試乗したフェラーリで疾走したりとフランクが楽しそうにしているのを見て、どうやら元気になってくれたようだと思っていたチャーリーでしたが、部屋に戻ってきたフランクから買い物を頼まれた後、嫌な予感がしてすぐに引き返してきます。

 フランクは寝室で軍服に着替え、拳銃に弾丸をこめていました。
 
 旅の始まりのころ、フランクは、ここでやりたいことを全部済ませたら、死ぬつもりだと言っていました。

 まさか本気ではないだろうとは思っていましたが、一度、見えない目でなめらかに銃を組み立てているフランクを見て、不穏なものを感じたチャーリーは、付き添いを続ける交換条件として彼から弾丸を預かっていました。
 
 しかし、今、嘘をついて隠し持っていた弾丸が、フランクの銃の中に。

 チャーリーを道連れにすることすらほのめかすフランクに、チャーリーは恐怖と戦いながらも、彼の自殺を止めようとして言葉をかけます。

(以下、場面概略)

「誰だって気が滅入ることが……」
「滅入る?俺はクズだ。いや、腐った人間だ」
「苦しんでいるだけです」
 銃を渡してください。そう言いながら歩み寄るチャーリー。
 見えない目で、しかし正確にチャーリーに銃口を向けるフランク。
「今行けば撃たれないで済むぞ」
 銃を構え、カウントダウンをはじめる。
 5…4…3…2……1………。
 畜生。
 うつろな呟きと共に銃口を自分のこめかみにむけるフランク。
チャーリーがその腕にとびかかり、二人は激しくもみ合った。
 

「出ていけ!!」
 キャビネットにチャーリーを組み伏せて、拳銃を振り上げるフランク。
「嫌です!!」
「頭をブチ抜くぞ!!」
「やれよ!!」
 誰だって馬鹿はやる、だから何だ。
「それでも皆人生を生きている!!」
「俺に人生が!?」
 少し前までかすかに見えていた光も、もう完全に見えなくなった。
 名誉の負傷で視力を失ったのではない。
 昇格できなかったために自暴自棄になって起こした事故でだ。
  数少ない身内である兄にも、素直に振る舞うことができずに断絶してしまった。
「人生がどこにある!?」
 フランクの声から絶望がほとばしる。
「あるのは暗闇だけだ!!」
 この暗闇から出られない。

 震え、息をあらくしながら、チャーリーは言った。
「……じゃあ、降参を」
 僕も降参する。
 主義は曲げられない。同級生を売ることはできない。だが、そうなれば退学だ。
 あそこにいられなければ勉強を続けることはできない、それまで夢見てきた将来は失われる。
「お互いこれでおしまいだ」
 自殺しよう。
「引き金を引けよ!このくそったれの盲人が!!」
 チャーリーの罵声に、フランクはなにかをこらえるように一瞬目を閉じ、それから言った。
「……撃つぞ」
 思いのほか静かな声で。
「いつでも」
 チャーリーの声はまだうわずっていたが、その瞳はフランクを迷いなく見つめていた。
 チャーリーの早くなっている呼吸を聴きながら、フランクは尋ねた。
「死にたくないだろう?」
 その、光を見ることができない瞳に、うすく涙がたたえられていた。
 チャーリーは苦しい息を飲みこんで答えた。
「あなたも」
 フランクは、やがて、そっとうなずいた。
「……教えてくれ」
 ひとつで良い。自分が生きなければいけない理由を。
「二つあります。タンゴとフェラーリの運転が誰よりも上手だ」
 旅の中で見せてくれた。とても楽しかった。

 君はどちらもそれまで見たことはなかっただろう。
 そうつぶやくフランクの口の端がようやくかすかに上がった。

「……銃をください」

 フランクの瞳の涙がふくれあがり、まぶたのきわで小さな光を帯びる。
「俺はこれからどうすれば良い?」

 チャーリーは答えた。
「『足がもつれても、踊り続ける』」

 それは美しいドナを誘ってタンゴを踊った時、フランクが言った言葉。
 タンゴは単純だ。失敗は無い。人生と違って。
 足がもつれても、踊り続ければ良い。
 そう言っていた。
 人生は単純ではない。失敗もある。
 それでも、踊り続ければ、終わりではない。

「俺に踊れと言うのか……」
 よろけるように身を離し、うつむいたフランク。
 その口から、ため息のように歌がもれた。

 ……心の半分は別れを告げたがっていて、
 もう半分は残りたがっている……。

 チャーリーとのもみあいで乱れた前髪の陰、奥底にしまってあった苦しみを吐き出し、疲れたきった顔に、一筋の涙が伝った。

 起き上がるチャーリーの目からも涙がこぼれた。

「……この軍服はどうだ?」
「すてきです」
 大統領の就任式で来た服だ。勿論末席だったが。そう思い出を語るフランクは、チャーリーの頼みを聞いて銃を置くと、何か飲ませてくれ、と言った。
「ジョン・ダニエル氏がいい」
 フランク独特の、ウィスキージャック・ダニエルの呼び方。
 奴とは古い付き合いだから、あだ名でいいんだ。
 旅のはじめに、そう言っていた。
 

… …これが、この作品もう一つの名場面です。

Youtube内「Movie Clip」に、この場面の動画がありましたので、リンクさせていただきます。アル・パチーノとクリス・オドネルの素晴らしい演技をご覧ください。

(出ていかないと撃つぞと脅してフランクがカウントダウンするところから、チャーリーがフランクを力づけて「足がもつれても踊り続ける」と言う場面まで)



 アル・パチーノは長年アカデミー主演男優賞を獲ることができずに、ときに賞狙いの演技とすら揶揄されたそうですが、この作品で獲れて本当に良かったのではないでしょうか(うがった言い方をしますが、賞って必ずしも本当に相応しいときに貰えるものでもないので、でも、これは「まさしく」という感じがします)。
 アクまで含めた彼の個性と実力が如何無く発揮されていて、しかもストーリーも台詞も素晴らしい。

 このとき、絶望を吐露し、それでもチャーリーに留められて死の淵から戻ってきた彼の遠い目、静かに頬をつたう涙。

 映画史上に残る最高の演技でしょう。

 そして、チャーリーの台詞。

「足がもつれても踊り続ける」

私が、この90年代近辺の映画が一番好きなのは、こういう想いが作品の中でしばしば語られているからです。

生きていく日々が苦しいことを十分に知った上で、それでもくじけないことを勧め、前を向く価値を教えてくれている。

ときに、こんないい場面を観てすら、それは本当だろうかと疑いたくなる時もありますが、しかし、こういう作品があるということそれ自体が、やはり、時に暗闇と思われる私たちの人生の光になります。

次回はこの動画内の英語の台詞についてご紹介させていただきます。よろしければ見にいらしてください。
 
 読んでくださってありがとうございました。

posted by Palum. at 20:40| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月02日

(台詞編1)映画「セントオブウーマン(Scent of a woman)」アル・パチーノのタンゴシーン

前回記事で映画「セントオブウーマン」の一場面についてご紹介させていただきました。(映画全体のご紹介記事はコチラ


セント・オブ・ウーマン/夢の香り(Blu−ray Disc)

今回はこの場面の台詞をご紹介させていただきます。

盲目の軍人フランク(アル・パチーノ)と名門高校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)のニューヨークへの旅と心の交流を描いた作品です。

ラウンジで出会った美しい女性ドナにチャーリーをとりもとうとして彼女に話しかけたフランクが、彼女とタンゴを踊る場面です。

 Youtube内の「Movie Clip」というサイトの動画をリンクさせていただきます。(映画の名場面を一部紹介しているサイトのようです。)



 以下台詞+私的直訳です(例によってあいまいな部分がありますがご容赦ください)。

(フランク)
Would you like to learn to tango, Donna?
タンゴを習ってみたいかね、ドナ?
Would you like to〜…… 〜してみたいですか?
(相手の意思を丁寧に尋ねる表現。)

(ドナ)
Right now?
今ここで?
Right now……今すぐに?

(フランク)
I’m offering my seivices……free of charge.
サービスを提供するよ。無料でね。

What do you say?
どうだね?

(ドナ)
Ah……I think I’d be a little afraid.
少し怖い気がするわ。

(フランク)
(Afraid)of what?
(怖いって)何が?

(ドナ)
Afraid of making a mistake.
間違えるのが。
make a mistake……間違いをおかす

(フランク)
No mistakes in the tango, not like life.
タンゴに間違いはない、人生とは違って。

It’s simple. That’s what makes the tango so great.
単純なんだ、それがタンゴの素晴らしいところだ。

If you make a mistake, get all tangled up, just tango on.
間違えて、足がもつれても、ただ踊り続ければいい。
Tangle up……もつれさせる

on……この場合は動作の継続を表す(例 go on=続ける)
Why don’t you try?
試してみては?

Will you try?
試してみるかい?

(ドナ)
All right. I’ll give it a try.
ええ、試してみるわ。
Give it try……あることを試みる

(フランク)
Hold me down,son.
見てろよ、チャーリー。
(……ここ、よくわからなかったので吹き替えを参照させていただきました。「Hold down」に「保持する」の意味があるそうですが……。「注目していろよ」というニュアンスでしょうか。)
Your arm.
腕を。
(ドナに手をとってもらうフランク)

Charlie,I’m gonna need some coordinates here, son.
チャーリー、ここの(ダンスフロアの)説明をしてもらいたい。
Coordinate……この場合、「調整」「全体をまとめること」、「案内をしてもらう」というような意味合い。


(チャーリー)
The floor’s about 20 by 30,And you’re at the long end.
フロアは約20×30フィート(の楕円形)で、あなたは長辺の端にいます。

By……この場合は「multiply(掛ける)」が略されていて「(数を)掛ける」の意味   
(例)Multiply 5 by 3, and the product is 15. 5に3を掛けると15になる。
 

There’s a tables on the outside. The band’s on the right.
外側にテーブルがあって、右側にバンドが。

(ドナと一緒に中央のダンスフロアに出ていくフランク)

以上です。チャーリー、さすが頭が良くて説明に無駄がありませんね。

一方、このときフランクが言った、「足がもつれても踊り続ける」が、この後ある場面にもう一度出てきます。とてもいいシーンなので、こちらもご紹介させていただきたいと思います。

 読んでくださってありがとうございました。
posted by Palum. at 11:41| おすすめ映画(英米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする